去る5月、愛すべきエロ可愛い梅田先輩の誕生日があった。 しかし、俺は祝いさえもしなかったのだ。 その罰が下ったか、俺にお弁当が用意されなくなり、ついにはあまり声もかけてくれなくなった。 あげく、梅田先輩に聞きたくもない噂が流れだした。 新しい彼氏が出来たとか別の高校に僕がいるとか… 「梅田先輩、あの〜お願いだから話でもしましょうよ。隣の席なのに話しないのは寂しいですよ」 「あ〜今日はどうしようかな〜」 はぁ、まただ。 話しかけても無視されるばかりで、全然相手をしてくれない。 どうするかな 1 頼みますから相手して下さい 2 噂が本当か聞いてみるか 3 梅田先輩、どこに行くんですか? 話がしたい俺の、今一番したい話題はあの噂が本当かどうかだ。 とにかく気になって仕方ない。 だが、俺にあの噂が本当かどうか聞く権利はあるだろうか。 考えてみれば、俺があんまりにも先輩を構わずにいたのが原因だし、他の男と遊んでも責めるのはお門違いだ。 「梅田先輩、あの〜噂は本当なんですか?」 「噂って?何のことかさっぱり」 そっけない。 マニキュアを塗って、ちっともこちらを見てもくれない。 「新しい彼氏が出来たとか別の高校に僕がいるとか」 「気になるの〜僕ちゃんは?」 梅田先輩がこちらを見てくれたと思ったら、顎を指でチョロチョロと撫でてくる。 俺を見る目も挑発的でエロモード全開だ。 1 気になります 2 いや全然とあえて否定 3 気になります、でも嘘なんだよと冗談 もう気になって学校どころじゃない俺は、素直に気になりますと答えた。 すると、先輩は立ち上がり、さぁねとはぐらかせて、窓際にいる男子の輪に入っていった。 えぇ〜放置プレイされたよ。 しかも、先輩が楽しそうに会話しているのがみえる。 最悪の気分だ。 俺はいたたまれなくなり、トイレに行くと、梅田先輩と会話していた奴が隣で用を足しだした。 「よっ、元彼。先輩、最近うちらによく話しかけるけど、お前と何かあった?」 からかうような話し方が頭にくるが、俺は梅田先輩の情報がほしくて冷静に返事をした。 「まぁね。ところでお前らの中に梅田先輩の彼氏いるの?」 「あ〜マジだったんだ。先輩、飽きたとかいってたしな。彼氏は知らないな、いてもおかしくはないだろうけどさ」 そう言うと教室に戻っていった奴の「飽きた」が耳に残った。 俺が相手をしなかったばかりでなく、飽きたのが原因か… そりゃそうか。 意気消沈で教室に戻った俺に先輩がにっこりと微笑む。 「気分悪そうだね」 1 えぇ、あなたのせいです 2 先輩の顔がみられず背ける 3 気付くとごめんなさいと謝っていた 俺は気付くと「ごめんなさい」と口にしていた。 先輩は謝られたのが意外だったのか、「何を反省しているのか知らないけど、それだけじゃ許さないよ」とだけ返してきた。 「先輩、 1 誕生日のことはすみません 2 浮気してすみません 3 ほったらかしにしてすみません 4 生まれてきてすみません ほったらかしにしてすみません…反省はこの上なくしてます」 俺はもう床に土下座してもいい気持ちで謝った。 梅田先輩は俺がまた謝るのをみて、「やれやれ」と首を横に振った。 「ジミーさ、嫉妬したことある?」 突然の質問だったが、俺は愛理ちゃんとの一件を思い出していた。 あれは間違いなく嫉妬して、愛理ちゃんを自分の彼女にしたいと思ったんだ。 もし、それが梅田先輩でも俺は嫉妬したと思う。 「はい、あります。少し前に」 「ふぅ〜ん、あるんだ。なら、私がどれだけ嫉妬してたか想像がつくかい?」 1 いえ、全然 2 わかります 3 まぁある程度は 4 考えてみるが答えは… 嫉妬したことがあるとはいえ、先輩がどれだけの我慢をしてきたか知らない俺がわかります、と口にするべきではなかった。 先輩はさらに不機嫌な様子を表情にみせてきた。 「あんた、私がどれだけの思いしたかわかるんだ。なら、放課後ついてきて」 「はい…」 梅田先輩が鬼気迫る迫力あるのは初めてだったので、はいと返事をしていた。 そして、放課後… 俺が下駄箱で梅田先輩を待っているとメールが一件入った。 『今から何もしないでただついてきて。私は校門に男と腕組んでいるから』 先輩は何を馬鹿なことをしているんだ。 今彼を俺に見せびらかして楽しもうという作戦なのか? くそっ、何だかムシャクシャしてきた。 先輩のメールはみたが、約束はどうするか 1 指示には素直に従う 2 サボるかな 3 先輩に話しかける 梅田先輩の指示には素直に従おうと、俺は先輩たちをみつけると静かに近づいた。 先輩は確かに男と腕を組んで仲よさそうに話していた。 あ〜ムシャクシャが高まってきた。 近づく俺を発見すると、腕を組んでいた男と一緒にどこかに歩き出した。 どこに行こうっていうんだ、この先は繁華街があるから、そこでデートでもするのか? 今でも十分拷問に近いのに、デートなんてみた日には最悪の気分になるぞ。 そんな俺の気分を無視して、梅田先輩はさらに進む。 おいおい、繁華街でも止まらないとなると、その先はホテルばっかりだぞ。 俺を一瞬振り返り、口元が「バイバイ」と動いた。 嘘だろ、ホテルの入り口に消えようとする先輩を俺は 1 先輩は渡さないと梅田先輩の腕を掴む 2 相手を殴る 3 もうちょい様子見 もう渡したくない一心で、俺は近年稀にみる力で地面を蹴りあげていた。 追い付いたとき、梅田先輩を渡さない、と梅田先輩の腕を掴んでいた。 「じ、ジミー」 「先輩、嫌だ。俺は先輩を誰にも渡したくない」 「うふふっ、ようやく本気になるのかな。先輩を渡したくないなら、先輩と約束できる?」 急に不気味な笑顔になった先輩に、俺は気付けば頷いていた。 「なら、先輩をあんたの彼女の一人にすること。 先輩が誘ったら拒否しないこと。 最後に先輩に週一で会う。いいね?」 一緒に来ていた男は何のことかわからず唖然としている。 いきなり俺が現れ、先輩を美味しいところでさらわれいい気はしないだろう。 次第に落ち着いてくると明らかに怒り出してきた。 「梅田先輩、どういうことですか。こいつとは別れたんじゃないんですか?」 「別れるも何もこれから始まるんだよ。じゃあ、皆さんまたね」 と、宣言すると俺の腕を掴んで走り出した。 「せ、先輩…いきなりどうしたんですか」 「別れの言葉とライバルたちに宣戦布告だけしといたよ。あっ、今日はあんたは私が調教したげる」 先輩は快活な笑顔を俺に向け走る。 俺はあの場に他にあの子たちがいるとは知らず、先輩と夕日が沈む道を走った。 何はともあれ、先輩ほったらかしにはもうしないからな〜