入院中の萩原から電話が入った。 「ジミー、日曜日は俺の代わりに中等部に行け」 「は?何言ってんだ萩原、せっかくの休みの日曜に何でオレが学校に?しかも中等部に行かなきゃならんのだ?」 「舞が中等部の薫風祭に出るんだ。本当なら俺が這ってでも行くべきだが誰かさんのせいでベッドの上から動けないからな」 「中等部の行事ごとに舞ちゃんについていくつもりかお前。いくら兄妹でも中等部の行事に参加できるわけないだろうが」 「こんなこともあるかと思って中等部生徒会とのつながりもあるんでね。手伝いとして参加できるんだよ俺は」 「…それはいいとして薫風祭ってのはなんだ?」 「この時期にプチ体育祭をやるらしい。組体操やダンスみたいな演技系はなく、リレーや競走だけに集約したものだそうだ」 「オレ達がいた時代にはそんなものはなかったよな」 「学校側が子供の体力向上計画の一環として開催するらしいことは聞いた。だが背景なんかは関係ない。問題は舞が怪我しないかを見守る俺が動けないことだ」 「で、代わりにオレに行けと」 「本来はこれも貸しにしときたいところだ。だが舞の身の安全を考えて生徒会のほうにはお前が代わりに行くともう言っておいた」 「いいのかよ、安全なんて保証できないぞ」 「怪我しないか見守るだけでいいんだ。頼んだぞ、朝7時に中等部グラウンドに行け」 プツッ、ツーッ、ツーッ、ツーッ・・・ ったく萩原のやつ、どれだけシスコンぶりを発揮して中等部の行事にまで顔突っ込むつもりだったんだか。 とはいえ参加するとなると舞ちゃんとはあの一件もあってちょっと複雑な感じだし・・・ 顔を合わせるのは少し気が引けてしまうんだが、萩原の怪我はオレの責任もあるわけだし。 1.萩原に電話してやっぱり断る 2.萩原の怪我の責任はオレにあるし、とりあえず日曜日は行ってみるか 3.舞ちゃんに電話してみるか 日曜の朝、中等部の大半の生徒たちよりも早くグラウンドに行き、萩原の代理ということで生徒会の面々から説明を聞いた。 どうやらオレのやることは競技器具の準備や片付け、競技中の補助なんかのようだ。 指示はその都度出してくれるということで、拘束は多少あるがフリーになれる時間も結構ありそうだ。 ヘビーな体力仕事は得意じゃないオレだけど、このくらいのことならこなせるだろう。 次に薫風祭のプログラムだが ・開会式 ・学年別クラス対抗リレー(予選) ・障害物競走 ・学年混合リレー(予選) ・昼休み ・学年別クラス対抗リレー(決勝) ・借り物競走 ・学年混合リレー(決勝) ・フォークダンス ・閉会式 ん?フォークダンスなんてあるのか…まさか萩原、これがあるのを知ってて自分も参加して舞ちゃんを踊るつもりだったのか? ここまでシスコンぶりが徹底してると天晴れ・・・なんて思えるわけないだろ変態がww というか、舞ちゃんや萩原のことばかりで失念していたが学年別や学年混合なんて文字を見て中等部全員が参加することにようやく気付いた。 3年に熊井ちゃん、早貴ちゃん、栞菜ちゃん 2年に菅谷、愛理ちゃん、岡井ちゃん で1年に舞ちゃん 学年混合のチーム分けがどうなってるのか、組み合わせを見てみると・・・ (組み合わせのご希望があればできるだけ反映したいと思います。それがどのように影響するかは・・・私の展開力次第なので何とも言えないですがm(_ _)m) *注意点は1つだけ。同学年特進クラスの2人(菅谷、鈴木)は必ず同チームとなります。それ以外は制約はなしでご希望があればお願いします 赤に熊井ちゃんと早貴ちゃん 白に栞菜ちゃんと菅谷と愛理ちゃん 黄に岡井ちゃんと舞ちゃんか プログラムの中身をだいたい把握し、オレは待機場所である生徒会のテントで指示を待つことになった。 開会式の時間が近づくにつれてぞろぞろと中等部の生徒がグラウンドに集まりだした。 つい数か月前の体育祭でオレもああいう感じで集まってたんだよなあ、とちょっと感慨に浸ってたら 「あーっ!」 誰かがオレを見つけて小走りに近付いてきた。 1.熊井ちゃん 2.早貴ちゃん 3.栞菜ちゃん 4.菅谷 5.愛理ちゃん 6.岡井ちゃん 7.舞ちゃん 「じみー、何でなんでにいるの?」 ん、菅谷か。体操服にブルマって・・・朝から刺激が強すぎるだろw 白い肌にふくよかな体、特にどうしても胸に目線がいってしまう。 「どこみてるゆじみー!」 いてっ、頭をはたくな菅谷。 「高等部は今日はお休みでしょ?」 「生徒会から依頼を受けてお手伝いをすることになってさ」 まぁ半分くらいは真実だし、残り半分はあんまり言う必要もない理由だからこれでいいか。 「でも、じみーがいるなんて思わなかったゆ。いるって知ってたら」 「知ってたら?」 「知ってたら 1.じみーの分もお弁当作ってきたのに」 2.いっぱい種目に出るんじゃなかった〜」 3.帰りに友達と遊びに行く約束しなきゃよかったなぁ」 じみーの分もお弁当作ってきたのに」 うーん、菅谷の手作り弁当を食べるチャンスがあったのか、残念だ。 「ありがとう。気持ちだけでもすごくうれしいよ」 「あ、でもお昼は一緒に食べようよ、じみー」 「うん、そうだな。一緒に食べたいな」 「うれしい!じみー大好きだゆ!」 うわっ、いきなり抱きつくな!・・・菅谷いいにおいがするなぁ、体操服越しだけどその胸の感触も何とも・・・ 〜中等部の全校生徒はグラウンドに集合してください。繰り返します、中等部の〜 「もうすぐ開会式始まるな。号令かかってるみたいだぞ菅谷」 「あ〜ぁ、もうちょっとお話ししたかったなあ」 「またあとで時間はあるよ」 「そうだね。じゃあじみー、お昼ごはんのときに購買部前で待ってるゆ」 そういうと菅谷は自分のクラスの列に並びに行った。 開会式が終わり、競技に入っていく。 第1競技はクラス対抗リレーの予選か。 リレーのバトンやゴールテープ、順位のフラッグなど、軽いものばっかりだから簡単な仕事でよかった。 どちらかというと学年混合リレーのほうに足の速いメンバーを集めてるらしく、なんかみんな気楽そうだ。 プログラムのチーム分けで確認してみると・・・オレの知ってる子で出るのは熊井ちゃん、早貴ちゃん、舞ちゃんか。 萩原に頼まれてるから、舞ちゃんに怪我がないようにちゃんと見てないといけないな。 1年のリレーから始まり、舞ちゃんの出番がさっそくやってきた。トラック半周を走るから、反対側の直線レーンに舞ちゃんが準備している。 どうやら舞ちゃんは第1走者みたいだ。 「位置について、、、よーい・・・」『パンっ』 乾いた音が響き、リレーがスタートした!舞ちゃんは 1.特にハプニングもなく、普通の順位で次の走者にバトンを渡す 2.コーナリングで他の生徒にぶつかり転倒してしまう。 舞ちゃんはスムーズにコーナーを回ってきた。 順位は良くないけど次の走者に無事バトンを渡して待機場所に座り込む。 距離にして100mくらいだが、舞ちゃんは息を切らしてちょっとつらそうだった。 「舞ちゃん、大丈夫か?」 「はぁはぁ、ぁ、ジミーちゃん!」 オレのほうを見てびっくりした様子だった。 「なんでいるの?高校生は今日は関係ないでしょ」 1.萩原の代理で舞ちゃんの面倒を見に来たと伝える。 2.理由はどうあれ、舞ちゃんが心配だからここにいると話す。 3.いやぁ、生徒会から呼び出しくらっちゃった、と冗談っぽく話す。 「舞ちゃんが心配だったからさ」 「え?」 「こないだは・・・ごめん」 「ばか、こんな時にそんな顔しないで」 舞ちゃんがやっとおれの目を見て話してくれた。 「あの後考えたけど、舞もなんかおかしかったのかもしれない。ジミーちゃんが好きすぎて、でも何にも出来なくて」 「舞ちゃん・・・」 「でもね、でも・・・」 舞ちゃんが何か言おうとしたときに、 『パンっ』 どうやら1年生のリレーは終了したようで、1年生の退場になってしまった。 競技補助なのでオレはこの場に残らなければならない。 もう時間がないから、と舞ちゃんはこう切り出した。 「ジミーちゃん、話したいことはいっぱいあるの。だから今度ちゃんとデート連れてって」 1.あぁ、約束するよ、とちゃんと答える。 2.話ならいつでも聞くよ、という。 3.学校で会える時に会いに行くよ、と紛らわせる。 「あぁ、約束するよ。だから待ってて」 「ジミーちゃん絶対だからね!」 去っていく時ににオレのほうを何度か振り返りながら舞ちゃんは退場していった。 少しは舞ちゃんの気持ちを軽くできたのかはわからないけど、オレの中でも答えを出してあげないといけないし・・・ 競技補助をしながら2年生のリレーが終わり、次は熊井ちゃんと早貴ちゃんの出る3年生の出番となった。 舞ちゃんと同じくトラックの反対側に2人は体育座りをして自分の番を待っている。 リレーが進むうちに2人同時に立ち上がってレーンに並んだ。 同じチームでもリレーチームは2チームずつだから、2人はライバルってことになるのか。 2人のチームはほぼ横並びで、同時にバトンを受け取った! どっちも真剣な顔でお互いに競り合ってる。 1.熊井ちゃんが先着 2.早貴ちゃんが先着 3.ほぼ同時に次走者にバトンを渡す。 んー!見てるこっちも気合が入ってしまうほど2人の競り合いは激しく 「友理奈ちゃんには負けられない〜」 「早貴ちゃんには負けたくない!」 って聞こえたような気がする。 2人ともほぼ同時にバトンを渡して、待機場所へ・・・ 「2人ともお疲れさま。がんばってたね」 「えっ、ジミー先輩!?」 「うわぁ、ジミーセンパイだ〜」 早貴ちゃんはきょとんとして、熊井ちゃんは満面の笑みでこっちを向いた。 「どうして先輩が今日居るんですか?」 「それはね」 「私に会いに来てくれたんですよねセンパイ!」 熊井ちゃんはオレに会えたことですごくうれしそうにしている。早貴ちゃんは理由が分からず不思議そうだ。 「萩原が怪我しちゃっててね、代理で生徒会の手伝いをしているんだ」 「そうだったんですかぁ。納得しました」 「え〜、そこは私に会いに来たんだって言ってほしかったな〜」 「中等部の行事なんだからそれはないでしょ友理奈ちゃん」 「そっか、でも行事の日にもセンパイに会えたからよかった〜」 「私もうれしいです。今日はがんばれそうです!」 「はは、オレもそう言ってもらえたらうれしいよ」 『パンっ』 どうやらリレーが終わったみたいた。 「先輩、お手伝いってことは今日は終わるまでいるんですよね」 「うん、そうだよ」 「じゃあまだ会えるんだ〜、楽しみだね早貴ちゃん」 「うん!」 2人で会話をしながら退場していった。 リレーが終わり、次の競技の障害物競走の準備をすることになった。 これは結構な準備が要りそうで、平均台にピンポン球とお玉、網に金属バット・・・ 全部が全部オレが運ぶわけじゃないけど、なるべく楽なのを回してくれよ生徒会。 「○○さんは・・・平均台を運んで行ってもらって、その場で補助をお願いします」 「補助って何すればいいの?」 「平均台エリアはピンポン球をお玉に乗せて、ジグザグにした平均台をすすんでもらうエリアです」 「はぁ」 「で、バランスを崩したり踏み外したりする人もいると思いますので、平均台がずれたりすることも考えられますから、それを直してもらいます」 「どの辺にいればいいのかな?」 「平均台を降りる地点、次の走者が来るまでに元の状態に戻せるようになるべく近くがいいですね」 「了解〜」 他の手伝いの人と平均台を運んでその場に待機・・・ 入場が始まったので誰が出るのか確認・・・菅谷と愛理ちゃんの特進クラス組か。 一緒に並んで入ってきてる姿を見てふと思ってしまう。 2人が並んでいると体つきの違いがやけにはっきりしてしまう。 菅谷は体全体から大人びた雰囲気を出して、特にその胸は他の女の子を圧倒している。 愛理ちゃんはスレンダーでほっそりとして、触れると壊れてしまいそうなはかなげな感じ。 人によって好みは違うだろうけど、どちらも目を引くことには違いない。 菅谷と愛理ちゃんは同じチームだけど、同じエリアに座った。ちょうどオレが担当している平均台エリアに向かってくるようだ。 走者順で菅谷のほうが前に並んでるから先に菅谷が来るんだな。 っていつのまにかもう始まってんじゃねーか。 網に絡まる生徒、バットぐるぐるでフラフラになる生徒・・・いろんなハプニングが起こりながらオレは作業を淡々とこなしていった。 とうとう菅谷にバトンが渡り、平均台のほうにお玉ピンポンを持って進んでくる。 「あぁっもう、うまく進めないゆ〜」 ・・・菅谷ほとんど前見てないぞあっぶねーな、フラフラしすぎだって。 こっちで見てるほうが不安になる足取りで平均台に差し掛かった。 うわ、もう体が揺れまくってるじゃないか、いつ落ちてしまうか・・・ っ足踏み外した危ないっ!瞬間的に体が動いて 1.真正面から抱きかかえる形に 2.なぜか菅谷尻もち状態の下敷きに 3.もつれるようになっていつの間にか唇が合わさっている ずっでーん!!! 抱きかかえようとして正面から体をもっていったら逆に倒される形になってしまった。 ・・・いでででで、ん゛?なんで息苦しいんだ?目の前は暗いというより濃紺色の三角形と白い大根が2本ある。 とりあえず息しないと・・・ 「すーはー」 「ゆぅっ!」 「えっ」 「なんか股が気持ち悪いゆ〜」 そうか、目の前の濃紺は菅谷のブルマの色か。ってことは菅谷の股間に顔がいっちゃったのか!? 「いやぁ、どいてゆ〜」 うわっ菅谷オレの顔の上で暴れるなって!お尻までオレの顔に乗っかってきてますます息ができない・・・ ぷにぷにした感触が顔の上で…だんだん押し付けが強くなってきて、く、くるしい、まじで窒息する 「す、菅谷、頼むから暴れずに立ち上がってくれ。苦しすぎる・・・」 ちょっと意識が飛んでいきそうだ・・・このまま菅谷の尻に包まれて死んでいくのか・・・ 「ゆっ、じみー!ごめんだゆ大丈夫?」 ようやくオレに気付いてくれたか、死ぬかと思ったぞ。 「菅谷、大丈夫だから競技に戻れ。お前だけやたら取り残されてるぞ」 「うんわかった。ごめんねじみー」 なんだか菅谷とごちゃっとしてしまったが競技は続いて今度は愛理ちゃんが平均台に進んでくる。 菅谷とのハプニングで愛理ちゃんはオレがここにいることには気づいたらしく、2コースある平均台のうちオレのいるほうに向かってきている。 菅谷とは違ってバランス感覚は良好で足元もちゃんと確認しながら前を見る余裕もあり、うまく平均台にも乗った。 そのまま平均台の終わりまでスムーズに来て・・・たんだけどオレのほうを見て ・・・ちょっと目がきらんっ!としたのは気のせいか? 1.最後の最後につまづいてオレのほうに倒れこんできた。 2.「りーちゃんずるいなあ、ジミー先輩は私の彼氏なのに」とちょっと拗ねた感じで笑顔を見せた。 3.「ジミー先輩・・・ケッケッケッ」って、なんか背筋に寒いのが走ったぞ んっ?愛理ちゃん平均台の降り際で踏み外したぁっ! あわてて愛理ちゃんを受け止めるように抱きとめた。 菅谷のときは失敗したけど今度はちゃんと愛理ちゃんも倒れずに済んだし。 「愛理ちゃん大丈夫かい?」 「・・・ごめんなさい先輩。先輩に抱きしめてもらえるようにわざと踏み外したんです」 愛理ちゃんはオレの顔を見てちろっと舌を出していたずらっぽく笑った。 「りーちゃんがつまづいたときに先輩がすぐに抱きとめようとしてたのを見て思いついちゃったんです」 「わざとだったのか。ちょっと心配しちゃったよ」 「そこは本当にごめんなさい。でも先輩がちゃんと抱きとめてくれるって信じてましたから」 普段はなかなかストレートに甘えられない愛理ちゃんの、愛理ちゃんなりに考えた甘え方だったみたいだ。 「りーちゃんとお昼食べるんですよね?私も一緒に行ってもいいですよね?」 1.もちろん、彼女なんだから遠慮なんてしなくていいよと承諾 2.ごめんね、菅谷とじっくり話してみたいことがあるからと断る 3.あれ、そんな話オレしてないよね?ととぼける 「もちろんいいよ、彼女なんだしそんなことで遠慮しなくてもいいよ」 「はい。でもほんとは2人きりのほうがいいんですけど、りーちゃんがうれしそうに話してたから」 こういうときにも自分のことより友達を優先する愛理ちゃんの優しさが感じられた。 「じゃあ、りーちゃんと一緒に購買部前で待ってますね」 「うん、わかった。・・・愛理ちゃん、思いっきり遅れちゃってるよ」 「えっ?わぁあぁっ!先輩またあとで〜」 結局、菅谷と愛理ちゃんのハプニングが大幅に時間をとって特進クラスはとんでもない大差で最下位だった。 特進クラスには悪いことしちゃったかな・・・ ふう、なんだか競技に参加してないのにちょっと疲れてしまったな。 ええと次は・・・混合リレーのほうか。 各学年ごとで本当に足の速いメンバーを集めてガチで勝負するんだよな。 入場口に集まった生徒たちを見ると、見た感じからして足の速そうなやつばかり。 やっぱり運動のできるやつは雰囲気からして違っている。 そんなアスリートの雰囲気漂うなかに、岡井ちゃんと栞菜ちゃんが並んでいるのを見つけた。 競技の準備はもうできているし、今回のオレの役目は順位フラッグの1位を渡すだけ。 入場時間が近いからあんまり時間はないけど少しくらいは話しかけることができそうだ。 ・・・どうやらどちらもアンカーを任されてるっぽい。 1.岡井ちゃんに声をかけてみる 2.へ?においでオレに気付いたの栞菜ちゃん!? 3.フラッグを渡すときにびっくりさせたほうがいいかな アスリートぞろいで勝てるかどうか不安だけど、ゴールした時にフラッグをいきなり渡してあげたらびっくりするよな。 びっくりした時の表情を考えながらオレは2人を見守ることにした。 リレーが始まるとやっぱりアスリートぞろいで、かなり緊迫したレースになった。 岡井ちゃんにしても栞菜ちゃんにしても顔つきは真剣で自分のチームの走者を応援してる。 各チームアンカーが次々と呼ばれ、2人ともレーンに並びだした。 6チーム中、栞菜ちゃんは2番手、岡井ちゃんは4番手でバトンをもらった! 1.予選通過は2人のチームとも 2.岡井ちゃんのチームのみ決勝へ 3.栞菜ちゃんのチームのみ決勝へ 4.どちらも予選通過ならず 栞菜ちゃんも懸命に走っているが、その後ろの4番手からの岡井ちゃんの追い込みはすさまじいものだった。 5mほど差のあった3番手をトラックの4分の1も行かないところであっさりかわすと 栞菜ちゃんでさえも完全にトラック半周部で抜いていく。 疾走する岡井ちゃん・・・あんな大きなでっかーを揺らしながらもスピードは衰えない。 4コーナー回って最後の直線レーンで先頭をとらえるとゴールテープを1番に切った! 栞菜ちゃんは4番手に追い詰められながらも辛くも3位キープで、2人のチームともに決勝にコマを進めた。 オレは見事に1位になった岡井ちゃんのもとにフラッグを渡しに行った。 「おめでとう岡井ちゃん!」 「はぁはぁはぁ、えっ?じ、ジミー先輩!うわわゎっ、なななんでいるんですかぁ」 思ったとおりかなり驚いているなぁ。全力で走ったんだろうな、肩で思いっきり息をしてる。 「生徒会のお手伝いでさ、このリレーでは1位のフラッグ渡す係」 「あ、ありがとうございますっ!」 オレからフラッグを受け取ってにかっと太陽が差すような笑顔を向けてくれた。 「それにしてもすごいね、先頭までかなり差があったのに」 「ちさと、走るのは結構得意なんですよ。この中でも負けられないって思ってましたから」 ほめられて恥ずかしそうに頭をかいて、困ったようなあの笑顔を見せてくれる。 「これで決勝も楽しみになったよ。がんばってね!」 「はいっ!ジミー先輩がいるってわかったから、ちさとめちゃくちゃ頑張りますっ!」 「はぁはぁはぁ・・・」 「お疲れ様、栞菜ちゃん」 「あ、ジミー先輩・・・」 栞菜ちゃんも全力で走ってかなり苦しそうに息をしてる。 「よく頑張ってたね栞菜ちゃん。決勝に出れるんだよ」 「ふぅう〜、何とかチームの役にはたったかなぁ?」 「決勝出れるんだから十分役目は果たしてるよ」 「・・・ジミー先輩・・・えいっ!」 えぇっ!ちょ、ちょっと栞菜ちゃん。いきなり抱きついてきて・・・ 「先輩のにおいだぁい好き。頑張ったからご褒美くださいね」 顔を赤らめて上目づかいでオレのほうを見る栞菜ちゃん。 「わかってるよ。でも今はまだ行事中だからまたあとでね」 「ご褒美楽しみにしてますから。決勝も勝ったらすごいのを期待しますよ?」 ちゅっ、とオレのほっぺたにキスをして列に並びなおしていった。 2人とも決勝に出るのか。どっちが勝つのかはわからないけど、真剣勝負の中で楽しみができたな。 2人が退場していくのを見ながらオレは午後の競技にも期待を膨らませた。