「おい梨沙子まだか?ふぁああ・・・」 

トイレの中にいる梨沙子に話し掛けたら大きな声で返事が返ってきた。 
「ぜったいそこにいて!勝手に寝たらキライになるからねっ!」 

まったくお前いくつだよ。もう中学二年なのに夜中1人でトイレにいけないなんて・・・ 
いつもなら茉麻が行かせてるんだけど今日は梨沙子しかいないから仕方ない。 
「勘弁してくれよ、もう夜中の二時じゃないか」 

せっかく寝てたのに何回もしつこく起こしてきて、しまいには泣きそうになったのでこうしてトイレに付き添っている。 
・・・こりゃちょっと問題だな。せいぜい小学生くらいまでだぜ、1人でトイレいけないのが許されるのは。 

1 可愛い娘のために終わるまでそこにいる 
2 付き合いきれないので黙って寝る 
3 そうだ、梨沙子のために怖さを克服できる様に特訓しよう 



普段から事務所やまわりの人が梨沙子を甘やかすからこうなってしまうんだ。 
大人になってもまだ1人でトイレもいけないままなんてそんなの梨沙子のためにならない。 
よし、ここは梨沙子のためを思って怖さを克服できる様特訓してやろう。 

「ふぅ〜〜〜」 

すっきりした顔で出てきた梨沙子。 
「梨沙子こっち来なさい」 
「え、なにパパ・・・」 
梨沙子をベッドまでつれていきそこに座らせた。 
「いまから特訓しよう。怖いものでも怖く思わなくなる様に」 
「なんかいきなりだね。いやだ、私眠いから寝るもん」 

勝手に人を起こして今度は自分だけ先に寝るつもりか。そんなのはだめだぞ。 
「いいか?このままじゃ大人になったら苦労するぞ」 
「そんなのまだまだ先の話じゃん・・・」 

ぜんぜんやる気ないな 

1 目隠ししてやる 
2 手を後ろにして縛る 
3 ならまずは1人で寝られる様になろう、と部屋から立ち去る 



「パパ子守唄うたってぇ」 
隣にいる俺の胸にちょこんと頭を乗せて甘えてくる。 
いつもなら言うことをついつい聞いてしまうけど・・・悪いが今夜はそうはできないんだ。 
「・・・?」 
急に立ち上がりベッドから出た俺を不審そうに見つめている。 
「梨沙子、今日は1人で寝てみようか」 
「なんで?いきなりどうしたの・・・」 
「もう梨沙子は大人だよな。1人でも寝られるよな」 
「パパ怒ってるの?私がさっき寝てるのに起こしたから?」 
「いや、怒ってなんかいないよ。いま言ったとおり特訓しよう。怖さを乗り越えられる様に」 
「やっぱり怒ってるでしょ」 
「怒ってない。むしろ、梨沙子を大事に想ってるよ」 

まずは1人でも大丈夫なように・・・怖さに勝つにはまずそこからだ。 
懐かしいな、俺もガキの頃は親がいないと寝られなかった。さすがに中学までには克服したけど 

1 隣の部屋に移動する 
2 やっぱりいきなり1人は可哀想かな、それより目隠しをして・・・ 
3 先に寝かせてから1人にさせようか 



「がんばれよ」 
「まってよ!ホントにいっちゃうの?」 
まだ俺がいると思っていたのか、不安そうにすがる梨沙子。 
「ああ。いつまでも誰かに甘えてたらいけないんだ。がんばれよ・・・」 
「パパまってよぉ!」 

そっと寝室をあとにして隣の部屋のソファーに座った。 
・・・これでいい、いつまでもあいつは子供のままじゃいけないんだ。 
ちゃんと自分の足で立って歩いていける様になってほしい。 
例え遠くても1人で寝られる様になるのはその第一歩だから。 

さて、今日はここで寝るとしよう。俺もたまには1人で寝るってのもいいかもな 

「・・・パパ・・・」 
「うわっ?!びっくりした、なんだよ梨沙子」 

梨沙子はすぐにドアを開けてこっちにきてしまった。おいおい、まだ10分もたってないのに 

「やだ、やだ、パパがいなきゃやだ」 
「あのな・・・梨沙子」 
「やだ、はなれない、今日はパパと一緒に寝るもん!」 

まったく、せめてもう少し耐えろよな・・・もう。 

1 やっぱり二人で寝ようか、まだこういうのは早いかもな 
2 ・・・梨沙子の将来のためだ。すまないが1人で頑張れ 
3 ちょ、キスするのかよ、もう・・・ 



目をうっすらと潤ませている梨沙子。たかがちょっとしか離れてなかったのに、そんなに怖かったのか。 
梨沙子が怖がりなのは俺がマネージャーになって間もない時から知ってたけど、これはちょっと怖がりすぎだろ。 
「もう離さないでぇ」 
「ん・・・?ちょ、おい、梨沙、あ・・・」 

う、あ、いきなりキスされたから、準備できてなかったよ。 
そんなに口の中を舐め回されたら・・・お、おい・・・ 

「ん〜〜〜〜・・・はぁ・・・っ」 
ねっとりと俺の舌を舐めてからそっと唇を離すと、俺と梨沙子の口に透明の橋がかかった。 
こういうのも梨沙子とはずいぶん久々だよな 

「しゅき、パパ、らいしゅきぃっ」 

なんだか梨沙子の行動には時々胸の奥のあたりを刺激される。 
うまく言えないが、こう、ずっとそばにいてほしくなる・・・そんな 

こりゃあ茉麻だけじゃなくていろんな娘も梨沙子をほっとけない訳だよな。 

「・・・おやしゅみ、パパ」 

あくびをしながらいう梨沙子が可愛らしくてそっと抱き寄せた。 「えへへっ」 
「なんだよ急に笑って」 
「やっぱり、こうやって一緒に寝る方がいいな」 

・・・俺もそう思うよ。 
やっぱり梨沙子はこうやって笑っててほしい。 
この調子じゃいつ大人になれるのかはわからないけど、梨沙子が幸せなのが一番だよな。 

また甘やかして、って茉麻に怒られちゃうかもしんないけど。 

「・・・パパ・・・」 


もう一回キスをせがむ可愛い娘を、もっと深く抱き締めながら 

今夜は離さずに眠りたい