イベントを終えた我が娘たちを乗せた新幹線は東京を目指している。 
隣の席にはすやすやと寝息をたてるあの娘がいる。 
今日もイベントで張り切っていたからな、いい寝顔だ。 
思わず髪を撫で、うっとりするような顔で見とれていた。 
可愛いな、こいつは。 
「ん、ん〜…」 
「あっ、起こしちまったかな。おはよう」 
「あ、おはよ…なぁに、うっとりした顔してさ」 
「いや〜可愛いなと思ってさ」 
「嘘だ〜顔に落書きとかしたでしょ」 
「してないしてない。どんだけ俺は信用されてないんだよ。本当に見とれていただけ」 
「本当に?」 
「あぁ。本当に」 

「…のこと好き?」 

そう、こんな梅の花が咲き、春風に吹かれるこんな日に俺は中学を卒業したんだ。 
彼女は伝説の樹の下で俺に問いかけてきた。 
懐かしいな〜 

「また何か思い出に耽ってる。今日はどんな話?」 
「中学を卒業式した時のことをね」 
「聞かせてよ。お願い」 

俺は に思い出を語りだした。 

1 从*´∇`从 
2 ノノl*∂_∂ル 
3 从*o゚ー゚从 
4 川*^∇^)|| 
5 州*‘ o‘リ 



「千奈美、お前に話すのは久々だよな」 
「うん、そうだよ。みやには散々話してるくせに」 
「それはまぁ…」 
「何?ちゃんと言って下さい。ほら、何で私には言ってくれないのさ」 
「お前見てるとちぃ思い出すんだ。学生時代、俺がいくら傷つけても好きでいてくれた。 
俺が何度よそ見してもちぃはずっと俺だけみてくれてた」 
「ばっ…ばか。泣くことないじゃん。思い出話が聞けないでしょ〜。もぉ〜泣くな泣くな」 

「もぉ〜泣くな泣くな、ね、ジミーっち」 
「ごめん…」 
「ちぃだって泣くの我慢してるんだよ。まだ登校中じゃん」 

雅ちゃんが帰った後、ちぃから電話があった。 
明日学校一緒に行こう、ただそれだけの内容の電話。 
他にも色々と話したけど、覚えているのはそれだけ。 

「ジミーっちは今日ハンカチ何枚も必要じゃん」 
「平気。袖で拭くからさ。うぅ…」 
「よしよし、この泣き虫さんは〜」 

泣きじゃくる俺にちぃはこれをやって慰めてくれた。 

1 頭を撫でてくれた 
2 ほっぺにチュー 
3 肩をバシバシ叩く 



泣きじゃくる俺のほっぺにキスをしてくれた。 

「ちぃがチューしてあげたよ〜もう泣くのはやめなさい」 
「うん、ありがとう。つうか、めちゃくちゃ照れることするなよ」 
「大丈夫、誰もみてないから。みてたらさすがにちぃも出来ないよ〜」 

この笑顔だよ、いつも俺を明るくしてくれたのは。 
体育祭、夏休み、付き合い出してからのデート、色々あったな。 
本当に感謝してもしきれないな、ちぃには。 

「やだな〜今度は真剣な目して見つめてきちゃってさ」 
「ん、ありがとうって。一年間ずっと一緒にいてくれてありがとう」 
「その一言の方が照れるよ〜。ちょっとその目で見るな〜」 
「何でだよ。俺は真剣だって」 
「だから余計なんじゃん。やめてよ〜」 

やめてよ〜と言ってちぃは顔をそらし、歩くペースを早めた。 
こいつ、顔を紅くしてやがるんだろうな。 
はは、可愛い奴〜 
こっちをどうにか振り向いてほしい、まっすぐにお前だけを見たい。 

1 肩を叩いて、人差し指をつきだす 
2 走って追い越してやるか 
3 スカート捲ってやろう 



俺は先を歩くちぃに追い付き、肩を叩いて呼び掛けた。 
もちろん、お約束に人差し指をつきだしてだ。 

「ちぃ、こっち向いてよ」 
「やだやだ〜絶対にやだ」 
「いいから〜笑。お〜い」 
「しつこいぞ、ジミーっち。あたっ」 
「ひっかかった〜やった〜」 
「む〜やったな〜おい、止まれ〜許さないぞ〜」 

やっといつもの俺と千奈美になれた。 
やっぱり悪ふざけしあえてこそ、ちぃと俺って気がする。 

「この〜ジミー」 
「悪かったよ。お前に笑ってほしかったんだよ。笑顔が一番だろ、ちぃは」 
「誤魔化すな〜」 

俺とちぃはくっつきあって学校までの道のりを歩いていた。 
そこへ、聞きなれた声がしてきた。 

「やれやれ、卒業式も締まりないんだから。しょうがない二人だな〜」 

その声の持ち主は俺たちに呆れ気味に話しかけてきた。 

1 ノノl*∂_∂ル 
2 从*o゚ー゚从 
3 川*^∇^)|| 
4 州*‘ o‘リ 



「す、須藤さん」 
「まあさ」 
「全くあんたたちは。今日で中学生じゃなくなるんだからね」 
「わかってるよ〜だけどこの男がね。どうにも邪魔するわけよ」 
「何言ってるんだか、それを言ったらお前こそ」 
「何を言うかね。元はジミーっちじゃん」 
「はいはい、やめなさい。もうすぐ学校だよ、静かに」 

あれ、須藤さんは昨日の事が嘘みたいに平静に振る舞っている。 
昨日の様子から俺は少なくとも顔が照れて紅くなるくらいあると思ったのに。 

「あっ、クラスメイト発見〜お先〜。おはよう〜」 
「待てよ〜おいていくな〜」 

ちぃはクラスメイトの女の子をみつけ走っていってしまった。 

「いっちまったよ。ったく、あいつは」 
「あいつはじゃないでしょ。あんたは追わなくていいわけ?」 
「別に。それに校門みえてるし、すぐ追い付くよ」 
「そう、私は平気だから追いかけてあげなさいな。ちぃはあなたと一緒にいたいんだからさ」 

ちぃは? 
須藤さん、昨日は好きだって言ってたじゃないかよ。 
君はそれでいいの? 
ちぃじゃなく須藤さんじゃないの? 

1 俺は君といたい 
2 皆でいたいと腕を掴んでちぃを追いかける 
3 わかった。ちぃ〜待てよ 



「俺は君といたい」 

俺のこの一言の後、数秒間二人に沈黙が訪れた。 
須藤さんはポカンとした顔で俺をじっとみつめている。 
何て返したらいいか、たぶん今の須藤さんではわからないのだろう。 

「一緒にいていいよね」 
「…」 

返事はないけど、俺は歩幅をあわせて並んで歩く。 

「ちぃにいうからね」 
「いいよ。俺悪い男だからちぃがどんな女の子か知ってる。 
だから君がそんな事いってもやだなって笑って言うと思う」 
「私が言えば信じるよ」 
「須藤さん信じてるからそうだね。信じると思う。冗談って」 

再び訪れた沈黙。 

「私が好きって言ったの信じるの?」 
「信じるよ。だって自分の気持ちを圧し殺すことができても、嘘はつけないだろ?」 
「大人ぶった言い方しないでよ」 
「その返しは好きってことだね」 
「何でそうなるわけ。バカ」 

また顔をそらしてしまう須藤さん。 

「須藤さん、イヤ、茉麻。 

1 俺もお前が好きだ 
2 乳でかいね。はは、ようやく須藤さんらしくなった 
3 俺の気持ちが知りたかったらここまでおいで〜 



 俺もお前が好きだ」 
「…ば、バカ。嘘つき。スケベ。女装趣味。変人」 

須藤さんはありったけの悪口をぶつけてきた。 
たぶん、彼女なりの受け止め方なんだ。 
俺がいつも嘘ばかりついていたから… 

「あんたなんか…ちぃの彼氏じゃなきゃよかったのに…」 
「ごめん」 
「クラスメイトじゃなきゃよかったのに」 
「ごめん」 
「私の方がちぃよりあんたの悪いところ…それ以上いいところ知ってるんだから」 

また泣かせてしまったな…悪い奴だよ、俺はさ。 
須藤さんを校門前で泣かせるハプニングを引き起こすとはな。 

「ありがとう。俺も須藤さんのいいところいっぱい知ってる」 
「あんたは私なんか見てないくせに。あんたはちぃとかみやとか可愛い子がいいんでしょ」 
「須藤さんも可愛いよ」 
「私、皆より腕が太いことイヤなの。最近ちょっと太ったのもわかってる… 
こんな自分はイヤ…あんたが好きになるわけないよ」 

須藤さんが初めて語るコンプレックス。 
それは十代の女の子なら誰しも抱える問題。 

1 痩せたら綺麗になるよ 
2 ここで泣くと皆がみてるよ。泣き止んで 
3 全部愛してやる 



「茉麻、全部愛してやる。お前の全部愛してやる」 
「…  、大嫌い」 

初めて俺をあだ名以外で呼んでくれた。 
ちぃも呼んだことがない、本名で。 

「大嫌いか。わかってる、俺が片思いなのは」 
「嘘。私があんたに片思いなんでしょ」 
「ようやく認めた。茉麻、可愛いな」 
「ふん、嫌いになる練習してやるんだから」 

ムキになって、たまに年頃の女の子らしい一面みせるな。 
こういうところが可愛くて仕方ないんだよ、須藤さんは。 
そんな俺を嘲笑うように黒い高級車が校門まで乗り付けた。 
この時の俺はそれに気付かず、須藤さんとイチャついて登校となった。 
教室に入ると、黒板に下級生から卒業おめでとうのメッセージがあった。 
そこには俺のために書き込まれたと思わしきものもある。 

「卒業おめでとう。大好きなオチビさん。 
BY 」 

と、イニシャルが。 

1 州*´・ v ・) 
2 川*^∇^)|| 
3 州*‘ o‘リ 
4 栞菜 
5 謎の少年 



イニシャルの後に書かれたとおり、屋上にあがると既にそこにいた。 

「お待たせ、熊井ちゃん」 
「先輩〜来てくれたんですね。ありがとうございます」 
「いや、こちらこそメッセージありがとう。嬉しいよ」 
「へへ、昨日のうちに私が教室に忍びこんで書いておいたんです。先輩が気付くといいな〜って」 
「気付かなかったらどうしたの?」 
「大丈夫。先輩は来てくれるってお願いしたから。神様もそんなに意地悪じゃなかたし、よかった」 

熊井ちゃんは俺が来ないことはまず考えていないって顔だ。 
それだけ俺を信じてくれてるんだな、いい後輩だよな。 
そして、可愛い女の子だ。 

「今日は後ろから応援してますから。先輩がちゃんと卒業証書を取れますようにって」 
「熊井ちゃんの応援があれば何でもうまくいくよ」 
「そう言われたら益々張り切ってやらないとですね」 

毒気ない彼女の笑みはちぃとは別の癒し効果がある。 
ずっと見ていたいくらいに。 

1 まだ時間あるしもっと話そう 
2 熊井ちゃん、プレゼントのお返しあげるよ 
3 今から体育館にいかないと遅れるから走る 



「熊井ちゃん、プレゼントのお返しあげるよ。手を出して」 
「えっ?いいですよ〜別に」 
「いいから手を出して。じゃあいくよ。この世に一つしかないからね」 
「はい。お願いします」 

初めはいいと言いつつも、素直になる熊井ちゃん。 
まぁ俺が渡せるなんてこれくらいのものだけど、気に入ってくれるかな? 

「えっと〜…これって…ボタン?先輩、第二ボタン?」 
「そうだよ、俺の。初めからあげるつもりで千切ってきてたんだ。受け取ってくれる?」 
「うん、大事にするね。やった〜嬉しいです。まさか私にくれるなんて」 
「この事は熊井ちゃん内緒ね」 
「またそれ言ってる〜先輩面白い」 

熊井ちゃん、気に入ってくれてよかった。 
まぁ第二ボタンというのは名前だけで、実は適当に千切ってきたボタンなのだが。 

「先輩は素敵なオチビさんです。私にくれてよかったんですか?」 

心配そうな顔で覗きこんでくる熊井ちゃん。 
たぶんちぃの事が気にかかっているのかも。 
1 君が一番だから平気だよ 
2 あ〜やっぱり待ってくれ 
3 ダミーでよければいくらでもプレゼント 



「君が一番だから平気だよ。安心してもらって」 
「わかりました。これは私の宝物にしますね」 

とびっきりの笑顔をした熊井ちゃんの方が俺には宝物になったよ。 

「先輩、あのね…卒業式の後時間ありますか?」 
「卒業式の後かい?」 
「はい。そうです。で、どうなんですか?」 

1 もちろんいいよ 
2 まだわからないよ、わかったら教えるね 
3 ん?携帯が鳴ってる…この番号は…∂_∂ 



すぐには熊井ちゃんからの誘いをOKするわけにはいかなかった。 
ちぃや須藤さん、それに今鳴ってる携帯の発信相手とも何があるかわからなかったから。 
「ごめん、電話が鳴ってる。終わったらその時にまた連絡するよ」 
「絶対ですよ」 
「うん」 

雅ちゃんからの電話でこの場は乗りきれたかな。 
ありがたい、だけどまだ体育館に集合するには早いはずだ。 

「もしもし」 
「ジミー君、今どこかな?」 
「屋上だよ。どうかした?」 
「うん、大したことじゃないの。私が誤解してるだけかもしれないし」 

電話越しの雅ちゃんは何だか元気がなさそうだ。 
昨日帰るときは笑顔でいたから、今朝までに何かあったに違いない。 
だけど、それって俺に関係することなのかな? 

「雅ちゃん、元気ないみたいだけど。大丈夫?」 
「平気。ちょっと寂しくなっちゃった。だって君が学校ついたらいないから」 
「屋上にきなよ。少しの間なら時間あるしさ」 
「…うん、どうしよう」 

雅ちゃんが本気で心配になってきたな。 

1 今どこ?俺がいくよ 
2 屋上なら誰にもみられない。お願いだ、来てくれ 
3 元気だしなよ、俺に話せることなら教えて 



このまま話していても埒があかない。 
雅ちゃんはずっと考え込むだけで、いい返事をくれない可能性がある。 
なら、俺が行くまでだ。 

「今どこ?俺が行くよ」 
「ジミー君、私は君の彼女だよね?」 
「うん」 
「なら、言わなくてもわかるよね。私がいる場所くらいさ」 
「…うん…」 
「待ってるね」 

涙声の雅ちゃんは待ってるね、と最後に言い残して電話を切ってしまった。 
俺が傷つけることをしたんだ、優柔不断な俺が。 
とにかく手当たり次第に探してる時間はないし、かといって雅ちゃんが行きそうな場所はすぐには思い付かない。 
どうしよう… 

1 須藤さん、お願いがあるんだ。雅ちゃん知らない? 
2 よく状況を思い出せ。雅ちゃんの電話越しの音を頼りに 
3 ここまできたらあの場所か? 



ここまできたらあの場所くらいしか思い付かない。 
雅ちゃんはあの場所にいる、目的地を定めた俺は階段を駆けおりていく。 
少しでも早く雅ちゃんの元へいかなければ… 

「ジミーっち、待って。どこ行くの?」 
「ち、ちぃ…どうしてここに?」 

階段をおり、下駄箱まで近づいたところでちぃと遭遇した。 
ちぃも息をきらし、顔に汗が浮かんでいる。 
まさか、俺や雅ちゃんを探していたのか? 

「みやがいなくってさ…もうちょっとで体育館にいかないとじゃん。だからさ」 
「そっか」 
「そっかって…ジミーっちこそどうしてここにいるの?」 
「そ、それは…雅ちゃんがいないって、さっき教室で聞いたんだよ」 
「そうなんだ…」 

何だよ、こんな時にどうしてちぃと遭遇するかな。 
神様、俺の日頃の浮気性に呆れていたんじゃないの? 
ここにきて、これは残酷だよ… 

「ジミーっちさ、みやを探しにいくの?」 
「クラスメイトじゃないかよ。当たり前だよ」 
「そんなんじゃないでしょ。ジミーっち、みやが心配?」 

女の勘、それがちぃをいつも以上に敏感にしている。 

1 心配してもクラスメイトだからだ 
2 ごめん、と振り切る 
3 ちぃが大事だろ?だったら… 



俺は涙声の雅ちゃんを思いだし、ちぃを振り返らずに歩き出す。 
許せ、泣いてるあの娘をほってはおけないんだ。 

「ジミーっち、行かないでよ」 
「ごめん…雅ちゃんをほってはおけないんだ」 
「うう…みやは平気だよ。強いもん、私はみやみたいに強くないよ?それに…ずっとずっとジミーっち好きなんだよ〜」 

叫ぶちぃをみたら、俺は決意が揺らぎそうになるから、決して振り返らなかった。 
ちぃがいつまでも泣く声が忘れられない。 
あの日、俺はちぃに最低なことをした。 

「雅ちゃん、お待たせ」 
「ジミー君…来てくれないと思った。まだちぃを好きだと思ってたから」 
「…」 
「まだ好きなんだね?」 

1 好きだ、すごく好きだ 
2 雅ちゃん、皆心配してる。答えは後で教えるから早くいこう 
3 須藤さんも好きなんだ…今の呼び出しはそれでしょ? 



まだ好きか? 
その答えはそう決まってる。 

「好きだ、すごく好きだ。俺、あいつの笑顔にさ…元気もらわないとダメな体なんだ」 
「変な体だね。私ね、ちぃよりいつもモテてた。自慢じゃないよ、自慢に聞こえるだろうけど」 
「うん」 
「でもね、最後まで一人の男の子は振り向いてはくれなかった」 
「うん」 
ただ頷くしかできない俺は、雅ちゃんの告白に耳を塞ぎたい気分だ。 
「ジミー君、その子に伝えてほしいの。伝説の樹は幸せと不幸をくれたよって」 
幸せ? 
俺は無意味に雅ちゃんを傷つけただけじゃないのか? 
君に何をしてあげたんだよ、俺は… 

「ジミーっち〜バカ〜」 

こ、この声は…どうしたよ、空耳だよな…あいつがここにいるはずがない… 
だってあいつはさっき下駄箱で別れたんだ。 
だから、いるはずがない… 

「うわあああん、ジミーっち〜」 
「ち、ちぃ…」 
「ジミー君、私の事好き?」 
「雅ちゃん…」 

もう選択肢はこれしかない。 

1 雅ちゃん、好きだ。誰よりも好きだ 
2 皆好きだ、一人に絞りたくない涙 
3 千奈美、改めて言うぞ。好きだ 
4 須藤さん、お前が好きだ〜 
5 熊井ちゃん、お前が好きだ 



皆、俺は好きだ… 
優柔不断で皆から一人を選べない。 
だから、俺は答えを出せなかった。 


「ふぅん、マネはバカだね〜。千奈美さんにしなさいな」 
「それができれば苦労はない。今と同じだ」 
「あんたさ〜学生時代から成長なし?」 
「なし…だな」 
「成長したのはエッチのテクニックだけ?」 
「だけだな。こんな風にな」 

俺は隣に座る千奈美の唇を奪い、新幹線の中にも関わらずキスをした。 
千奈美も嫌がったが、周りが誰も起きていないのがわかると自分から舌を絡めてきた。 

「マネ、私徳永千奈美はここに誓います。千奈美さんが達成できなかったマネゲットを私が達成します」 

これは千奈美の本妻宣言だった。 
こいつ気が早いな、話はまだあるのに。 

「だと思った…最低な男だね、ジミー君は」 
「ちぃはいっつも泣かされてるから慣れたもんに〜」 
「ジミー君、私ね君が私一筋なら初めてあげようと思ったの。でも、今の君にはまだあげないから」 
「ジミーっち、ちぃも初めてあげなぁ〜い」 
「ちょっと二人とも待って〜」 

二人は顔を見合せ、俺を置き去りに走っていった。 
ちぃを追えば雅捕まらず、雅追えばちぃ捕まらず… 
神様〜双子にして下さい