3月に入り、残り少ない中学校生活を悔いなく過ごそうと周りは忙しい。 
中でも、部活の後輩の指導に当たる人も多い。 
後輩たちがしょっちゅう教室に訪ねてきては、連れていかれている。 
俺の知り合いにそんな人はいないかと思いきや、須藤さんにお呼びがかかった。 
見れば、呼び出しているのは愛理ちゃんじゃないか。 
でも、何でだ? 

1 本人に直接確認してくるか 
2 ちぃに聞いてみようかな 
3 後をつけて何部かみてみよう 



「お待たせ」 
「いえ、全然待ってないですから。次回出品するものがなかなか決まらないんです」 
「う〜ん、そうね…部室に行ってから詳しくは聞くわ。ここだと周りに聞かれるし」 

俺は愛理ちゃんと須藤さんが話し合う様子に怪しい匂いを嗅ぎとった。 
聞かれたくない、それはどんな話だ。 
くぅ〜ワクワクしてきましたよ。 

「先輩、聞きましたよ。ジミー先輩にチョコあげたって」 
愛理ちゃんが好奇心剥き出しといった表情で質問すると、不意をつかれたとばかりに須藤さんは驚く。 
どう答えていいかわからないのか、間を空けて答えた。 
「あ、あぁ…あれ。あれは単なる義理ってやつよ。どうせ1つしかもらえないだろうと思ってさ」 
「ジミー先輩、モテないんですか?」 
「あったりまえじゃない。だってあの冴えない男よ。他にいくらでもカッコいい男いるでしょ」 
「そうかな〜私はジミー先輩カッコいいと思いますよ。いつも自分らしさを見失わないところが」 

あ、愛理ちゃん、君って奴はそんなにも俺のことを。 
嬉しくて涙が流れそうになってきたぜ。 

「やめときなよ。あいつは女の子みると見境ないんだから」 
「確かに先輩はそういうとこあるかも」 

「でしょ〜愛理ちゃんも傷つかないうちにあんな男はやめときなさい」 
「そういうとこあるってわかってて好きになったんだし、私は諦めないつもりです」 

愛理ちゃんは顔をくしゃくしゃにして笑い、照れたのか「えへ」と声を出した。 
そんな愛理ちゃんを前にたじろぐ須藤さんは、どうしてよという顔だ。 
そりゃそうか、須藤さんは俺の女癖の悪さを間近でみてきたからな… 

「愛理ちゃんがそこまで言うなら止めないけど、まぁ頑張りなさい」 
「先輩、私にあんまり頑張ってほしくなさそうですね」 
「全然。そんなことないよ」 

二人が会話するうちに、どうやら部室まで辿り着いたらしい。 
二人が足を止めた場所は漫画研究会と書いてあるが、須藤さんと漫画研究会って結びつかないな… 
あっ、二人が入っていく。 

1 後ろから突然現れ、驚かす 
2 まだ様子を探ろう 
3 二人が入った後、堂々と入っていく 



俺はドア一枚を隔てた部室内の様子を窺うことにした。 
何やら部室の中では須藤さんを慕う後輩たちが騒いでいるみたいだ。 
漫画描く人たちだから大人しいのかと思いきや、結構賑やかなんだな。 

「先輩、こないだのコミケ参加作品すごくよかったです」 
「ありがとう。あんなのまだまだよ。それより自分たちの作品はどうなの?」 

マジに須藤さんなのか? 
須藤さんが漫画好きとは意外だ… 

「愛理、先輩に女装した男の子と美形の先輩の恋愛の新作みせなよ〜自信あるんでしょ」 
「うん。先輩、あのジミー先輩がモデルになってくれたんです。なかなかいいモデルがいなくてみつけるのに苦労しました」 

そういや、前にバイトで女装させられたな。 
BL漫画…ふごっ…俺の尻の穴が妙に疼く。 
嫌な汗まで出てきた、覆い被さる萩原の気持ち悪い笑顔が脳裏によぎる。 
愛理ちゃん、何て漫画描くんだよ…現実になっちゃったんだよ? 

「へぇ〜この可愛い子のモデルがジミー君なんてね」 
「ですよね。ジミー先輩顔可愛いですからよく似合ってましたよ」 

1 尻の穴が疼く…倒れそうだ 
2 須藤さんにみせたくない。部室に乱入 
3 我慢だ、耐えろ〜尻の穴事件は忘れろ 



耐えろ〜我慢するんだ。 
ここで出ていっては隠れていた意味がなくなるぞ。 
忘れろ、 穴事件は。 
別の事を考えよう、最近あった事…あ〜そうそう、萩原の奴舞ちゃんの卒業式の予行見に行って注意されたんだったな… 

「ふごっ…よりによって何であいつを思い出すんだ」 

俺は耐えきれなくなり、漫画研究会のドアに倒れてしまった。 

「な、何?廊下に誰かいるみたいだけど」 
「私見てくるから皆はじっとしてなさい」 

ヤバい、須藤さんがこっちに来る。 
だが、俺は足がすくんで動けない… 
「そこにいるのは誰?って、ジミー君じゃない。何してるのよ」 
「こ、こんにちは」 

どうしよう、見つかってしまったな。 

1 偶然だね、と笑って誤魔化す 
2 気持ちが悪いから助けてとすがりつく 
3 漫画研究会に興味あってさ。あ、もちろん君にも 



「偶然だね」 
「偶然なわけないでしょ。ここは校舎の隅にあるんだから」 
「そうだっけ。細かい事気にしないでよ。さっきまで俺の事を話していたじゃん」 
「あんた、盗み聞きしてたのね。呆れた、まぁいいわ」 

俺と須藤さんの話を聞きつけ、部活の後輩たちがゾロゾロと集まってきた。 
「先輩、どうかしました?あっ、ジミー先輩」 
「愛理ちゃん、元気してた?W」 
「はい。先輩の話を皆でしてたんですよ」 

愛理ちゃんは歓迎ムードで俺を出迎えてくれた。 
他の後輩たちも俺があのモデルとわかり色めきだっている。 

「こんな所で立ち話も何だからどうぞ」 
「では、遠慮なく。お邪魔します」 

中に入ると壁のあらゆる所に絵が飾ってあり、見覚えあるキャラクターが描かれている。 
が、何故か上半身裸だったり男同士で抱きついている。 
「これ、皆で書いたのかい?」 
「そうです。皆うまいでしょ」 
「上手いね…アハハ」 
見てるとまた尻の穴が疼いてくる…トラウマが… 

「ジミー先輩、あのよかったらこの漫画見てくれますか?結構うまく書けたと思うんですけど」 

1 だが断る 
2 愛理ちゃん、素人が批評なんて無理だよ 
3 須藤さんに助けを求める 

4 つい萩原との体験をもらしてしまい再現してほしいと頼まれる 



「愛理ちゃん、素人が批評なんて無理だよ」 
「先輩がモデルなんだから是非感想が聞きたいんです」 

そんな断りづらい潤んだ瞳でみつめないでくれよ。 
俺はトラウマがあってそいつを思い出してしまう… 
嫌な汗が吹き出してきたぞ、不味いって。 

「愛理ちゃん、ジミー君ね今からモデルになってくれるって」 

俺が救いを求めたわけじゃないが、須藤さんが助けを入れてくれた。 
よかった〜 

「本当ですか?」 

よく聞いてなかったが何が本当なんだろう。 

「ここじゃ何だし、ジミー君の家でいいって。ね、ジミー君」 

え?さっきから何が本当だったり、いいのだろうか。 

1 まぁOKって言っておこう 
2 話を聞き直す 
3 無理だと言って断る、って漫画の感想じゃないの? 



俺の知らない所で話が進んでいるみたいだが、ここは聞き直さないと大変なことになる。 

「あの〜さっきから何の話をしてるの?」 
「先輩がモデルをまたやってくれるって須藤先輩が言ってますよ」 
「えぇ〜」 
いつの間にそんな話になってるんだよ… 
「ジミー君、愛理ちゃんのお願いだしいいよね?」 
「いやまぁ…」 

帰りの荷物をまとめ、俺は須藤さんと愛理ちゃんを俺の家に行くことになった。 
あの場では押しきられてしまい、OKするしかなかった。 

「ジミー先輩の家行くのすごく楽しみです」 
「いたって普通の家だよ」 

参ったな〜部屋は汚いままだぞ。 
かといって待たせるのも悪いし、ここはどうするか… 

1 うちに来るのはまた今度にしない? 
2 あ、鍵がないから入れないよ…と嘘 
3 見せて辱しめてやる、これが俺のコレクションだとAVをみせつける 



そういや、さっきは愛理ちゃんにBL漫画を読まされそうになったんだ。 
なら、今度は俺がレズものをみせてやる。 
引き返すなら今の内だからな、ケッケケッケケッケ〜 

「おじゃまします」 
「どうぞどうぞ。片付けしたりするからその間にビデオでもみててよ」 
「わかった。何のビデオなの?」 
「学園ドラマだよ」 

そう、学園ドラマを真似したレズAVだけどな。 
「俺は簡単に片付け」 

ビデオをセットして俺は片付けの不利を始めてみた。 

「ねぇなかなか始まらないよ」 
「いいからいいから。その内に始まるから」 
「…先輩…」 
「ジミー君、あんたねぇ〜」 

ビデオがすぐに始まり、教室で教室と生徒が絡み合うシーンが映し出される。 

「こんなドラマあったかしら?」 
「私も見たことないです。ジミー先輩、タイトルは何ですか?」 
「『美人教師の危ない放課後』だよ」 
「それAVじゃない。こら馬鹿ジミー、今なら許してあげるから止めなさい」 

前は興味ありげにじっくり見て雅ちゃんいじめてたじゃん。 
なのに、愛理ちゃんの手前か随分と大人しいとはおかしい。 

1 雅ちゃんを責めて楽しんだくせに… 
2 なぁ〜に、照れちゃって 
3 あ、お茶淹れてくるね 



「須藤さん、雅ちゃん責めて楽しんでたじゃないか」 
「えっ…先輩何か言いました?」 
「私は何も…ジミー君は何か言った?」 
「え?レズプレイみて誰かさんは雅ちゃん責めていたなって…」 

愛理ちゃんを意識した須藤さんは、口を抑え耳元で俺にビデオを止めなさいと言ってきた。 
「あんた、みやとかそういう余計なことはいいから」 
「いや、しかしさ。今日は大人しいね、雅ちゃん相手してるみたいに触ればいいじゃん」 
「相手は愛理ちゃんよ〜。無理よ、悪ふざけなんて。 
あそけのお父さんにゴルフクラブで殴られるわよ」 
「…そんな危険な父親とは知らず知らずに大変なことを」 

ゴルフクラブを振り回す親父に追いかけられるなら今止めるか… 
惜しい。 

「ビデオはいいからお茶飲みたいな〜ジミー君お願い」 

須藤さんにうまく使われてる気がするが… 

1 今度こそ、だが断る 
2 レズプレイ見たいな〜ビデオをまた再生 
3 素直に行くか… 



素直に行くか… 
ビデオ止めてまた再生できる雰囲気にあらずだからな。 
残念、愛理ちゃんがレズみて「先輩、恥ずかしいです」って赤面する様子が見たかったのに… 
俺は渋々紅茶を用意し、二階へと戻ろうと階段を登っていると声が聞こえてきた。 
何やら楽しそうな声だが、はて? 

「あはは、これ可愛いね〜」 
「ですね〜あん、先輩めくるの早すぎですよ〜」 
「そうだった?ごめん、じっくり見たかった?」 
「はい、だって初めてなんだもん」 

愛理ちゃんの声に弾んだ響きがあり、まるでレズプレイをしているように聞こえてくる。 
もしや、二人は俺がいなくなった隙にビデオ見出したのか。 

「ねぇねぇ、これなんか下着丸見えよ。恥ずかしくないのかしら?」 
「あぁ、本当だ。須藤先輩のエッチ」 

うわ〜たまんねぇ〜 
どうする、まだ盗み聞きしてるか? 

1 レズプレイを覗きこむか 
2 まだ声を聞いて楽しむか 
3 いや、この会話をようく聞いてみろ。まさか 



興奮し理性を失いそうになるが、ようく会話を聞いてみよう。 
さっきから何かみて会話の話題にしてるようだが、ビデオじゃなさそうだ。 

「須藤先輩、この写真可愛いですよ。先輩の好きなコナン君みたい」 
「本当だ。ジミー君て子供の頃はメガネだったんだね。可愛い」 

可愛い?まさかな、あの須藤さんが俺を可愛いと言う日が来るとは… 
って、まさか!? 

「何を勝手に俺のアルバム見てるんだよ」 
「いきなり入ってこないで。驚いたじゃないの」 

あ〜やっぱり。 
二人は俺の子供の頃のアルバムを床に広げて観賞していたようだ。 

「アルバムを勝手に見てたのは謝るわ。ごめん」 
「ジミー先輩ごめんなさい。私がみつけてたから須藤先輩にも見ようって言っちゃったんです」 
「アルバム見たのは別に構わないけど…」 
アルバムはある意味、ビデオ見られるより恥ずかしいものだぞ。 

1 アルバムを回収しないと 
2 悪気ないんだし見たいなら見せてあげよう 
3 見返りに何かほしいな〜なんちて 



別に構わないかな、アルバムくらい。 
減るもんでもないし、可愛いとか言われて悪い気しないし。 

「好きなだけいいよ。アルバムくらいさ」 
「よかった〜私、先輩の子供の頃の写真見れて嬉しいです」 

愛理ちゃん可愛いよ〜君の方こそ。 
写真に視線を戻す時のチラッと俺を一瞬みる仕草とか。 
で、須藤さんあなたはどうなんですか? 

「私は愛理ちゃんに付き合ってるだけよ。別にあなたの写真みても嬉しくないんだから」 

うわ〜素直じゃないよな、この人。 
さっきコナンがどうとか言って喜んでたじゃんか。 
でも、女の子座りしてアルバムめくる仕草がとても同級生に見えないよ。 
何だか艶かしい色気が漂ってるんだよな。 

「あなた、メガネかけてたのね。今はコンタクト?」 
「あぁ、コンタクト。萩原にコンタクトにした方がモテるからそうしろって言われて」 
「そう、私はメガネしてるあなたも悪くないと思うけど」 

メガネにこだわるみたいだがメガネフェチなのかな? 

1 メガネかけてほしい?と聞いてみる 
2 素直にメガネした俺がみたいって言えよ 
3 コナンになりきって須藤さん喜ばせてみるかW 



素直じゃないな、須藤さんは。 

「俺がメガネしてるとこ見たいの?」 
「別にいいわよ。あなたが好きな方でいいじゃない」 
「私はメガネかけた先輩みたいです。どんな風になるか楽しみです」 
「そっか〜愛理ちゃんのリクエストには答えてあげるね」 

俺はコンタクトを外し、メガネを取り出してつけてみた。 
愛理ちゃんは正面から俺をみているが、須藤さんは横目でチラチラみてきている。 
全く素直じゃないな、この人は。 

「愛理ちゃんにだけ特別みせてあげる。どう?」 
「あ〜似合いますね。先輩知的です」 
「ありがとう」 
「ちょっと、ジミー君こっちにも見せなさいよ」 
「別に、という方は音声のみでお楽しみ下さい」 

愛理ちゃんがクスッと笑い、「ジミー先輩は意地悪なんですね」と一言呟いた。 
俺も「意地悪だよ。素直じゃない人には特に」と付け足しておいた。 

「もうわかったわよ。素直に言えばいいんでしょ、ジミー君のメガネ姿みたいです」 
言った後、須藤さんはプイッと顔を横に背けてしまった。 
可愛いんだかそうじゃないんだかわからないな〜 

1 茉麻こっち向いてと声かけてみる 
2 愛理ちゃんとまた会話して焦らす 
3 メガネを取ってしまうか 



「茉麻こっち向いて」俺は不意に思い付いた台詞を口にした。 
言われた当人もしばらく誰が呼ばれたか気付いていない様子だった。 

「えっ…」 
「素直にこっちをみなよ。どう、メガネ似合ってる?」 
「似合ってるんじゃないの〜まぁそこそこ」 

須藤さんがそこそこと言うと、俺と愛理ちゃんは顔を見合わせて笑いあった。 

「何が可笑しいのよ〜」 
「だって、ねぇ?」 
「はい、須藤先輩面白いんだもん」 
「心外よ。二人とも笑うのやめなさい」 
手元にあったクッションを掴んで投げてきたりと須藤さんは大暴れ中だ。 
よっぽど恥ずかしいとみえる。 
「須藤さん、可愛いね〜女の子みたい」 
「女の子ですぅ〜べぇ〜」 

須藤さんは普段みせないアッカンベをやりだしたり、素の彼女がみられた。 
気付けば、夕方遅くなるまで枕投げをして遊んでいた。 

「遅くなったし、二人とも送るよ」 
「お願いします」 
「ちゃんと守ってね、名探偵さん」 
「はいはい」 

まずは遠い愛理ちゃんを送っていくことになった。 
愛理ちゃんは門の前で俺をモデルに出来なかったことを悔しがっていた。 
だからまたね、と約束してしまった。 

「またあんたって人は女の子と約束して」 
「まぁいいじゃん。ちゃんと守れば問題ないでしょ」 
「そういう問題じゃ…ま、あなたに今さら一人に絞れって言うのも無理か」 
「そうそう。あ、お礼言い忘れたけど漫画の話はありがとう」 
「まぁ気にしないで。愛理ちゃんは知らないんだし、仕方ないじゃない」 
「須藤さん、後でお礼するよ。チョコのお礼も兼ねてさ」 
「それならいいよ。どうせ義理であげた物だからさ」 
「そこまで言うならまぁいいか。おっと到着か」 

俺たちが話し合ううち、須藤さんの家まで辿り着いていた。 

「じゃあこれで」 
「あっ…待って。あの…」 
「何?」 
「何でもない」 
「そう、それじゃあ」 
俺は再び歩き出し、見送る須藤さんの姿が遠ざかる。 
寂しそうに見送られる視線を背中に感じながら、自転車に乗った時… 

「ジミー君、メガネ似合ってるわよ。その姿はちぃやみやにはみせないでね」 
「へ?」 
「何でもないの。また明日ね」 

手を振る彼女に見送られ、俺は帰った。 
聞こえなかったふりをしたが、明日にでもメガネの姿の俺を拝ませるつもりだ。 
あんな可愛い須藤さん見られるならメガネくらいお安い御用だ。