春眠暁を覚えず、というが俺は舞美と激しい一戦をした後眠っていたらしい。 

「ようやく起きてくれた。マネージャーさん、ずっと寝てたんですよ」 
「ごめん。ちょっと起きたくないくらい深い眠りだったんだ」 

そう、舞美先輩との思い出を夢に見ていた。 

「舞美ちゃん、うちでもお母さんの手伝いはするの?」 
「いえ、それがうちでは全然手伝いしなくてお母さん困らせてるんです」 
「そうなの?そんな風には見えないわね。  、舞美ちゃんお嫁さんにしなさいよ」 
「や、やだっお母さん。恥ずかしいです」 

舞美先輩は顔を赤らめ、手に持ったお玉を振り回している。 
ちぃや雅ちゃん、ましてや他の女の子たちにも言えないが、実は舞美先輩は毎週のようにうちに通っている。 
うちの母親も娘ができたみたいに喜んでいる。 

「あんたも何か言いなさい。こんないい子をお嫁さんにできるかもしれないんだから」 

ったく、すっかりその気かよ。 
俺も舞美先輩がお嫁さんに来てくれたら、嬉しいけどさ… 

1 俺も先輩がお嫁さんなら最高です 
2 まだそんな年でもないから気が早いですよね 
3 母さん、先輩困らせるなよっ(照) 



先輩は俺の顔もまともに見られないくらいに照れている。 
俺の素直な気持ちはこれしかない。 
先輩はもっと顔を赤くしてしまうかもしれないけど… 

「俺は舞美先輩がお嫁さんなら最高です」 

先輩はとうとう作業していた手をとめ、俯いてしまった。 
そんな舞美先輩に追い討ちをかけるように、母さんは先輩の肩を叩いて喜ぶ。 

「ほら〜ね、うちの馬鹿息子もお嫁さんにしたいって」 
「お、お母さん…は、恥ずかしいです。ジミーもやめてよ」 

舞美先輩は本当に照れ屋だな〜それがまた可愛いんだけど。 

「さあて、夕飯にしましょう」 

俺も食器を並べるのを手伝い、夕食となった。 
舞美先輩は本当によく食べるよな〜今日も釜は空っぽになるか。 

「先輩、本当によく食べますよね」 
「いいじゃない。あんたも年頃の女の子にそんなこと言うもんじゃないわよ」 
「いいんです。食べ過ぎって家族にも言われるんで」 

美味しそうに食べる先輩だけど、いつも気になることがある。 
味わって食べてるのかってことだが…大丈夫か? 
ちょっとイタズラしてみるか 

1 ご飯に砂糖を 
2 先輩に間違った食べ方を教える 
3 母さんみてるからやめるか 



そうそう、ご飯に砂糖をかけましょう。 
舞美先輩の隙をついてかけちゃおう〜パラッパラッパラッとね。 
楽しみ〜どんな反応するかな、きゃっ何この味?とか言うのかな。 

「…」 
「ジミーどうしたの?」 
「いや、何でもないです」 

舞美先輩をじっとみていたが、何の反応も示さなかったな。 
まさか味覚音痴なのか!? 
たまたま砂糖がかかっていない部分食べただけだよな。 

「先輩、うちのご飯美味しいですか?」 
「うん、すっごく美味しいよ。うちのご飯の方が美味しいけどね」 

我が耳を疑った。 
よし、もう少しかけてみよう〜パラッパラッパラッと。 

「もぉ〜ジミーあんまり見ないで〜照れるじゃん」 

今、確実に砂糖かかった部分食べたよな…でも、反応なかったな。 
…あれれ、本当に味覚音痴なのかな。 

「ジミー、そんなにみつめないで」 
「ぎゃあ〜、先輩箸の使い方間違ってる。痛い痛い」 

あんまり見ているものだから箸でつつかれてしまった。 
危ない危ない、失明しちゃうじゃん。 

1 先輩にネタバレする 
2 舞美先輩が食べる姿が可愛いからみてたよ 
3 母さん、やめて。今、いいとこだったのに 



こりゃ重度の味覚音痴だな、もう治らないだろう。 
こうなれば、知らない方が先輩の為と教えないことにしよう。 

「ジミぃ、食べるのに集中できない〜」 
「だって舞美先輩の食べる姿が可愛いからさ。つい見ちゃってたよ」 
「ジ、ジミぃ。バカっ」 

先輩は弱々しい力で俺の服の袖を引っ張った。 
こういう姿がまた俺は弱いんだよ、もぉ〜可愛いな。 

「  、舞美ちゃんからかって遊ぶんじゃないの」 
「い、いいんです。こんなの平気ですから」 
「高校入ったら先輩になるんだし、舞美ちゃんもビシバシ鍛えてやって」 
「はい!!」 

ガチャン… 

「あっちい〜」 

舞美先輩が勢いよくガッツポーズした時、お椀が俺の股間にこぼれた。 

「ご、ごめん…急いでガーッと拭いてあげるね」 
「いいですから。自分で拭きますから」 

先輩はテーブルの布巾を取って、俺の股間を拭き始めた。 
先輩気付いてないな、今股間拭いてるって。 

1 先輩、そこ股間ですと教える 
2 しばらく拭いててもらうか 
3 ガーッとするから勃ってきたよ…うっ出るって… 



先輩は大慌てで俺の股間を拭いている。 
俺はそこが股間とは言わず、しばらくそのままにしておく。 

「舞美ちゃん、うちの馬鹿息子は平気だからいいのよ」 
「で、でも…ガーッと拭かないと火傷しちゃいますから」 

本当に高速で手を動かすよな〜先輩は。 
ここが反応をしちゃいますよ、これでは。 

「この馬鹿息子、あんたも舞美ちゃんを止めなさい。そこ、あんたのアレじゃない」 
「か、母さん…いいとこだったのに」 
「何がいいとこよ」 

何がいいとこよ、と母さんは俺の頭を一発殴ってきた。 
舞美先輩もそれに反応し手をとめ、自分が拭いていた部分を確認した。 

「あ、あっ…きゃあ〜」 
「先輩、落ち着いて。あそこだったからって気にしないで下さい」 
「何が落ち着いてですか」 

またも頭を殴られてしまった、トホホ… 
こうして騒がしい夕食は幕を引いた。 

「ジミー、あんたって人は〜」 
「ごめんごめん、怒らないでよ。ねっ」 

今は俺と部屋で隣合わせに座り、談笑中である。 
まだちょっと怒っているみたいだな〜どうしよう。 

1 しばらくじゃれあえば平気だろう 
2 甘えるようにくっつく 
3 忘れるように催眠術をかけてみる 



俺はいつになく先輩にくっつく。 
先輩も怒っているが、拒否反応もない。 

「先輩」 
「何?」 

俺は先輩の肩に頭を預けるようにする。 
先輩も悪い気がしないのか、俺の頭を撫で出す。 

「馬鹿、あんたよくお母さんの前であんなことできるね」 
「あれはまぁ先輩の取り乱す姿が見たかったんだ〜だからさ」 
「もぉ〜意地悪。先輩をいじめて楽しいか?」 
「楽しいですw」 

いつもなら先輩が甘えてくるのに、今日だけは俺が先輩に甘える。 
いつも大して変わらないけどw 

「今日は楽しかった。ありがとうね」 
「いえいえ、今日は出来なかったんで残念だったな〜ね」 
「はいはい、このスケベ。あんたはそればっかり」 
「そんな事ないですよ。俺だってたまには別の事考えてるんですから」 

俺とは舞美先輩を送るがてらとある場所に寄ろうかなんて考える。 
きっと先輩も喜んでくれるはずだ。 

1 桜並木 
2 公園 
3 市街地 



丁度桜が満開だし、先輩にいいものがみせられるだろう。 

「先輩、こっちの道入りませんか?」 
「そっちだと遠回りだよ。何かあったっけ」 
「いいからいいから。ほら、早くついてきて下さい」 

俺は先輩の手を引き、桜並木へと入った。 
そこはもう別世界と称していいくらい、絶景が広がっていた。 

「わあ〜すごい綺麗〜桜だよ、桜」 
「そんなに走らなくても桜は逃げませんよ」 

先輩は満開の桜を前に笑顔を輝かせて走り回っている。 

「来ないとおいていくよ。早く」 

桜が風に吹かれて花弁が舞い、その中を先輩が走り回る。 
月に照らされ、また神秘的な雰囲気をもたらしてくれる。 

「先輩、今綺麗ですよ」 
「何?何が綺麗なの?」 
「先輩がですよ」 

俺はまたもや顔を赤くして戸惑う舞美先輩を樹に押し倒した。 
「先輩」 
「ジミー…」 
これはいい雰囲気過ぎる。こうなれば、 

1 先輩にキスをする 
2 目を瞑った隙にデコピン 
3 桜の小枝をかんざしにする 



近くにあった桜の小枝を折り、俺は先輩の髪にかんざし代わりに刺した。 
鏡で先輩にみせてあげられないのが残念でならないよな。 
こんなにも綺麗なのに。 

「先輩、後で鏡で頭みてごらん」 
「これ?」 
「そう、よく似合ってるよ。とっても」 
「ありがとう。でも、桜の枝を折るのはよくないぞ」 
「気をつけるよ」 

俺はそっと顔を近づけていき、グロスが月の光で光る先輩の唇に触れ合わせた。 
柔らかい先輩の唇、ずっといつまでも口付けしていたい。 
あぁ、何て幸せな瞬間なんだろう。 

「ジミー、ここじゃ嫌っ」 
「先輩、でも・・・俺、もう・・・」 

俺はつい調子に乗り、先輩の腰に手を当てていた。 
先輩もこの流れはと察し、止めにかかる。 
だが、もう遅い・・・ 

「先輩」 
「ジミー、外なんて恥ずかしいよ」 

「若いもんはいいよなぁ〜こんな場所でもイチャついちまってよぉ」 

くだを巻くような言葉がかかり振り返ると、そこのは酔っ払った迷子のおじさんがいた。 
おじさんは俺たちに絡むようにのっそりと近づいてくる。 

「ジミー・・・」 
「先輩、走るよ。行こう」 
「うん・・・」 

俺は先輩の手を引き、無我夢中で走った。 
走ったせいか、途中で先輩のかんざしが落ちた。 
先輩はあっと声をあげ、名残惜しそうに振り返る。 
それを慌てて拾い上げ、俺は先輩の家までたどり着いた。 

「だから行ったでしょ〜場所は考えてって。だから、こうなるんだからね」 
「面目ないっす」 

それでも先輩の顔から笑顔が消えることはなかった。 
先輩の頭にはあの桜のかんざしがあるのだ。 

「ジミー、またね」 
「うん」 

「マネージャーさん、じゃあ私たちも今から桜観に行きましょ」 
「いいよ。ただし、その格好は着替えろよ。さすがに恥ずかしいから」 

舞美を着替えさせ、俺は近くにあった公園まで脚を伸ばした。 
たぶん、舞美もしてほしいことは決まってる。 
舞美もお姫様願望のある女の子だもんな。 

「綺麗だよなぁ〜桜ってのはさ」 
「うん、そうだね。本当に綺麗」 

桜の花弁が舞うように舞美も嬉しそうに回る。 
その頭にはかんざし代わりの桜の小枝が刺さり、彼女にはよく似合っていた。 

「ありがとう」 

その言葉がかけられた時、俺は既に散ったいつしかの思い出が鮮明に蘇った。