午前の競技が終了し、やっと昼休みになった。午前中は結構手伝いしたからかなり腹が減ったなあ。 
手伝いということで生徒会から弁当と飲み物はもらえることになってる。 
で、朝に約束してたから菅谷、愛理ちゃんと一緒にお昼にするってことなんだけど 

1.生徒会に立ち寄り弁当と飲み物をもらってから購買部前へ 
2.迎えに行ってあげようと思って1年生クラスのテント側から2年生テントのほうへ 
3.迎えに行ってあげようと思って3年生クラスのテント側から2年生テントのほうへ 



待ち合わせ場所は購買部前だけど、迎えに行ったほうがいいと思って特進クラスのテントへ行くことにした。 
2年生特進クラスのテントの隣、岡井ちゃんのクラスのテントの前に舞ちゃんが1人ぽつんと立っていた。 
「あ、ジミーちゃん」 
「舞ちゃん、どうしたの?ここ2年生のテントだよね」 
「千聖と一緒にご飯食べようと思ってきたのに、千聖いないの」 
岡井ちゃんを探してテントまで来たもののいなかったわけだ。 
「岡井ちゃんと約束はしてたの?」 
「ううん、してない」 
「それじゃ会えなくても仕方ないよ」 
「うん…」 
さみしそうに自分のクラスに戻ろうとしている舞ちゃん・・・ 

1.一緒に岡井ちゃんを探してあげる 
2.特進クラスの2人がいるけど一緒にご飯食べる?と誘う 
3.クラスのテントまで送ってあげる 



「舞ちゃん、一緒に岡井ちゃん探そうか?」 
「えっ?いいよ、ジミーちゃん。ジミーちゃんのご飯食べる時間なくなっちゃうよ」 
「人間は一食くらいご飯抜いたって死にゃしないよ」 
「大げさだよジミーちゃん。でもありがと、ホントに大丈夫だから」 
強がってるわけじゃなさそうだ。クラスに帰っても友達と一緒に食べるから、と舞ちゃんは話した。 
だったら逆にあんまりここで引き留めても迷惑だ、と思って舞ちゃんには 
「困った時はいつでもジミーちゃんを呼んでいいんだぞ」 
「自分で言うほど頼り甲斐ないよ、ジミーちゃんは」 
「グサッ。今の言葉、胸に突き刺さったよ・・・」 
「ふふふっ。でも、ちょっとかっこよかったよ、じゃあね、ジミーちゃん」 
舞ちゃんは手を振りながらクラスのテントに戻っていった。 

オレは特進クラスのテントに行ったが2人ともテントにはもういなかった。 
クラスの女子に聞いてみると、昼休みに入ったら弁当を持ってすぐに購買部に向かったらしい。 
あわててオレは購買部前へ・・・ 

「遅いゆじみー、なにしてたの」 
「りーちゃん、私たちも着いたばっかりだよ」 
「ごめんごめん、ちょっと生徒会につかまっててさ」 
「おなかぺこぺこだよ。早くご飯食べよ〜」 
とりあえず話しながらグラウンドの木陰のほうでご飯を食べることにした 

「菅谷、障害物競走でお前本当に前見てなかっただろ」 
「だって〜、ピンポン球は落としちゃダメ、お玉の中で暴れる、前に進むなんていっぺんに全部見れないゆ」 
「愛理ちゃんは普通にできてたぞ」 
「愛理だって最後にはじみーに助けられてたじゃん」 
「あ、あれは・・・愛理ちゃんにだってミスはあるよ。ね、愛理ちゃん?」 
「そ、そうだよりーちゃん。私だって…」 
「あ〜、愛理〜。顔真っ赤だゆ。なんかあやしい〜」 

午前中の障害物競走の話が弾んでオレたちはご飯を食べ終わった。 
女の子2人は持ってきておいたクッキーを食べ始めていた。 
愛理ちゃんから 
「これ、私の手作りですけどよかったら食べてくださいね、先輩」 
ときれいにラッピングされたクッキーを渡してくれた。 
それを見た菅谷が 
「愛理ずるぅい。じみー、私のも食べるゆ」 
と愛理ちゃんのラッピングより一回り以上大きな袋のクッキーを手渡してきた。 
「じみー、今開けて今食べてみて」 
菅谷はじっとオレを見つめて、食べるのを今か今かと期待に満ちた目を向けてくる。 
「りーちゃん、先輩のごはん、結構多かったし後で食べてもらったほうがいいと思うけど」 
「今食べてほしいの。今食べて、感想が聞きたいの!」 
まいったな、愛理ちゃんの言うとおり弁当で腹は満たされてて苦しいんだけど・・・ 

1.男は気合、何とかなるさ。この場で食べる。 
2.さすがにきついよ・・・あとで食べるから、と菅谷を説得 
3.こうなりゃ愛理ちゃんのも一緒に全部食っちまえ 



主食とは違うんだ、お菓子だぞ!これくらい食べれずしてどうする! 
無理やりテンションをあげてオレは2人とものラッピングをはずして食べることにした。 
「愛理ちゃん、菅谷も期待してるし、愛理ちゃんのもここで食べて感想を言うよ」 
「・・・優しいんですね、先輩」 
「さっすがじみー、男の子だゆ」 

まずは愛理ちゃんのから・・・ 
形もかわいらしく、ちゃんと女の子の一口サイズに作ってあってこれなら今食べても大丈夫そうだ。 
ぱくっ、と口に入れると 
「うん、おいしい!甘すぎないし焼き加減もちょうどいいよ」 
「先輩〜、うれしいですぅ」 
次に待たせてしまったけど菅谷のクッキーを・・・げっ! 
「どーしたのじみー、早く食べて!」 
菅谷・・・頑張ったのは認める。焼き色も見た目も努力の跡が見える。 
オレが記憶障害になったあとに学校で作ってたクッキーに比べたら雲泥の差だろう。 
ただ・・・大きい、大きすぎる。1つが愛理ちゃんのくれた一口サイズの20個分あるんじゃないか?と思うのがそれこそ弁当の量を超えている・・・ 
食いしん坊の菅谷らしいクッキーなんだが、これを今全部平らげなきゃならんのか・・・ 
じーっ、とオレが口に運ぶのを期待の目で見つめてくる菅谷。 
そんな目でオレを見ないでくれぇ(涙) 
・・・意を決して口に運ぶ・・・美味い!んだよ、菅谷、だけどさ・・・ 
「どう、じみー?おいしい?」 
「う、うん、おいしいよ、菅谷。ただ「うれしいゆ!」」 
うぷっ!いきなり抱きつかないでくれ菅谷。ただでさえ腹が苦しい時にお前まで支えきれない。 
「あれから何回も作る練習したんだよ。じみーのためにおいしいクッキー作れるように頑張ったんだもん」 
うれしそうにオレの顔を見つめてくる菅谷を見てると大きすぎて食えないなんて言えなくなった。 
「りーちゃんのほうがずるいじゃん。こうなったら私も・・・せんぱぁい!」 
あ、愛理ちゃんまで抱きついてくるの!いや、もう菅谷だけで限界突破してるんで2人は支えられません〜。 
2人に抱きつかれたままオレはその場に倒れこんだ。 

結局、クッキーを全部食べるまで菅谷は解放してくれず、幸せなんだけど食休みもない状態だった。 
菅谷はクッキーを食べてる間、ずっとにこにこしてオレから離れなかった。 
2人には午後の競技があるからクラスにちゃんと戻るように、って言ってようやく解放してもらった。 
愛理ちゃんは気遣って 
「先輩が動けるまでここにいます。」 
とは言ってくれたけど、今日の行事のメインは中等部なんだから、としぶしぶクラスに戻ってもらった。 
・・・ふぇぇ、午後の競技が始まってしまうけど、オレは苦しくてそれどころじゃないよ・・・ 

1.胃薬もらって休みたい、保健室へ 
2.クッキーでのどが渇いた、購買部へ 
3.まだ苦しくて動けない、もうちょっとこの木陰で休む 



生徒会には顔を出して、体調が悪いので保健室へ行ってくると伝えた。 
幸い午後の競技での補助は午前ので要領を得たらしく、人手を午前ほどかけなくて良くなったので 
オレが休憩で抜けても大丈夫らしい。 
苦しい腹を抱えながら体を保健室へと向かわせた。 

ようやく保健室へたどりついたものの、保健室には誰もいない。 
仕方がないので勝手に胃薬をもらってどこかで休もう・・・ 
がさがさ・・・がさがさ・・・あった。とりあえず水をもらって、と 
「すぅー、すぅー」 
ん?カーテンの向こうから寝息がしてる。誰かいたのか 

1.寝てるのを邪魔しちゃ悪いから、胃薬飲んでさっさと戻る。 
2.ちょっと悪いけど誰なのか覗いちゃう 
3.うわぁっ、手が滑って救急箱の中身がばらけてしまったぁ! 



いったん気になったら好奇心は抑えられない。 
「ごめんなさ〜い、失礼しま〜す」 
閉じられたカーテンから顔をちょっと出して誰が寝てるのかを確認した。 
「えっ!?」 
舞美先輩?ここ中等部の保健室ですよ。なんでこんなところで寝てるんです? 
「すぅー、すぅー」 
高等部の制服姿で、小ぶりな胸が膨らんではしぼみ、膨らんではしぼみ・・・気持ち良さそうに熟睡中。 
う〜ん、とっても気になる。オレが中等部の行事にいる状況も特殊だけど 
舞美先輩がいて、しかも中等部の保健室で寝てる。 

1.ベッドのそばまで近づく 
2.寝てるのを起こすのも悪いのでカーテンを閉めて保健室から出る。 
3.・・・かすかに人の気配を感じたぞ・・・ 



起こさないようにそっとベッドのそばまで近づいてみた。 
何度も見てる舞美先輩の顔なんだけど、やっぱり綺麗だよな。 
寝てるときでもきりっとした顔、だけどオレの前では甘えたりはにかんだりする顔で・・・かわいいんだよなぁ。 
舞美先輩の顔を見てるうちにベッドに身を乗り出していると 
「じみぃ、大好きぃ」 
「うわっ」 
先輩の腕がオレの体に伸びてきてそのまま抱きしめられた。 
いきなりで支えることもできずベッドに重なるように倒れこんでしまった。 
舞美先輩はオレを抱きしめたまま放してくれない。顔を覗き込んでみると 
「じみぃ、すぅーすぅー」 
寝てる・・・夢の中でオレを抱きしめてくれてる感覚なのか?にしても力が入ってて身を離せそうにない。 
舞美先輩ぃ、寝てる時も全力ですか〜。 
どうにかして舞美先輩に放してもらわないと戻れないなあ。 

1.先輩おきてください、と目覚めのキス 
2.先輩はここが弱かったはず、と鎖骨を攻めてみる 
3.「失礼しまぁす」と誰かが保健室に入ってくる 



「失礼しまぁす」 
うぁ、誰かが保健室に入ってきた・・・舞美先輩起きないしどうしよう。 
「誰かいませんか〜?」 
この声は・・・愛理ちゃん!? 
「生徒会の人に聞いたら、ジミー先輩は保健室に行ったって言ってたんだけどなぁ」 
独り言のようにつぶやいてる愛理ちゃん。今の状況は・・・まずい、のか? 

1.「じみぃ、大好き」って舞美先輩、声出しちゃダメ! 
2.「愛理ちゃん、ちょっと助けてくれない?」と声を出してみる 
3.静かに、今はとにかく静かにするんだ・・・ 



「じみぃ、大好き」 
わぁぁっ、舞美先輩!この状況で寝ぼけないでぇぇ! 
「ん?じみぃって・・・ジミー先輩?」 
あぁぁ、愛理ちゃんがベッドのほうに近づいてくるのがわかる・・・ 

「おっと、そこにいるのは確か・・・愛理ちゃん、だっけ?」 
えっ?まだほかに誰か保健室にいたのか!? 
「はい?あなたは・・・舞美ちゃんのお兄さん?」 
「うれしいね〜、こんなかわいい子に覚えてもらえてるなんて」 
「褒めたって何も出ませんよ、舞美ちゃんのお兄さん」 
「あぁ、なんかジミーを探してるみたいだけど、あいつならもうグラウンドに戻ったぜ」 
「そうですか、ありがとうございます」 
「愛理ちゃん、今度俺とデートしてみない?」 
「・・・舞美ちゃんにばれちゃっていいんですか?」 
「それはまずいかも」 

・・・愛理ちゃんは保健室から去ったようだ・・・ 
「よっ、ジミー。こんなもんでいいかな?」 
「・・・助かりました、と思いますけど・・・何でここにいるんですか?」 
「そりゃ、弟と妹が保健室で何をするか、兄としては気になるじゃないか」 
「・・・手に持ってるデジカメは何ですか?」 
「そりゃ弟と妹の仲むつまじい光景を撮るために決まってるじゃないか」 
「・・・まぁいいです。とりあえず助けてください、オレの力じゃ舞美先輩を引き離せません」 
「しょうがないな弟よ、これも貸しにしとくぞ」 
うぅ、この人に借りを作るなんて・・・あとで何を要求されるかわかったもんじゃない。 
「もうちょっと待ってれば舞美も起きて、今度こそハメ撮りを」 
「すみませんありがとうございました失礼します!」 
オレは先輩のお兄さんの目を見ずに早口でお礼を言ってさっさと保健室を去った。 

思ったより時間を食っちゃったみたいで、生徒会のテントに戻ると借り物競走まで終わってしまっていた。 
クラス対抗リレーまですっぽかしたから2競技分も時間を費やしたのか。 
生徒会の面々はオレの戻ってくるのが遅かったから体調を心配してくれたが 
胃薬のおかげで腹もすっきりしてるし手伝いを再び行うことにした。 
まぁ、次の混合リレーの決勝が終わればあとはフォークダンスだけなんだし、競技準備や補助の仕事はこれで終わりだ。 
あとは休んでても帰ってもいいんだし・・・ 
でも、リレーの決勝だけは岡井ちゃんも栞菜ちゃんも出るんだからできるだけ近くで見たい。 
ここで手伝いをしないわっきゃない(Z)・・・なんだろこのフレーズ? 

入場口のほうへすぐ向かい、生徒会からの指示を受けて準備を済ませる。 
岡井ちゃんに栞菜ちゃんは、と・・・いた。 
予選の時も緊張してる様子だったけど、決勝ともなるともうがちがちになってるみたいだ。 

1.岡井ちゃんに声をかけてみる 
2.栞菜ちゃんに声をかけてみる 
3.下手に声をかけてさらに緊張させるのはまずい、リレーが終わるまで見守る。 



「やあ岡井ちゃん」 
「ジミー先輩!」 
オレの顔を見てちょっとはほっとした表情になった岡井ちゃん。 
「ついに決勝だね、応援してるよ」 
「でも、決勝ですから予選みたく勝てるとは思えないんですよ・・・」 
確かに、予選の時とはさらに雰囲気が違う。リレーのアンカーは完全に運動部のトップクラスをあててきている。 
これじゃ岡井ちゃんの自信が揺らぐのも無理はないかも。 
何とか励ましてあげないと・・・ 

1.岡井ちゃんなら大丈夫、自信もって!と肩を持って励ます。 
2.がんばって1位とれたらデートしよう、と言ってみる 
3.オレが岡井ちゃんの後ろから追っかけようか?と冗談っぽく言う 



「岡井ちゃん、予選でのあの走り、オレが保証する。絶対に誰も追いつけないから」 
子犬のように震えてる岡井ちゃんの両肩をもって、目を見据えるようにして励ましてあげた。 
「でも、ちさとは運動部にも入ってないです。いざというときの走りはやっぱり部活動してる人のほうが・・・」 
「大丈夫だよ、絶対に大丈夫。オレの言うことが信じられない?」 
「ジミー先輩の言葉は信じられます。でも、ちさとの足は、自分のことは自信はありません・・・」 
まだ、不安は取り除けないか。目をしっかり見てくれるけど、ちょっとうるんだ目をしたままだ。 

だったら、勝った時の喜びを大きくしてあげられる方法で不安を喜びで吹き飛ばすのはどうだろう。 
「岡井ちゃんが頑張ってくれるなら、オレからプレゼントがあるよ」 
「え、何をくれるんですか?」 
「オレとのデート」 
「えぇぇえぇっ!で、デデ、デートですか!?」 
不安そうだった顔を赤くして、岡井ちゃんはちょっとしたパニック状態に陥っている。 
「でででもこの前も自然公園に連れて行ってもらったし・・・」 
「あれは途中から土砂降りの雨で中途半端になっちゃったから、オレとしてもちゃんとデートをやり直したいし」 
「・・・ちさとはすっごくうれしいんですけど、その、やっぱり徳永先輩に悪いし、舞ちゃんも最近なんかジミー先輩のことばかり話すし・・・」 
岡井ちゃんは困ったような恥ずかしいような顔で、でも答えを出すのをためらっている。 
こうなったらこう話しておかないと岡井ちゃんの中でも踏ん切りがつけられないだろうから 
「ん〜、じゃあさ、リレーだから岡井ちゃん1人の頑張りだけでなんとかなるわけじゃないけど、もし1位になったらご褒美にデートできる、ってことでどう?」 
もちろん岡井ちゃんが勝てなくてもデートするつもりなんだけど。 
「・・・そ、そうですね、1位のご褒美なら構わないですよね!お願いしますっ!」 
ようやく岡井ちゃんが自分の中で納得してくれたのでちょっと安心した。 
「さ、そろそろ入場だよ。がんばってね」 
「はい!ジミー先輩が見てくれてるんだからいつも以上に頑張ります!」 

リレーの決勝が始まった。まさに運動会の花形競技でみんながヒートアップしている。 
運動部員はここぞとばかりに自分の実力を見せつける。 
栞菜ちゃんはアンカーから入れ替わったらしく何人目かのランナーを終えていた。 
「先輩、どうでした私の走り?」 
「速いね、ホント。オレじゃ勝てないよ」 
「先輩なら大丈夫ですよ、私を虜にしてるんですから♪」 
それは足の速さとは全く関係ないんじゃ・・・ 

栞菜ちゃんにくっつかれたままだったけど、リレーが進みアンカーにバトンが渡された。 
岡井ちゃんは・・・1位から20mは引き離されている2位でバトンをもらった! 
正直、午前中に見た予選の走りはすごかったけどそれでも奇跡でも起きない限りは追いつけないんじゃないか。 
そう思えた。 

1.奇跡その1がおきる 
2.奇跡その2が起きる 
3.奇跡の力なしでレース結果へ 



あれだけ頑張ってるんだ、神様いるならオレの祈りよ届け! 
いや、岡井ちゃんの頑張りを見てくれ! 
オレは無意識のうちにこう叫んでいた。 
「いけーっ!岡井ちゃーん!」 
隣にいた栞菜ちゃんがびっくりしてるがそんなのは関係なかった。 

すると、1位の野球部男子(推測)がコーナリングで足がもつれて転んだ! 
あわてて立ち上がって走り出すが岡井ちゃんがそれをとらえる。 
そこからはゴールまで完全な競り合い。 
野球部男子も意地がある、絶対に譲らない。 
でも岡井ちゃんも必死に食らいつく。 
ゴールテープをほぼ同時に切った! 
審判員が出した結果は・・・岡井ちゃんが1着! 
着差は・・・あえて胸差ということにしておくかな。 

岡井ちゃんはチームのメンバーに囲まれてうれしそうだ。 
涙も見える。こっちに来ようとしてるんだけどチームのみんなが放してくれない。 
声をかけたかったけど、オレも競技補助の後片付けで呼ばれてしまった。 

競技は全部終わってあとはフォークダンスになった。 
オレは手伝いだからもともと参加できるとは思ってなかった(萩原は違うだろうが) 
が、生徒会から 
「どこかのチームに参加してきてください」 
「へっ?オレ手伝いだけじゃないの?」 
「これくらいは役得あってもいいんじゃないですか。それに中等部の女の子にも慕われてるみたいじゃないですか」 
こいつら・・・生徒会ってカタイ奴ばっかりだと決めつけていたけど、これで先入観が払しょくされたな。 
さて、それじゃあどのチームに参加させてもらうかな? 

1.赤 熊井ちゃんと早貴ちゃん 
2.白 栞菜ちゃんと菅谷と愛理ちゃん 
3.黄 岡井ちゃんと舞ちゃん 



黄チームに参加させてもらうように言って、生徒会の面々にまぎれてダンスの列に並ぶ。 
(音楽は想像にお任せします) 
音楽が始まって女の子たちとダンスをこなす。 
舞ちゃんとの順番になった。 
まだ幼さの残る体つきの舞ちゃん。体操服にブルマ姿でもなぜか安心してしまうな。 
「舞ちゃん、どうぞこちらに」 
「ジミーちゃん!?」 
やっぱり驚くよね、そりゃ。いるはずないんだもの、本来なら。 
「もう、やっぱり女の子と踊りたいから参加してたんでしょ」 
「あはは、そう思われても仕方ないよね。でも、違うんだよ」 
「違うの?」 
「萩原をけがさせちゃったのはオレだ。あいつは舞ちゃんを大事に思ってる」 
「・・・そうだね。たまにうっとうしいって思うけど、やっぱりお兄ちゃんは舞にとっても大事な人」 
「その大事な人に『舞を見守ってくれ』って頼まれたんだ、断れるわけないよ」 
「ジミーちゃん…」 
「だけど、それだけじゃないよ」 
「・・・」 
オレのほうをじっと見つめる舞ちゃん。 
「あいつのは妹の舞ちゃんを守りたい気持ち。オレのは・・・1人の女の子として守りたい気持ち」 
「ジミーちゃん、かっこつけすぎだよ・・・」 
舞ちゃんは照れてしまってこっちを向いてくれなくなった。 
「それじゃね、ジミーちゃん」 
舞ちゃん、最後のほうは耳が真っ赤っかだったな。 

何人か女の子と踊った後、岡井ちゃんとの番になった。 
「岡井ちゃん、ようこそオレの腕の中に」 
「えぇえっ、ジミー先輩っ!」 
あら、岡井ちゃん。また顔が真っ赤だよ。 
「ジミー先輩と踊れるなんて・・・ちさと、こんなにうれしいこと続きで信じられません」 
「神様が頑張った岡井ちゃんにご褒美くれたんじゃないかな?」 
「だったら神様に感謝します。もちろん、応援してくれた先輩には感謝しきれませんし」 
はにかんだ笑顔でオレのほうをちらちら見ながら話す岡井ちゃん。 
肩越しに見えるでっかーは・・・まずいな、今はいい先輩なんだけど、男としては気になって仕方がない。 
「で、デデ、デートの話なんですけど」 
岡井ちゃんから約束のデートの話を切り出してきた。 
「どうしようか、どこか行きたいところはある?」 
「あああの、あのですね、ちさとの家でご飯作りますから、また一緒に食べませんか?」 
前にも確かご飯食べたんだっけか? 
「うん、いいけど。岡井ちゃんの行きたいところに連れてってあげるのにいいの?」 
「デートしてもらうのはちさとのほうですけど、今日は先輩にお世話になりっぱなしですからちさとがお礼したいです」 
そういうことか、だったら何にも断る理由もない。 
「じゃあおいしいごはん期待してるよ」 
「はいっ!ちさとも楽しみにしてます」 
ちょうど曲が終って、岡井ちゃんのところでダンスは終了した。 

オレは生徒会のところに戻ってきて、行事終了の集会を終えた。 
中等部の生徒はクラスのホームルームが残ってるようでまだ時間がかかるようだ。 
このまま誰かを待ってようかな、と思ってたら萩原から電話が入った。 

「ジミー、舞にけがはなかったよな」 
「萩原、オレに任せたんだろ。そんなに信用ないか?」 
「・・・まぁいい。今回のはお前に感謝する」 
「けがしたかどうかまだ言ってないぞ萩原」 
「お前の話し方で十分わかる」 
「そうか、なら今日の役目はこれで終わりでいいな」 
「早くお前は帰れ。舞に病院に来てもらっていっぱい話してもらうんだ」 
「オレが足止めするみたいに言うな」 

・・・なんか気がそがれてしまった。 
まぁいいか。夕暮れ空に流れる雲を見ながらオレは中等部から家路に着いた。 


州´・ v ・)<今日かはわからないけど、高校編の私のエッチとかどうですか? 州*´∩ v ∩)<キャッ…自分からエッチどうですかなんて (*ジミー)<愛理ちゃんとは久々だし先輩頑張るぞ 州*´・ σ ・)<先輩〜♪