12月に入り、本格的な冬の訪れを感じさせる今日この頃 
最近では雅ちゃんも休み時間になると俺にしょっちゅう話かけてくるようになった 
あの雅ちゃんがこんなにも笑ってくれる 
自分が憧れていた子と自然にスラスラ会話できるようになった自分が誇らしかったw 

「ねぇジミー君ってさ、クリスマスって予定あるの?」 
「えぇ〜と・・・今のとこないよ。って、もしかしてもしかして?」 
「もしかしてじゃわかんないって。みやはジミー君の予定がないなら・・・と思ってたんだけど」 

うわぁ〜これってビッグチャンスの到来なんじゃなかろうか 
雅ちゃんとクリスマスを一緒にすごせるかもしれない・・・参ったな〜息子も反応してきちまったぜw 

「予定はないし、雅ちゃんこそ俺なんかでいいの?」 
「べ、別に君だけを誘ったわけじゃないんだから、か、勘違いしないで」 
「ん?つまり?」 
「うちでパーティするからみんな誘ってるだけ・・・ジミー君だけ呼ばないのもかわいそうでしょ」 
「そっか、そうだよな。雅ちゃんなんかが俺と・・・」 
「お、落ち込んだりしないでよ。悪いことしたみたいじゃん」 

みんなも誘われたのかとわかると、急にがっくりきて脱力してしまった 
そうだよな、そんな都合よく2人だけで過ごそうなんておかしいよな 

1 みんなも行くなら行くか 
2 ちょっと保留にしておこう・・・ 
3 2人じゃだめなの? 



しかし、ここで諦めたら試合終了だって気がするんだよな 
一緒にクリスマスなんて過ごす機会なんてもう2度とないだろう 
こうなったら、当たって砕けろだ 

「パーティーとは別にデートしてもらえない?俺と2人きりで」 
「え?ちょ、ちょっといきなり何いってるの・・・」 

雅ちゃんは顔を赤く染め、みるからに挙動不審になりだした 
こんなに動揺するなんて脈ありか、なんて考えが俺の中にめぐってきてしまう 
押せばどうにかなりそうだな 

「俺さ・・・」 
「ぷっしゅ〜ちょっと通りますよぉ〜」 

俺さ、なんてところで次の言葉が遮られてしまった 
俺と雅ちゃんの間に割って入るようにちぃが現れたからだ 
しかも、シャッターを下ろすような仕草をして 

「ちょっと、ちぃ・・・今、ジミー君がしゃべってたんだから邪魔しないで」 
「え?そうだったんだ。ごめんごめん。えへへへ」 

不機嫌そうな雅ちゃんとは対照的にニヤついた笑顔のちぃ 
いきなり現れてなんだ? 

1 お前こそぷっしゅ〜ってシャットアウト 
2 ん?鋭い阿修羅の視線が・・・ 
3 ちょっとこいつの話だけでも聞いてみるか 



うっとしいな、全く 
どうしてまた、俺と雅ちゃんの会話に割り込むことをしてくるんだろうか 
ぷっしゅ〜にはぷっしゅ〜でお返しをしてやらねばな 

「ちぃ、今大事な話だったんだぞ!!それを邪魔する奴にはこうだ。ぷっしゅ〜」 
「あぁ〜ちぃのをパクった〜ひっどぉ〜い。それにジミーっち、手つきが違うし」 
「な、何だと。じゃあ、お前見本としてやってみろよ」 
「いいよ〜よぉく見ておくんだね」 

ちぃは自分が教える立場になったのが嬉しかったか、余裕のある笑みをみせた 

「ぷっしゅ〜」 

どこがどう違うのか、俺にはよくわからんぞ 
シャッターを掴んで下ろすだけの動作なんだから、誰がやったって同じだろうが 

「ね、ちぃのほうが手をばんざぁいって上げてっから下ろしてるんだよ。ジミーっちのはブラインドからのぞいてみたいw」 
「じゃあ、こうか?」 
「ん〜もうちょい上かな。そうそう。そこからこう」 

俺はすっかりちぃのペースに乗せられ、さっきまで自分が何をしていたかを忘れていた 
簡単な話、雅ちゃんをいいところでほったらかしにしてちぃとぷっしゅ〜をやっていたのだった 

「ちょっと、2人ともいい加減にして!!ジミー君もちぃもさっきから馬鹿みたいに」 
「ば、馬鹿とは何だね〜ちみちみ。みやも一緒にやればいいじゃん。楽しいよ?ね、ジミーっち」 

おい、そんなタイミングで俺にふるな 

1 ほら、一緒にぷっしゅ〜 
2 ちぃもいい加減にしろ、って、ぷっしゅ〜 
3 馬鹿馬鹿しいよね、そうだよね 



本当にこいつって奴は人を自分のペースに巻き込んでいくよな 
だが、それもここまでだ 
いい加減に本題に戻ろうじゃないか 

「ちぃ、いい加減にしろよ。ぷっしゅ〜」 
「いい加減にやってるわけじゃないんですぅ〜ぷっしゅ〜」 
「だぁ〜それをやめろっていってるんだよ。ぷっしゅ〜」 

何だ、ちぃにやめろといっておきながらこの体たらくは 
ちぃの術中にすっかりはまって、俺までぷっしゅ〜を自ら実践している・・・ 
呆れた雅ちゃんは溜め息をついて、ガクッと肩を落として嘆いている 

「何で、こんな馬鹿な子が親友で、こんな大馬鹿な人が好きな人なんだろ」 
「みや、諦めなさい。こうなったら最後、2人の世界なんだから」 

俺たちの様子を見るに見かねてか、須藤さんが雅ちゃんを連行していった 

「ジミー君、みやのパーティーの日程は23日にするから、あんたたちは24日を楽しんでらっしゃい」 
「ま、まあさ・・・ちょ、ちょっと・・・私のパーティー勝手に変更しないで。ジミー君、絶対来てよ」 

遠くに連れ去られていく雅ちゃんを尻目に、俺たちはようやくぷっしゅ〜地獄から抜け出た 
で、ちぃは何をしに俺のところへ来たんだ? 

1 ちぃもパーティーの誘いか? 
2 ぷっしゅ〜やる為に? まさかな 
3 いきなり2人だけにされると何話せばいいんだ? 

4  もしかしてあそこにぷっしゅ〜してほしいのかな? 



あんなにぷっしゅ〜ばかりしていたところをみると、そのまさかかな… 
ちぃだから可能性がないと言い切れない 
「なぁ、お前はぷっしゅ〜やる為にきたのか」 
「あったり〜♪ジミーっち、さっすが〜」 

当たりかよ 
俺が正解したのを自分のことのように得意気な顔をしてやがる 
それだけの為にせっかくの雅ちゃんとの一時を邪魔してくれるとは 

「あっ、ジミーっち、何むくれてるのさ〜さっきの本気にしたの?本当はジミーっちと一緒に帰ろうと思ってね」 

俺が嫌な顔をすると、ちぃは前言撤回をしてきた 
こんな回りくどい誘い方してこなくても素直にいえばいいのに 

「一緒に帰ろ?」 

1 いいよ、退屈してたし 
2 雅ちゃんとの恨みがあるしぷっしゅ〜してバイバーイ 
3 すがりつくちぃが可愛いから焦らす 



ちぃがすがりついてくるなんて最近じゃみられなかったし、本音では一緒に帰るのオーケーなんだけど、意地悪なジミーちゃんはちぃをからかうことにしました 
「どうしようかな…」 
「いいじゃん、ね、帰ろうよ〜」 

子供が親におねだりをするのに似て、ちぃは俺の腕を掴んで振り回す 
俺はほくそ笑むのをグッとこらえて、悩んでますって表情を保つ 
顔の筋肉がどうかしちゃいそうだぜW 

「さっきのは謝るからさ〜お願いだから一緒に帰ろうよ〜」 
ちぃの顔がだんだん泣きそうな感じに変わってきた 
これはそろそろ意地悪もやめ時かな 

1 わかった、と一緒に帰る 
2 たれ目なちぃちゃん、笑ってとほっぺをつつく 
3 意地悪は快感〜もうちょっとだけ 



ったく、そんな顔されたら俺は慰めてあげたくなっちゃうじゃないか 
いつもよりも角度が垂れ下がったシンボルマークは降水確率60%くらいか 
可愛いな〜こういう時のちぃは 

「たれ目なちぃちゃん、笑って」 

俺はちぃのほっぺをつついて、顔を下から覗きこんだ 
口をとがらせてぶすっとしたままだが、さっきよりも表情が柔らかい 

「ほら、笑ってよ。ちぃは笑ってるほうが可愛いよ」 
「もぉ〜ジミーっちの意地悪〜」 

やっとちぃが笑ってくれた 
笑ってるちぃはやっぱりひいき目抜きに可愛い 

「ははは、ごめんごめん。ついね」 
「で、一緒に帰ってくれるの?」 

1 今度こそオーケーだ 
2 雅ちゃ〜ん、帰ろうW 
3 自転車に乗せて帰るか 



今度こそオーケーするかな 
あんまり焦らしすぎてもちぃがへそ曲げてしまいそうだし 

「いいよ、一緒に帰ろう」 
「うん、やった〜ジミーっち、大好き」 

こらこら、教室でむやみやたらに抱きつくもんじゃない 
雅ちゃんも須藤さんもいないからいいようなものの、いたら雅ちゃんにはすげぇ嫉妬されそうだ 

「2人で帰るのって、俺がボコボコにやられた日以来だな」 
「だね、ジミーっちが危ないっていうんで、茉麻たちも一緒に帰ってたりしたもんね」 
「女の子に守られるってのも複雑な気分なんだけど」 
「気にするな、少年。君は弱くてもジミーだ。君にはちぃがついてるよ」 

ついてるか・・・そうだな、俺がどれだけ傷つけても一緒にいてくれた子だしな 
ちぃにたまには恩返ししてもいい頃だな 

「えへへ、どったの?人の顔ばっかみつめてきてさ・・・照れるじゃん」 
「いや、別に・・・右の顎の下にほくろ発見てな」 
「あ、そんなとこみてたの〜こいつぅ〜」 

ちぃといると元気がもらえるな〜俺は 
こうやって下校できるのもいつまでなんだろう 
受験だって近いし・・・ 

「ねぇ、ちぃさ〜最近変わったと思わない?」 

いきなり何を言い出すんだ? 

1 あれ、そういえば髪が伸びてるかも 
2 ん〜前よりも黒くなった? 
3 お前が変わるわけないじゃんw 



俺はちぃの全身をつま先から髪の毛の1本に至るまでじっと観察した 
えぇと徳永さんの変化はみられずじまいじゃないっすか 

「ん〜特に変化なしw」 
「ば、ばっかだねぇ〜ちぃが好きならわかる簡単な問題だよ。ほら、もう一度よくみて」 

言われたとおりに俺はさっきと同じく全身をじっくり観察することにした 
わかった!! 
でも、素直に答えるのでは面白くないから、ここはさっきと同じく焦らし作戦を決行 

「胸が大きくなった」 
「うん、そうなんだよ。ちょっとね、ってそんなんじゃないよ。どこ見てるの」 

さっとちぃが胸を両手で守るように隠してしまった 
残念、せっかく大きくなった胸を観察して、息子が再び大きくなっていたのに 

「さ、君の好きなちぃちゃんは頭の部分あたりが変わってますよ〜」 
「ごめんごめん。わざと間違えてました。髪の毛でしょ。伸びて前より可愛くなった」 
「そ、そっかな〜ジミーっちが長い髪の子がタイプっていうから伸ばしちゃったんだけどさw」 

はて、俺はそんなこといったっけな 

1 いったかも 本当は覚えてないけど 
2 思い出した ちぃはロング、イケてるよ 
3 ちぃは何でも似合うよ 



このまま伸ばした髪のちぃを想像すると見慣れない姿になっていて新鮮に映る 
瞼を開けるとまだその途中の姿でいる 
伸ばしたところがみたいな、ショートカットじゃなくなるのは残念だけど 

「ちぃは何でも似合うよ。ロングでもショートでも可愛い」 
「えへへへへ、ジミーっちはお世辞がうまいなぁ。君は詐欺師になれるよ」 

こんな言葉でコロコロ人が騙されてたら、世間にどれだけ被害者が続出してるんだよ 
まぁ約束破ったりしてる分、詐欺働いてはいるか 

「照れるなよ。可愛いっていってるんだからさ」 
「そんなに連続していうな。照れちゃうっしょ〜このどスケベ」 
「何でここでどスケベだよw確かにどスケベには違いないけどさ」 
「認めるんじゃんか。なら、どスケベで決まりだよ」 

笑顔が眩しいくらいに輝いてみえ、夕日の逆光をあびてちぃなのに神秘的にみえる 

「ジミーっちさ、今日うちに寄っていかない?」 
「な、何だよ、突然さ。寄ったら家族に悪いだろ」 
「平気平気。うちの家族って大人数だから、1人くらい増えたって変わらないんだって」 

前にいったときは運よく家族いないときだったからな 
今回はどうしたほうが得策か 

1 今日は遠慮しておこう 
2 家族がいるならHなことは禁物 それだけ肝に命じる 
3 別の場所でも2人きりならいいだろ? 



家の前まできて、ハイさようならってのも味気ない 
せっかくだし、ここはお邪魔させてもらうとしようか 

「お邪魔するよ」 
「素直が1番だ。偉いぞ。君の場合はエロいかw」 
「余計なこというなw」 

とことん、ちぃのペースに乗せられ、俺は久しぶりに徳永家へと足を踏み入れた 
玄関を開けると、この間あがったときが嘘みたいに騒がしい 

「何だか家の中が騒がしいみたいだけど」 
「それは気にしないで。家に入ったら、さっとちぃの部屋へいってしまいなさい」 
「あ、あぁ。何かあるの?」 
「いいから、走って2階へあがるんだぞ。じゃないと、茉麻からパンチだ」 

だから、何でそこで須藤さんが出てくるんだよw 
自分の手は汚さずって、洋画の悪役か己は 
まずはちぃがいつも通りに「ただいまぁ」と家に入り、続いて俺が中へと入っていった 
すると、目の前をサイズが小さいちぃが横切っていった 
・・・ん?俺の視力悪くなったかな 

「あはははは、君はのんびりしてる場合じゃないだろ。さ、ちぃの部屋へダッシュだよ」 
「今、何かが横切った気が・・・」 

1 正体をつきとめるまでは1階を調べさせてもらおう 
2 気のせいだな、ちぃならここにいる 
3 殴られすぎて頭おかしいかな? 



「気のせいだよ、気のせい。ささ、あがってあがって」 
「うん・・・お邪魔します・・・」 

何となく納得がいかなかったが、ここは部屋にあがって休ませてもらおう 
休めば、きっと幻覚もみえなくなるはずさ 

「お茶とか用意するから上で待ってるんだよ。部屋から一歩も出ちゃダメだからね」 

いつになく険しい表情でちぃが俺にきつく言ってくるなんて、これは只事じゃないな 
大人しくしてるほうがいいかもしれないな・・・ 
俺が階段を上りきろうと一歩踏み出したとき、やはりミニちぃが俺の視界にとまった 
俺とほんの数秒見合うと、ニヤリと笑ってどこかへ消えた 
ざ、ざ、座敷わらしか・・・ちょっとガクガクブルブルなんだが 

ちぃの部屋にきたとはいえ、落ち着かない俺は警戒して壁際に座った 

「ね、あれがジミーだね」 
「だね。千奈美姉ちゃんがいってたジミーだよ」 
「うん。きっとあれがジミーだ」 

べ、ベランダに俺をじっとみている視線に気づいた 
ざ、座敷わらしに俺は狙われるようなことしたか・・・そもそも何であだ名知ってるんだ 

1 座敷わらしが出たとちぃの元へ逃げる 
2 怖くなって布団にくるまって、ウホッ ちぃの匂い 
3 こちらMMR、未確認生物の捕獲に入る 



あまりの怖さに俺はとうとう奴らから身を守るため、ちぃのベッドへと入った 
布団からはかすかに漂うちぃの匂いが鼻につき、妙な興奮を覚える 
そういや、ちぃの身体にちっとも触れてないなぁ〜 
触りたい・・・ 

「ね、ジミーの奴布団にくるまってるよ」 
「どうしたんだろ。さっきから悲鳴みたいなのあげるしさ」 
「ジミーってお姉ちゃんがいってたよりも変人なのかなぁ」 

布団にくるまったとはいえ、奴らの声がかすかに耳に入ってくる 
まだ俺のことを狙ってるつもりらしいな 
助けがくるまではここにいよう 

「おっまた〜ジミーっち、お茶だよん。って、あれ?いない・・・もしも〜し」 

ちぃの声がする・・・ 
どうしようか、ここで出ていって平気だろうか 

「ジミーっち、どこだい?って、そこかい」 

布団を一気にめくりあげたちぃと視線があい、何分かぶりのご対面である 

「何してんのさ」 

1 ベランダに座敷わらしが 
2 寒いからあったまろうと思って ちぃも入る?w 
3 お前、もしや座敷わらしが化けてるのか 



ベランダに座敷わらしがいるっていっても信じないだろうな 
この家にきてから寒気あるし、俺にしかみえてない可能性だってある 
明日からオーラ鑑定でも始めようか 

「ベランダに座敷わらしがぁぁぁ」 
「いないじゃん。誰もいないよ」 
「いいや、いた。俺はこの眼でみたんだ。2人もいたんだぞ。これはちょっとした恐怖ですよ」 
「2人?もしかして・・・ちょっと待ってて」 

ちぃはそういい残して、1人どこかへいってしまった 
俺を1人にしないでくれぇ 

「捕まえた。こら、勝手に人の部屋覗くなって注意したじゃん」 
「だってぇ〜今日はジミーがいるんだもん」 
「ジミーって呼び捨てにするな。呼ぶときはジミーさん、ジミー君だよ」 
「えぇ〜お姉ちゃんだけジミーっちって呼ぶのズルい。私たちもジミーっちって呼びたい」 
「だぁめ!!ジミーっちって呼んでいいのはちぃだけなんだから」 

部屋の外から聞こえる声からすると、座敷わらしとは顔見知りみたいだな 
顔見知りも顔見知り・・・妹かい 

「ふぅ〜妹たち注意して疲れちゃったよぉ。ジミーっちも出ておいでよ」 
「うん。ちぃって兄弟多いんだな」 
「まぁね。4人姉妹だもん、うちは。ジミーっちは1人っこだっけ?」 

1 俺にはミントって兄ちゃんがいるんだい 
2 ひ、1人だって寂しいなんて思ってないんだからね ツンデレ風に 
3 清水先輩がお姉ちゃんだし寂しくない 



正直、兄弟がいる人間がどれだけ羨ましいと思ったかわからない 
だけど、そんなの素直にいってしまうのは子どもみたいで嫌だ 
ちぃの前だし、ここは男らしく強がってしまおう 

「ひ、1人だって寂しいなんて思ってないんだからね」 
「強がらなくたっていいじゃん。本当は寂しいんでしょ?ほら、言っちゃいなよ」 
「べ、別に寂しいなんて思ってないから。もう慣れたし。いわゆる鍵っこだしね」 
「ふぅん、まぁジミーっちがそう言うならいいけどさ。でも、兄弟いるっていいよ。楽しいし」 

俺には兄弟のありがたみとかわからないけど、ちぃが姉妹のことを話すときにとても嬉しそうにするのがわかった 
そんなちぃの顔をみてると、兄弟が欲しいなぁと今でも思う 
お父さんお母さん、頑張ってくださいw 

「ジミーっちさ、妹がうるさくなかった?」 
「そんなことないよ。どうして?」 
「いっつもうるさくってさ〜ずっとしゃべってるんだよ。ずっと」 

まさかこの人の口からこんな言葉が聞けるとは思ってもみなかったな 
ちぃがうるさいっていうくらいだから、普段はもっとうるさいのか? 

「ちぃだっていっつもうるさいじゃんw」 
「えぇ〜。違うよ。たまにうるさいんだよ、たまに」 
「毎日先生からしゃべりすぎて注意される人間がたまにっていうか。たまにって」 
「先生のはおいておいて。そうすれば、たまにだって」 
「注意ぬいてもたまにってレベルじゃないぞ」 

ちぃの奴、うるさいって言われるの気にしてるのか? 

1 うるさいのは本当だし、そういうか 
2 考えてみれば、俺も便乗して騒いでるっけな 
3 話切り替えて機嫌とるか 



俺も便乗して騒いでることあるし、注意するのはやりすぎかな 

「俺もうるさいっていわれるし、ちぃにあんまり言うのはよくないな」 
「そうそう。ジミーっちもけっこー言われてるんだからさ」 
「だな。俺も注意しなけりゃな」 

こうして何とかうまく場が和み、俺とちぃはしばらく談笑しあっていた 
そこへ、部屋をノックする音がした 
部屋に入ってきたのはまたまたちぃの姉妹で、今度は姉の登場となった 
姉ちゃんも顔似てるのな 

「こんにちは、君がジミー君ね。初めまして。千奈美からあなたの噂は聞いてるよ」 
「ちょ、っちょと〜お姉ちゃん勘弁して。用はなに?」 
「下でね、お母さんがあんたたちにこれ持っていきなさいってさ」 
「はいはい。これおいたらお姉ちゃんもさぁ行って」 
「押さないで、千奈美。じゃあ、ジミー君ごゆっくり」 

ちぃがお姉さんから受け取ったのはどうやらクッキーのようだ 
焼きたての香ばしい匂いがしてくる 

「うちのお母さんご自慢のクッキーだよ。さぁ食べて食べて」 
「じゃあ、遠慮なく」 
「どう、味は?」 

1 美味しい!! 
2 ほどほどかな 
3 ・・・じゃあ、これで 



これは素直に美味しいといっていいでしょう 
俺も手作りのクッキーなんて滅多に食べないから、こういうのは嬉しい 

「美味しいよ。とっても」 
「そっか〜ならよかった。どんどん食べちゃってよ」 
「大食いじゃねぇんだから、そんなにいっぺんには入らないぞ」 
「あははは、そうだね。ジミーっちの小さい口じゃ無理かw」 

俺たちは久しぶりにちぃの家での学生らしいデートをした 
つまらない学校での出来事もちぃと話すと楽しいんだな 

「ジミーっち、帰りは気をつけるんだよ」 
「あぁ。気をつけて帰るよ。お母さんにはクッキー美味しかったっていっておいて」 
「うん、お母さん次も張り切っちゃうよw」 
「次も頑張ってもらってくれ、期待してるからさ。それじゃ、明日ね」 

ちぃに見送られ、俺は徳永家を後にした 
が、途中マフラーを忘れたことに気づいたが、明日届けてもらえばいいかと思っていた 
そこへ 

「はぁはぁ・・・ジミーっち、忘れもんだよ。これ」 
「ちぃ、よく気づいたじゃん」 
「部屋にいったらあったからね。はい、マフラーしないと風邪ひいちゃうぞ」 

ちぃは手にしていたマフラーを俺の首にかけてくれた 
女の子にこんな風にされたのは初めてだったし、何だか俺が照れ臭い 
普通は男がするもんだよな、こういうのは 

「言い忘れちゃったこというね。クリスマスさ、ちぃと・・・」 

言うのをためらいがちにちぃはクリスマスという言葉を口にした 
きっと、ちぃが雅ちゃんと俺との間に入ってきたのはこれが言いたかったからかもしれない 
だけど、ちぃがその先をいうことはなかった 

1 キスして口をふさいでしまったから 
2 照れ臭くて言えずにいてその場は別れたから 
3 俺から一緒に過ごそうと切り出したから 



あんまりにも照れ臭そうな顔が俺には可愛すぎて、急にキスがしたくなった 
ちぃが言わんとしてることがわかりきっていたから、それが俺なりのOKってことだ 
キスした瞬間、ちぃは呆然としてしまっていた 

「いいよ、クリスマスは一緒に過ごそう」 
「・・・う、うん・・・」 
「どうしたんだよ?」 
「いや、何でもない・・・ちぃ、マフラー渡したし帰るね。ジミーっち、気をつけて」 

完全に言葉が棒読みでまるでロボットみたいだ 
不意打ちすぎて驚かせてしまったな 
唇に指で触れて、さっき触れ合った部分を撫でている 
まだ信じられないらしいな、ちぃの奴w 
ちょっとどころじゃなくキザったらしいことしたが、まぁいいだろう 
クリスマス、ちぃと過ごすのが楽しみだな