「ジミー、お前に中等部からお客様だぞ」 

中等部からお客? 
俺には中等部にたくさんの知り合いがいるけど、一体誰なんだ? 

「相手はまだまだ可愛い年頃だな。お前、ロリコンか?」 

ろ、ロリコン…いやいや、俺はそんな趣味ないからな。 
岡井ちゃんは顔だけみると少年みたいだし、愛理ちゃんは背も高いからそれはどうかと思う。 
菅谷は顔からして大人っぽいからな… 

「遅いぞ〜」 

俺がぼぉ〜としながら相手が待つ廊下に出ると、対応をする間もなくラリアットされた… 

「いたたた…」 

廊下に頭を打ち付けそうになる衝撃を受けた俺が頭を持ちあげると、舞ちゃんが俺を見下ろしていた。 

「呼んだら早く出てきなよ。こっちがどれだけ待ったかわかってる?」 
「ちょっとの間じゃないか。そんなに怒らなくても」 
「怒るよ。こっちはいっつもジミーちゃんに待たされっぱなしなんだから」 

舞ちゃんとは確かにここ最近は全然会っていなかったからな。 
俺はバイトにデートと、休みなく動き回って体が一つじゃ足りないくらいだ。 

「ごめん…あんまり待たせないようにするから許して」 
「いいよ〜だ。その分、色々としてもらわなくっちゃ。そうだ、今度の日曜日空いてたら舞の家に来ない?」 

1 行きます、行かせて下さい 
2 理由から聞こうか 
3 用があるから無理だ 



何かの罠かも、などと勘ぐる俺は理由を訊ねてみた。 

「して、どんな理由で舞ちゃんは家に誘ってくれたの?」 
「知りたい?」 

舞ちゃんはニヤニヤしてなかなか理由を話そうとはせず、俺が急かすのを愉快に眺めている。 
こっちが痺れを切らすギリギリのタイミングを見計らって告げようとでもいうのか? 

「舞の部屋の引っ越しするの。もう中学生だしお兄ちゃんと同じ部屋だと変でしょ」 

そう、舞ちゃんは萩原と同じ部屋で今まで過ごしていたが、もう中学生だし部屋を持っには丁度いいか。 

「で、その手伝いをジミーちゃんがするの。お兄ちゃんは誰かさんがケガさせて使えなくしたから代わりだね」 

明らかに言葉に刺があり、俺に拒否は許さないという口振りだ。 
先日、スネイクは夏焼邸で頑張って逃げたが捕まり、番犬に尻を咬まれて入院中だ。 

「わかった。行くよ、行きます。あの件はどうか許して」 
「許してほしかったら、舞の部屋の引っ越しちゃんと手伝いなよ」 
舞ちゃんに指定された時間に、俺は萩原邸にやってきた。 

「ジミーちゃん、早く上がって。時間がもったいないよ」 

舞ちゃんは体を動かすからか、普段みかけないジャージ姿でいる。 
ちっ、ミニスカートがよかったのに… 
「さっきからジミーちゃんいやらしい事考えてない?」 
舞ちゃんもこっちの思考が読めるのか?まさかな… 
1 まだまだ小さいお尻をロックオン 
2 ポニーテールが揺れると見えるうなじをロックオン 
3 先回りして胸をロックオン 



舞ちゃん、いやらしい目はこういう目を言うんだよ。 
俺は先に階段を上がる舞ちゃんの後ろ姿を眺め、中でもうなじをロックオンした。 
ポニーテールがユラユラと揺れ、時折みえるのがまたたまらなくツボだ。 
舞ちゃん、どうだ〜恥ずかしいだろ。 

「ジミーちゃんさ〜さっきからジロジロどこを見てるの…」 

クルッとターンし振り返り、お怒りぎみの舞ちゃんは俺と目があうと目潰しを不意にしてきた。 

「ぐはっ…目が…目があああ〜」 
「ムスカの真似しないの。早く来て」 

ムスカの真似じゃなくマジに痛いのだよ、舞ちゃん… 
ほったからしにした罪は重いのか、今みたいな事をすぐにされそうで怖くて下手にエッチな事はしない方がよさそうだな。 

「まずは重い机とかを運んでね。舞は力ないから軽いもの運ぶから」 

まさか、一人でこの部屋にある舞ちゃんの物を運びだすのか? 
いやいや、お父さんお母さんの手伝いはあるだろうよ。 

「他に手伝う人はいないの?」 
「あぁ〜今日は手伝いに友達呼んだからパパとママは遊びにいってもらったの」 

こいつ〜人払いして俺に拷問か…野球ボールよりキツいな… 

1 スネイク、お前の自宅でミッションだ 
2 岡井ちゃん〜助けに来て 
3 お兄さん、助けに来て 
4 パパとママを呼び戻して 



これは緊急で助けを呼ばないと今日で終わりそうにない。 
こんな時、舞ちゃんの事で助けになるとしたら岡井ちゃんしかいない。 
あの子なら体力もあるし、きっと助けになってくれる。 
携帯を取り出し、密かに交換していた番号にかけてみる。 
ちぃには内緒だけどね… 

「もしもし、岡井ちゃん?」 
「ジミー先輩…い、いきなりどうしたんですか?」 

あまりかけた事なかった俺がかけてきたせいか、岡井ちゃんの声が上ずっている。 

「今日ね、舞ちゃんの部屋の引っ越しをするん…いてぇ〜」 

舞ちゃんは岡井ちゃんに電話する俺の足を踏みつけ、睨みを効かせてくる。 
どうやら電話を切れ、との事らしいが人手がなくて困ってるんだから何がいけないというんだろう。 

「ど、どうかしましたか?」 
「いや…何でもないよ。アハハハ、岡井ちゃんをちょっと心配させてみたかっただけ」 

このまま舞ちゃんの部屋の引っ越しを手伝ってと続ければ、益々踏みつける力は強くなるだろう。 
その事を見越して俺は冗談を言って話を終わらせることにした。 

「やめて下さい。本気で心配したんですから…ジミー先輩に何かあったらちさと…な、何でもないです」 

ちさとの後は聞きたかったが、それはやめた方がよさそうだ。 
舞ちゃんは引っ越しの話以上に岡井ちゃんと話している事が気に入らない様子だ。 

「心配しすぎだよ、岡井ちゃんは。今日は声が聞きたかっただけだよ。またね、岡井ちゃん」 

一方的だがそそくさと電話を切った。 

「ちさとには後で遊びにきた時に驚かせるんだから話したらダメなんだから」 

本当にそうだろうか? 
舞ちゃんは岡井ちゃんに引っ越しを話してない以上、遊びに来た岡井ちゃんは驚くだろう。 
だが、舞ちゃんが岡井ちゃんに連絡するのを嫌がったのはそれだけじゃない気がする。 
何故って、舞ちゃんが俺と仲良い岡井ちゃんに嫉妬している風にみえたんだ。 

「舞ちゃん、俺たちだけじゃ無理だよ。誰か呼ぼう。じゃないと今日だけで終わらないよ?」 
「いいの。私はジミーちゃんをこき使いながらやるのが楽しみなんだから」 

強がってる? 
舞ちゃんはそんな素振りみせないけど、強がってるように見える。 

1 舞ちゃん、ベッドに座って。ちょっと話しよう 
2 とにかく手伝いしてれば理由がわかるかも 
3 岡井ちゃんに嫉妬してる?ときいてみる 



「舞ちゃん、ベッドに座って。ちょっと話しよう」 

俺は舞ちゃんの物と思われるベッドに座り、隣に座るよう促した。 

「…何してるの…早く立って…引っ越しするんだから、ジミーちゃんはそれを手伝うの」 
舞ちゃんは俺の腕を掴み、立つようにグイグイ引っ張ってくる。 
自分の気持ちを明らかにされるのが嫌だとばかりに舞ちゃんはその力を緩めない。 

「舞ちゃん、落ち着こう。何を焦ってるんだよ。引っ越しはちゃんと手伝うから、今は話をしよう」 
「わかった…」 

舞ちゃんは観念したか、やっと隣に座ってくれたがその姿はしょぼんとみえた。 

「舞ちゃん、構ってあげなくてごめん。岡井ちゃんから何を聞いてるかわからないけど、俺は舞ちゃんも大事なんだ」 
「嘘…ちさとは舞よりうんと可愛がってるじゃん。だってデートして、キャッチボールして」 
「…ごめん…」 
「すぐ謝る。謝れば許すと思ってさ。約束忘れないとかいって、忘れるし」 

舞ちゃんは怒ってるのか悲しんでるのか寂しがってるのか、複雑な表情で俺をじっとみつめてくる。 

「ねぇ、どうして誰も呼ばなかったかわかる?」 

1 俺と二人きりになりたかったから? 
2 俺とエッチしたかったから? 
3 じぇんじぇんわかりましぇん 



その質問の答えはもうわかりきっている。 
舞ちゃんは俺と二人きりになりたかったんだ。 

「俺と二人きりになりたかったから?」 
「そう思う?」 
「う、うん…」 

舞ちゃんは俺が頷くと、突然抱きついてきた。 

「ま、舞ちゃん」 
「ジミーちゃん、抱き締めて」 
「うん…」 

舞ちゃんは無表情で俺を見上げてきた。 
涙を浮かべるでもなく、ただそうお願いしてきた。 

「もしさ、私が抱いてって言ったら抱いてくれる?」 
「今も抱き締めてるよ」 
「違うよ。エッチしてってこと」 

エッチして? 
舞ちゃんからそんな言葉が出てくるとは思わず、俺は唖然とした。 
いくら何でも早くないか? 

「ジミーちゃんからしてくれないならこうするから」 

舞ちゃんは言葉を言いかけた俺の唇を自分の唇で塞いできた。 

「して…」 
1 ダメだ、とにかくまだダメ 
2 舞ちゃんの決意を無下にするな。優しくしよう 
3 考えさせて… 



ダメだ、舞ちゃんは焦って大事なものを見失ってる。 
岡井ちゃんに嫉妬して、そこまで追い詰められてるともいえる。 
だけど、だからといって投げやりになるのは違うぞ。 

「ダメだ。理由は聞かないでくれ」 
「馬鹿!スケベの癖に…どうせ舞ともしたいくせに」 
「違うよ。舞ちゃんには自分を大事にしてほしいから言ってるんだ」 
「魅力ないとか思ってるんじゃないの?まだ子供の体だから」 
「ううん、舞ちゃんは魅力的だよ。でも、体つきとは関係なく早いんだ」 

俺の肩を掴んだ手に力が入り、ふとみつめてくる瞳に更に力がこもった。 

「早くないよ。愛理やちさとは抱いても、私はダメな理由がわからないよ」 
「舞ちゃんは岡井ちゃんに嫉妬してる。そうだろ?」 
「悪いの?いつもちさとばかりなんだもん。ジミーちゃんと知り合ったのだって、ちさとは私がいたからなのに」 

感情の爆発、それを止めることが俺にできるはずもなく、舞ちゃんの怒りは相当溜まっていた。 
可愛い後輩だと思い、優しくしていたのが仇になり、妹と思っていた相手を怒らせた。 
うまくいかないな、人生って… 

「ジミーちゃんは舞のなの。舞のなの〜」 

必死に訴えかけてくる舞ちゃんに違うとは言えず、俺は抱き締めるしか出来なかった。 
顔を絶対にみせず、泣き声すらあげず、泣くところまで強がる舞ちゃんを俺は見守るしか出来ない… 
舞ちゃん、俺どうしたらいいんだ 

1 舞ちゃんを抱いた方がいいかな… 
2 ダメだ、岡井ちゃん…今は家に来るな 
3 キスくらいしてあげよう 



俺はせめてキスくらい、舞ちゃんにプレゼントしようと顎を掴んで顔をあげた。 
舞ちゃんはやっぱり涙を溢し、一筋のあとを作っていた。 

「舞ちゃん、今はこれで勘弁してくれ」 

舞ちゃんの唇にまた触れ合う。 
舞ちゃんはキスを黙って受け入れ、しばらく俺とキスをした。 
一度だけ舌を絡めたとはいえ、舞ちゃんは自分から貪るように舌を絡めたり吸い付いてきたりする。 

「ジミーちゃん、キスだけ?」 
「キスで我慢して。今はまだ」 
「我慢できないからしてって言ってるの。なのに酷い」 
「舞ちゃんを抱きたいって強く思ったら、抱かせて」 
「その時になって私に恋人できていても知らないから。ジミーちゃんよりカッコいい彼氏いたらエッチなんかさせないから」 
「俺は舞ちゃんのなんだろ?だからさせてくれるまで、今度は俺が待つよ」 
「知らないからね…カッコいい彼氏できても」 

舞ちゃんとはこの後、引っ越しどころではなくなった。 
それもそうだろう、こんな事があった後では出来るはずはない。 
舞ちゃんも妹としては扱える年頃でもなくなり、いよいよ俺の前にはあやふやなままでいていい娘たちはいなくなった。 
岡井ちゃんに続き、舞ちゃんもそんな風に考えてるなら。 
萩原邸から去りながら、俺は初夏といいつつ冷え冷えとした夜道を歩きそう思った。 


リl|*´∀`l|<クッキー食べて元気だせ (ジミー)<先輩優しいですね リl|*´∀`l|<ま、まぁね (ジミー)<先輩、クッキーもいいけど…先輩が抱き締めてくれないですか? リl|*´∀`l|<冗談はよすんだよ (ジミー)<冗談なんかじゃないですよ。えいっ リl|*´∀`l|<… (ジミー)<先輩、いきなりでごめん リl|*´∀`l|<い、いいんだよ…それよりこれ夢じゃないよね? (ジミー)<夢じゃないですよ リl|*;∀;l|<夢なら醒めないで…夢じゃないならずっとこうしてて (ジミー)<えりか、好きだよ