その日、俺と〇〇さんは呼び出しをくらい、会議室まできていた。 
お互いに何かミスをしたかと考え込み、沈黙が続いた。 
〇〇さんはミスこそなくとも、病弱でしょっちゅう休んでいるからな… 
俺には身に覚えがありすぎて一つに絞れず、どれがバレたか内心ヒヤヒヤしていた。 
そこへ見知らぬ若い男を連れた上司が現れた。 

「初めまして、新人マネージャーの△△です。よろしくお願いします」 
どこかのモデルが冗談でも言いに来たのか、そう見間違えるほどのイケメン。 
長身で嫌味のない爽やかさを全身から滲ませ、ニッコリと俺たちに微笑んだ。 

「突然だけど、明日から彼にキュートの担当マネージャーやってもらうことにしたから。 
〇〇君にはモーニング娘。の担当してもらうよ」 
エェ−マジで? 
何でまたこんな人事に人事異動するんだよ、嘘に決まってるさ。 
どっきりカメラとかじゃないですよね。 
ね、部長? 

1 部長に化けた偽物だな、姿を現せ 
2 最後だし〇〇さん、番号交換しよう。ゆくゆくは…ニヤリ 
3 あんな奴がやるくらいなら俺がキュートのマネージャーに立候補だ 



部長はつまらない冗談を言う人じゃないし、これは本当なのだろう。 
悔しいが、事実を受け止めよう… 
くそっ、キュートのメンバーに悪い虫がついてもいいのか? 
「あっそうそう。君は期待してないし、いつも通りの業務やってて」 
はぁ?なんですと。 
「まぁメンバーに紹介するくらいやってくれると助かるけど」 
うわ〜そこまで投げやりなのはどうなのよ。 
部長が会議室から出た後、俺たち三人は改めて自己紹介をしあった。 
〇〇さんはちょっと会話して、△△をみて頬を赤らめ出している。 
たった数分間でまず一人落としますか、そうですか… 
「じゃあ私はモーニング娘。に挨拶にいきますね。では、また」 
〇〇さんはいつになくニッコリと微笑み、部屋を出ていく。 
待て、俺はこの時素早く後を追って廊下で彼女を呼び止めた。 
「〇〇さん、これからは俺たち離ればなれになっちゃうね。同期で入った仲間なんだし、相談とかしたいし番号交換しようよ」 
「えっ?…い、いきなりですね…で、でもわかりました」 
〇〇さんは素直に携帯を出し、お互いに連絡先を交換した。 
彼女と相談しあうのは別の目的も含まれてるんだがな…ふふっ 
想像するとたまらないハーレムだ。 

おぉ〜っと、後輩のあいつをどうするか考えないとな。 
このまま放置もありだが、せめてメンバーとの顔合わせくらい付き合ってやるかな。 
会議室のドアを開けて中を覗くと、△△は一人残されて不安そうだ。 
「お待たせ、悪い悪い。マネージャーとしては同期だしつもる話もあったんだ」 
「いえ、大丈夫です」 
「で、君はまだメンバーとは会ったことないんだっけ。なら、俺が 
1 メンバーとすんなり仲良くなる方法を教えてやるぜ、ニヤリ 
2 メンバーは皆ブルジョアだから貧乏じゃ大変だろうな〜 
3 普通に紹介してやろう、えっ嫉妬?全然すよW 



メンバーとすんなり仲良くなる方法を教えてやるぜ、ニヤリ」 
「本当ですか?是非教えて下さい」 
しめしめ、俺が正攻法を教えてやると思ったか? 
俺流で仲良くさせてやるよ。 
俺たちはメンバーの控えるレッスン部屋まで案内し、まずはメンバーに話をしてくると先に入った。 
「レッスン中で悪いが、皆俺の話を聞いてくれ。今日は皆にお知らせがあるんだ」 
レッスンをしていたメンバーは動きを止め、何事かと集まりだしてきた。 
「何かあったんですか?」 
リーダーの舞美がまず沈黙を破って話しかけてきた。 
「そんな緊張しなくてもいいよ。残念なお知らせと良いお知らせを同時に持ってきたんだ。 
残念なお知らせからいうと、〇〇さんが担当マネージャーから外れたんだ」 
〇〇さんが担当から外れたというと、皆とても寂しそうな顔でふさぎこんでしまった。 
一年近く一緒にいたからな、各々思うところがあるんだろう。 
「まぁまぁ、二度と会えなくなるわけじゃないんだからさ。 
辞めたわけじゃないからまた会えるよ」 
慰めの言葉をかけるも皆それ以上に辛いんだろう。 
ただ一人、栞菜ちゃんだけが熱い視線を送ってくる。 
妙な期待してるな… 

「じゃあ良い知らせを発表するよ。それはコレだ」 
このタイミングであいつはやってきて、そして…イシシ 
「どうも〜皆さんの新しいマネージャーになった△△です。ウェーイ」 
海パン一丁でドアを勢いよくあけ、小島よしおの真似をして入ってきた。 
ぷっ、マジにやるかよ〜メンバー引いてるぞW 
舞ちゃんなんて汚いものをみる目してやがる、って俺に向けた視線かい。 
「ちょっとお兄ちゃんさ、この人にこんなことさせて何がしたいの?」 
み、見抜かれてる。 
「いや〜仲良くなるにはこういうのが大事かなって」 
「わかった。お兄ちゃん、自分が担当になれなかったから嫉妬してるんだ」 
そこまで見抜くとは、お主小学生か… 
「先輩、僕いつ辞めればいいですか?ウェーイ」 
お前もいつまでもするな!! 
「改めまして、彼が新しいマネージャーの△△君です」 
「初めまして。皆さん、新人で右も左もわかりませんが頑張るのでよろしくお願いします」 
「お願いします」 
メンバーは△△に熱い視線を送り、こちらも既に落としてしまってるらしい。 
「梅田えりかです」 
「矢島舞美です」 
と、メンバーは順に自己紹介をした。 
「はい、最後の人」 
「新メンバーの熊井友理奈です」 

新メンバー? 
しかも熊井友理奈、どっかで聞いた名前だ。あれ、俺そんなメンバー知らないぞ。 
よく見ればうちの友理奈並みに大きいし、笑顔もすっかり瓜二つだ。 
って待て〜い、お前はこっちじゃないだろ。 
1 この裏切り者〜 
2 ん?お前の手に持ってる箱はシーズン過ぎたがあれじゃないか 
3 いいよ〜だ、六人でやってくもん。六人でエンジョイ 



ん?お前が手に持ってるのはもしや最近終わったイベント関連のものじゃないのか… 
「おい、お前が手に持ってるのはチョコか。もしや」 
「あっ、これは△△さんに渡そうと思って。はい、これ」 
エェーありえねぇ〜 
俺に渡しそびれたチョコをあなたの為に作りました、って顔で渡すんじゃねぇや。 
「ありがとうございます。新メンバーが入るとは聞いてなかったです」 
お前はマネージャーになるんだから、こんな嘘信じちゃ〜ダメダメだ。 
「なっ…熊井ちゃんが混ざってるのに誰も突っ込まないんだよ」 
「友理奈ちゃん来てくれたら、私は嬉しいな。キュフフ」 
すっかり和んだ雰囲気になってやがるな、こりゃ… 
いいよ〜だ、六人でやってくもん。 
六人でエンジョイしていくから。 
「そんなにイケメンがいいならキュートにいればいいじゃないか。 
いいよ〜だ、ベリーズは六人でやってくもん」 
俺は涙ながらにキュートのレッスン部屋から走り出していった。 
「マネージャー…」 
もし、あいつがベリーズに担当が変わったら友理奈みたいになっちゃうのかな… 
「マネージャーさん」 
そんな俺に呼び声がかけられた。 

1 友理奈 
2 舞美 
3 梅さん 
4 愛理ちゃん 



ま、舞美… 
イケメンに夢中で俺の存在なんか忘れてると思ってたよ。 
とくに忘れんぼうなリーダーさんは。 
「泣いてるんですか?」 
「な、泣いてなんかいるもんか…ちょっと風に当たりにきただけだよ」 
「こんなところじゃ風邪引きますよ。中に入ろうよ、ね」 
「いいさ、俺なんかよりイケメンが好きに決まってる。皆と同じようにあいつといりゃいいじゃないか」 
「何をそんなにいじけてるんですか。もぉ本当に子供なんだから」 
「子供でいいよ。俺はイケメンのあいつに嫉妬していじけるしか能がないだめんずだからさ」 
「困ったマネージャーさん。確かにイケメンで嬉しいけど、マネージャーさんにも面倒みてほしいのは変わらないよ」 
面倒みてる、というかみてもらってるというか… 
こんな事でいじけて舞美に慰められるとはな、俺ってダメだな。 
「ありがとう、嘘でも嬉しいよ。寒いだろ、お前は中に入りな。俺はもうちょっといるよ」 
「バカ…マネージャーさんが私たちと作った絆はこんなことで切れちゃうの?」 
振り返ると、真っ直ぐに俺をみつめてくる舞美の視線があった。 

1 舞美の真剣さに応えてやらねば 
2 舞美の硬い胸に飛び込む、いてっ… 
3 まだいじけてる 



舞美は真剣そのものという顔だ。 
その眼差しから俺は一切逃れられそうもない。 
一年、その間にあったキュートのメンバーとの思い出が昨日のことのように蘇る。 
年長メンバーにはいつもエッチ迫ってばかりいたな… 
愛理ちゃんや早貴ちゃんにも同じくか… 
プロレス組とはお兄ちゃんみたく慕ってもらったっけな。 
栞菜ちゃんは一番思い出があるな、最初は嫌われていて、次第に仲良くなって今では相当深い関係だな。 
キュートの皆と俺の間には溝なんてない、たとえ△△が来ようとも平気なはずだ。 
「舞美、ごめん。あいつに大人げなく嫉妬してた。アイツはアイツ、俺は俺だよな」 
「そうそう、その意気ですよ。私たちにもマネージャーさんの力が必要なんです」 
「だな、まだまだ俺もキュートのことみてやらないとな」 
「はい、お願いします。キュート代表としても、一人の女の子としても」 
舞美は俺が元気になったとわかると笑顔に戻り、俺の横に並んだ。 
「元気にならなかったらどうしようかと思っちゃった」 
風になびかされ、自慢の長い黒髪がたなびき、それを耳にかける仕草がとても大人っぽい。 
「私に何かついてますか?」 

1 美味しそうな唇がな 
2 青のりついてて、それを指摘していいものか 
3 いやっ、何でもないと顔をそらす 



うっとりするような唇が何ともいえない。 
たまらなくなってきたぞ、食いついてやりたい。 
「美味しそうな唇がな。みてると食べたくなっちまう」 
「今はだめ。そんな気分じゃないの」 
「いいだろ、俺は我慢できそうにない」 
「前にもいったでしょ〜嫌がってるのにやろうとしたらダメだってこと」 
そういえば約束していたな、そんな事。 
「ちぇっ…」 
「また後でしよ。その時はやさしくね」 
「うん、その時はいっぱい愛してね」 
舞美は俺の頬に軽くちゅっとキスすると、照れ笑いを浮かべた。 
「そろそろ戻るか。皆心配してるだろうし。あと、うちのバカ娘も連れていかないとな」 
「うん、そうだね。マネージャーさん、ファイト!!」 
舞美をつれ、メンバーの待つレッスン部屋に戻った。 
「おそ〜い、舞美のトイレ長すぎなんだよ」 
「だね、二人とも何かあった?キュフフ」 
「大丈夫、話したらすっかり元気だからさ」 
ところで、△△はうちの娘とどこいった? 

1 裏切り者と再び罵る 
2 △△め、うちのグループには絶大に手ヲダサセナイ 
3 チョコの匂いで後がおえる 



「友理奈ちゃん、さっきまでここにいたんですけど…」 
早貴ちゃんは消えた友理奈を心配そうに呟いた。 
他のメンバーも同様らしく、気付いたらいなくなっていたそうな。 
仕方ない、自分だけで探すしかないか。 
友理奈がもっていたチョコの匂いを頼りに探すのが早そうだな。 
俺は自慢の嗅覚をフル稼働させ、いると思わしき場所までたどり着いた。 
中から何やら声がするな… 
「先輩はどんな人なの?」 
「ベリーズ工房のマネージャーっていうよりメンバーのお友達って感じかな。 
皆に優しいし、すごくエッチだけどずっとマネージャーでいてほしい人だよ」 
「熊井さんは先輩が好きなんだね。目がそう言ってるよ」 
「えへへ、照れるから言わないでぇ」 
友理奈は俺のことをそんな風に思ってくれていたのか。 
本当はさっきまで怒鳴りこむつもりでいたのに… 
友理奈の言葉を俺を先回りして止めてくれているみたいだ。 
イケメンに流れたわけじゃなかったんだな、友理奈の奴も。 
俺は涙を拭い、友理奈はじめとするベリーズのメンバーにこれからもそう言ってもらえるマネージャーとして頑張らねば。 
そう固く誓ったのだった!! 
さぁ仕事といくか 


ノノl*∂_∂'ル<新マネってかっこいいよね (マネ)<それを俺に言うか… ノノl∂_∂'ル<あんたにだから言ってるんじゃない、ばか… (マネ)<???