私は有原栞菜。 
ジミー先輩を誰よりも愛する女の子。 
今日はいつものジミー先輩観察中で、彼は体育の授業中で遅いけど頑張って走っている。 
汗をたらしながら口をパクパクさせて走る姿は彼らしくて堪らない。 
そんな彼をみていたら、不意に手が大事な所へ伸びていた。 
どうしよう、こんな場所なのにしていいのかな…でも、手は止まらないよぉ〜 
ジミー先輩、あなたのせいなんだからね。 

「あっ…あぁ…ジミー先輩。好き好きぃ」 

私は結局最後までしてしまった…もう手がベトベトだよ。 
樹にもたれかかり、息を整える。 

「おい、そこの変態。そうだ、お前だよ。ジミーのストーカーってお前か」 

私が叫び声をあげる間もなく、不審な男は私に近づいてくる。 
何、何、何でこんな所にいるの? 
まさか私の一人エッチ見られたかな… 
やだやだ、こんな奴に見られるくらいならジミー先輩にみられた方がマシ。 

「何よ…あなた」 
「ジミーにまとわりつくのはやめろ。変態は変態の相手してろ」 

よく見たら舞美ちゃんに顔が似てる。 
でも、こいつは舞美ちゃんじゃない。 
助けて、ジミー先輩〜 
1 走ってジミーに助けを求める 
2 変態はあなたの方でしょ、覗き魔 
3 嫌、嫌、嫌〜と叫び声をあげる 



変態?変態ならあなたがそうでしょ。 
しかも私をストーカー呼ばわりなんてあんまりだよ。 
酷い… 

「変態はあなたでしょ、覗き魔」 
「の、覗き魔…見てたことは認める。だがな、俺はジミーを守ろうとこうして見張っていたら、ジミーをずっと見てるお前をみつけたんじゃないか」 

私もここである言葉を思い出した。 
『栞菜ちゃんは俺にストーカーしてる人知ってる?最近やたら人の視線を感じてさ』 
はっ、こいつがそうなんだ。 
うん、そうだよ。 
愛するジミー先輩を助けたら、彼も私に感謝してくれるかな。 

「ストーカーはあなたでしょ。ジミー先輩から聞いてるよ」 
「それはお前だ。俺は今日お前をみつけたんだ。ここ一ヶ月かけてやっとだ」 
「嘘ばっかり。ジミー先輩は記憶なくす前にお母さんに相談してるんだからね」 
「お前な〜冗談じゃないぞ。俺はジミーとは一ヶ月前に知り合ったばかりだ」 

嘘つき、こいつ目が血走ってるもん。 
ジミー先輩、私が助けるよ。 

1 大声をあげて変態よと言う 
2 ジミー先輩にストーカーの正体を知らせないと 
3 襲われたふりして助けを求める 



この人、うちの学校の高等部の制服着てるから先輩なんだ。 
なら、この人が生活指導の先生に注意、ううん、停学にさせてやるんだから。 
ジミー先輩、安心して学校に通えるよ。 

「変態さん、あなた私の一人エッチみてどうしようとしてたの?」 
「はぁ?いくら変態な俺でもジミーみてオナニーする女で興奮する趣味ないから」 
「へぇ〜本当かなぁ?」 
「本当です〜。ちょっと可愛いからって勘違いしすぎ」 
「ムキになってる。あなたも私見て一人エッチしようとしてたって言いなよ」 
「お前な〜」 

舞美ちゃん似の不審者は私の腕を掴み、睨み付けてくる。 
うん、バッチリ。 
怖いけど、今がチャンスだよ栞菜。 

「キャアアア」 
「な、な、馬鹿野郎。いきなり叫ぶな」 

私が叫ぶと、不審者は驚き狼狽えている。 
しめた、これでこの人は生活指導行き。 

「どうした?って、栞菜ちゃん」 
「ジミー先輩、助けて。この変態が私をここに連れ込んで酷いことしようとしてたの」 
「お兄さん、あんたって人は。舞美先輩知ったら泣きますよ。中等部の生徒をこんなとこに連れ込んで」 
「ご、誤解だ。こいつはお前のストーカーだぞ」 

ふん、ストーカーはあなたじゃない。 
ジミー先輩を後押ししなくちゃ 

1 涙目で訴えかける 
2 武器は胸、ジミーにおしつける 
3 他の人も呼び寄せる 



「ジミー先輩、怖いよぉ」 

私は変態を停学にしてもらうように涙目で訴えかけた。 

「大丈夫、この人は変態だけど悪い人じゃないから。ただ、魔がさしただけなんだ」 
「ジミー、フォローナイスだ。わかったろ、俺が言ってる事が正しいって」 
「すみません、お兄さん。泣いてる女の子を前にして、何もしない事はできない。 
今回の事は残念です…だから舞美先輩には内緒にします」 
「おいおい…こら、お前ら先輩の俺を運んでどこ行く気だ。まさか、生徒指導室か。やめろ、今は中澤が学校休みだから俺停学になっちゃうだろ」 

変態はジミー先輩の同級生に運ばれて消えた。 

「ねぇ、ジミー先輩。本当にあれくらいでよかったの?」 
「うん、お兄さんは変態だけど悪い人じゃないから。だから今回は注意で許してあげてよ。それにあの人が連れていかれたのはボクシング部だから」 

「須藤〜親友を裏切る気か。馬鹿馬鹿、お前に殴られたら死んでしまう」 

ジミー先輩、あんな人にも優しいんだね。 
その優しさを栞菜にも分けてほしいな。 
あなたに愛されたいといつも願ってる私に 

「栞菜ちゃん、君に何かあったらいけないから俺としばらく登校しようか?」 

1 うん、お願い 
2 わざと『ううん、悪いよ』と断る 
3 ジミー先輩が私だけの騎士…はぁはぁ 



私に何かあったらいけない、その言葉にジワッと胸が打たれちゃった。 
先輩はさらに 
「俺が入院中、君は毎日通ってくれた。学校が終わるとすぐに駆けつけてくれた。そのお礼したいんだ」と言って微笑んでくれた。 
ジミー先輩、嬉しいよ〜だって、あなたが私の騎士になってくれるなんて。 
ジミー先輩が私だけの騎士…はぁはぁ… 
どうしよう、息ができないくらい嬉しい。 

「栞菜ちゃん、嫌だったり迷惑かな?」 
「ううん、嬉しいよ。先輩」 
「やっと笑ってくれた、今日は君の笑顔みてなかったから寂しかったよ」 

先輩は私の頭を何度も撫でてくれた。 
私が見てきた子たちがしてもらってたのよりうんと優しい。 
先輩、一瞬にいられるなんて夢のようだよ〜。 

「栞菜ちゃん、今日から帰り中等部まで迎え行くからね。あ、熊井ちゃんや早紀ちゃんには内緒。 
聞かれたらジミー先輩が事件があったから心配してって言えば納得してくれるさ」 

ジミー先輩〜。 
私はジミー先輩の腕に飛び付いて甘えた。 
いつもは徳永さんがいる位置に、今は私がいる。 
それだけで満足しちゃうけど、今日からは家まで一緒だね。 
今日は無理だけど明日にでもあなたを私の部屋に案内するね。 
好きだよ、ジミー先輩 

「栞菜ちゃん、俺…最近ほったらかしにしてごめん。こんな事になるなら俺がついているべきだったね」 

ジミー先輩、今日からあなたが私を守ってね。 
アリカンこと有原栞菜でした 


オレンジ色の夕焼け空の中、俺は栞菜ちゃんを乗せて自転車を走らせる。 
目的地は栞菜ちゃんの家。 
先輩にみせられる部屋じゃないけど、と恥じらう姿に女の子らしさが滲む。 
何だかんだで栞菜ちゃんは女の子だ、とっても。 
今は可愛い後輩じゃなく可愛い女の子として見られる。 

「栞菜ちゃん、クイズ。今、世界で一番紅いのはどこ?」 
「えぇ〜わかんないよぉ」 
「俺のほっぺた。だって、君がすげぇ可愛いから」 
「もう離さない〜」 

俺の背中に回された腕に力が入る。 
栞菜ちゃん、しばらくは君だけの騎士でいさせてね