夏休みも終わりにさしかかったある日、俺はバイトの帰りをニヤニヤしながら歩いていた。 
何をニヤニヤしているかというと、待ちに待った給料日だったからだ。 
お金を銀行からおろし、これから自分にどんなご褒美をあげるかそれだけが楽しみだ。 
ニヤニヤと笑いながら歩いていると、公園の横を通りかかったところでいきなり声をかけられた。 

「おい、何をそんなにニヤニヤしているんだ。いいことでもあったのかな?」 
「うわっ、は、萩原・・・お前、何でここに?」 

みれば、向こうも何かを企んでいるようなニヤついた顔でこちらをみている。 

「何でってお前を待っていたに決まっているだろうが」 
「お前が俺を待つ理由なんかあるのかよ。つうか、こっちは用がないし」 
「ふん、お前にはなくてもこっちはありありなんだよ。お前な、うちの妹をずいぶんとほったらかしにしてるだろ」 
「う・・・確かにそうだ。で、お前がどうして出てくるんだ」 

萩原にいわれるまでもなく、俺は随分長い間舞ちゃんと会ってない。 
下手をすれば、卒業式が最後だった気がする。 
いや、下手をしなくても卒業式にデートをしようといったのが最後だったな。 

「お前ねぇ〜うちの妹を過剰に期待させておいて、何もなしはいかんだろう」 
「そ、それは悪かったよ。舞ちゃんにはあとで謝っておく」 
「あとではだめだ。今すぐにだ」 

せっかく気持ちよく帰ってたのが台無しじゃないか。 
ここは 

1 無視してやる。後で謝ればいいじゃないか 
2 ま、まってくれ。そ、それは俺の大事な財布を・・・しまった・・・ 
3 わかった。舞ちゃんにはちゃんと謝るよ 



「わかった。舞ちゃんにはちゃんと謝る」 
「それを聞いて安心したぞ。舞な、岡井さんとお前がいい仲だって知ってショック受けていてな」 
「え、えぇ〜マジか?」 

萩原のやつ、今さらっと恐ろしいことを口にしたぞ。 
それも舞ちゃんが俺と岡井ちゃんとの仲を知っているだって? 
事実なら舞ちゃんは岡井ちゃんと親友でいられるのだろうか・・・ 
俺と萩原だって、舞ちゃんが俺を好きなことで一時的にぎくしゃくとしたものだ。 

「知らないか。岡井さんな、最近女の子らしくなってきてるんだ。うちにもスカートはいて遊びにくるしな」 
「女の子らしくか」 

メールでも可愛い洋服をお母さんと買いにいきました、なんて言っていたし変わっているのは事実だ。 
女の子らしくなる岡井ちゃんを親友の舞ちゃんがおかしく思わないはずはないか。 

「お前が何をしたかはだいたい想像つくけどな。舞はな、こんなことなら私が記憶喪失になりたいっていってたんだからな」 

舞ちゃん・・・ごめん・・・ 
とりあえず舞ちゃんに会いに家にいくべきか。 
それとも外に呼びだしてゆっくり話したほうがいいだろうか。 

1 舞ちゃんの家にいこう 
2 喫茶店で舞ちゃんを待とう 
3 萩原、仲介役頼む 



萩原に聞けば、舞ちゃんは家にいるとのことなので、俺は家へと向かった。 
途中まではついてきた萩原も、あとは自分でまいた種だから自分で何とかしろといわれてしまった。 
頼ろうと期待してはいけないのはわかるが、心細いな。 
俺だけで舞ちゃんをどうなだめすかしていいものか。 
また野球ボールぶつけられるのかな・・・ 

「あら、ジミー君いらっしゃい。あの子ならでかけていないけど、どうしようかしら」 
「こんにちは。あのぉ〜舞さんはいらっしゃいませんか?」 
「あぁ、舞に用なのね。待ってなさい」 

家にいくと、まずはお母さんが出てくれて安心したというかなんというか。 
緊張したけど、舞ちゃんにいきなり会うよりはいいかもしれない。 
さっきもチャイム鳴らすだけで指が震えていたしな。 

「お待たせしました。ジミー君、舞は部屋にいるから入っていいそうよ」 
「は、はい。わかりました。では、おじゃまします」 

ど、どうしたっていうんだろうな。舞ちゃんが俺を家にすんなり上げてくれるなんて予想外だ。 
萩原の話だとショック受けていたって話だし、傷ついているのは確かだ。 
腹が痛くなってきたし、大丈夫かな。 

「舞ちゃん、俺だよ。あのぉ謝りにきたんだけど」 
「ジミーちゃん、こっちにきて。適当に座って」 

あれ、部屋にノックして入った俺を舞ちゃん笑顔で出迎えてくれたぞ。 
すごく怖いな。 

1 舞ちゃんにまずはごめんね、と謝る 
2 怖くなって言葉が出てこないところに・・・ 
3 舞ちゃん、ごめん。だから、ボールは許して 



謝ることなんかすっかりどっかにいってしまった。 
舞ちゃんは卒業式のときには激しく感情ぶつけてきたっていうのに、今回は笑顔でにんまりしているだけだ。 
前回ほったらかしにした以上の刺激があっただろうに、これは一体・・・ 

「ねぇ、何かいってよ。あんまり静かなのはおかしいって」 
「う、うん」 

俺って今まで色んなことして女の子を怒らせてきたけど、今回のが最も怖い。 
ネタふりだけはあって、おこるだろう事態がスレスレのところで回避されている。 
怖い、怒っているはずの舞ちゃんが大人しいのは怖い。 

「えぇと、あのね、まずは謝るよ。ほったらかしにしてごめんなさい」 
「う〜ん、舞が寂しかったのはわかってもらえるかな?」 
「ごめんなさい。想像できませんでした。デートにもつれていかず、ほったらかしにしてごめんなさい」 
「デートのことは覚えていたんだぁ〜忘れたわけじゃないのに誘ってくれなかったのは何で?」 

うは、謝りだしたとたん、舞ちゃんの笑顔がゆがんできた。 
今までは抑えていたんだね、怒りを。 
ここはどう言い訳したものか 

1 他の女の子と遊んでました、すみません 
2 バイトで忙しかったです、すみません 
3 舞ちゃんとのデート企画をずっと考えてるうちにこんなにたってました、すみません 



正直さが一番だってそう思うのね、今日だけは。 
人間さ、嘘はよくないよね、ね、舞ちゃん。 

「ぶっちゃけると、他の女の子と遊んでました。すみません」 
「ふぅん、そういえばそうなんだってね。舞さ、ちさとって友達がいるんだけど、その子最近女の子らしくなったんだよね」 

何て遠まわしな言い方なんだよ。 
棘のある言い回しのくせして、ストライクに心臓をえぐりだすんではなく、他のところからチクチクやられてる気分。 

「ちさとがお化粧するって聞いたとき、冗談かと思ったもん。でもね、してきたんだよね。舞ちゃん、びっくり」 

心がこもってないだけにその怖さ倍増っす。 
マジギレしたと思ってた卒業式をはるかに超える恐怖だわ、これ。 
今年は肝が冷える体験してなかったし、丁度いいかも・・・ 

「私が好きだって言ってた人とあったらしくて、白状させるのに苦労しちゃった。 
ちさと、ジミーちゃんと何があったか教えてくれたよ」 

俺がぼうっとしていたすきに舞ちゃんは俺の隣に移動していて、耳元でぼそっと呟いた。 

「エッチしたんだってね。ちさと、一人でするより気持ちよかったって」 

今、背筋がぞくっとしたよ。 
これ、何てスクールデイズ? 

1 頼む、命だけは勘弁を 
2 ごめんなさい、だから許してください、と泣きじゃくる 
3 舞ちゃんともしたいなぁ〜なんてw 



いつもなら謝る→許す→デートに誘うとパターンが決まっていたのに、今回は通用しそうにない。 
もう死ぬか生きるかの瀬戸際って危機感しかもてないよ。 
俺は舞ちゃんに泣きついた。 

「頼む。命だけは勘弁してください。お願いします」 
「土下座すれば許すとか思ってるの?」 
「いえ、許してもらえるようなことではないと思ってます」 
「したいからしてるの?」 
「はい」 

舞ちゃんの顔がまともにみられない、というか見たくない。 
怖いよ、怖いよぉ〜。 
声に感情がこもらないようにしてるのは、少しでも感情的になったら危ないってことなの? 

「ジミーちゃん、デートに誘ったら許してもらえるとか甘いこと考えてない?」 
「考えてました、すみません」 

もうデートすればいいという問題でもなくなってきてるし、俺にはどうしたらいいかわからない。 

「そんなにおびえないでよ。まるで舞が脅してるみたいじゃん。違うでしょ」 
「違います。全然違います」 
「なら、顔あげてみて。ほら、早く」 

俺はおそるおそる顔をあげ、舞ちゃんの顔をじっとみつめてみた。 
すると、そこにはまだ笑顔の舞ちゃんがこちらをみてきていた。 

「舞のお願いきいてくれるかな?そうしたら、チャラにしてあげてもいいよ」 
「わかりました。何でもききます。チャラにしてもらえるなら何でも」 

1 剃刀なんて持って何をする気です、あ、あぁ〜ごめんなさい・・・ 
2 脱げって言うんですか、ここで?いえ、問題ありません 
3 岡井ちゃんにそんなこといえません。それ以外なら何でも 



舞ちゃんはまだ子供な部分が強く残っている。 
それがときに大人では思いつかないことを考えだし、震え上がらせる。 

「あれ、ジミーちゃんの携帯なってるよ。あら、ちさとからだ。舞のうちにいるのは内緒にして話して」 
「う、うん」 
「落ち着いて話すんだよ」 

バッドタイミングなことに、岡井ちゃんから突然電話がかかってきた。 
出ると、ものすごく嬉しそうな声が受話器から響いてくる。 
本当に可愛い子だよな、岡井ちゃんは。 
だが、話している途中でエッチと言いだしたとたん、急に向こうから切られてしまった。 

「あれ、どうしたの?」 
「いや、いきなり切られちゃった。エッチがどうとかって言いだしたとたん」 
「ふぅん、そうか。あ、いいこと思いついた」 

そう、岡井ちゃんが宿題を終わらせて俺に電話をしてきた日、俺は親の実家になんかいなかった。 
実をいうと、舞ちゃんと一緒にいたのだ。 
つまり、電話エッチをしたとき、隣には・・・ぎゃああああ、舞ちゃんがいたのだ。 

「ジミーちゃん、ちさとと電話エッチしてみて。そのかわり、触るのは禁止。触れるのは舞だけなんだから」 
「え、えぇ〜」 

岡井ちゃんとエッチをしながら、舞ちゃんにされるがままになれっていうのか。 

1 だが、断る 
2 これは考え方ひとつでハーレムだ。よし、のった 
3 苦しんだ末に出した結論さ、してみるよ 



待ってくれ、そんなことしていいのかよ。 
って、俺がエッチなことで躊躇することになるとは思いもしなかった。 
今の舞ちゃんはどんなことしてくるかわからないし、素直に従った方がいいのかな。 
でも、これはやりすぎじゃないのか? 

「さぁ、ジミーちゃん。今度は自分でかけてみて」 
「でも、これはやっていいのかな」 
「今更そんなにためらうことかな。ジミーちゃんは私のお願いは何でも聞いてくれるんだもんね」 

そうでした、俺はお願いをきくんでした。 
これは岡井ちゃんにごめんねだ。 
ごめんね、岡井ちゃん、ごめんね。 

「エッチしよう」 
「ジミー先輩、本当ですか?」 

後はもう結果からいって、岡井ちゃんは見事いった。 
いったけれど、あまり俺としては達成感のない電話エッチだった。 
その間、俺は 

1 舞ちゃんに岡井ちゃんにこうしなさいと指示されていた 
2 舞ちゃんにオナニーをさせられたあげく、ずっとみられていたから 
3 舞ちゃんにいきそうなところで止められ、岡井ちゃんどころではなかったから 



舞ちゃんにいきそうなところで止められ、岡井ちゃんどころではなくなっていたのだ。 
次の日、岡井ちゃんに会った時、彼女の優しい笑顔にはどれだけ癒されたことか。 
もうエッチしたくてしょうがなかったよ。 

「ジミーちゃん、ちさととの会話は好きにしてなさい。さぁ、ベッドに寝て」 
「うん。じゃあ、かけるよ」 
「かけてもいいよ。ただね、電話エッチして気持ちよくなれると思ったら、大間違いだから」 

俺は頭で岡井ちゃんとのエッチをシミュレートしながら、電話でエッチをした。 
現実では舞ちゃんに乳首を吸われ、体をいやらしく触られている。 
子供といえど、舞ちゃんの舌はつぼをよく心得たものだ。 

「何、こっちにそんな顔向けて。ちさととのエッチに集中しなさい」 
「岡井ちゃん、下触ってみようか」 

この人、鬼だ。 
俺がいきそうな顔をしてみつめると、邪気を含んだ笑顔で手をとめてしまう。 
しばらくするとまたやり直し、とそれを繰り返す。 

「ジミーちゃん、あそこ中学生相手にこんなことになってるなんていやらしい〜」 
「ま、舞ちゃん・・・」 

『ジミーせんぱぁい〜あぁ〜気持ちいいですぅ〜』と、受話器からは果てる寸前の岡井ちゃんの声が聞こえる。 
なのに俺は舞ちゃんにすべての権利を奪われている。 
だけど、いきたい。 

1 舞ちゃん、出させて。え、お願いだから。ね 
2 我慢できない、自分で触るんだ 
3 心を無にして、されるがままになってしまえ 



俺はもう岡井ちゃんとのことはおざなりにするつもりはなくても、おざなりになっていた。 
すまん、あれ、実は半分何いったか覚えてないよ。 
土産とかの話したのは何となく覚えているけど。 
とにかく舞ちゃんにいかせてほしい、それだけが願いだった。 

「舞ちゃん、出させて。え、お願だから。ね、お願いだ」 
「じゃあ、約束しようか。今度は舞を抱いてっていったら、抱いてくれるって」 
「わ、わかった。だから、頼むよ」 
「その言葉、ちゃんと録音しておいたからね。さんきゅー」 

してやられた。 
舞ちゃんはショックは受けたのかもしれないが、今もショックってようにはみえない。 
つまり、舞ちゃんは俺を家に入れて抱かせて下さいとか何とか言わせたかったのだ。 
録音の準備をしておいて。 

「ジミーちゃん、いっぱい出たね。舞の掌からこぼれちゃう」 
「舞ちゃん、ほったらかしにしてごめん。もうしませんから」 
「ふふっ、気にしないでいいよ。約束は守ってもらうから」 

世に小悪魔はいても、こんなにも純粋な小悪魔はいないだろう。 
舞ちゃんは可愛い顔した怖い悪魔だ。 

翌日、岡井ちゃんに家にあったお菓子を適当に渡したとき、俺は心からほっとした。 
中学生ってこういうものだよなって。 
新学期、俺の教室にたびたび訪ねてくるようになった舞ちゃんは、とっても嬉しそうにみえる。 
たぶん、もう少しで大人への階段を踏めるからなのだろうか。 
何にせよ、あんなレイプまがいの経験はごめんだ。 
舞ちゃん、次はもうまたせないよぉ〜 


リ*・一・リ<ジミー先輩・・・ リ ・一・リ<ボクの方はほったらかしだな