今日も今日とて仕事に追われている。 
もう年末なんだしゆっくりもしたいが、来年早々にコンサートもあるから休んでもいられない。 
だが、それもベリーズのメンバーたちの為と思ったら、苦痛でもない。 
今日は仕事もこれで終わりだし、家に帰ってゆっくりと風呂に浸かって寝るかな。 
と、俺が仕事に取り掛かろうとした瞬間、千奈美から電話がかかってきた。 

「何だ。突然さ」 
「う〜んとね、今日は仕事が早く終わるってきいたけど、その後の予定はある?」 
「いいや、とくにないぞ。どうした?」 
「今、舞美と一緒にいるんだけどどうかなって。来るでしょ?」 

千奈美と舞美とは意外な組み合わせだな。 
仲が良いとは聞いていたが、プライベートでもしょっちゅう遊ぶんだな。 

「行くよ。車で迎えに行くから待ってろよ」 

仕事をさっさと片付け、俺が待ち合わせ場所にいくと二人そろってにっこりと笑って待っていた。 
はて、俺の顔をみて今更喜ぶような二人でもないから、どうしたっていうんだろうな。 

「よ、よぉ。会うなり笑ってるけど、お前らどうしたんだ?」 
「ふふっ、どうする?いきなり言っちゃう?」 
「そうだね。言っちゃおうか。せ〜の。誕生日おめでとう〜」 
「え、えぇ〜俺ってば、誕生日だったんだっけ」 
「何ぼけてるのさ。あんたの誕生日をお母さんから聞き出したんだから、まず間違いないよ」 
「お、お前、うちの母親とコンタクト取ってるのかよ。ま、ま、まてよ、おい」 
「そんなに驚かなくてもいいじゃん。舞美だって気に入られてるしね」 

いつの間にうちの母親とこいつらは連絡しあってたんだ。 
考えてみれば、何度も上京してきては可愛い子たちねと気に入ってたからな。 
だからといって、知らない間に連絡とっていたとは予想外だ。 

「そんなに驚かなくてもいいじゃん」 
「驚かずにいられるか。うちの母親も連絡とってるならとってるで何故教えてくれないんだ」 
「知らないよ。それはお母さんに聞きなよ」 
「まぁいいや。とりあえず二人とも乗りなよ」 

で、どちらをエスコートして助手席に乗せようかな。 

1 千奈美 
2 舞美 



ここはレディーと呼べる相手をエスコートするべきだろうな。 
となると、 

「舞美、助手席へどうぞ」 
「はい、ありがとうございます」 

助手席のドアを開けて中へ案内すると、千奈美の方はむくれている。 

「ちょっと〜何で舞美を優先させるかな。千奈美さんを優先させなよ」 
「いいだろう。お前はいつも乗ってるし、舞美を乗せたかったんだ」 
「くぅ〜いいですよぉ〜だ。プレゼントやらないもんに〜」 

後部座席にいやいや乗ると、千奈美は本当に怒っているのか無言になった。 
こんなことくらいでむくれるなんてお前はまだ子供だな。 

「そこまで怒るなよ。後でいくらでも隣に乗せてやるって」 
「いつも一緒にいるからって舞美を乗せたスケベとは口もきいてやらないから」 
「ねぇ、なら私隣いいから代わる?」 
「それも結構。親友とはいえ、ライバルから同情されたくはないしさ」 

はぁ〜溜息しかでてこないよ、俺は。 
千奈美よ、お前ってそんなに独占欲強かったっけか。 
そういや学生時代にこれと似たようなシチュエーション味わったことあったな。 
あっちはもっと修羅場だったけどな。 

終業式も終わり、今日はバイトもないから家でゆっくりしよう、たぶんそんなことを考えていた。 
が、そんな下校途中の俺の頭を後からバックではたいた奴がいた。 

「いった。誰だよ、いきなり」 
「よっす。ジミーっち、そうカリカリしなさんな。軽くやっただけじゃん」 
「お前な〜軽くって言ったって、結構痛かったぞ」 
「はいはい。あのさ、今日はこれから暇でしょ。だったら、デートしようよ」 
「デート?まぁいいけどさ」 
「よっし、決定。それじゃいきますか」 

ちぃからいきなりデートに誘われたが、久々に二人でデートするんだと思いだした。 
ここのところ、他の女の子からデートに誘われることが多くて、ほったらかしにしていたんだった。 
これくらいしてやらないと怒るだろう。 

「で、どこに行こうか?」 
「そんなの男であるあなたがリードするべきだと思いますけどね」 

よし、どこへ行こうか。 

1 学生のたまり場といえばここ。駅前のファミレス 
2 やっちゃうよ?ラブホ 
3 青空の下でのんびりするのもありか。公園 



公園にでもいくか。 
今日は冬のわりに温かくて、青空の下でのんびりするのもありだろう。 
弁当でももっていけたら、もっといいんだろうけどな。 

「公園にでもいこうぜ。今日は温かいしさ」 
「うん、いこいこ。たまにはおひさまいっぱい浴びるのもいいかもね」 

バッグを枕かわりにして、俺は芝生の上に寝転がる。 
ちぃはハンカチをシート代わりにして、俺の隣で空を見上げている。 
二人の間にとくに会話らしい会話はないのだけど、それでも空気が悪いとは感じない。 
それどころか俺にはこうしている時間も大切に思えてくる。 

「ジミーっちさ、今日デートに誘った理由って何だかわかる?」 
「いいや。久々だったからじゃないの?」 
「違うって。今日はジミーっち誕生日らしいじゃん。だから」 
「あ、そっか。俺の16歳の誕生日か。よく知ってたね。一度も教えたことなかった気がするのに」 
「ジミーっちママが教えてくれたんだよ」 

うちの母さんとちぃが久々に顔をあわせていたのか。 
だけど、そんなことちっとも教えてくれなかったじゃんか。 
俺は、ちぃの顔をみながら話しようとがばっと起き上った。 
すると、目の前の光景に驚きを隠せなくなってしまった。 

「何さ、そんなに驚かなくてもいいんでないの?」 
「いや、それが・・・」 

1 ジョギング中の舞美先輩と顔をあわせてしまったから 
2 矢島兄と買い物帰りの舞美先輩と顔をあわせてしまったから 
3 手に何やら大事そうな荷物を持った舞美先輩と顔をあせてしまったから 



「どこみてるの?って・・・あ、舞美じゃん。やっほ〜」 
「ちょ、お、お前、呼ばなくたっていいだろう」 
「だって、うちらは友達なんだしいいじゃん。それに彼氏だって紹介してあげないと」 
「いや、そ、それはやめておこうよ。ね、千奈美ちゃん」 
「どうして?っていうか、舞美気づいてこっちくるみたい」 

何してくれてるんだよ、お前は。 
舞美先輩と目があった瞬間に、嫌な予感はしてはいたんだけど、今回は逃げられるかな。 
前回は運がよかっただけで、そうそうそんな展開は期待してはダメってことか。 
だとしても、最善を尽くすしかないな。 

「やっほ〜。千奈美が公園なんて珍しいね。しかも隣にはジミーもいるし」 
「え、そうかな。公園はジミーっちに誘われたから来たまでだけど。舞美こそ荷物もってどこいくの?」 
「あぁ〜これ?これは内緒。ね、ジミー?」 
「え、俺すか?」 

手にぶら提げた荷物を持ち上げ、にっこりとほほ笑む舞美先輩をみて、何のことだかわかった気がした。 
俺の誕生日プレゼントなんだ。 
しまった、舞美先輩がこの前うちにきた時に母さんと話してたのってこれのことだったのか。 

「えぇと、ひとついいかな?お二人さんってば知り合い?」 

1 知り合いですよね、先輩? 
2 実は内緒にしてたけど、結構前から知り合いだったんだ 
3 ま、待って・・・ 



俺が先輩との関係を説明しようとする前に、舞美先輩が先に答えてしまった。 

「うん、知りあいだよ。だって、千奈美に紹介しようとしてた彼氏ってジミーだもん」 
「え?」 
「あちゃーあ〜あ」 
「何何、どうかした?」 

ちぃが彼氏と言われた途端、完全に石化してしまった。 
俺もほとんど石化したも同然のショックは受けたが。 
舞美先輩は俺たち二人を交互に見比べ、どうしたの?という顔をしている。 

「ジミーっちさ、あなたはこの前の陸上大会のとき、私の友達と会わなかったのは何で?」 
「えぇと、それはまぁ何でだろうな。あははは」 
「会えるはずもないよね〜だって、二人の女の子に彼氏って紹介されたらまずいもんね」 
「千奈美、怒ってる?」 
「うん。隣の馬鹿男にさ」 

うわぁ〜ちぃがマジに怒ってるのって初めて見たかも。 
目に涙浮かべて、じっと何も言わずに見られてるのって怖いよ。 

1 舞美先輩、一旦席を外してもらってもいいですか? 
2 ちぃ、とりあえず話し合おう。な? 
3 お前が本命だよ、とにっこり 



「ゴホン。ち、ちぃ、とりあえず話し合おうよ。な?」 
「へぇ〜話し合おうね。今までに何度もこういうことは許してきたよね。でもさ、今回はさ〜」 
「はい。許せないな。今回の浮気を許せるレベルじゃないよ」 

俺とちぃの言いあいをただ見守るだけの舞美先輩には何のことかわからないみたいだ。 
今回ほど先輩が鈍くて助かったことはない。 
とはいえ、今の状況がいいものだとは決して思えない。 

「あ、あのぉ〜許してくれとはいわないけど、話しあうことだけはしようよ」 
「そうだね、それくらいしてあげてもいいよ。別れる話ならさ」 
「別れるのは嫌だよ。どうにか許して下さい。お願いします。この人も大事な人なんだ」 
「そうやってあんたは何人の人にそんなセリフを吐いてるのさ」 

雅ちゃんに茉麻、他にもどれだけの女の子と遊んできたかいざ知れない。 
それでも今までは謝れば許してもらえたのに、今回はそう簡単にはいきそうにない。 
だよな、親友と言い切る相手だもんな。 

「あのぉ〜私ってばお邪魔?」 

1 いて下さい。じゃないと俺だけでは厳しいです 
2 ケーキ持って家で待っててください 
3 ちょっとだけ席外してくれませんか? 
4 どうしてまた会話に混ざろうとするんです。あ〜ややっこしい 



「いて下さい。お願いします」と、俺は先輩の腕をしっかりと握っていた。 
「う、うん。ジミーがそう言うならここにいるけど」 

ちらっとちぃの方へ視線を送ったりしたり、舞美先輩も怒っている理由が気になっているのかもしれない。 
俺は誰かに側にいてほしくて舞美先輩に甘えてしまっただけなんだ。 
これが別の女の子でもそうしていた気がしている。 

「舞美にもちゃんと説明するってか?」 
「そうだな、いつまでも俺がいいように振り回してるんじゃいけないんだ」 
「何の話?さっきから二人の話についていけてないんだけど」 

1 舞美先輩、ちぃが紹介しようとしてた彼氏って俺なんです 
2 よく聞いて下さい。俺、実は浮気者なんです 
3 嘘ついていてごめんなさい、と理由も話さずひたすら土下座 



「ジミーっちから舞美に話してあげたら?」 

ちぃは自分からは何も言う気はないとばかりにそっぽ向いてしまった。 
ここは俺から舞美先輩に話しをするしかないようだ。 
それもそうだな、自分で蒔いた種だし、摘み取るのも自分なんだ。 
俺は舞美先輩の顔をよくみて、 

「よく聞いて下さい。俺、実は浮気者なんです」と今まで黙っていたことを話した。 
「え?何のことかさっぱりわからないんですけどぉ」 

どれほどの勇気を振り絞ったかわからない。 
舞美先輩には知られたくなかった俺の浮気性もついに知られることになったか。 
あぁ〜終わりだ。 
毎週通ってくれるこの先輩との新婚生活も終わりを告げるか。 
さようなら、甘い生活。 

「・・・とまぁ、ちぃと舞美先輩のどっちも俺は大好きなんです。だから、一人には絞れないってことなんです」 

あれから詳しく話してほしいという舞美先輩の為に、俺はこれまでのことを白状した。 
隣のちぃも聞いていないふりをしつつ、ちゃっかり聞いていた。 

「ふぅ〜ん。そっか、ジミーってそんな悪い奴だったんだ。知らなかったな」 
「舞美もこんな奴よく好きになったね。いいとこなんてないのにさ」 
「そんなことないよ。ジミーはとっても優しいし、かっこいいしね。千奈美だって好きなんでしょ?」 
「そ、それは・・・」 

愛想つかされた今となっては、何を言われても後悔しないさ。 

1 普通くらい、と俯いてしまう 
2 誰よりも大好きに決まってるじゃん 
3 ジミーっち次第でわかりませんけどね、と舌をみせてくる 



「ジミーっち次第でわかりませんけどね」と、あっかんべ〜と強情に言い張る。 
すかさず舞美先輩が「でもさ、それって好きってことじゃないの?」とつっこみを入れる。 
こういうとき、舞美先輩って変に気を使わないで言いたいことずばっと言うよな。 

「う・・・ふ、普通くらいだよ」と、認めたのだかわからないけど、俯いてしまった。 
あらら、まだ可愛いところあるじゃん。 
そういうとこ、ジミーちゃん嫌いじゃないよ。 

「なぁ〜んだ、好きなんじゃん。よかったね、嫌われてないみたいだよ」 
「そ、そうですね、喜んでいいのか悪いのか」 
「喜べばいいじゃん。千奈美よく言ってたよ。だらしない男で自分がいないとダメなんだけど、好きだって」 
「ちょ、ちょっと〜そんなこと言うな。誰も許可してないぞ」 
「本当のことでしょ。あいつがいないと自分もダメなんだって」 

ちぃがそんなこと言ってたとは知らなかったけど、舞美先輩すげぇバラしちゃってるな。 
こっちまで顔が赤くなってきそうなことをスラスラ言っちゃってさ。 
ちぃなんて耐えられなくなってまたうつむいちゃったじゃん。 

「でさ、千奈美にもジミーにも聞いてほしいんだけど」 
「何ですか?」 
「ジミーは浮気だ浮気だって言うけど、私も千奈美も好きなんだよね?」 

1 本気です、当たり前です 
2 どっちかに決めないといけませんか? 
3 舞美先輩に本気です 
4 ちぃに本気です 



「本気も本気。あたり前ですよ」 
「そう。ならよかった。千奈美、ジミーのは浮気とはちょっと違うよ。だって、私たち二人に本気だもん」 
「え?」と、二人そろって言葉を同時に失ってしまった。 
これはまた新解釈。 

「ジミーは確かにしょうがないと思うよ。でも、気持ちが浮ついてないんだし、仕方ないよ」 
「それってどういうこと?」 
「つまり、お互いにジミーの一番目指して頑張ろうってこと。そうと決まったら、私はケーキを家まで持っていっておくね」 

ケーキがぐちゃぐちゃになるのも構わず、舞美先輩は手を振って走り去っていった。 
あれよあれよと言う間に、遠ざかる背中。 
小さくなる背中を見送る俺たちは呆然としたまま動けずにいた。 

「だってさ、どうするよ?」 
「やれやれ。相変わらず頭のネジがどっか吹っ飛んじゃってるな。ふぅ〜仲直りしようか」 
「だな」 

舞美先輩のおかげ?で俺たちは無事に仲直りし、この後もデートを続けた。 
この後のデートはまた後ほどゆっくりと話すことにしよう。 

「そんなことあったのか。マネージャーも罪におけないね」 
「それをいうならすみにおけないだ。全くそれくらい高校生になったんだから、知っていろよ」 
「ぶぅ〜そんなこと言う奴にはこうだ」 
「ぐぇ〜お前な、俺を殺す気か?」 

千奈美が突如後ろから首を絞めてきた。 
ま、単なるじゃれあい程度の力だったからよかったものの、本当に一歩間違えば事故になるところだったぜ。 
しかし、この二人やっぱり似てるよな、あの二人にさ。 
そう思ったら、何だかドライブにまた行きたくなってきたぜ。 

「よぉ〜し、ドライブすっか。目的地はあの先の光るお城でw」 


从*´∇`)<独占♪ 从#・ゥ・从<阻止!! (*マネ)<痛いよ二人とも 从*´∇`)<のにゅをのにゅのにゅしちゃうもんにぃ♪ (*マネ)<はぁんお上手ね 从#・ゥ・从<何よその顔!私だって!! (;マネ)<うぉぉ舞美・・・おまえ痛いだろ 从#・ゥ・从<ガーッてしちゃうもん!!! (;マネ)<ひぃぃん・・・ 从;´∇`)<煙あがってるよ 从;・ゥ・从<あら?とれちゃったみたい (;マネ)<あ〜〜〜〜〜!! 从;・ゥ・从<どうしよう (;マネ)<うわ〜〜〜! 从・ゥ・从<・・・・・・ ぽちっ 从*・ゥ・从<わぁ〜ついたよほらほら 从*´∇`)<舞美すごーい。男の子みたい (;マネ)<それはそうやって遊ぶものじゃないぞ!かえせ! 从*・ゥ・从<ほらほらヘリコプターみたい 从*´∇`)<すごーい時計回りだもんにぃ♪ (;マネ)<・・・・・・ (マネ)<器用な奴だな