2月もあと何日かを残したある日の午後、俺はいつも通りバイトに励んでいた。
相変わらずお客さんの受けがいい桃子先輩は、今日も満面の笑顔で会計をしている。
ただ、俺と目があうと一瞬だけ目が冷たくなるような気がする。
ここ何か月もほったらかしにしていた自分が悪いといえば悪いんだけどな。

「桃のやつさ、すっごい機嫌悪いよ。ジミーっちが何かしたんじゃないの?」
「まぁ心当たりはある。ちぃは桃子先輩があんなに笑顔なのに、機嫌悪いとかわかるの?」
「わかるよ。だって近くにいると、たまにこっちにまで冷たい視線があるんだもん」
「そっか・・・ごめん」
「ごめんって言うなら、何とかしてよね。ジミーっちがそもそも桃にまでその気にさせたのが悪い」
「ごめん」

ちぃにまでよもや被害が及んでいようとは思ってもみなかったな。
桃子先輩がそんなにも怒りを蓄積していたなんて、想像もしていなかった。
いっつもサービス精神豊富で優しいと思ってただけに、意外だ。

「ジミーっちさ、桃のこともいいけど、ちゃんとちぃのことも気にかけろよな」
「はい、それは気をつけます。今度デートしような」
「おう。約束したなら守ってよ。んじゃ、あとはよろしく」

去り際にちゃっかりちぃにキスをされ、機嫌が悪いという桃子先輩のもとへ向かった。
さて、どう声をかけよう。

1 あのぉ〜と恐る恐る声をかける
2 タイミングを窺っていると、店長から桃子先輩と一緒の仕事をおしつけられる
3 ここは機嫌が悪いのを知らないで元気よく



機嫌が悪いとなると、俺も妙に構えてしまうところがある。
そのせいで、すれ違ったりしても先輩に声がかけずらくてさっきからタイミングを逃しまくりだ。
参ったな、このままじゃ先輩帰っちゃうぞ。
俺が先輩に声をかけようとぐずぐずしていると、店長から肩を叩かれた。

「ジミー君さ、これから時間あいてるなら残ってもらいたいんだけどいいかな?」
「いいですよ。何かあるんですか?」
「棚の入れ替えしなくっちゃでさ。桃ちゃんも残ってやってくれるらしいんで、二人でお願いしたいんだ」
「え?」

自分ではとても声をかけられそうになかったんで、これはいいタイミングじゃないのか。
ラッキー、うまくいけば自然と声をかけられそうだぞ。
店長からの誘いを受け、二人きりで作業を開始したのはいいが、俺に指示するときの先輩が淡々としている。

「ジミーはそこのものを動かして。私はこっちやるから」
「はい。あ、あのぉ〜先輩。ちょっとお話いいですか?」
「何?仕事に関係ないことなら後にしてね」

先に釘さされちまったな、話したいことは仕事に思いっきり関係ないからな。
あんまりいい雰囲気とはいえないな。

1 釘をさされても構うもんか、ほっといてごめんねと話かける
2 桃子先輩からぐずぐずしてる俺に話しかけてくる
3 様子を見守るしかない



俺ってば、こんな時こそしっかりしなきゃなのに何もできないな。
結局、仕事中はちっとも話しかけられず、仕事をこなすだけで終わってしまった。
はぁ〜なりゆきまかせっていいとは思えないが、様子を見守るだけになった。

「先輩、お疲れ様です。えぇと、よかったら一緒に帰りませんか?」
「・・・やだ・・・」
「え・・・」
「冗談。いいよ、一緒に帰るか。まぁ〜ボディガード代わりにはなるか」
「はは、よかった。びっくりさせないで下さい」

やだって言われたときは本当にどうしようかと思ったけど、冗談でよかった。
俺たちは星が綺麗に光る夜道を並んで歩く。
会話は何というかぎこちない。

「先輩は最近元気でしたか?」
「元気だったよ、あんたがみてなかっただけで。まぁあんたの話はちょくちょく耳にしてましたけど」
「あんまりいい噂じゃないっぽいけど」
「そうだね。一番傷ついたのはミスコンの時ですけど」
「あはは、そんなのもありましたね」

あれは梅田先輩が勝手にやったことで、俺は巻き込まれただけとはいえないか。
うまく雰囲気を変えたいのに、うまくいかない中、桃子先輩に電話がかかってきた。

「ごめんね、ちょっと電話にでるね。あ、もしもぉ〜し、桃ちゃんで〜す。僕ちゃん、何何?」

急に甘い声で先輩が話し始めたけど、相手は誰なんだ?
こんな甘い声、俺にもしてくれたことないのに。

1 気になるな、話し声を盗み聞きしてみるか
2 気になるけど、ここは我慢して知らないふりをしよう
3 電話中だし気をきかせて温かい飲み物でも買ってこよう



人の話を盗み聞きなんて男のすることじゃないけど、我慢できなかった。
だって、先輩があんなに甘い声で話しかける相手が自分でないことが悔しかったから。

「あ、今ね、桃は後輩と一緒にバイト帰りなの。え?大丈夫だよ、相手は女の子だから。心配しないで」

俺を女の子扱いするってことは、電話の相手は新しい彼氏とか?
いやいや、それはないと思いたいけど、俺がほったらかしにした間に彼氏が出来たとも限らない。
もっと近づいて聞いてみようかな。

「もぉ〜桃は平気だって。遅くなったのは謝るけど、先にベッドで待ってて」

べ、ベッドぉ?
嘘だろ、相手とこれから一緒にってことか?
信じられない、桃子先輩が俺のいない間にそんなことになるなんて。

「はぁ〜い、じゃあおやすみ。ダーリン」

ダーリン・・・決定的だ、相手は男だ・・・

「ごめんごめん。心配させたくないから、ジミーのこと女の子って言っちゃった」

桃子先輩に謝られたことも嫌だったけど、相手がどんな奴か気になって仕方ない。
くそっ、聞いてみるかな。

1 やめておこう、傷が広がる
2 あれ、先輩が上機嫌でいろいろと話しだした
3 気になることを聞くべきだ



聞いてみたかったが、俺は聞けはしなかった。
桃子先輩の彼氏だとばかり思っていたことが恥ずかしいくらいだ。
情けなくもショックを受けていた俺に、桃子先輩が何やら話し始めた。

「もう桃だって17になるのに、心配しすぎなんだよね。自分の方こそまだ子供のくせに」
「そうなんですか」

精神的に男は女よりも子供ですからね。
そう思っても無理ないですよね。

「そういうところが私としては可愛いんだけどね。心配症なんだから」
「心配したくもなりますよ。桃子先輩すごい可愛いもん」
「やめてよぉ〜お世辞でしょ。そうは言っても喜んでしまうんだけどw」

可愛いか、先輩に可愛いといわせるあたり、そいつ母性本能くすぐるタイプか。
それともよっぽど可愛い顔してるかだな。

「今日もね、こんな時間まで起きていられないくせに桃が帰るまで我慢してたんだよ。もう最高でしょ」
「寝るの早いんですね。相手は子供なんですか?」
「そりゃね。だって小学生だもん。僕ちゃんは小学生なんだから、いつもならとっくに寝てるって」

小学生が彼氏とはもうね、俺は何もいえないね。
ショックから立ち直れそうにないよ。

「何をそんなにショックを受けてるんだか。相手はうちの弟だって」
「弟?マジっすか?」
「おいおい、何そんなに喜んでるの。まったく」

相手は弟と知ってあまりにも嬉しくて、俺は

1 先輩に思わず抱きつく
2 手をつないでとびまわる
3 なぜか泣きだす



嬉しくて思わず先輩に抱きついてしまった。

「ちょ、ちょっと〜あんたは何やってるの。こら、離れなさいよ」
「だ、だ、だって〜うれじがったんだもん〜」
「鼻水はつけないでよね。もう。馬鹿なんだから」

ぎゅっと抱きしめて離したくない。
そんな思いが伝わったのか、先輩の抵抗は案外小さかった。
よかった、彼氏じゃなくてさ。

「弟だってわかってよかったよ。俺、先輩に彼氏が出来たらどんなに悲しかったことか」
「はいはい。あのね、こっちはあんたに彼女がいても我慢してつきあってあげてるんだけど」
「それはごめんね。ちぃも大事だからさ」
「こういうとき、本当はあんたをぶっとばしてるとこよ。あんたにはそれだけの原因があるんだもん」
「ですよね。それはもう謝っても謝りきれません」

いったん、先輩と離れてみつめあう。
お店でる頃よりも全然いい雰囲気だけど、それでもまだ足りない気がする。

「ジミー君、今度私の誕生日なんだけどわかってますか?」
「はい。先輩の誕生日くらい知ってますよ」
「知ってるだけ?」

先輩は俺の上着の襟を正し、俺の耳許で囁いてくる。

「で、どんなことしてくれるのかな?」

1 前話してた我が家にご招待します
2 デートにいきましょうか
3 先輩がしてほしいことを言ってください



「そうだな〜迷っちゃいますね。実は全然考えてなかったです」
「でしょうね〜ジミー君は忘れてたんでしょうから」
「そ、それは・・・ごめんなさい。で、でも、先輩のしたいこと言ってくれたら叶えちゃいますよ」
「したいこと言ってくれたらね〜ジミーは私が何してほしいか知ってるでしょ?」

耳元で囁かれてゾクゾクしちゃう展開なんだけどな。
でも、今回は別の意味でゾクゾクしちゃったよ。

「えぇと、前に約束していた俺の家に招待するってことですか?」
「ピンポーン。行くのは初めてじゃない。前は4人だったし、彼氏の家に行った気がしなかったしね」
「そうでしたね、前はちょうど俺が勉強みてもらったんでした。おかげさまで合格しました」
「合格したのはいいけど、私たちって進展してないよね。そういうわけで、おじゃまします」

よかった、先輩がすげぇ笑顔になってくれた。
俺の家に来るのも一年ぶりだし、相当舞い上がってるみたいだな。
先輩の誕生日は火曜日だし、学校帰りに招待することになるのか。
学校の帰りだと両親いるし、エッチできるか心配だ。

「ん? あんた何か不安そうな顔してない?」
「いえ、全然。それよりも先輩は楽しみにしててくださいね。そういうわけで、今日はこれで」
「うん、まぁ久しぶりにちゃんと話したね。じゃあ、またね」
「はい。では、また」

桃子先輩を家に招待することになったはいいが、プレゼントもちゃんとあげたいな。
どんなものがいいかわからないが、喜んでもらえるといいな。


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