中等部の体育祭(名前なんだっけ?)が終わった後、オレにしては珍しくどこにも寄り道をせず帰宅した。 「ただいま〜」 「あら 、お帰り。ずいぶんと早いわね」 母さんが玄関先まで出てきてくれた。 「ちょっと疲れたから今から寝るわ。夕飯になったら起こしてくれ」 「あんた、今日は早く帰ってきたんだから夕飯楽しみにしてなさいよ」 「なんか豪華なもんでもあるのかよ?」 「それは言えないわ〜」 気持ち悪いぞ、母さん。 とはいっても、日曜は遊んで帰るのが遅くなることが多かったし夕飯を家族そろって食べることもしなくなってたから それを喜んでくれてるのか、と思ってオレは部屋に戻った。 「夕飯の味が・・・てこと・・・の料理も・・・ってことかしらね、うふふ」 部屋のドアを閉める前に聞こえた母さんのつぶやきが気にはなったが、そのままベッドに入り眠りについた。 「・・・そう、分量はそのくらい、うん、その感じよ」 「私、この味の感じがどうしてもうまく出せなかったんですよ・・・」 ・・・うーん、なんか台所から会話が聞こえてくる。 母さんの声とは別の女の人の声、寝ボケてて頭がぼんやりしてるから誰だかわからない。 どうしよ、まだすっげー眠い、中途半端に寝入ってしまってたからか。 1.何とか気合入れて起きる。 2.まだ夕飯まで時間ありそうだしもう一眠り いいや、眠気は全然おさまらないしもう一眠りできるだろう。 そのままオレは目をつぶって夢の中に落ちていった。 「・・・ジミー、ジミー、起きてよ」 ん〜、まだ眠いんだけどなぁ・・・ 誰かがオレを起こそうと体をゆすってくる。 「・・・ちょっとやってみよっかな、いいよねジミー?」 独り言だよな・・・聞こえてくる声は誰だろう? 目をつぶったままでいるとふわっといい匂いがして、オレの唇に誰かの唇が重ねられた。 1.ここで目をあける 2.まだ目をつぶったまま寝ているふり 3.一気に抱きしめてみる 誰かはわからないけど、もうちょっと何かしてくるかな? と思ってこの瞬間には起きないでおいて次のアクションを待ってみた。 「起きないかぁ。王子様のキスで起きる、ってのとは逆にしてみたんだけどな」 ちょっと残念そうな声が聞こえてそのまま静寂が続く・・・ 「疲れてるのかな、起こしちゃ悪いね。ちゃんと起きてきてね、ジミー」 ・・・そのままオレの部屋から女の人は出ていったようだ。 うーん、悪いことしちゃったかな? 1.さすがにこのまま寝てるのはまずい、台所に向かう 2.もう一回起こしに来てくれるはずだ、まだ寝たふり 女の人の声も気になるし、起きて台所に向かうことにした。 体育祭の後のジャージ姿のまま眠ってしまってたので、部屋着に着替えて台所へ・・・ 「母さん、夕飯できた?」 聞こえていないのか、隣のポニーテールの女の子としゃべっている。 「どうですか、お母さん?」 「うん、よくできてるわ舞美ちゃん。ホントにうちの味と一緒よ」 「良かった〜」 舞美ちゃん・・・舞美先輩!? 「舞美先輩!」 「ジミー、起きたんだ。もうご飯だからちょっと待ってね」 「 、もうちょっとしゃんとしなさいよ。舞美ちゃんの前でだらしないわねえ」 確かに毎週のようにうちに来てご飯食べてた時期はあったけど 最近は日曜はオレがいなくなってたのもあって家では会ってなかったから、来なくなったんだと思ってた。 1.どうして今日いるのか聞いてみる 2.黙って自分の席に着く とりあえずこの今の状態で先輩がいることにはまだ驚きだけど 動揺しているそぶりを見せないように席に着いた。 献立は・・・肉じゃが、サバのみそ煮、筑前煮、豆腐とわかめのみそ汁と和風で母さんの得意料理。 おふくろの味、その家の家庭の味がはっきり出るものだった。 舞美先輩も確か食べたことあるはずだよな。その時は 「おいしいですお母さん。私、この味付け覚えたい!」 って言ってたっけ・・・ 食卓に母さんと舞美先輩がきれいに料理を並べていく。 あまりにもうちの家に溶け込んでしまって、いつもこんな感じだった錯覚すら覚える。 「ジミー、どうしたの?ボーっとしちゃってるよ」 すらっと伸びたしなやかな腕で料理を並べていく先輩の姿に思わず見とれてしまっていた。 「 、ホントにもう、ちゃんと座りなさいよ」 母さんがオレの背中を「バンッ」と叩いてきて我に帰った。 「イッテーなぁ、なにすんだよ」 文句を母さんにぶつけながらオレは自分の席に着いた。 父さんは今日は遅くなるらしいからオレと母さん、舞美先輩で夕飯を食べることになった。 「いただきまーす」 1・肉じゃがから食べる 2.サバみそから食べる 3.筑前煮から食べる まずは肉じゃがから箸を伸ばして、と。 うん、いつもどおり母さんの得意料理だし普通に美味い。 何度も食べ慣れてる味だから安心してしまうな。 ・・・舞美先輩が食べながらオレのほうをちらちら見てくるのが気になるけど・・・ 「どう、 ?味はどうなのよ?」 「うん?味って・・・いつもどおりだよ。美味いよ」 「そうじゃなくって、もっとこう・・・何かないの?」 「何言ってんだよ母さん。いまさら母さんの料理に言うことなんてないよ」 「はあ〜」 母さんは呆れているのか溜息をついた。 「ごめんね舞美ちゃん。この子は本当に鈍いんだから」 「い、いえ、お母さん。気になさらないでください」 舞美先輩がなぜか母さんに恐縮してる。なんで母さんの作った料理で舞美先輩が恐縮することがあるんだろ? それにいつもならオレより早く多く食べるはずの先輩のお皿の上はあまり減っていない気がする。 1.先輩、体調悪いんですか?と心配そうにたずねる。 2.先輩、今日はあの日なんですか?と冗談っぽく茶化してみる。 3.母さん何か隠してるだろ?と母さんを追求してみる。 「母さん、なんか隠し事してるだろ?」 「別に〜。舞美ちゃん、こんなボンクラのどこがいいの?」 「・・・え?すみません、お母さん。ボーっとしちゃって聞き取れませんでした」 「いいのいいの、舞美ちゃんは何にも悪くないから」 この場では完全にはぐらかされてしまった。ったく何考えてんだようちの親は。 「ふゎぁ」 舞美先輩があくびを押し殺したようにしている。 ずいぶんと眠そうだ。ナチュラルメイクはしてるんだろうけど、目の下がちょっと黒く見える。 「先輩、目の下にクマができてませんか?」 「ん?大丈夫よジミー。ちょっと徹夜しただけだから」 「徹夜ですか?」 「なんでもないから。ね?」 「でも・・・」 「いいからご飯食べよ、ジミー」 何か隠し事されてるような気がして仕方がないんだけどなあ。 そのまま母さんを交えて談笑しながら夕飯を終えた。 「私が片付けますから、お母さんとジミーはリビングでくつろいでいてください」 といって先輩が食器を台所に持っていく。 1.片付けくらい手伝わないと、と思って一緒に食器を運ぶ 2.母さんに何か隠し事してないか聞く 3.普通に先輩が片付けるまでリビングで待っている いつもなら絶対に片付けなんて手伝わないんだけど お客さんの先輩に全部押し付けるのは悪いので食器くらいは運ぶことにした。 「先輩、食器はオレが持っていきますから」 「ありがとジミー、じゃあお願いね」 先輩がイスから立ち上がる時にふと足に目をやった。 すらっと伸びたきれいな足・・・だけど膝元にばんそうこうが貼ってあった。 「先輩、足怪我してます?」 「あぁ、これ?今日の部活で転んじゃったんだ」 運動ならどんなことでも完璧にこなすと思っていた先輩が部活中に転んで足を怪我するなんて。 「転んじゃったのってひょっとして」 「眠かったからボーっとしちゃってたんだよね」 「ホントに大丈夫ですか?いつだって全力の舞美先輩らしくないですよ」 「こーらっ、私だって私だって可憐な乙女だぞ。ボーっとすることだってあるよ」 そうですよね、オレが寝てると思ってキスしてみるような可憐な乙女ですよねww 食器を順々に運び終えると、舞美先輩が鼻歌を歌いながら食器を洗っている。 なんかこういう風景って幸せだな〜、と舞美先輩の後ろ姿を見ていると母さんがオレを呼んでいた。 「 、ちょっとこっちに来なさいよ」 「なんだよ母さん、今日はやたらと構ってくるなぁ」 先輩を台所に残してリビングへ向かった。 すると母さんが小声で話してきた。 「あんた、今までの日曜日の夕飯で気づいたことって本当にない?」 「んなこと言われても、日曜に母さんと一緒に食うことも最近は珍しかっただろ?」 「舞美ちゃん、毎週通ってくれてたのよ。あんたが入院してる時もずっと、日曜になるとね」 え!?毎週来てたの続いてたんだ!驚いてオレが黙ってしまうと 「それだけじゃないのよ、舞美ちゃんは 1.あんたがいない時もちゃんとご飯食べて、ホントに家族みたいだったんだから」 2.うちの味を覚えるって料理もずっと作ってたんだから」 3.家事も何度も手伝ってくれたんだから」 舞美ちゃんはうちの味を覚えるって料理もずっと作ってたんだから」 「って、どういうことだよ?」 「だから、あんたが日曜に食べてた料理は全部舞美ちゃんが作ってくれてたの」 献立に珍しいものがたまに並んでたのはそれでか。 でも、たまにだっただけで、いつもどおりの夕飯がずっと続いてたと思うけど。 「ずっと先輩に作らせてたのかよ!?」 「私もそりゃ舞美ちゃんだけにやらせるのは悪いから手伝ってたわよ。でも、先週からは完全に舞美ちゃん1人で作ってるわ」 「なんでまたそんな・・・」 ホントにあきれた口調で母さんがこうオレに告げてきた。 「いい?あんたが食べてうちの味だと思った、ってことはあの子の作る料理がうちの味になったってことでしょ?」 「まぁ、そういうことになるよな」 「それだけあの子がうちのために、いいえあんたのために頑張ってうちの味を覚えようとしてるってことよ」 「・・・」 「健気じゃないの、それだけあんたを思ってくれてるのよ」 気付くのが遅すぎた、のんきにいつもと同じだなんて思ってしまってたなんて、どんだけ鈍感なんだよオレ・・・ 「今日の料理なんか見てわかるじゃない。私の得意料理を受け継ぐくらいの覚悟なんだから」 「・・・あぁ・・・」 「昨日は何回も味の確かめを家でしてたらしいわよ、それこそ徹夜で」 「先輩・・・」 徹夜して、それでも部活に出て、コンディション悪くて怪我して・・・ 保健室で寝てしまってたのも、オレのために頑張ってくれてたから・・・ たまらなく舞美先輩が愛おしい、ここまで頑張ってくれるなんて。 「お母さん、洗い物終わりましたからこれで帰りますね」 「はーい、ありがとうね舞美ちゃん」 母さんが舞美先輩に返事したあとオレに 「ちゃんと家まで送ってあげなさい、今日はそれくらいしてあげないと舞美ちゃんが可哀そうよ」 と小声で言ってきた。 「そんなの言われなくてもわかってるよ」 とオレは返して、すぐに舞美先輩を追いかけた。 「先輩!」 「あ、ジミー」 玄関先からさほど離れてないところで先輩に追いついた。 舞美先輩が振り返る、その瞬間オレは 1.何にも言わずに抱きしめる 2.笑顔で「家まで送っていきますよ」と言う 「きゃっ!ジミー」 とにかく今は抱きしめたい。ただただ舞美先輩が愛おしくて強く抱きしめた。 「ジミー、苦しいよ・・・」 「先輩、ありがとう」 「・・・どうしたの、ジミーらしくないよ」 らしくなくてもいい、このまま今は離したくない。そう思って舞美先輩の顔を見つめた。 「ジミー・・・」 先輩がすっと目を閉じる。自然と唇と唇が合わさる。 時間が止まったかのような感覚でキスをしていた。 どちらともなく唇を離し、目を合わせる。 舞美先輩の澄んだ瞳がオレの顔を映し出していた。 「・・・ジミー、私帰らなきゃ。もう遅いし、明日も朝練があるから」 「家まで送っていきます」 「・・・うん」 どう会話していいのか、これほどわからなかったことはなかったと思う。 いつもなら舞美先輩も話しかけてくれるのに、今はただ2人で歩いてるだけ・・・ ようやく、舞美先輩が口を開いてくれた。 「私ね、ジミーがいつもどおりの味だ、って言ってくれたとき、本当にうれしかったんだ」 「先輩、それは・・・」 「だって、お母さんの味をちゃんとマスターできたんだって思ったし・・・」 「えぇ・・・」 「・・・それに、ジミーが普段食べてるものをちゃんと私が作れるようになった、って思うと」 「・・・」 じっと舞美先輩の顔を見つめていると、照れた顔でこう言ってくれた。 「私、ジミーのお嫁さんになれる、って実感できたの」 いつもなら恥ずかしがってキャーキャー騒ぐだけになってしまう舞美先輩が、今はすごく自信を持ってはっきりとした口調だった。 そのあとまた沈黙が続いてしまい、とうとう先輩の家に着いてしまった。 「ありがとうジミー、料理作りに行くからちゃんと日曜日は家にいてね」 「えぇ」 考えてる言葉をどうしたらいいかわからず、生返事しか返せなかった。 「じゃあね、未来の旦那さん」 あの澄んだ瞳をオレにだけ向けて、舞美先輩は家の中に入っていった。
州´//v//)<にゃ〜 リ*・一・リ<愛理と少しだけ気まずいな・・・ リl|*´∀`l|<時間を旅するには好感度よりもっと大事なものが必要なんだよ 从・ゥ・从<な、なによ・・・ リ ・一・リ<・・・ ノk|‘−‘)<・・・ ノソ*^ o゚)<・・・ 州*‘ -‘リ<・・・ ヾ从;ゥ;从ノ<言いたいことがあるなら言いなよ乳牛ども!!