「矢島先輩、こんな馬鹿なことはやめましょうよ。舞美先輩にみられたらヤバいですって」 「今は忙しいんだ。邪魔をするな。それと俺を先輩と呼ぶなとあれほど注意しただろうが」 「すいません、お兄さん」 「そうだ、それでいいぞ。で、話は何だ?」 「だから、舞美先輩の部屋を物色するのはやめましょうよ。それに付き合わされる俺はいい迷惑です」 「お前な、あんなに可愛い女の子の部屋をただで見放題できるんだから逆に感謝しろよな〜」 「いや、しかしですね。いくら俺でも妹いたらこんな事しないですよ。保証できないけど…」 「確信もないのに俺を批判しようなんざ甘いわ。須藤くらい堅物になってから言え」 「須藤って須藤さんですか?俺と同じクラスの」 俺の日課である舞美の部屋物色にジミーを付き合わせたのは、そう、茉麻ちゃんの事を話さなければならないからだ。 クンクン、この下着見たことない…さてはジミーの為におニューを買ったな。 紐パンね、あいつも男を誘惑しようと頑張ってるな〜お兄ちゃんは嬉しいぞ。 さぁドンドン色気づけ、舞美。 「お兄さん、さっきから話聞いてますか?須藤って須藤さんですかって質問したんですが…」 「馬鹿野郎、俺は何年あいつの兄貴だかわかってるのか。お前とは年期が違うんだ」 「変態のね」 最後の突っ込みは聞かなかったことにしてやろう。 さて、須藤のことだったな。 「そうだ。それでな、お前はやるべきことがある。茉麻ちゃんはお前と兄貴の騒動がショックで引きこもってる。お前は茉麻ちゃんを助けだす義務がある」 「…お兄さん…」 「須藤にはお前と茉麻ちゃんの交際を許すよう脅してある。だから心配はいらん」 「脅してって…」 「須藤茉麻、お前のクラスメイトにしてお前が愛した女だ。お前は普段の女遊びが祟って須藤茉麻の兄貴に殴られて記憶喪失になったんだ」 「待って下さい、俺と須藤さんはそんなに深い関係だったんですか?」 「いいから行けぇ〜茉麻ちゃんはお前を愛しているんだ。お前はその愛に応えるべきだ」 「お兄ちゃん…私の部屋でパンツ被って何言ってるのかな〜」 ま、舞美? 馬鹿な、舞美がいない間を選んで忍びこんだのに。 ジミー、今こそ義理の弟の使命を果たすときだぞ。 ジミー、ジミー、ジミぃー… 「舞美、待て。話せばわかる。落ち着こうじゃないか…」 「問答無用。パンツを被る変態にはこうだ」 ぐへっ…ジミー、俺が囮になっている間に茉麻ちゃんを助けだしてこい。 舞美はたぶんパンツを被って気を逸らさせる俺の作戦にはまり、茉麻ちゃんのことはわからないはずだ。 いけ、ジミー…ガクッ