クリスマスイブをちぃと過ごし、心はホクホクだが財布は寒風に吹かれた俺は1人寂しく散歩していた 
そこへ向かいから男の子と手を繋いだ女の子の姿が目に入ってきた 
あれは愛理ちゃん 
エッチして以来だから実に久々の再会なのだが、やり逃げしたみたいでちょっと罪悪感あり 

「あっ、ジミー先輩〜お久し振りです。元気でしたか?」 
「うん、元気だよ。愛理ちゃんは?」 
「見ての通りのカッパッパ〜って感じです」 

カッパッパ〜とはまた新しい言葉だが、要するに元気有り余ってると言いたいらしいな 
愛理ちゃんの隣の男の子が俺にお前はお姉ちゃんとはどんな知り合いだ、と知りたげに興味津々な視線を送ってくる 

「紹介がまだでしたね。この子は弟です。それでこちらはジミー先輩」 
「よろしくな。俺は君のお姉ちゃんの学校の先輩で… 

あ、余計なことが言いたくなってきた 

1 お姉ちゃんの初めてをもらった男だ 
2 お父さんのゴルフ仲間さ 
3 お母さんといけない関係だ 



君のお姉ちゃんの初めてをもらった男だよ」 

そう言って握手するつもりで手を差し出していた 
彼は怪訝な顔をしたが、友好の証ととってくれたかやっと握ってくれた 
その間、愛理ちゃんが目をひん向いて慌てて、「これはね、その違うの。この人はいつも冗談ばかりいって」と必死に誤魔化そうとしていた 
が、「初めてって何かお姉ちゃんあげたの?」と彼には早すぎてわからなかったようだが 

「ところで愛理ちゃんは今日何してるの?」 
「弟と買い出しにでかけていたんです。パーティーを今夜するんで」 

何とか気分が落ち着いた愛理ちゃんが説明するには、鈴木家で今夜パーティーをするそうだ 
といっても、家族だけのささやかなもので毎年やってる大事なイベントだとか 

「先輩こそどうしたんですか?1人で散歩なんてらしくないですね」 
「俺は… 

1 君を探してたんだよ。会いたいなぁって 
2 女の子との出会いがないか探してたんだ 
3 金が落ちてないか探してたんだ 



やっぱり俺は口から生まれたんじゃなかろうか 
今さっき思いついたキザったらしいセリフを迷いもなく言えるんだからな 

「君を探してたんだよ。会いたいなぁと思ってさ。だから、ここで会えて死ぬほど嬉しいよ」 
「も、もぉ〜先輩は調子いいんだから。たまたま会ったって顔をしてましたよ、さっきまで」 

そうでした、下手な嘘は簡単に愛理ちゃんは見破ってしまうんでした 
舞美先輩なら「ジミーの馬鹿」とか言って顔真っ赤にして喜んでたろうに 
だが、照れくさそうなのは間違いない 
愛理ちゃんもキザなセリフは嫌いじゃないみたいだし 

「私たちは駅前に買い物にいくんでこれで失礼しますね」 

愛理ちゃん姉弟は一礼して去っていく 

考えている時間はなく、俺は暇だしここは愛理ちゃんについていくことにした 

「先輩!!どうしたんですか?」 
「いや〜暇だしさ。買い物につき合わせてよ。荷物ならもつからさ」 

愛理ちゃんは仕方ないですね、なんていいながらも口元を三日月にした 
何だ、嬉しいんじゃないか 
俺は愛理ちゃんたち姉弟と並んで歩くが、どうも片手があいた愛理ちゃんが気になる 

1 これで兄弟みたいにみえるかな?と手を繋ぐ 
2 弟の手をもってまるで親子みたいだねという 
3 こうすれば暖かいよと手を握る 



俺は愛理ちゃんの白くて細い手を握りしめ、驚いた彼女の顔にウィンクした 

「せ、先輩!?」 
「これで俺たち兄弟みたいにみえるかな?」 
「うん、お兄ちゃんができたみたいで僕は嬉しい」 

顔を俯かせた愛理ちゃんに代わって弟が素直な気持ちを表してくれた 
彼の笑顔をみてると俺も弟ができたみたいで、昔からこの子たちのお兄ちゃんな気がしてきた 

「俺、兄弟いないからこういうのすげぇ憧れてたんだ。ちょっとだけこのままでいさせて」 
「もぉ〜仕方ありませんね。でも、私もこういうのは嬉しいから感謝します」 

ようやく顔をあげて笑顔をみせてくれた愛理ちゃんたちと人混みの多い駅前まできていた 

こんな人混みの中、愛理ちゃんたちは何を買い出しにきていたのかな? 

「はじめに聞けばよかったんだけど、何を買い出しにきたの?」 
「パーティーグッズです。面白いのないかなって弟と話していたんですよ。先輩は知りませんか?」 
「う〜ん、玩具屋さんいってみよう。そこならいっぱいあるから」 

俺もパーティーグッズなんてほとんど使わないから玩具屋にいけばあるだろうという認識でいた 
果たしていってみると山ほどあるグッズからどれがいいか迷ってしまいそうになる 

「迷子にならないでね〜貴之」 

弟は1人興奮して色々と店内をうろつき回っている 
玩具屋にきたらあれくらいの子供はみんなはしゃぐよな 

「すみません、玩具みて興奮してるようで」 
「気にしないで。むしろ2人になれたことに感謝してるくらいだからさ」 
「照れるからやめて下さい。パーティーグッズ買いにきたの忘れないで下さいよ〜」 

目的はグッズ選びだしな 
何が鈴木家で喜ばれるかな〜 

1 黒ひげ危機一発 
2 王様ゲームグッズ 
3 変装グッズ 



愛理ちゃんは知ってるか知らないが、俺は王様だぁれだを籠に気づかれずに入れておいた 
本命のグッズも籠に入れたし俺の役目は終了かな 
買い物を済ませようとレジに並ぶと、愛理ちゃんは見知らぬグッズが入れられているのを発見したらしいな 
あちゃーこういうのは開けてびっくりが望ましかったんだがやむを得ないな 

「先輩、これ何ですか?私が知らない間に入ってましたよ。勝手には困ります」 
「それは… 

1 とってもいいゲームだよ。みんなでやるのにオススメ 
2 今度菅谷も混ぜてやろうかと思って 
3 いいからいいからジミーを信じて 



「今度菅谷も混ぜてやろうかと思って。だからその時までとっておいて」 
「梨沙子もやるならきっと面白いゲームなんですよね。先輩信じますよ」 

しめしめ、何とか買わせることに成功したか 
弟も無事にみつかって安心したよ、迷子になるかと思ってたからな 
さて、買い物も終わったし愛理ちゃんたちとはお別れかな 

「先輩、買い物につきあってもらってありがとうございました。弟も遊んでもらったって喜んでます」 
「ジミーさんバイバイ」 

手を繋いで帰る2人の背中をみつめ改めて兄弟っていいなと思わされてしまった 
俺は子供はたくさん作るぞ!! 
じゃないと可哀想だからな、一人っ子なんて 
さてと、今から菅谷混ぜて王様ゲームするのが楽しみだ 
新年早々できるといいな〜