ここは花の都、大江戸。俺は地味之助ってぇケチな遊び人さ。 
お江戸は毎日がお祭り騒ぎみてぇなもんよ。さて今日はどんな出来事が起こるやら…。 

「地味之助さん!いつになったら準備できるの?待ちくたびれたよぉ〜」 

おぉっとこいつぁいけねぇ。今日は隣の長屋のお早貴ちゃんと一緒に買い物やら縁日に行くんだった。わりぃわりぃすぐ行くよ! 

「もう〜いつもこうなんだから…」 

そうそう怒るなって、機嫌直しとくれよ。 
そんなこんなで町へ出ると、いつも人だらけの江戸の町がいつも以上にごった返してやがる。歓声まで聞こえるが一体なんだ?どうやら呉服屋の前からみてぇだが…。 

人混みをかき分けて前に出てみると、そこには派手な着物を来た二人の女が妹分みてぇなのを何人も引き連れて買い物をしていた。 
あれは一体…? 

「あっ、あれが噂の舞美太夫とお梅太夫だよ地味之助さん!」 

な、なんだってぇ〜!? 
舞美太夫にお梅太夫といえば、この広いお江戸で随一と言われる花魁たちの中でも最高の女と言われてる超絶有名人じゃねーか! 

何やら異国仕様の大きい黄色い羽飾りを沢山つけて、色っぽくて優雅な方がお梅太夫だな。 
もう一方で「女が惚れる女」と言われてる、凛とした顔つきで長キセルをふかしてるのが舞美太夫だな。その割には南蛮渡来のふりるとやらの沢山ついた桃色の変な着物着てるけど…。 
二人とも帯は後ろ前に絞めて、特注の高歯下駄をカラコロ言わせて歩いてる。まさに小股の切れ上がったいい女…粋だねぇ…。 

するとお早貴ちゃんが 
「何そんなに見てるんですかっ?! 

一番、地味之助さんてああいう女が好みなんですか 

二番、早く縁日行きますよ 

三番、何さあんな女 



あら、お早貴ちゃんがえらく白けた顔して… 

「あんな女がいいんですかぁ?遊女じゃないですか」 

いやお早貴ちゃん、こういうのは男の浪漫てやつでさ、誰でも一度はああいういい女を抱いてみてぇってのがさ…。 
それに太夫ってのは遊女の中でも頂上の花魁と呼ばれる女の中でも、さらに選ばれたえりぃとにしか与えられない位なんだぜ?そりゃもうあっちの方も極楽な… 

「女の子の前で最低!そんなこと知ってるし!それにあの太夫となんて地味之助さんが一生働いたって無理だよ〜だ!もう知らないっ!」 

そりゃ確かに最高級の女だしお殿様ですら断られるっていうから一体いくら… 
ってあっ!お早貴ちゃん…いっちまった。しまったなァ…こりゃ後で詫びに菓子のひとつでも差し入れねぇと。いけねぇなぁ俺は。 

さてどうするか。 

一番、縁日に行く 

二番、寺に行って悔い改めるか 

三番、夜まで遊ぶ 



俺は煩悩の塊でいけねぇ。寺で神さんに悔い改めてくるか。 

そう考えて寺へ向かった。お江戸の町中から少し離れたここは喧騒もなく日暮が鳴いていてうら寂しい。 
ちんたら歩いて、寺でお参りした後も坊さんにがっついて葬式饅頭を奪ったりしてたらあっという間に夕暮れになっちまった。 

あれ、帰りに裏山の方を通ろうとしたら何やら争うような声が聞こえるぞ…。 
気になってちょっと覗いてみると、なんと面をつけた侍が複数の浪人どもに囲まれていやがる! 

しかもあの面をつけた侍ってのは最近影で町人を守ってるとか噂になってる野郎だ! 
そいつの風体ってのは、 

一番、天狗の面に赤い着流し、刀を使う 

二番、狐の面に黒い着流し、鉄砲を使う 



天狗の面に赤い着流し、刀を使う…まさにあいつだ! 

俺には関係ねぇことだが、しかし一人に対して大人数なんて卑怯な真似しやがる。腕に覚えはねぇが、ここを見過ごしたら江戸っ子の名が廃るってもんだぜ! 
いくぞ、うるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 

「!?」 

おい天狗野郎、この地味之助さんが来たからにはもう心配いらねぇぞ。こんな卑怯な腐った茄子みてぇな野郎ども、とっとと片付けるぜ! 

「な、なんだてめえは?」「構わねぇ、一緒に片付けろ!」 

まさにチンピラのセリフだな!くらぇオラオラオラオラ 

バキッドカッ 

くっ、なかなかやるな… 

一番、こうなったら必殺技! 

二番、天狗野郎、あとは任せた 

三番、ここは穏便に 



こうなったら地味之助必殺!! 

三年殺し・・・ズブッ 

「アッー!!」 

まずは一殺…次は独逸だ…? 

「こっこいつ馬鹿だ!」「頭おかしいぞ!」「尻を守れ〜!」 

失礼なチンピラどもだったが、その後は天狗野郎の活躍ですぐに片付いた。 

「あんた…わっちを助けてようとしてくれたのかい…?」 

あぁ、そんな大したことじゃね……わっち? 

「あんた格好悪いけどなかなかやるじゃねぇか」 

誰が格好悪い…と言い終わらないうちに俺は膝から崩れた。慣れない喧嘩をしたせいで疲れちまったみたいだ。 

「あんたどうした?大丈夫かい?」 

俺はそのまま意識を失っちまった…。 


気付いた時には俺は見知らぬ座敷に寝かされていた。 
起きて見渡すと例の天狗の面と赤い着流しが無造作に部屋に打ち捨てられている。 
ここは一体…?それに隣の部屋から水音がするけど…? 

するとその部屋の戸がガラリと開いて、人が出てきた。俺はその顔を見てたまげちまった。 

まっまっまっ舞美太夫ぅぅ〜〜!!!??? 

「お目覚めかい?気分はどうだい?」 

俺は言葉を失っちまった…嘘だ…まさかそんな…? 
舞美太夫は風呂上がりのようで濡れた髪を縛り上げ、白い長襦袢だけで…。 

「はっはっは、そんなに驚くことかい?わっちがここまで運んでやったのさ。見つからないように大変だったんだよォ」 

そんな、そうだったのか…あの天狗は舞美太夫だったのか。夢じゃねぇ、本物の舞美太夫と同じ部屋に! 

「あんた、地味之助とか言ったねェ?わっちを助けてくれた礼だ、何でも言ってごらんよ」 

なんとこれは千載一遇の… 

一番、現金でお願いします 

二番、そんなことのために助けたんじゃねぇやい 

三番、一発お願いします 



そ、そんなことのために助けたんじゃねぇやい!俺は卑怯な奴らが見過ごせなかっただけでい。 
第一、気ぃ失っちまったみてぇだしこっ恥ずかしいったらねぇや。 

「へぇ、なかなか言うじゃないかい。わっちはあんたが気に入ったよ」 

そう言い終わらないうちに、舞美太夫は俺に後ろから抱き付いて耳を噛んだ。 
なっ何を…!?あの、あの、あの舞美太夫が…俺に…? 
ほんのり香る湯上がりの女の匂い…最高級の花魁の肌の感触…ゴクリ。 

「おやおや、口ではそんなこと言っててもこっちはもうこんなじゃないか♪」 

わわわ、俺の愚息が… 

一番、ごめんなさいお願いします 

二番、お風呂に入りたい 

三番、据え膳食わぬは… 



ふ、風呂に…。 

「わっちが入れてやるよ。こっち来なよ」 

言われるままさっき舞美太夫が出てきた部屋に行く。するとそこは広めの家族風呂のようになってやがった。すげぇ、花魁の座敷ってのは風呂まで…。 

あれよあれよという間に着物を脱がされ、あられもない姿を晒してしまう俺。 
そしていよいよ舞美太夫がその長襦袢に手をかける…。 

するりと落ちる長襦袢の中から出てきたのは雪のように白い肌。 
胸はあまり大きくないが、きれいな桜色の乳首が目を引く。 
そのくびれた腰周りは、引き締まっている中にも女らしい曲線を作っていて、今にも抱き寄せたくなる…。 
これが、これが舞美太夫の…。 


一番、我慢できねぇ! 

二番、洗ってくれるのか? 

三番、洗わせてください 



裸になって…まさか俺を洗ってくれるのか?でもこの風呂場、椅子もないし…。 

「わっちに任せときなって。いい気分にしてやるよ、とか言って♪」 

舞美太夫に体を任せる。すると立ったままの俺に石鹸を塗って…? 

「ほ〜ら、きれいきれいにしてあげる」 

うあっ…!舞美太夫の奴、裸のまま俺に抱き付いて体を動かして…! 
あああ…ぬるぬるしてる中に感じる、張りのある肌の感触…柔らかいおっぱい、そして先端の突起…。ぬるぬるぬるぬる…。き、気持ちいい…。 

「ほら、腕を出して」 

言われるままに腕を出すと、なんとそれに跨がって…! 
じょわじょわ…ぬるぬる…じょわじょわ…ぬるぬる。 
おおお…なんということだ…舞美太夫の美しい下の毛と、観音様が俺の腕を前後に動いて洗ってくれてる…すげぇ…。 

足まで全部きれいにしてもらって、最後に背中にまたおっぱいを押し付けて洗ってもらう。すると舞美太夫の手が後ろから伸びて俺の愚息を… 

「あらら…もうこんなだぞ?」 

一番、我慢できません、そのまましごいてください 

二番、背中に感じる舞美太夫の乳首が… 

三番、せめて口づけを… 




うう…気持ちいい…。 
舞美太夫の細くてきれいな指が、手が俺の汚れたイチモツを優しくしごいている。俺のも遠慮なくどんどん膨らんでいく…。 

「わ、まだ大きくなるのぉ?やっぱ若いのは違うねェ、とか言って♪」 

そう言うとしごく手を早めて、なんともう片方の手は俺の乳首に、そしてその口は俺の耳を舐め出して…。 

「ふふ、さあ極楽へ行っといで♪」 

手つきはますます早まる…しこしこ…くりくり…にゅるにゅる…。 
しこしこ…くりくり…にゅるにゅる…。 

あああ…あああ、舞美太夫ぅぅ!あああ、ああ!!! 

びゅびゅ、びゅるるるるるる〜… 

「わお、すっごぉ〜い!まだ出てる…いっぱい出したねぇ…気持ち良かったかい?」 

はぁ、はぁ、はぁ…。 

爆発した俺は、たった一発だが全て出し尽くしてしまい、その後の記憶はあまりない…。 


あの後、二人で湯船にも入って体を触りあったような気もするんだが、いかんせんあの一撃で精力を全て奪われた俺には何も…。 

やっぱり花魁最高峰の実力は伊達じゃねぇ。 

俺も情けないことに、結局あの舞美太夫を裸にしたのに結局口づけもできず、もちろん秘め事すら出来なかったし…。いくら情でもそこまでは許さないってか。 
まあ仕方ねぇやな。 

あの日のことは夢みてぇなもんだったんだな。 
天狗の世直しももうやらないみたいだし、もう俺があんな高嶺の花に近付ける機会はねぇだろう。 

いつまでもいい思い出にさせてもらうぜ、舞美太夫。 

「地味之助さん、いるの〜?」 

おっと、うるさいのが来やがった。俺のお江戸の日常がまた始まる。 



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