「それ、何デスか?」 
「わっ!」 

清水先輩?! 
あ、あのっ、俺、その 
「…なんだ佐紀ちゃんか、びっくりした」 
「なんであわててるんデスか?」 
「なんでもないよ、うん。いきなり目の前にいたからびびっただけさ」 

…これ見てたら思い出しちゃった。清水先輩との思い出を 
「指輪、デスか」 
「んー。そうだよ」 

あの日は確か… 
清水先輩とデートする日だった 
待ち合わせ場所で… 

1 俺が先に着いちゃって待ってたんだ 
2 俺が寝坊して大慌てだったんだ 
3 ……いや、そもそも待ち合わせ場所にいったっけ? 



「ふぁあぁぁぁ…」 

今、何時だ?…9時か 
「…………」 
寝起きでまだ思考がにぶくなっている。今日は何かあったっけ? 
「…そうだ、昨日なかなか寝られなかった」 
なんで寝られなかった?そう、確か清水先輩とのデートでわくわくして 

「………あーーー!!」 

しっしまった、遅刻だ!カンペキ遅刻だ! 
「駅まで走ってきゃ間に合うか?!」 
いや、間に合うか?じゃない。間に合わせるんだ! 


「…………遅刻じゃん、三十分」 
「す、すいまっしぇんっ!」 

間に合わないどころではなかった。当然先輩は不機嫌だった。 
うわ〜印象悪… 

1 とにかく謝り倒す 
2 笑ってごまかす 
3 今日一日あなたの言いなりになります… 



「お詫びに今日一日先輩の言いなりになります」 
「当たり前でしょ!ほら、いくよ」 
俺の乗る自転車の後ろにひょこっと飛び乗る先輩。 
「せ、先輩?」 
「最初の命令。このまま走りなさい」 

この身長差…なんか妹乗っけてるみたいだ。 
「うわっ!」 
あぶね、にやけてたら車にぶつかりそうになった。 
「きゃっ!」 
…う、今、俺ぎゅってされてる? 
「バカっ、ちゃんと前見て走ってよ」 
「すっ、すいません」 

先輩には悪いんだけど 
俺を見上げて怒ってる顔、仕草が……なんか… 
「聞いてる?君」 
「はっ、はい」 
また機嫌悪くさせちゃったな。どこか遊びにいけば機嫌なおしてくれるかな 

1 ふ、服見ません? 
2 映画観ましょうか 
3 先輩あそこに犬いますよ 



「ふ…服、見ません?」 
「え。いいけど」 
ちょうど近くに服屋があるからここにしよう。 

「先輩これ似合ってますか?」 
「…趣味、悪っ」 
えー!俺スキなんだけどなードクロの指輪とか。 
「ねーねー、私似合ってる?」 
先輩は帽子をかぶって俺に見せてきた。あぁ、似合います、すげー似合ってます。 
「…どーですかねぇ」 
「何その微妙な答え。じゃこっちは?」 
今度はマフラーか。 
うん、先輩ってセンスいいんだな。帽子と合っててもっと可愛い。 
…さて、何と答えよう 

1 わざとまた微妙な答え方 
2 似合ってますよ!とジミースマイル 
3 …たまんないよ、佐紀 



「あのっ」 
「どうなの?答えて」 
「……似合ってるよ、佐紀」 

一瞬、先輩の体が固まったのがわかった。 

「なんていった今、今」 
「似合ってますよ先輩、先輩、先輩」 
あわてて言い直したがやっぱりさっきのが聞こえてしまったらしい。 
「呼び捨てですか!君は!あーそーですか!」 
「いやいや先輩、僕は緊張をほぐそうとですね」 
ぷいっと向こうをむいてしまった清水先輩。 
ま、またやっちゃったぁ。KYな発言を、でもそれが俺の性格つーか… 
「次いくよ!急ぎなさいっ」 
「はいはいただいま!」 
「今度は私が選ぶよ。えっとね…」 

そーだった。もともと今日は言いなりになるんだもんな。 

「決めた!(清水先輩の台詞です↓) 

1 今度はあっちの服屋にいこう」 
2 お腹すいたから何か食べよう」 
3 このまま走って。私がいいって言うまで」 



このまま走って。私がいいって言うまで」 
…了解、です。先輩 

「気持ちいい〜」 
「おわっ!」 
「なに?変な声出しちゃって」 
ま、またぎゅってされた。わざとか…? 
さっき俺がへんな呼び方したお返しってわけか? 
や…やめてくださいよ、どきってしちゃうじゃないですか。 
「だいじょぶ?なんかよろめいてるよ」 
「先輩が…」 
「なんかいった?」 
「いえ」 

距離、近いよ。 
息遣いとかまでわかっちゃうくらい。 
「ほら」 
「うわぁあっ!」 
いきなり目をふさがれてめちゃくちゃびっくりした 

「何するんですか!すごいびっくりしましたよ!」 
「ありがと。そうさせるつもりだったから」 

…ずるいよ。 
そんなはにかんだ笑顔してさ、俺何も言えなくなるじゃん。 

1 まだ走るんですか?と聞いてみる 
2 こっちもいたずら。おでこをくっつけてやる 
3 休憩しません? 



何も言えないけど行動はできるぞ。 
「きゃっ?!」 
「お返しですよ、俺もイタズラです」 
思っていたより先輩の顔は熱かった。 
「こっこっこの、先輩をからか、からかうんじゃありません!」 

うっわー、湯気がぽんぽん出てるぞ。マンガみたいな人だ。 
「どんどん走って!町から外れてもいいから」 
「いいんですか?」 
「隣町まで走って、早くっ!」 
照れ隠しで早口になるのが少しおかしかった。 
「君、私をバカにしてるでしょ」 
「えっ」 

1 そんなわけないでしょ?先輩 
2 先輩、まず湯気を止めてください 
3 だってすぐムキになるからつい… 



「だって先輩…すぐムキになるから、その」 
「よく言われるそれ」 
「すいません」 
「いいよ別に」 
それから、俺は先輩の指示どおり隣の駅まで走ることにした。 
いつも見てて見飽きてるはずの景色だったが 

「あれ?ここ日曜お休みだったっけ」 
「そうでした?いや、意外と見てないですね普段そういうとこ」 
「あの犬可愛いね。ちっちゃくて」 
「先輩に似てますよね」 
「なんだってー!」 

こんなに、違って見えるんだ。 
まるっきり違う、楽しいものに見えてくる。 
「そろそろ着きますよ」 
「…まだ、走って」 
え?だって…隣の駅って約束じゃあ 

「……もう少し、走ってほしいんだ」 

1 …わかりました 
2 おしっこしたいんですけど 
3 わかったよ。佐紀。 



「わかったよ……佐紀」 
今度も聞こえるかわからないくらい小さな声でいったが 
「こらっ!聞こえたよ」 
また、聞こえちゃった。 
「あの、トイレ…いってもいいですか?おしっこしたくて」 
はぁあ〜っとふかーいため息をつく先輩。 
「好きにしなさい。もう君って人はまったく」 

いやー呆れてたな先輩。 
トイレから戻った俺を冷ややかな目で見てたし。 
「いきましょうか」 
「ええ。地の果てまでね…」 
最初は冗談に聞こえたが、だんだん走るうちに怖くなってきた。 
いつまで走っても先輩は止めてといわないし… 
「あのー、そろそろ」 
「見て!きれいな雲」 
最初はわざと止めないのかなと思ったんだが… 
「うふふふ、可愛い猫。あ、きれいな川…」 
ほんとに楽しそうだ。 
なんだか俺もうれしくなってくるよ。 
「坂だ…ジミー君大丈夫?私がいて登れる?」 

この坂…うわっ、きっつそうだぞ 

1 しっかりつかまっててくださいね…! 
2 …無理ッス。歩きながらいきますか 
3 交代しましょうか 



「しっかり、つかまっててください」 
「ん…わ、わかった。じゃあ…」 
うぐっ…ちょ、ちょっと強すぎじゃ…先輩。 

「うぉ〜〜〜〜っ!」 
「無理しないでジミー君!ほんとに!」 
い、いや…頑張るんだ。 
今日やっとあだ名で呼んでもらえたんだから! 
ここで遣り切れなきゃ、ダメなんだよ! 

「すごーいもう半分まで来たよ!」 
「ま、まだ半分ッス…!あと半分…!」 
先輩のつかむ手は相変わらず強いまま、俺の腹にまわしていた。 
…不安だろうな。つかむ強さはそのあらわれだ。 
がんばるぞ、もう誰も不安になんかさせないんだ 

1 登りきった! 
2 やべ、なんだか泣きそうだぞ 
3 …あ、ガスが出そう。いやいや気のせいだろ 



「うっ、く」 
「何?ジミー君泣いてる?」 
「あ、いえ」 
うそだ。泣いている。また泣いてるよ俺。でも悲しくて泣いてるんじゃない。 
「大丈夫?!つらかったの」 
「いえ、無事に登れたから少し涙が」 
くすっと笑う清水先輩。 
「よしよしよく頑張った。えらいえらい」 
「あ、頭撫でないでくださいよ〜」 
「嬉し泣きは立派な男の子になった証だって」 
…先輩、ありがとうッス 
今思い出したけど、この坂前に挑戦して太ももがつったことがある。 
そのままチャリこげなくなって転倒してエラい目にあったけなぁ。 

「少しいけば私の家だから…いって」 

……えっ? 

1 まさかもうデート終わりですか? 
2 もうちょっと走りませんか 
3 歩いていきましょうか 



せっかくだし、っていうか少し休みながらいきたいし… 
「歩いていきません?」 
「いいよ、そう言おうと思ってた。足震えてるし」 
…マジだ。少しづつきてるわ。無理しすぎた? 

「春になればね、うちのまわりは桜満開なんだよ」 
「この寂しい木々も春になれば…」 
見てみたいわ。俺、花では桜が一番好きだから。 

「見せてあげたいな。ジミー君に、その満開の桜を!」 

…先輩っ 

俺、俺…今あなたしか見えないです。 

1 キスしたい 
2 ちゃんと家まで送る 
3 押し倒す 



ちゃんと家まで送らなきゃな。 
「あがって」 
「ちゃんとあがるのは初めてです」 
「ふふ…こないだは不法侵入だったからね」 

…思い出した。 
それでたしかあの時巫女の姿見て、 
んで、しまぱんやらひも……やら取ってきちゃったんだ。勢いまかせで 

「はい。熱いから気を付けて」 
「あちっ!ちょ、ほんとに熱いですよ」 
「だから気を付けてっていったのに。バカね〜」 
先輩が俺を家に入れたってことは…まさかOK? 
「…顔にやけた。変なこと考えたでしょ」 

1 言いましょうか?うふふふ 
2 いやいや… 
3 寄り掛かっちゃえ 



「い、いやいや、私はなに、なにも」 
「Hなことしようとしてたでしょ。顔に出てるよ」 
さっすが姉ちゃんだよな〜、するどいよ。 

「…ごめん、今日はそういうつもりじゃないんだ。でも」 

…キス、また清水先輩から。 
今度はちゃんと目を閉じたから怒られないぞ。 

「もうこんな時間かぁ……早いね」 

唇を離した先輩は寂しそうにつぶやいた。 

1 今日は楽しかったです…先輩 
2 …泊まっていいですか? 
3 むしろ家族だから帰る意味がわからない 



「泊まっていいですか…?」 
「いいよ」 
「え、マジで?!」 
「でも寝る部屋ないよ。座禅する部屋しか」 

…がーーーん。 
い、いやだな。仏像が並んでそうだから。 
俺は先輩と同じ部屋に寝たいんだよぉ 
名残惜しいが今日はこのまま帰ることにした。 

「またデートしようね」 
「はいっ」 
「今日ね、ジミー君を初めてかっこいいって思ったんだよ」 
「本気にしますよそうやって言うと」 

先輩は 
俺に小さな紙の包みを渡した。 

「これ、なんですか?」 

聞いたけど笑ってるだけで答えてくれなかった。 



家を出る時… 
「その包みの中身、いつか私のところに持ってきてね」 
「え〜?何かわからないですけど、くれたんじゃないんですか?」 

…その時の先輩の笑顔、今でも忘れられない。 
「なんだろ。ちっちゃいな」 
我慢できず帰る途中であけてみた。すると… 


「…マネージャーさん、それって何が入ってたんデスか?」 
「……秘密」 
もー教えてくださいよ〜って言う佐紀ちゃん。 
俺は手をにぎって、今見てた指輪を…… 

「ま、マネージャー?」 
「おお。ちょうどいいな佐紀ちゃん」 
「ど…どきどきしちゃいマス…私…」 

キスをせがんできたから、ちゅっと唇をくっつけてあげた。 
「似合うよ。その指輪」 
「ぷ、プレゼント?」 
「今日一日ね」 

指輪をした佐紀ちゃんと清水先輩を重ねて 

俺はあの日の笑顔を思い出した。 


ル*’ー’リ<奴隷さんが最近何もしてくれないのでたまってます (;奴隷)<奴隷は最近種が足りません ノソ*^ o゚)つ倍胡座 キュフフ ノノl∂_∂'ル<思い出も大事だけど今も大事なんだぞ!! リ ・一・リ<思い出の多い人はいいよね リl|*´∀`l|<うらやましいんだよ 从・ゥ・从<最後にやったのは… ノノl#∂д∂'ル<!!