「ちぃ、梅田先輩、茉麻、雅ちゃん、姉ちゃん、舞美先輩、桃子先輩…」 

何をするでもなくぼんやりと部屋でダラダラ女の子のことを考える。 
文化祭で公衆の面前で梅田先輩が熱烈アピールなんてしてくれたから 
他の子まで俺へのアピールが最近強まってる気がする。 
できる限り予定を合わせるようにはしてるけど俺の身体は一つ、みんなに上手くやれるわけはない。 
俺はどうしたら… 

「ああもう面倒くさい、やめやめ!」 

悩んでてもどうにもならない話しだしどんどん悪いほうへ悪いほうへと沈んでいく。 
こういうときは気分転換が必要だ。 
窓の外はキレイな星空。 
外の空気でも吸って寝る前に頭をスッキリさせようか。 
そう思い、ちょっと散歩に出かけることにした。 

1.あのメガネを掛けて 
2.いつものコンタクトで 
3.あえて裸眼で 



一瞬メガネに替えていこうかとも思ったけど普段は寝る前に外すコンタクト、面倒だ。 
いつも通りにいこう、ってことでコンタクトをつけたまま出かけることにした。 

「星がキレイだな…」 
冬の一歩手前の空は空気が澄んでていつもより星が多く見える気がする。 
これだけたくさんの星の中で俺やみんなが出会えるのって考えたらすごいことだよな。 
そんなことを考えながらボーっとして歩いていたので、前から誰かが近づいてきてるなんて気付かなかった。 
どうやら走っていたらしいその人がスッ、とその人が真横を通ってすれ違う。 
一瞬遅れて風が通り過ぎる。 
え、と振り返るのとその人が叫んだのは同時だった。 

「ジミーじゃん!」 

振り返ってみるとそこにいたのは舞美先輩だった。 
ランニング中なのかTシャツにジャージという姿でその場で駆け足をしたままこっちを見ている。 

「あ、舞美先輩、こんばんは」 
「えーなんか久しぶりじゃない!? 先週文化祭だったからジミーんちゴハン作りに行ってないし!」 
そういえばそうかもしれない。 
文化祭では早貴ちゃんと姉ちゃんのダンス対決を見たけど、舞美先輩とは結局話すことがほとんどできなかったし。 

「えー何してんのこんなトコで!?」 

1.普通に散歩してただけですよ 
2.星がキレイだな、と思って 
3.舞美先輩のこと考えてたんですよ 



「星がキレイだな、って思って」 
「あーホントだねー。ずーっと前しか見てなかったから気付かなかったw」 

舞美先輩らしいというか何というかw 
ずっとその場で駆け足をしてたけどようやく止まった先輩が空を見上げる。 
空には今にも降ってきそうなほどのたくさんの星。 
しばらく2人とも無言で見上げていた。 

「ところで舞美先輩こそ何してるんですかこんな時間に?」 
「えー、見てわかんない? 走ってるの、夜のランニングをね」 

舞美先輩は日課でこの時間はランニングをしてるらしい。 
陸上部で毎日朝練で走って放課後の部活で走って夜に走って…改めてどれだけ走ってるんだろうこの先輩は。 

「ジミーもやってみる? 寝る前に走ってさ、シャワー浴びて寝るとすっごいよく眠れるんだよ!」 
「いやー、俺は運動オンチですからw」 
「そんなの関係ないって!走ったらすっごいスッキリするから!」 

舞美先輩が行こう行こうと手を引っ張ってくる。 
いやでも普通に先輩の足にはついていけませんからw 

1.そ、それより良かったらどっかでいっしょに星見ませんか!? 
2.ペース落としてくださいね 
3.舞美先輩の家に行きたいな、なんてw 



「それより舞美先輩の家に行きたいな、なんてw」 
「な、何言ってんのジミー! やだー!」 
一緒に走らされるのがイヤで出た苦し紛れな言い訳だったけど舞美先輩は俺の手を離して一気にテンパった。 

「えー、い、今はダメだよw 散らかってるし、ちょっとこないだ模様替えしたけど部屋狭くなっちゃって」 
「模様替えしたんですか!? ちょっと見てみたいです! 舞美先輩の部屋!」 
「えー!? ホント散らかってるんだって! ダメだよー!」 

動揺して言い訳がましくなってるけどなんか本心からイヤがってるようには見えない。 
案外このまま押したら行けちゃうかな? 

「俺そんなの気にしませんよ。そういえば舞美先輩の家って行ったことなかったじゃないですか」 
「え〜そうだけど…」 
「見てみたいなぁ〜、舞美先輩の家」 
「う〜…」 
かなり揺れ動いてるみたいだ。なんか走るの止めたのに汗かき始めてるしw 

「分かった! ウチおいでジミー。その代わりもう夜だからちょっとだけだからね!」 
「はい!」 
「そうと決まったらすぐ行くよ! ほらジミーも走る!」 
「え!? うわぁぁぁ!!」 

舞美先輩に引っ張られ、半ば引きずられるような感じで俺は舞美先輩の家に引っ張られていった。 


「はー、はー、はぁ…舞美先輩、早すぎ…」 
「えー、これくらい普通だって! ジミーが遅いんだよ! ただいまー!!」 
ほとんど息も切れてない舞美先輩と対照的にもうグッタリな俺。 
それでも舞美先輩の家にたどり着いた。 

「私の部屋行くから。先に言っとくけどホント散らかってるからね」 
「そんな気にしませんってば」 
居間のほうからはテレビの音が聞こえてくる。 
そんな廊下の途中にある階段を登り、舞美先輩の部屋にたどり着いた。 

「えー、全然散らかってないじゃないですか!」 
「そんなことあるの! もう恥ずかしいからあんまり見ないで!」 
舞美先輩の部屋は壁中タンスやら棚が多いけど床は全然キレイに整理されていた。 
部屋の真ん中にあるソファーがちょっと大きくて通りづらかったけども。 

「ちょっと私シャワー浴びてくるね。ランニングしてきたから汗いっぱい」 

よく見ると舞美先輩のTシャツは汗を吸ってうっすら肌が透けている。 
色素の薄い肌が美味しそう… 

1.そんなの後でいいじゃないですか、と抱き締める 
2.主がいない間にタンスチェック 
3.主と入れ替わりにお兄さんが 
4.俺もシャワー浴びたいですw 



「はーい、じゃあ待ってますね」 
「うん、すぐ戻ってくるから」 
そう言い残して舞美先輩は部屋から出て行った。 
舞美先輩のシャワーハァハァ、覗きたいけどバレたらまたきっとタダじゃ済まない。 
ましてや舞美先輩の家族も居るわけだしな。 

 "カチャ" 

ソファーに腰掛けて舞美先輩の部屋をキョロキョロ眺めていると不意にドアの開く音が聞こえた。 
舞美先輩にしては早いな、と思っていると。 

「おいジミー、こんな時間に舞美の部屋に転がり込むとは中々やるな」 
「お兄さん!? 何やってるんですかいきなり入ってきて!?」 
入ってきたのはシスコンことお兄さんだった。 

「俺ですら最近は舞美が部屋にいるときには舞美の部屋に入れないというのに!」 
「っていうか舞美先輩がいないときには入ってるんですか?」 
「いや、それは…それよりジミー、お前なんて勿体無いことしちゃってるんだよ!」 
いま、入ってることは否定しなかったよなお兄さん。まあいいや。 

「舞美はな、ランニングしてるときは普通のブラじゃないんだ、スポーツブラなんだよ!」 
な…なんですと!? 

1.それはぜひ(現物を)確認してみないと! 
2.それはぜひ(タンスを)確認してみないと! 
3.だ、だから何だっていうんですか、俺には関係ありませんよ 



「だ、だから何だっていうんですか、俺には関係ありませんよ」 
「何を言うんだお前! 舞美の下着に興味はないのか!」 
きょきょきょ興味あります!めっちゃあります! 
ですけどバレたら命はないです。 

「見損なったぞ弟よ!貴様とは同じ道を歩めると思っていたのに!」 
「同じ道って何のですか」 
「同じ舞美を好きな者として協力してくれると思ってたのに!」 
大袈裟に芝居がかった崩れ落ちかたをするお兄さん。 
そんなことされても俺の心は動きませんから。 

「不愉快だ、お前の顔など見たくもない!」 
バタン!と大きな音を立ててドアを閉めて部屋を出て行った。 
と思ったら少しだけ空けて覗き込んできた。 

「それはそうと舞美の服早く持ってこいよ。文化祭の約束の件」 

それだけ小声で言うと、今度こそドアを閉めてお兄さんはどこかへ行ってしまった。 
舞美先輩、無理だとは思いますけど兄弟は選んだほうがいいと思いますよ。 

騒がしかったお兄さんがいなくなって急に部屋が静かになった。 
なんか手持ち無沙汰だな。 

1.我慢我慢、大人しく待とう 
2.やっぱり興味あるしタンス見てみようかな 
3.そういや家に連絡してなかった 



それにしてもさっきのお兄さんの発言は衝撃的だったな。 
まさか舞美先輩がスポーツブラを愛用してるなんて。 
お兄さんの手前紳士ぶってみたけどやっぱ興味惹かれるものは惹かれるんだ。 

「多分…アレ、だよな。下着ってことは恐らくあの辺に…」 
見当をつけて開けたタンスは見事にビンゴ。 
舞美先輩の下着がしまわれた引き出しを開けた。 
こういう嗅覚は我ながら警察犬並だなw 

「ふむふむ、やはり淡い色の下着の好みは変わってないみたいだな」 
タンスの中の下着は相変わらず薄いピンクやブルーといった下着が並んでいる。 
お、こっちにあるのはスポーツブラじゃないですか! 
お兄さん情報は凄まじいな…ランニングのときはこれを身につけてるわけか。 
予想通りというか、あんまり派手な柄のパンツは入ってないな。舞美先輩らしいけど。 
うはははは、しかしこれはすごい、宝の山じゃないか! 
とりあえずここは1枚いただいておきましょうかね… 

「ちょっ、ジミー何してんの!?」 

「へっ? ままま舞美先輩!」 

すっかりタンス捜索に夢中になっていてどれくらい時間が経ったのか。 
いつの間にか部屋に舞美先輩が戻ってきて慌てて俺の手を止めた。 

「何下着ドロボーみたいなことしてんのよ!?」 

ってかこれはやばい、一歩間違えると柿の種どころか窓から叩き落される。 

1.ごめんなさい柿の種だけは勘弁してください 
2.お兄さんに責任転嫁 
3.ちなみに今はどんなのつけてるんですか? 



「ごめんなさいどうか柿の種だけは勘弁してください」 
咄嗟に土下座をした。 
これまで何度も柿の種の刑は喰らってきたけどあれだけは二度と食らいたくない。 
舞美先輩は何気に怒りの沸点が低いからこんなことで許されるとは思えなかったけども。 

「あんたホント最悪! ちょっと顔上げなさい!」 
「……ッつ!」 
顔を上げた拍子に平手打ちされた。 
効いたぁ…流石に舞美先輩の平手打ちは半端なく痛い。 
でもあれ? もしかしてこれだけで許してもらえる? 
普段だったらグーパンチの1発や4発だったり柿の種ガーッの刑だったりするのに。 


「…ごめんなさい」 
「ホントあんたって奴はスケベでどうしようもないんだから。どうしてこんな奴好きになっちゃったんだろ…」 
許してもらえるかと思ったけどどうやら甘かったらしい。 
ソファーに向かい合わせに座ったけど顔を合わせてもらえない。これはまだ怒ってるな。 

「ジミーもお兄ちゃんみたいに優しい人だったらよかったのに…」 

な  ん  で  す  と  !  ? 
優しい!? あのお兄さんが!? 

1.あのお兄さんこそ変態の権化じゃないですか 
2.男なんて誰でもこんなもんですよ 
3.もっとまともになるよう努力するんで許してください 



「あのお兄さんこそ変態の権化じゃないですか」 
「はぁ!? 何言い出すのいきなり!」 
舞美先輩はどうやらお兄さんの本性を知らないらしい。 
フェミニストで誰にも分け隔てなく優しくてカッコいい。それが舞美先輩から見たお兄さんの姿らしい。 

「確かに彼女何人かいるかも、みたいな噂聞いたことあるけどそんなわけないじゃない!」 
「それにお兄さん舞美先輩のことも好きみたいですから。けっこうエッチな目で見てたりするかも」 
かなりオブラートに包んだけどお兄さんの悪行を舞美先輩にバラしてしまった。 
「ウソよそんなの!お兄ちゃんがそんなことするわけないもん!」 
「ウソじゃないですよ。だってさっきタンス見てたのも実はお兄さんが…」 
「いい加減にして!」 

パシン!とさっきよりも強烈な痛みがほっぺたに響いた。 
いって…目の前に星が見えたぞ。 

「ジミー最低! 開き直るだけじゃなくてお兄ちゃんのことまでそんな風に言うなんて!」 
「………」 
「お兄ちゃんそんなことしないもん! 私には過保護なくらいくっついてくることもあるけどそんなことしないもん!」 
怒鳴った舞美先輩は少し息を切らしながらも、涙目で俺を睨みつけていた。 
こうなった舞美先輩にはもうどんなことを言っても通じそうにない。 

1.本人に確かめてみたらいいじゃないですか 
2.信じてくれないならいいです、俺帰ります 
3.…やっぱり今の、ウソです… 



もう俺のほうも引っ込みがつかなくなっていた。 
これ以上何か言っても好材料が見つかるとも思えなかった。 

「信じてくれないならいいです、俺帰ります」 
「あーどーぞ! サヨウナラ」 
自分でもびっくりするぐらい冷たい声が出た。 
舞美先輩も一度も俺のほうを見てくれなかったし、見送りにも出てくれなかった。 

こりゃ完璧、嫌われたな。 
何であんなことしちゃったんだろう。あんなこと言っちゃったんだろう。 
大きくため息をついて家に向かって歩き始める。 
ポケットに手を突っ込むと、何かが入っている。 
取り出してみると、さっきつい取ってしまった舞美先輩のパンツだった。 
これは…返せないな。 
自分のバカさ加減にちょっと笑えてきてしまった。 
まあいいや、帰ってから考えよう。 

と、帰り道をのんびり歩いていると。 

1.舞美先輩がいきなり追いかけてきた 
2.舞美先輩から電話がかかってきた 
3.ほっぺたにもみじを作ったお兄さんが追いかけてきた 



「ジミー!!」 

いきなり後ろから声を掛けられたかと思うと、後ろから舞美先輩が追いかけてきた。 
まだ言い足りないのか、それともまだ殴られるか、と一瞬身構える。 
けどその心配は無駄に終わった。 

「ごめん!!」 
「えっ?」 
いきなり舞美先輩が深々と頭を下げた。 
予想しなかった展開に俺がリアクションを取れないでいると。 

「あのあとね、お兄ちゃんに聞いたの。ジミーの言ったこと、ウソだよね?って」 
「え、えっとあれは…」 
「そしたらお兄ちゃん、私の部屋勝手に入ったことあるっていうし、私のことちょっとエッチな目で見たことあるっていったの」 
「はぁ…」 

話によくついていけてない。 
とりあえず俺の容疑というか、お兄さんに関してのことは容疑は晴れたってこと? 
お兄さんの認めた罪はどうもかなり少なそうな気はするけどw 

「ごめん、ジミーのこと信じなくて。ホントごめん」 
「あ、いや」 
「2回も思いっきり殴っちゃったし。 痛かったよね? ごめん」 
片手でギュッと俺の手を握り、反対の手で俺のほっぺたを撫でてくる。 
というか1回目のは俺がタンス見てたからのはずなんだけどそれもう忘れちゃってる?w 

「ごめん…ジミー、怒ってる、よね?」 
舞美先輩が上目遣いで見てくる。 


1.怒ってないですよ 
2.…別に 
3.俺のほうこそごめんなさい、下着を盗みました 



自白するなら今のタイミングしかない。 
タイミングを逃すとまた酷いことになりかねないし。 

「怒ってないですよ。それと、俺のほうこそごめんなさい」 
「ジミーが謝ることじゃないよ。悪いのは私だし」 
「いや、そのこともなんですけど、実はその、これ…」 
「あっ!!!」 

恐る恐るポケットから取り出した舞美先輩のパンツを舞美先輩は慌てて取り上げてポケットに押し込んだ。 
その顔がみるみる赤くなっていく。 

「もしかして、さっき私が部屋に戻ってくる前に?」 
「その、出来心で…」 
「ハァ……今日だけは許してあげる。その代わり今日だけだからね!」 
パンツを仕舞ったポケットをしっかり手で隠しながら早口で捲くし立てられた。 

「あの…さ、あの…さっきのこと、おわびの埋め合わせしたいんだけど…」 
「え、いいですよ。俺も舞美先輩に謝らなきゃなことしたし」 
「いーのっ! 殴っちゃったしパ、パンツのこと、差し引いてもまだ私のが悪い気がするし」 
舞美先輩は生真面目というか律儀で頭が固いところがある。 
自分が譲らないところは絶対譲らないというか。 
何かって言われてもなぁ…。 

1.「1日中エッチ」とかエロいこと言いますよw 
2.今度デートしましょう 
3.いまキスしてもいいですか? 



「何でもいいの、ジミーがやれって言うことなら何でもするから」 
「んー、何でも、なんて言われたら俺、『1日中エッチして』とか言いますよ」 
「えっ!? ……分かった、ジミーはそれでいいの?」 
冗談のつもりで言ったのに舞美先輩は本気で取ったみたいだ。 
一瞬躊躇はしたけど、その目は間違いなくマジだ。 

「い、いやいや冗談ですよ! えっとえっとその、そうだ、今度デートしましょう!」 
「デート? 1日中え、エッチじゃなくていいの?」 
「えー、あー、ぅー、じゃあデートして1日中エッチしましょう」 
「わ、分かった、じゃあデートして1日中エッチ、ね。うん」 
何を馬鹿な会話をしてるんだろう。 
気付いたら2人とも真っ赤になっていた。 

「………」 
「…………」 

不意に会話が途切れる。 
何か言わなきゃ、と思うんだけど何も出てこない。 
舞美先輩も同じなようで何か言おうと口を開きかけては閉じしている。 
そんな唇を見ていたら、不意にキスがしたくなった。 

「あっあの今、き、キスしていいですか!?」 
「えっぁっ、うん」 
舞美先輩が慌てて目を閉じる。 
キスなんて何度もしてるはずなのに、妙に初々しく、ぎこちなく不器用に唇を重ねた。 
そっと離れて目があって、二人してクスクス笑い合った。 
これでケンカは仲直りだ。 

「ックション!」 
「大丈夫ですか? 帰りましょ、もっかい送りますよ」 
「ごめん、ありがと」 
パジャマ姿のまま上に何も羽織らず俺を追いかけてきていた舞美先輩。 
シャワー上がりなこともあってすっかりその手は冷たくなっていた。 
急いでもう1度舞美先輩の家に引き返す。 

「もう1回シャワー浴びてくださいね、風邪引いちゃいますよ」 
「ありがと、ごめん」 
「もう言いっこナシですよ、舞美先輩。寒いですから入ってください」 
「うん、おやすみジミー」 
「お休みなさい、舞美先輩」 

舞美先輩が家に入ったのを見届けてから俺も家に戻る。 
俺も寒かったから家路を急ぐ。 

とりあえず、仲直りできてよかった…。 
ほーっと息をつく。 
しかし舞美先輩とデートして1日中エッチか。 
…カラダ、持つかな? 

「ックシュン!」 

どうでもいいことを心配している俺も大きなくしゃみを一つ。 
帰って風呂に入ろう、と家路を急いだ。