仕事を終えてゆっくりと夜のネオン街の中、車を走らせる 
今日も我が子たちのための雑務(パシリ)だったり、実務だったり忙しかったなぁ 
車を運転するのも正直辛いくらいに睡魔が襲ってくる 

今思うと、昔はもっときつかったよな 
今は車があるからいいけど、昔なんてよくて自転車だったし 

自転車かぁ… 
そういえば、自転車でもちょっとしたことがあったよな 
少し、思い出に浸りながら走らせるとするか 
睡眠防止のためにも 


あれは確か、朝寝坊してたまたま自転車で学校に来た日だ 
放課後になってさて帰ろうと自転車置き場の方まで回ったら、陰で誰か電話してたんだっけ 
電話してたのは… 


1.みやびちゃん 
2.ちぃ 
3.須藤さん 



…ん?あれ、みやびちゃんじゃん 
なんかすごい勢いでまくし立ててるけど… 

「なんで今日に限って!…はぁ?いいわけないじゃない!わかんない!」 

うお、お、鬼の形相…お嬢様とは決して言い難い表情だぜ 
みやびちゃんの死角になる自転車置き場の隅から見学する俺 
正直いうと結構ビビってる 

「なんでなのよ!もう信じられない!」 

みやびちゃんは俺なんかに気づく素振りもなく電話し続けている 
とりあえず怖いぞ、ガクブル 
俺は… 


1.ちょっと怖いしこのまましばらく見守ろうか 
2.電話なんか関係ない!後ろから驚かしてみようか 
3.自分の自転車に乗ってとっととバっくれようか 



やっぱ怖い顔はみやびちゃんには似合わないよな、うん 
…だったら俺がなんとかその表情を変えてやるぜ! 
ひっそりこっそり、みやびちゃんの背後に回る 
相変わらずみやびちゃんはマシンガンの如く電話の相手と話してるから俺には気づかない 
…今だ! 

「お嬢様の夏焼さん、こんなところにお一人ですかっ?」 

最後の言葉と一緒に思いっきり背中を押してみたら…前に突っ込んでこけそうになったみやびちゃん 
電話を握ったまま、すんごい形相でこっちをガン見してきた 
こ、怖いってば、マジで 

「なんなの!もう!」 
「す、すいませ…」 
「転ぶところだったじゃない!」 
「大変に申し訳ありませんでした、諸悪の根源は私です」 

とりあえず思いつく詫びのセリフを並べたけど、虫の居所が悪いみやびちゃん 
…一体電話の相手は誰なんだ? 

「もういいわよ」 
「本当にごめんって」 
「いいってば!…あ、でもその代わりにお願いがあるんだけど…」 
「お願い?」 


1.出来る範囲ならいいけど… 
2.詫びはか、体で払うとか無理だカンナ! 
3.えーw 



「……えーw」 
「…お願いがあるんだけど!」 

少し反論したら、須藤さん直伝とも思しき平手が飛んできた。イテテ 
ジミーのジョークは通じなかったようだ 

「なんでもやらせていただきます。あ、出来る範囲で」 
「それなんでもじゃないじゃん。まぁいいわ」 

みやびちゃんはまた電話を耳に近付けた 
多少のノイズと一緒に聞こえてきたのは…年上の男の声? 
年上っていうか…じいさんのような気がしなくもないぞ 

「今の話、聞いてたでしょ?…そう、コイツに送ってもらうからいい」 
「へっ?何?どこへ?誰が?」 
「…うるっさいなぁ、黙ってて!」 
…二度目の平手も左頬にストレートでした 
「そういうことだから…うん。わかってる。そこまで来ててね。それじゃ」 
ようやく電話が終わったみたいだ 
「…なにしてるの?早くこっちきて、行くよ」 
「どこに?」 
「駅。うち、駅までの道知らないから。それでさっきのはチャラにしてあげる」 

駅、ここから結構距離あるんだよな 
でもみやびちゃんスマイルも心なしかいつもより怖い感じ 
俺は… 


どうせ用事もないし、行くか 
2.なんで俺が… 
3.まさかの二回目、えーw 



よし!ここはジミー男らしくいっちゃうよ! 

「………えーw」 
「うっざい」 

すいませんでした、一瞬みやびちゃんの後ろに須藤さんが見えました 
だからその右手はどうかしまって…とか思った時には俺の左頬はとっくに腫れてた 
今回もジミーズジョークは不発だったらしい 

「しゅいまひぇんでひた、いかへていたはきまふ」 
「わかればよろしい。ほら、行こ」 

さっき俺に平手打ちを喰らわせたみやびちゃんの右手が、今度は左手を引いた 
少しだけ熱くなった手にドキッとしたけど 

「…あ、俺今日自転車だった!」 

取りに行ったから離れた手…もったいなかったかな 

自転車を押しながら、スタスタと先を行くみやびちゃんの少し後ろを歩く 
そういえば最近みやびちゃんとまともに話してなかったな 
…何話そう? 


1.さっきの電話のことでも聞いてみるか 
2.最近のちぃの様子でも聞いてみるか 
3.胸おっきくなった?とか話振ってみるか 



「みやびちゃんさー、最近胸おっきくなった?」 
「うぇ?!な、なんで?」 
「んー、なんとなく」 

熊井ちゃんやちぃに話しかけるようなノリでみやびちゃんにも話のネタを振ってみた 
軽いノリで答えてくれるかなって思ってさ 
そこまで意識はしてなかったんだけど…みやびちゃん顔赤くして俯いちゃったよ 
…もしかして俺、まずった? 

「あ、っと…な、なんかごめん」 
「別に…」 
「んじゃ変わってないんだ?」 
「…聞かないで」 

な、なんか気まずいぞ?このままじゃ駅までもたねぇ 
みやびちゃんも俯いてるし…どうする? 


1.こうなりゃチャリの2ケツでがーっと! 
2.そういえば、なんで駅まで行くの? 
3.このままほっとくか 



んー…雰囲気悪い 
みやびちゃんは俺の方向いてくれないし、俺もみやびちゃんのこと見れない 
なんかよくわかんないけど、みやびちゃんにはこういう態度になっちゃうな、俺 
まだ恥じらいがあるってことかな? 

手には自転車、隣にはみやびちゃん 
現状を打破するには… 

「ねぇ、みやびちゃん?」 
「な、なに?」 
「自転車…乗らない?」 
「えっ?」 
「さっきの電話で、駅で誰か待ってるみたいなこといってたじゃん。なら自転車の方が速いしさ…」 
「う、うん」 
「ほーら、後ろ。乗って」 
ぽんぽんと自転車の後ろを叩き、このときばかりは荷台置きのついてる自分の自転車に感謝した 
「しっかり掴まっててね」 
「ちょ、ちょっと怖いかも」 
「あはは、大丈夫大丈夫。ジミーを信じて!」 

ちょうどいいことに下り坂。後ろにみやびちゃんを乗せて速度を上げていく 
背中に感じるみやびちゃんのあったかさとか、腰に回る手とかがなんか俺にはくすぐったかった 
普段はもっとすごいこといっぱいしてるのに 
その時… 


1.だいじょうぶー?とみやびちゃんに声をかけてみる 
2.ねぇー、とみやびちゃんから話を振られる 
3.うわっ、前から犬とか! 



「ねぇー!」 
「んー?」 

後ろからみやびちゃんが俺に声をかける 
みやびちゃんは俺にぴったりとくっついてきて、それはそれで嬉しいけれどなんともいえない感じで 
別に何をしている訳でもない 
けど、いろんな段階をすっ飛ばしているような気がしてならない俺には、こういう普通のことがやけに恥ずかしかったりした 

「うちねー、自転車の後ろ乗ったの初めてー!」 
「えー、まじでー?」 
「うん、自転車だってのらないもーん!」 
「普段どうやって学校きてんのー?」 
「送り迎えー!今日はこれないっていうから困ってたんだー」 

そっか、なんだかんだでみやびちゃんお嬢様だったっけ 
俺には高嶺の花かと思ってたみやびちゃんとこんな風に話せるようになるとは思わなかった 

「なんかきもちいーねー!」 
「そうー?ならよかったー!」 

ぎゅっと、腰に巻きついた手の力が強くなる 
柔らかいその体を意識してる自分がいた 

「駅、もうすぐだからー!」 
「…そっか…」 

あと、もう少しこのままでいたい自分も 


1.遠回りしていこうと路地を曲がる 
2.まっすぐ送り届けなきゃだめだろ、お嬢様なんだから 
3.今度こそ…犬!? 



いつも送り迎えというみやびちゃんならここらへんの道は詳しくないだろう 
…少しくらい遠回りしてもわからないはずだ 
みやびちゃんには内緒で、本当は曲がるはずの路地を一本スルーして、次のを曲がる 
もう少しだけ、背中にみやびちゃんを感じたかった 
それはただの優越感だったのかもしれないけど、あの時は確かにそれが嬉しかった 

「駅まであとどのくらいー?」 
「んー、5分もかからないと思うよー!」 
「そっかぁ…ねぇ、ジミー君?」 

下り坂から平坦な道へと変わる。もうすぐ、駅に着くということだ 

「なに?」 
「なんで…ちぃと別れちゃったの?」 
「えっ…須藤さんとかちぃに詳しく聞いてないの?」 
「それなりに聞いたけど…気になって、ね」 

なんとなく、声が沈んでた気がした 


1.素直が一番。ありのままを全部話す 
2.みやびちゃんには関係ないとあしらう 
3.俺が駄目だったんだと悲観的に語る 



「あれはさ、全部俺が悪かったんだよ」 
「ジミー君…」 
「ちぃは何も悪くない。須藤さんにも言われたけど、俺がこういう性格なのが悪いんだ」 

間違ったことを言っているつもりはなかった 
俺がこういう性格のせいでちぃやみんなに迷惑をかけてるのはわかりきったことだったし 
ちょっとした、本心で思ってたことだ。みやびちゃんには、嘘をつきたくなかった 

「…そうかもね」 
「へっ?」 
「ジミー君がそう思ってるなら、全部ジミー君が悪いのかもね」 
「みやびちゃん…」 

今度は思いっきり脇腹をつねられた 

「いってぇ!危ないよ!」 
「みんなもっと痛かった」 
「…」 
「俺が悪いっていうのは簡単だけど、いうことよりも態度で示すことの方が大切なんじゃないの?」 
「うっ…」 
「そういうのが誠心誠意。でしょ?」 

みやびちゃんの言葉。 
須藤さんとは違った意味で、俺の胸に突き刺さる 
でもおかげでようやくわかった気がした。何かが 

…もう、駅はすぐそこだ 


1.自転車を止めて、誠心誠意。みやびちゃんにありがとうを伝える 
2.このままの流れを壊したくない。大きな声でありがとう! 
3.…あれ?目から何か流れてくるぞ… 



…あれ? 
自転車を漕ぐ、視界が霞む。頬は冷たい 
なんだかはよくわかってるけど、拭おうにもみやびちゃんがいる手前、ハンドルから手を離すことはできない 
みやびちゃんの言っていることは正論だった。間違いなく、正しい 
でも、俺は泣いていた 
自分がなんで泣いてるのかとか、よくわからない 
嬉しいのか、悔しいのかも。わからなかった 
けど今、こうしてみやびちゃんにちゃんと言ってもらえたことは、嬉しくて 

「みやび、ちゃん…ありがっ…とう」 
「ちょ、っと、ジミー君!?泣いてるの?」 
「いや…そうかも、だけどそうじゃ…ない、かも…」 
「もう、いつものことだけど意味わかんないなー!困るし!」 

また、腰に回った腕に強く力が込められる 
みやびちゃんなりに慰めてくれてるみたいだ 
次にこてんと俺の背中に衝撃。みやびちゃんが俺の背中に頭を預ける 

「…もう、なんでちぃと別れちゃったんだよ。バカ」 
「みやびちゃん、それは…」 
「………それなら、諦めついたのに。最悪。弱いとこ見せるのとか反則だし。ホント、ばかやろ」 

それは聞こえるか聞こえないかくらいの、きっとみやびちゃんの独り言 
その時泣いてた俺は、部分部分がよく聞こえなくて、駅までには泣きやもうって必死で自転車をゆっくり漕いでた 
お互いに伝わるぬくもりが、あったかかった 

ぶーっと、後ろからの大きなクラクションで目が覚めた 
どうやら信号待ちの途中にぼーっとしていたらしい 
あぶねぇ、居眠り運転と変わらないじゃん。俺、首になっちゃうよ 
またガクブルしながら車を走らせる 

あの後駅ついて、確か俺、初めてリムジンって乗り物を見たんだよな 
いかにもな高級車。金持ちの乗り物。あれは軽くびっくりしたっけ 
でもそこからみやびちゃんとは目も合わせないで別れたっけな 
今思うと、お互い照れてるの隠してただけなんだけど。当時の俺、微笑ましい 
とりあえず、あの出来事でみやびちゃんとはだいぶ話すようになったっけ 
ていうか、みやびちゃんが話しかけてきてくれるようになったような気がしたけど 


それはちょっとした、自転車の思い出だった 
…なんか、無性にみやびちゃんに会いたくなった 


ノノl∂_∂'ル<帰りが遅いぞ〜 (;マネ)<なんでうちのベッドでくつろいでんの? ノノl*∂_∂'ル<………逢いたかったから……… ノノl#∂_∂'ル<会いたくなかったなら帰る! ( マネ)<……雅っ!ガシッ ノノl;∂Д∂'ル<な、なによ? (*マネ)<今日は、帰さないから…… ノノl*∂_∂'ル<…………うん ノノl*∂_∂'ル<…っ、アレッ?目が赤いけどどうしたの? (マネ)<いやちょっと…ね ノノl*∂_∂'ル<そっか…たまには甘えてもいいんだよ ノノl*∂_∂'ル<・・・(マネかわいい) ノノl#∂_∂'ル<すぐHなことしようとするんだから (;マネ)<叩かなくてもいいじゃん ノノl*∂_∂'ル<…私から抱き締めてるんだから大人しくしてなさい (*マネ)<あったかいなぁ雅ちゃんの抱擁 (*マネ)<ちょっと女の子的な柔らかさが足りないけど ノノl#∂Д∂'ル<!!! がちゃ ノk|‘−‘)<そこは栞菜に任せるんだかんな! (;マネ)<栞菜ちゃん!? ノk|*‘−‘)<おっぱいちゃんだかんな…… (*マネ)<うわあ、栞菜ちゃんのおっぱい柔らかいなり〜 ノノl;∂Д∂'ル<あ、あ、あ、あががががが…… ノk|*‘ρ‘)<ハァハァ マ、マネージャー おっぱい揉むの上手いかんな (マネ)<栞菜ちゃんのおっぱい柔らかくて気持ちいいよ ノk|*‘ρ‘)<マネージャー エッチして欲しいかんな ノノl∂_∂'ル ノノlつ_∂'ル ノノlつ_;'ル ノノlつ_⊂'ル ノノlつ_⊂'ル<ウッ、グスッ…… ノk|‘−‘)<あーあ マネージャーみやびちゃんを泣かせたかんな (;マネ)<えっ、それは栞菜ちゃんが… ノk|‘−‘)<人のせいにするのは良くないかんな ノノlつ_∂'ル<マネージャーのバカァ、しんじゃえ