「なぁ頼むよ、母さんに言ってほしいんだ。『俺の部屋に入ってもいい』ようにって」 

…屈辱だ。 
なんでコイツに俺が頭を下げなきゃいけないんだ。 
「コイツ」というのはまさに今俺の目の前に居る人物。 
まぁ遺伝子的に言うと俺を形作った染色体を作り出したうんたらかんたら。 
ま、平たく言えば俺の父親だったりする。 

以前親がいるのに家でちぃと舞美先輩とエッチしちゃったのがばれてからというもの、部屋に女の子出禁にされている俺。 
親のいない間とか、外とか学校とか工夫して何とか乗り切ってきたとはいえ、寒くなってきてそれも厳しい今日この頃。 
母親は相変わらずなので、気は進まないながらこうして父親を味方に取り込もうとしているわけだ。 

「ほら、ちゃんと勉強もしてるし成績も最近上がってきてるしさ。勉強するにも自分の部屋のが都合がいいんだって」 
「そんなことより最近は舞美ちゃんどうしてる?最近ウチに来てないだろ」 
こいつ…! 
俺の直訴を「そんなこと」扱いかよ! 
普段の俺なら間違いなく親だろうと殴ってるところなんだが今日はグッとガマン。 

「舞美先輩受験生だし忙しいんだよ」 
「とかいって別れたんだろ?w お前が浮気ばっかりしてるからw」 
「違うし!邪魔しちゃいけないって思って俺は…」 
「まぁ人生には引き際も大事だぞ、いつまでも追いかけてたら女々しいぞw」 
「半ストーカーみたいなアンタに言われたくないし!」 
くっ…やっぱりコイツとサシで話すのは疲れる… 
できればホント親ながら関わり合いになりたくない。 

「まぁそうだな…人にモノを頼むときは誠意が必要だよな………」 
…!? この男、今、何て言った? 

1.俺の今の彼女を家に連れてこい、だと? 
2.舞美先輩とデートさせろ、だと? 
3.舞美先輩の下着を持ってこい、だと? 



1 
誰だろ? 


1でどうなるか 


確かに1で誰が来るのか気になる 



「お前の今の彼女今度うちに連れてきて会わせてほしいな、そしたら考えてやらんでもない」 
「はぁ!?何で俺がそんなこと…!」 
「いやぁ、可愛い息子の彼女がどんな子かおとーさん気になるから」 
何がおとーさんだこの野郎! 
朗らかに笑いながら話してるけど目は笑ってない。 
以前この男、うちに来た舞美先輩に色目使って口説こうとした過去がある。 
同じことを狙ってるに決まってる。 

「嫌だね、母さんには会ってもらってるし。俺将来自分が結婚するとき親父には眠り薬飲ませて呼ばないつもりだし」 
「おまっ!それが父親に対する態度か!」 
「絶対やましいこと考えるし。今回だって絶対何か企んでるだろ」 
「いいいいやぁまさか、そんな可愛い息子の彼女がどんな子か気になるだけだって…」 
怪しい、すげー怪しい… 
ホントにコイツなら相手が誰であれ口説きかねないからな… 
類友というけど、萩原といいお兄さんといい俺の周りの男はどうしてこう変なのばっかりなんだ… 

「嫌なら別にいいけどな。母さんには口きいてやらないし」 
「くっ…!」 
「自分に素直になったほうが楽だぜ? 俺に任しとけってw」 
ポン、と肩を叩くと話は終わりと言わんばかりに歩いて行ってしまった親父。 
まぁ話してないけど女の子上げれなくなった原因も、母さん説得してもらいたい理由(=下心)もバレバレなんだろう。 
俺の女ったらしは間違いなくコイツ譲りだからな。 
浮気性で母親に頭が上がらないところがあるが、味方にして損はない。 
悔しいけどここは従うしかないか… 

1.やっぱりちぃかな 
2.流石に息子の幼馴染の妹な舞ちゃんに手は出さないだろう 
3.でも舞美先輩かな 
4.他の子だと…誰がいいかな 



4でおぱいちゃん 


2で 
せっかく彼女宣言したし 


4でWおぱいちゃん 


2かなぁ 



さてしかし誰にするか…迷いどころだ。 
「彼女」として紹介するのはいいとして、アイツの色目や口説き文句に晒されるわけだからな… 
俺限定で男嫌いを克服した栞菜ちゃんなんかだとまたトラウマになりかねない。 
アイツに口説かれない子…いや、むしろアイツが口説けない子を連れてくればいいんだ! 
ピコーン、と頭に電球でも光ったみたいに閃いた。 


「久しぶりだねージミーちゃんち」 
「昔は萩原といっしょに来てたもんね。兄貴抜きで来るのってホント初等部の頃以来?」 
「でもいきなりどうしたんですか?ちさとと舞ちゃんに会ってほしい人って…」 
「うん、行ったら分かるよ。舞ちゃんは久しぶりかもしれないけどね」 
岡井ちゃんと舞ちゃんを連れて家に向かう。 
流石の親父も中学生、しかも童顔で下に見えるこの子らに色目なんて使わないだろうw 
それでも万一、ってことがあるから一人じゃなくて二人連れてきてみる。 
ダブルで口説くなんて絶対にあの親父でも不可能なはずwww 

「ただいまー」 
「「お邪魔しまーす」」 
「お?帰ってき…た……な…」 
「舞ちゃんは久しぶりだよね、これ、俺の親父」 
玄関までダッシュでやってきた親父が2人を見てフリーズ。 
俺の目論見は見事に成功したらしいw 
今日連れてくる、なんて言って連れてきたのが年下の中学生2人だからなw 
舞美先輩の前例から同い年くらいの大人っぽい子が来ると思ってたんだろうw 

「おい、おい!どういうことだ?『お前の彼女』を連れてくるって話だろ?」 
リビングに通して座ってもらったところで親父が耳元で囁いてくる。 

1.まだそこまでこの2人とは進んでないよ 
2.さぁ、どっちだと思う? 
3.(o・v・)<ジミーちゃんとお付き合いさせていただいてましゅ(ニヤリ 



2でw 
面白くなりそうだw 


ジミーがニヤニヤしながら2w 


2→3でw 



「さぁ?どっちだと思う?w」 
「ぐっ…」 
あぁ気持ちいい。この男に弱みを握る以外で優越感に浸れる機会なんてそうそうないからなw 
うろうろと目を彷徨わせ、考えて決めあぐねてるみたいだw 
「…こっちの子か?舞ちゃんはお前の友達の妹だし」 
「さぁ…アイツともそれなりに突っ込んだ話はするけどな」 
「……だってお前、こないだの舞美ちゃんと全然タイプ違うじゃないか!」 
「親父だって女の子の趣味毎回全然違うだろw」 
動揺してる親父を見るのが楽しくて仕方ないw 
何を突っ込まれても全部同じ質問をブーメランで返せるからなwww 

「あのぉ、何ですか?ちさとたち、どうかしました?」 
「あぁイヤイヤ、何でもないんだよ、何でもw」 
「バカだねぇちさとw ちゃんと挨拶しなきゃw おじさん、お久しぶりです」 
「あぁぁそうだごめんなさい!はじめまして、岡井千聖っていいます!ジミー先輩にいつも可愛がってもらってて…」 
ソファーの向かい側に岡井ちゃんと舞ちゃんを座らせ、こっちで俺と親父がヒソヒソ話してるのはさぞかし2人にも奇妙に写っただろうw 
そんな親父に2人からの追い討ちをかけるような先制攻撃w 

「なんかおじさんがちさとたちに会いたいって言ってたって聞いたんですけど」 
「あぁ、そんなこと言ったような言ってないような…ハハハ…」 
「もぉ、千聖ホント鈍感! マイはジミーちゃんとお付き合いさせてもらってるんです」 
「!!」 
「え、ま、舞ちゃん!?」 
「お、おい!?」 
さらなる追い討ちを…とニヤニヤと見てるつもりだったけど、舞ちゃんの早すぎるファイナルブローは部屋の空気を凍らせた。 

1.とりあえず用は済んだし2人とも部屋行こう 
2.リ ・一・リ<おじさん!う、ウソですからね!? 
3.(o・v・)<ジミーちゃんったらホントヘンタイで… 



3→2だな 
2→3でもいいけどw 


2→3かな 



「「………」」 
固まったまま、空いた口が塞がらない親父。と、俺。 
ちょっとちょっと舞ちゃん、いきなり何てことを言い出すんだよ。 
いや、舞ちゃんからしたら当然の反応。親父に挨拶、そして岡井ちゃんへの牽制。一石二鳥だ。 
「お、おじさん!?う、ウソですからね!舞ちゃんまだ中2だしそんな…!」 
「何よ千聖、いい子になろうとしちゃってw ジミーちゃんったらホントすごいんですよ!」 
「舞ちゃんが…彼女…」 
「もう毎日帰るときは手繋いで、別れるときには「離れるの寂しいよ〜」ってw」 
「ま、舞ちゃんもうその辺で…」 
うわわ、親父はショックのあまりフリーズしてる。 
親父のターゲットにならないための人選だったけど、効果ありすぎだw 

「こないだもいっしょにデートして、「ずーっとこのままいっしょに居れたらいいね」って言ってくれて…」 
「へ、へぇ…」 
「しかもジミーちゃんヘンタイだからデートの途中でもお尻とか胸とか触ろうとしてきたり…」 
「ちょちょちょっとストップ舞ちゃん、そんないっぺんに言っても親父ビックリしてるから」 
このままだとずっと喋り続けそうな舞ちゃんをとりあえず止める。 
ソファーの舞ちゃん側に回ると、腕にきゅっとしがみついてきた。 
「もぉジミーちゃん大好き!」 
「分かったからw」 
舞ちゃんが甘えてくる、普段ならメチャクチャ嬉しいこのシチュエーション。 
なんだけどちょっとどう転ぶか分からないこの状況は恐ろしすぎる。 
「もぉw舞ちゃん喋りすぎーw」 
なんて岡井ちゃんも笑ってるけど動揺してるのか唇が引きつってる。 

1.俺ら部屋行くわ、3人で話そう 
2.「じゃ、じゃあ君は何しに来たの?」って親父が岡井ちゃんに 
3.ま、舞ちゃん!?流石にそれ以上は言っちゃダメ! 



2で話をふったら千聖もジミーの性生活を暴露してカオスにw 


2ですな 



「ま、まぁ分かったよ、キミがいまコイツとお付き合いしてるんだね?」 
「はいっ!ね、ジミーちゃん♪」 
「あ、あぁ…」 
流石の親父も中学生相手じゃ本調子にはならないみたいだなw 
これに懲りたら二度と俺の彼女を奪おうなんて思わないはずだw 
「じゃ、じゃあキミは?コイツと舞ちゃんのお友達?」 
「え、ちさと、ちさとは…その……」 
いきなり話題を振られた岡井ちゃんが戸惑う。 
確かに、親父から見たら正規の彼女じゃないってことになった岡井ちゃんがどうしてここに?ってことになる。 
舞ちゃんの暴走というか独走で俺の彼女じゃない、ってことになっちゃったし、ちょっと悪いことしちゃったな。 
後でフォローしてあげないと…とか思ってると。 

「ち、ちさとは…ジミー先輩がすっごく優しくしてくれて、いつも勉強見てくれたり、デート連れてってもらったり…」 
「はぁ!?」 
「お、岡井ちゃん!?」 
「ちさとデートとか憧れてて、してみたいなって思ってたのジミー先輩が全部叶えてくれて、ジミー先輩優しくて、その…」 
堰を切ったように岡井ちゃんが話し始める。 
ってちょっとちょっと岡井ちゃん?いきなり何を言い出すの。 
舞ちゃんのことだけでも大打撃な親父はさらに目を丸くして零れ落ちそうだw 
「そ、それに、ちさとコドモっぽいからその、全然色んなこと分かんなくて、でもジミー先輩いろいろ教えてくれて…」 
「ちょっとストップ岡井ちゃん、ナンの話し!?」 
「マイのほうがジミーちゃんとの付き合い長いし!色んなこと経験してるし!」 
「ちさとだって!ジミー先輩いつもちさとの行きたいところ連れてってくれるもん!」 
「マイだって!」 
やばい、話題がおかしな方向に流れ出してる。 
既にデートの話かエッチの話か分からなくなってる。いや、分かるように言われても困るんだけど。 
仲良し2人組に見えた中学生の女の子2人を二股。 
親父待って、そんな目で見るなぁ! 

1.ストップ!もう話はやめ! 
2.「「ジミーちゃん(先輩)はどっちが好きなの!?」」 
3.親父がさらに話をややこしく… 



1で火消ししとくかw 


1で 


1で行こうとして2だな 



「ストップ!もうこの話はやめー!」 
「「えぇー!?」」 
「えーじゃないの!もう、2人とも喋りすぎだから!w」 
この辺で流石に止めとかないと本気でケンカになる可能性が出てくる。 
そんなわけでまだまだ言い足りなそうな2人だけど抑えて言い合いを止めさせた。 
「あー親父!俺ら上行くから!あとで飲み物頼むわ!」 
「お、おぉ…」 
「あと、俺ちゃんと約束守ったから、母さんには言っといてくれな」 
「お前な…まぁいいわ、俺疲れた…」 
この数十分の間になんかやつれた感のある親父がふらふらとキッチンに歩いていくのを見送って俺も自分の部屋へ。 
っていうか自分の部屋に女の子を招き入れるのっていつ以来だろう。 
ま、春の母さんの出禁令以来でないことだけは確かwww 
何だかんだこっそりは連れ込んでるからなぁ〜w 

「ジミーちゃんの部屋、久しぶりだね」 
「そっか、まぁ散らかってるけど適当に座ってw」 
「それより舞ちゃん、ジミー先輩とそんなデート行ってるの!?」 
「ふふん、ジミーちゃんはマイの前だとオコサマだからね〜w それより千聖、ジミーちゃんマイのなんだから触らないでよ!」 
「まぁまぁ、2人とも落ち着いて…」 
部屋でまったりする…つもりだったのに、親父がいないだけでさっきのトークバトルは収まらないw 
2人ともどっちが俺と深い仲かを競うというか負けたくないのか、ムキになってるし。 
「だって千聖がジミーちゃんにくっついてくるんだもん!」 
「舞ちゃんこそ!ジミー先輩にベタベタして…」 
「ジミーちゃんはマイのなんだから当然です〜w」 
「うぅ〜ジミーせんぱぁい〜…」 
ずっとこんな調子だ。 
どっちもステキな女の子だし、俺にとってかけがえのない彼女なんだけど。 
やっぱり仲良しの子をいっしょに、ってのは難しいのかな〜… 

「「ジミーちゃん(先輩)はどっちのことを好きなの!?」」 
「え、えーっと、それは……」 
2人の張り合いに付き合って俺はもうクタクタだよ…w 
そのうち決着をつけるとか言い出してるからなぁ。 
2人の戦いならまだいいんだけど、明らかに俺が巻き込まれそう、というか俺が襲われる展開になりそうでw 


そうそう、バタバタになったけど、何とか親父が母さんに話を通してくれたお陰で俺の部屋の女の子連れ込みは無事に解禁になった。 
親父の説得もそうだけど、成績が伸びてきたのがやっぱり決定打だったみたいだ。 
これからはあんなヘマしないように気をつけようw 

「まだ中学生相手なんだから避妊とかしっかりしろよ」 
「分かってるってw っていうか息子にそんなこと言うなw」 
まぁ今回の件は親父にちょっと感謝しないでもない。 
ほんのちょっとだけなw 

「舞ちゃんと千聖ちゃんと付き合ってるってことはいま舞美ちゃんはフリーなんだろ?紹介してくれないか」 
「何でそうなるんだよ。絶対やだ」 
「ま、お前が断っても自力でアタックしにいくけどな。あの子と俺は出会う運命なんだ」 
前言撤回。 
舞ちゃんと岡井ちゃんの件で相当応えたと思ってたら全く懲りないこの男。 
舞美先輩には絶対近寄らせるわけにはいかないな。 

ちぃや栞菜ちゃん、佐紀姉ちゃんも来れなくなったと分かってからずっと来たがってた俺の部屋。 
ようやく家に呼べるようになったし、おもてなしの用意しなきゃな。 
もちろん、岡井ちゃんと舞ちゃんもね。