俺はジミーというあだ名をもつ地味で平凡な少年だった。 
それがある日、急に身の回りが女の子だらけになり、有頂天になってたくさんの女の子と関係をもった。 
結果、記憶に一部あやふやな部分ができてしまった。 
仕方ないよな、殴られてもさ… 
そんな俺を見捨てずに世話を焼いてくれたのは、可愛い後輩たちだった。 
栞菜ちゃん、早貴ちゃん、熊井ちゃん、愛理ちゃん、菅谷、岡井ちゃん、そして萩原とその妹舞ちゃん。 
皆いい子たちだよな、全く。 
それに引き換え、先輩やクラスメイトはどうして来てくれなかったんだろうか… 

「おはようございます。先輩、今日から学校に登校できるって言うんで迎えに来ました」 

玄関を開けると待ち構えていたのは、俺が愛する栞菜ちゃんたちだった。 

「先輩、体はもうよくなったんですか?無理しないで下さいね」と、俺の彼女の愛理ちゃんは心配してくれている。 
でも、栞菜ちゃん愛してるなら何で愛理ちゃんを彼女って言えるのかな。 

「体はもう平気だよ。久しぶりの学校は緊張するな。またすぐに馴染めるといいけど」 
「心配いらないですよ。皆、先輩の心配してましたから」 
「でも、何で見舞いにクラスメイトは来てくれなかったのかな?寂しかったよ」 

俺が見舞いにクラスメイトが来てくれなかった、と話すと栞菜ちゃんは微妙そうな顔をした。 
出してはいけない話題なのか、しかし気になるな… 

1 栞菜ちゃんに聞いてみる 
2 聞いてはいけなさそうだしやめとく 
3 萩原に聞いた方がいいかな 



あんな顔してる所をみると聞いてはいけない話題っぽいな。 
あれだけ看病してくれた子に暗い顔させるのは辛い。 
でも、聞かないと納得できないんだ…仲良くしていた子がいるはずなんだ。 

「栞菜ちゃん、クラスメイトの子たちが見舞いにきてくれなかった事情知ってる?」 
「ん〜知らないです。だって先輩のクラスメイトじゃないから。来てくれなかったのは寂しいよね」 
「うん…皆、俺の事忘れちゃったのかな…」 
「皆が忘れても私と愛理は忘れないよ。だから、気にしないで」 
「うん…」 

うまく栞菜ちゃんに丸め込まれた気はするが、そうだよな。 
薄情なクラスメイトより栞菜ちゃんや愛理ちゃんがいるじゃないか。 
俺たちは三人で登校し、一人高等部の為門で別れた。 
そんな俺の事を下駄箱からチラチラと伺う視線がある。 
この子は… 

1 徳永 
2 憧れの雅ちゃん 
3 唇が印象的な美人 



遠からず近からずという距離を保ち、その子は俺に心配そうな視線を送ってくる。 
たとえどれだけ記憶を奪われようと忘れられない人、雅ちゃんだ。 
俺は雅ちゃんに憧れ、学校に通うのを励みにしていたくらいだ。 
雅ちゃんとはすごくいい関係まで発展したはずだ… 

「おはよう、雅ちゃん。久しぶり」 
「ジミー君、おはよう。もうよくなったの?」 
「うん、体はすっかり元通りだよ。ほら、この通り」 

俺は腕に力をいれ、力瘤を作るポーズをとった。 
それをみて安堵とも落胆ともつかない表情をする雅ちゃん。 

「ジミー君さ、クラスに行く前にちょっと寄りたい所あるんだけど一緒に来てくれないかな?」 
「うん、わかった」 

雅ちゃんに連れられ、俺は階段を上へ上へ登っていく。 
屋上を目指しているとしか思えず、ゆっくりだがしっかりとした足取りだ。 
だけど、屋上に近づく度に俺は息苦しさを覚えて体が拒否反応を示している。 
まるで屋上には行ってはいけない、体がそう警告しているようだ。 

「顔色悪いよ…上がるのやめる?無理はしない方がいいしさ」 

1 上がらないと前に進めない気がする 
2 またにしよう、倒れそうだ 
3 下から一人の女の子が来て体を支えてくれる 



身体中からひんやりとした嫌な汗が吹き出し、呼吸はどんどん早くなる。 
だけど、俺はこのまま何もしないでいるよりは前に進みたい。 
進まないといけない、いつまでも記憶があやふやなままでは。 

「平気、屋上はみえてるんだ。少しでも前に進まないと」 
「ジミー君…」 

雅ちゃんはそんな俺の隣に来ると、背中に手をおいて支えてくれている。 
ありがとう、雅ちゃん。 

俺は一旦ドアの前で立ち止まると、息を吐いて深呼吸をした。 
一回、二回、三回。 
よし、ドアを開けるんだ…ドアを開けると、太陽が一面を照らす屋上があった。 
ここは… 

「うっ…」 
「ジミー君、大丈夫?無理はしないでいいから、だから、嫌なら下りよう。君に辛い事思い出させたくないから」 
「でも、でも、俺はここで…ウワアアア」 

記憶の糸が手繰りよせられるように、屋上であった事件がフラッシュバックする。 
誰だ、俺を殴ってくるガタイのいい男は…怒りに歪んだ顔からは憎しみしか感じられない。 
俺は男に憎まれることをしたっていうのか? 

「雅ちゃん、事件の事情知ってるなら話してくれないか?」 
「ジミー君…」 
「頼む、その為に俺をここに連れてきたんだろう?」 

雅ちゃんは泣きながら俺に事情を話し始めた。 
とても悲惨な事件のあらましを… 

俺は病院に入院した当日、突然殴り込んできた須藤さんの兄に屋上に呼び出された。 
そこで妹を泣かせた罰として殴られる破目になり、結果記憶に障害をきたすくらいに殴られたらしい。 
そして、須藤さんが泣きついてきた事で事件は明るみに。 
須藤さんの兄は停学処分を受けたそうだ。 
落ち込んだ須藤さんは学校に最近は来ていないそうだ。 
兄が俺をケガをさせ、その俺はあろうことか栞菜ちゃんによって面会に来るなと拒否された、とあって憔悴しきっているとのこと。 

「私もね、お見舞いに行ったの。だけど、有原さんに先輩たちのせいでジミー君がこんな事になったんだから来るなって…」 
「雅ちゃん…」 
「心配したんだから…記憶に障害があるって聞いて…」 

今にも崩れ落ちそうな雅ちゃんは、みていられない。 
ごめんごめんよ、心配かけて… 

「じ、ジミー君…不意うちはよくないぞ…また茉麻のお兄さんに殴られても知らないから」 
「殴られるのは勘弁してほしいな。俺、もう誰一人として思い出を忘れたくないから」 
「私の事は忘れてないよね?」 
「あぁ、忘れるもんか」 

俺は泣きそうな雅ちゃんをギュッと抱きしめていた。 
何故か、体が勝手にそうしていたんだ。 
雅ちゃん、離したりしないよ、君は。 

1 このまま抱きしめている 
2 クラスに戻ってあの子と話がしたい 
3 何か思い出せそう 



今はただ雅ちゃんを抱きしめていたい。 
この子にこんな顔をさせる自分が許せないし、もう二度とさせないと誓う為でもある。 

「痛いよ、ジミー君…骨が折れちゃう」 
「折れるくらい強く抱きしめさせて。君に悲しい顔をさせる俺になりたくないから」 
「ジミー君」 

俺たちは互いにみつめあい、キスを交わした。 
キスまでの流れなんて思い出せない自然なキスだった。 
雅ちゃんの舌が俺の舌と絡み合い、唾液を交換しあう。 
息継ぎなんかする暇がない激しいキスは、しばらく続いた。 

「ジミー君、教室に戻らなくっちゃ」 
「まだキスしてたい。いや、雅ちゃんを抱きたい」 
「ジミー君…でも、ちぃや梅さんに顔をみせた方がいいよ。だって二人も心配してたから…」 

雅ちゃんの言う通りにしようかな… 
心配してくれている人をほったらかしにしていいものか。 
しかし、このまま抱いても拒否されない雰囲気だけはあるのは確かだ。 

1 雅ちゃんを押し倒す 
2 教室に戻ろう 
3 学校をブラつこうかな 



このままいても仕方ないし、教室に戻ろう。 
久しぶりに皆の顔が見たいからな、ここは素直が一番だな。 
俺と雅ちゃんが教室に戻ったら、まるで天然記念物でも見るような視線がそこら中から浴びせられる。 
ある意味では超有名人だからな、俺は。 

「おはよう、ジミー。元気してた?」 
「おはようございます。えっ〜と〜」 
「あっ、何何…もしかしてウチのこと忘れたってやつ?酷い」 
「冗談ですよ、梅田先輩」 
「このぉ〜!!人をからかうんじゃないんだよ」 

隣の席の梅田先輩からいきなり小突かれる。 
当たり前か、悪い冗談だもんな。 

「体はピンピンしてるって事はこっちもピンピンしてるかい?」 
「あうっ…先輩…」 
「どうしたの?言ってごらん」 

人が悪いならあなたも同じですよ、梅田先輩。 
俺のいたいけな息子を撫でたりして、ここで昇天させる気か… 
ヤバい、病院では全然抜いてないからイキそうな状態だ。 
このまま先輩にしてもらおうかな… 

1 こうすればまた新しい事思い出すかも 
2 いけない、先輩…と止める 
3 また視線を感じる 



まただ、この先輩はすぐに俺を誘惑してくる、そう、入学式の時もこんな風にされたんだった… 
しかも色気が半端ではなくあるから、誘惑を立ちきるのが難しい人だ。 

「先輩、ダメですよ。手を離して下さい」 
「その割にはここは素直なんだよ。ね、ジミー」 
「記憶がまた思い出せてきたんです。入学式のこととか」 
「えっ?こんな事で?」 
「はい。何故かわからないですが…」 
「あぁ、あの時はこんな事をしたんだっけ。カプッ」 
「あう…」 

耳たぶを先輩は甘噛みし、舌で耳をペロッと舐めてくる。 

「記憶が戻ってきたならよかった。あんまり舞美に心配させるんじゃないよ」 
「はい…」 

舞美先輩か、あの綺麗な先輩だよな。 
あとは俺のお姉ちゃんと桃?先輩も見舞いに来てくれればよかったのに… 

「ジミー、さっきから徳永ちゃんがあんたの事みてるよ」 
「徳永が?」 
「徳永?…まぁ、仕方ないか。とにかく話かけてきなよ。あの子が一番心配してたんだからさ」 

徳永は俺の…うっ…何だっけ、大事?な人なんだ。 
「徳永、おはよう」 
「と、徳永?」 
何で驚いた後、悲しそうな顔をするんだ。 
俺、そんなに傷つけることいったっけ… 
1 呼び方をかえる 
2 とりあえず話を進める 
3 謝る 



徳永の悲しむ顔をみていたら、俺は謝らなくてはいけない気がした。 
だから、反射的に謝っていた。 

「ごめんな、徳永」 
「謝るなよ。余計に惨めじゃんか。だって、あれだけ好きって言ってくれた相手がよそよそしいなんて惨めなだけだよ」 
「…本当にごめん」 
「謝るなって…ジミーっちのバカ。ちぃって呼んでくれたじゃん」 

俺と徳永は実はそんなに親しい仲だったのか、忘れてた。 
ちぃなんて雅ちゃんみたいな親友じゃないと呼ばない、という事は自然俺と徳永は相当深い仲だったんだ。 

「ちょっと一人にしてくれない?」 
「でも、俺は徳永と仲良くしたいんだ。前は仲良くやってたんだしさ」 
「だからだよ。今はそうじゃないみたいで辛いんだ」 

徳永から離れ、俺は自分の席に戻ってきていた。 
そして、昼休み 

「ジミーっちさ、これから出掛けない?」 
「これから?」 
「うん。これから。これからじゃないとダメなんだ」 
「わかった」 

俺は徳永に促されるまま、下駄箱で靴に履き替えて駐輪所にいた。 
これからどうしようっていうんだ… 

「おまたせ。ちぃの後ろにのって」 
「これはお前の自転車じゃないんじゃないのか?」 
「いいから、いいから」 
1 素直に乗る 
2 盗みはよくないと注意 
3 俺が漕ごうか? 



朝に話しかけた時と違って悲しみを吹っ切った顔をしている。 
強いな、徳永は。 
俺がどれだけ傷つけたかわからないのに?…俺はそれだけ徳永を傷つけたのか。 
ここは徳永の考えに素直に従うのがいいのだろうな。 

「わかった。後ろに乗せてもらうかな」 
「ようし、きたな。ほら、いくよ」 

俺が徳永の細い腰に手を回し、自転車は走り出す。 
坂道を一気に駆け降り、徳永の肩まである髪がサラサラとなびく。 
気持ちいい風に吹かれ、俺たちは街中を通りすぎて見慣れた土手まできた。 

「ついたぞ。ここはちぃとジミーっちの…え〜初、初、初体験の場所です」 
「ここで俺たちはしたって言うのか?」 
「うん。それだけじゃないよ。ここはジミーっちがこの前みたくボコボコにやられた場所でもあります」 
「ここでも?」 
「そう。君は弱いくせに喧嘩早いからね。だから絡まれるんだよ」 

徳永はとても懐かしそうに思い出を話しだし、俺にどんな事があったか教えてくれる。 
その度に俺は頭がゆさぶさられる感覚を味わう。 
忘れていい思い出なんか一つもないとばかりに。 

「ジミーっちさ、あれだけの事して忘れたとは言わせないぞ」 
そう言って徳永は俺を 
1 地面に押し倒した 
2 デコピンした 
3 打った 



俺にデコピンしてきた。 
おでこに見事に命中したデコピンは痛かった、心に激しく痛みを与えた。 

「痛いだろ?」 
「泣くなよ〜ジミーっちは。こっちまで泣けてきちゃうじゃんか。何か思い出した?」 
「ううん。まだ…だけど心がすごく痛い。心臓を抉られたみたいにさ」 
「忘れた罰が下ったんだよ。こんな風にしたくせに忘れるから」 

俺は徳永がこんな風にと言っている途中、伸びてきた腕で地面に押し倒された。 

「今日はちぃが狼さんだからね。ジミーっちの悪い夢を食べてあげる」 
「それなら狼じゃなくてバクだ」 
「そ、それくらい知ってますぅ〜」 

こんなシチュエーションが前にあった、二人だけの思い出。 
あの時は俺が押し倒したんだっけ…な、そうだろ。 

「ジミーっち、ちぃって言ってごらん。ちぃって」 
「ちぃ…」 
「そう、そう。もう一回言ってみよう〜」 
「ちぃ」 

ちぃ、ちぃ、ちぃ。 
一気に頭の中に流れ込むちぃの横顔、そして草むらに寝転がった俺たち。 
ちぃ〜 

「ちぃ、ちぃ」 
「ジミーっち、おかえり」 
「だだいま」 

泣きじゃくる俺を抱きしめ守ってくれる心強いちぃは、前よりも頼れる存在にみえる。 

ちぃ、やっと君の所に帰ってきたよ。 
暗くてジメジメした記憶の檻から解放してくれてありがとう。 
俺を優しく包んでくれてありがとう。 

「ちぃ、ごめんな」 
「バカ。本当に何やってるんだよ。悲しんだ、呆れた、怒った、許すことにした。これがちぃの流れだよ」 
「…そんなことがあったか」 
「そう。ジミーっちを許してやんないとか思ったよ。だって色んな女の子とエッチしてたりらしいじゃん。 
でもね、ジミーっちを最後は迎えてあげられるのは自分だって思った」 

ちぃ、随分大人になってたんだな。 
俺の知らないうちに… 

「ちぃ、ただいま」 
「はいはい。また、おかえり。ちぃが君の帰る場所だよ。迷わないでね」 

もう迷うことはしないさ、雅ちゃんや愛理ちゃんに浮気しても。 
やっぱり俺にはお前なんだな。 
栞菜ちゃんにちぃも何かされたらしいが、今はそれよりもちぃだけが愛おしかった。 
ちぃ、道に迷う時はお前が照らしてくれよ。 



ノノl∂_∂'ル<もうずっと電話ないよ ノノl∂_∂'ル<あんまり話してもくれない ノノl∂_∂'ル<・・・飽きちゃったのかなぁ・・・ ノノl∂_∂'ル<ねえ、話があるの (*マネ)<栞菜ちゃんはおっぱいちゃんだなぁ (マネ)<あ、なんか言った? ノノl∂_∂'ル<・・・ (マネ)<雅ちゃんも栞菜ちゃんとまではいかなくてもおっぱいあればいいのにね ノノl∂_∂'ル (;マネ)<あ、いや、変な意味じゃなくてさ ノノl∂_∂'ル ノノl;∂_∂'ル ノノl;_;'ル<どうせ・・・私は・・・ ノノl∂_∂'ル<・・・わかった (;マネ)<なにが? ノノl∂_∂'ル<胸無しには用無しなんだね (;マネ)<なにいってんだよ!ちょっと目が怖いってば ノノl∂_∂'ル<ばいばい (マネ)<行っちゃった・・・ (;マネ)<ふんっ!すぐに俺のとこに戻ってくるにちがいない (*マネ)<雅ちゃんは素直じゃないだけなんだ・・・ ノノl∂_∂'ル<・・・ ノノl∂_∂'ル ノノl#∂_∂'ル (マネ)<ちょっとかまってやらないとすぐ怒るんだからな (マネ)<もうわがままな娘はいやだね