キーンコーンカーンコーン 

授業の終わりのチャイムが聞こえて、俺は逃げるように教室を出た。 
クラス中の視線が痛い。 
ちぃと別れたことは当然ながら、すぐさまクラス中に噂として広がっていた。 
クラス中が囃し立ててただけに、そんな立場から転落した俺は正直クラスに居辛かった。 
自業自得だ、全ては自分の責任だ。 
教室に居づらくて、こうして休み時間ごとにクラスの人間の居ない場所に逃げ回っている。 
理科棟、裏庭、屋上…。 

屋上にやってきたけど、もちろん特に何もすることもない。 
というか、心が空っぽで何も考えられない。 
ちぃが傍に居た時間が終わって、心の中のちぃが居た場所がごっそりなくなって、 
心がすっかり空っぽになってしまった。 
色んな子を好きになったつもりだったけど、そのなかでもちぃのウェイトが大きかったのを思い知らされた。 
…ここって、ちぃと別れた場所じゃん… 
何となくそんなことを思い出して、また涙が浮かんできた。 

「よっ、暗いぞジミー!」 
不意にそんな声を掛けられた。振り向いてみると…。 

1.桃子先輩 
2.清水先輩 
3.舞美先輩 



振り返ってみるとそこに居たのは桃子先輩だった。 
確かに今の俺は暗いだろう、真っ黒なオーラが出てるのが自分でも分かる。 
「久々に会ったのが嬉しいからって泣くなよぉ!このこの!」 
隣に来て肘でつついてくる桃子先輩が雰囲気を察して盛り上げようとしてくれてるのを感じる。 
しっかりしなきゃ、と思ったけど、それでも元気に振舞うことができない。 
情けないな…俺。 
「もー、全然会えないしさ、ずっと心配してたのに久々に会ったら泣いてるしさぁ」 
「…そう…ですね、すいません…」 
そういえば桃子先輩と会ったのも随分久々な気がする。 
陸上競技会で会って以来かもしれない。 
須藤さんや夏焼さんの監視もあったし、全然会えなかったからなぁ。 

「…何かあった?桃でよければ話し聞くけど」 
「何でもない…とはいえないですよね…ちょっと話し聞いてもらってもいいですか?」 
俺は涙を拭って桃子先輩と手近なところに腰掛けてゆっくりと口を開いた。 
その内容は… 

1.俺…ちぃと別れたんです 
2.自分でもどうしたらいいか分かんないんです。 
3.人を好きになるって…どういうことなんでしょう… 



「人を好きになるって…どういうことなんでしょう…」 
「ん?」 
「自分でも分かんなくなっちゃいました。みんなのことが大切なのに…好きなのに… 
 傷つけたくないのに…俺、俺……」 
「……そっか……」 
桃子先輩はそれだけ呟いて、黙り込んでしまった。 
風の音だけが静かな屋上を流れていく。 

「…そのこと、後悔してる?」 
「してますよ、もちろん」 
「だったらいいんじゃないの?」 
「へっ?」 
何分も沈黙が続いたあと、桃子先輩は妙に明るい声でそんなことを言いだした。 
「確かに同じことを何度も繰り返して女の子を傷つけまくる男はサイテーだと思うよ。 
 でもジミーはちゃんとそれだけ後悔してるわけでしょ」 
「…はい」 
「じゃあ大丈夫だよ!ちゃんと次はこれからはそんなこと絶対しないって誓える?」 
もう女の子を傷つけたくない…それはもちろん思う。 
さんざん泣かせたちぃのことを考えたら… 

1.「もちろんです、もうあんな思いはしたくないし」 
2.「………正直、分かんないです…」 
3.「…先輩のことは、傷つけたくないです」 



「もちろんです!もうあんな思いはしたくないし」 
「よしっ!その意気だ!」 
「いたたっ!痛いですよ!」 
笑顔になってバンバン叩いてくる桃子先輩に自然と俺も笑顔になっていた。 
ちょっとだけ心が軽くなった気がした。 
桃子先輩の前でこれ以上に弱気になってるわけにはいかないぞ! 
「よしっ!元気になったね。やっぱジミーはそうでなくっちゃ!」 
「すいません、ご心配おかけしました、もう大丈夫です」 
俺は桃子先輩と2人で笑いあった。 

「で、何があったのかな?」 
「な、何が、と言われますと?」 
「あんなになっててただ事だったわけ無いじゃん!何があったの、って聞いてるの!」 
それはその…できればあんまり言いたくないぞ。 
自分の古傷を自分で抉るなんてもってのほかだ。 
「それはちょっとプライベートなことなので」 
「さっきあんだけ泣いといて今さら隠すとかずるいぞ!言っちゃえよ、楽になっちゃえよ!」 
「ちょっ、あはっ、やめてくださいよ!あははははは!!」 
桃子先輩はいきなり俺をくすぐりながら押し倒してくる。 
「ほれほれ…言わないとやめないぞ〜」 

1.「言います!言いますからやめて!」 
2.「ちょっ、どこ触ってるんですか!」 
3.「お返ししますよ!」くすぐり返す 



「あはははははっ…ちょっ…マジで!ももっ、せっ…!」 
「うりうりどうする〜?言うならやめてあげてもいいけど」 
「わかっ、分かりました!言います!言いますから!ひゃはははは!!」 
マジで無理無理!俺は必死で桃子先輩の腕を叩き、ギブアップを宣言する。 
「よーし、じゃあ止めてあげる、で、何があったの?」 
桃子先輩はピタッとくすぐりを止めると再び可愛らしく尋ねてきた。 
でもね…甘いですよ、先輩。 

俺は依然俺に跨ったままの桃子先輩の脇を掴んでぐるりと体勢を回転させ、そのまま桃子先輩に跨る。 
そのまま桃子先輩を激しくくすぐり返す。 
「ちょっ、何するのよ!?あはっ、あははははは!!」 
「お返しです〜、ほらほら、どうですか?」 
「むぃっ!ホントもぉ弱いのぉ〜!!」 
クネクネと悶えまくる桃子先輩は早くも顔がピーチ色になって 
きた。 
本当にくすぐりに弱いのか、必死で抵抗してるけど全然力が入ってない。 
スカートがだんだん捲れてきてる、今日も薄いピンクなんですね。 
やっぱピンクっていったら桃子先輩ってイメージだな。 
「ひゃっ、あは、やめてぇ〜あはははははは」 
ホントにくすぐり弱いんだな。さっきからすごい甲高い声で喚いてる。 
グラウンドで部活してる生徒とかに聞こえるんじゃないか、この声。 

1.流石にもうやめておこうか 
2.ちょっと静かにしてください、とハンカチを噛ませるか 
3.むしろピンク色が気になるわけだが 



すげぇな、桃子先輩にこんなにくすぐりが効くとは思わなかった。 
悶えてる桃子先輩メチャメチャ色っぽい。 
でもこれだけ大声で笑い声上げられるとちょっと周りが気になるな。 
ちょっと静かにしてもらわないとバレるかもしれない。 
そう思った俺はポケットからハンカチを取り出した。 

「ハァ…ハァ…何でジミーにくすぐられなきゃいk「先輩、もうちょっと静かにしてください」 
「ちょっとコラ!それが悩みを聞いてくれた先輩に対する仕打ムグゥ!」 
桃子先輩の抗議を華麗にスルーして口にハンカチを押し込んだ。 
顔を真っ赤にして首を振ってる桃子先輩…ぶっちゃけ、エロいな。 
こういう構図のエロビデオとか見たことあるけど、実物を見るとゾクゾクするな。 
ハンカチを取ろうとする桃子先輩の両腕を右手で押さえつけ、くすぐりを再開する。 
「ムグッ、ムグゥゥ!ムググッ!!」 
桃子先輩が篭った声で悶える。 
外だから当然寒いんだけど、桃子先輩もう汗だくになってるし。 
やっべぇ、マジでこれ、クセになりそうだな…。 
桃子先輩は反応がいちいち可愛いからリアクションを楽しみたくなっちゃうな。 
さて、どうしようか… 

1.首筋を舐めてみる 
2.胸を揉んでみる 
3.耳に息を吹きかける 



ホントに桃子先輩可愛いな。 
俺は両手を桃子先輩の脇腹においてくすぐったまま、ゆっくりと覆いかぶさった。 
指先で身体をくすぐりつつ、肘だけで身体を支えてるからけっこうきつい体勢だ。 
「フッ、ム、ムムゥ!」 
覆いかぶさって俺が近づいてくるので、また何かされるのかと顔を背ける桃子先輩。 
見事に俺の口元に耳を持ってきてくれた。 
そんなにしてほしいんですか、それじゃ遠慮なくw 

フッ 

軽く耳に息を吹きかけると、ビクンと面白いくらいに反応する桃子先輩。 
あは、耳も弱いんですね。 
そのまま何度も耳に息を吹きかけると、その度に桃子先輩はビクンビクンと身悶える。 
これホントクセになりそうだな。 
桃子先輩の目が潤んでる。こんなの見せられたら…もう俺…止まれないよ。 

「桃子先輩…いいですか……?」 
くすぐりを止めて尋ねると、桃子先輩は顔を背けたまま、視線だけをこちらに向けてきた。 
でもその視線に敵意や蔑視はない。これは続けてもいいってことだよな。 
勝手にそう解釈した俺は、もう一度フッと耳に息を吹きかける。 
またまた桃子先輩はビクリと反応した。 

1.今日はこのままハンカチ咥えさせたままやってみるか 
2.傷つけないって言ったばかりじゃないか、優しくいこう 
3.そんなに耳がいいなら、今日はそこだけしかやりませんよw 



きーめたっ!ひたすら今日は耳だけを責めてみよう。 
桃子先輩の小さくて可愛らしい耳にテンポよく息を吹きかける。 
首をすくめて逃げようとする桃子先輩に負けじと耳を追いかける。 
その度にピクンピクンと身体が硬直する桃子先輩。 

「ムゥゥ……」 
耳を軽く舐めると、桃子先輩が鼻から抜けるような息を漏らした。 
ホント耳弱いんですね。そんな素直な反応されるとジミー嬉しくなっちゃいますよ。 
調子に乗って耳の奥まで舌で攻めてみる。 
わざと音を立てるように舐めると、仰け反りながら桃子先輩の目がどんどん細まっていく。 
きっと頭の中はもう耳を舐められる音でいっぱいになってるんだろうな。 
もう放課後だっていうのに桃子先輩の髪はシャンプーか何か、甘くていい匂いがした。 
いつの間にか、桃子先輩の身体からはすっかり力が抜け、押し返す抵抗も全く止んでいる。 

1.耳を甘噛んでみようか 
2.ハンカチ外してさらに耳攻め、声が聞きたい 
3.耳だけでこれだけいい反応してると、他のところはどうなってるかなぁ〜? 



「桃子先輩、これ外しましょうね、苦しかったでしょ」 
「プハッ!ハァ…ハァ…ちょっとぉ…」 
口からハンカチを外す。口に押し込んでた部分は当然ながらぐっしょり濡れてる。 
まだちょっとあったかい桃子先輩の唾液つきのハンカチ…をしゃぶりつきたい衝動に駆られながら 
我慢してポケットに押し込む。 
桃子先輩がまた赤くなってそんなハンカチと手から目をそらした。 
桃子先輩はもう息も絶え絶えといった感じだ。 
抗議する気力も残ってないみたいだ。 
それならそれで、もっともっと楽しませてもらっちゃおうかな、と思うんですけどw 

「耳、ホントに弱いんですね」 
「ふぁっ!あっん、ダメェ…」 
耳攻めを再開すると、遮るものがなくなった桃子先輩の口から 
可愛らしい喘ぎ声が漏れる。 
「んっ、あ、んぐ…」 
必死で口に手を押さえて声を抑えようとしてるけど、全然防げてないのがまた可愛らしい。 
「こういうのはどうですか…」 
「んぁぁっ!」 
耳たぶを甘噛みすると、いっそう甲高い声が響く。 
うわ…ちょっとこれはゾクゾクするな。 
舌だけで桃子先輩を操ってる気分だ。 
これからは桃子先輩を責めるときは耳からね、覚えておこうw 

1.このあとどうして欲しいか聞いてみる 
2.「もっと可愛い声聞かせてください」とさらに責める 
3.「耳だけでそんなになっちゃうなんて、先輩Hですね」と言葉攻め 



すっかり腰砕けになってしまってる桃子先輩。 
「んふふ、耳だけでこんなになっちゃうなんて、先輩Hですねw」 
「…ッ!!そ、そんなこと言わないで!」 
もともと赤かった桃子先輩の顔がゆでだこみたいに真っ赤になった。 
もともとピーチくらいにしかあんまり顔色が変わらない人だから、こんなに変わるのちょっと新鮮だな。 
あ、口を押さえてた手で顔を隠しちゃったw 
「Hな桃子先輩、次はどうしてほしいですか?」 
「えっ、エッチじゃないってばぁ…」 
「そんなこと言うんですか?そんな先輩にはおしおきですよ」 
「ふぁぁぁ!」 
耳を甘噛みすると、また甲高い声で喘ぐ桃子先輩。 
「もっと可愛い声聞きたいな、先輩のリクエストがないなら、俺のリクエストでw」 
「んっ、ふぁ、あっ、だっ、め、んぅ、ぁめぇ…」 
耳を舐めるとまた可愛い反応が返ってくる。もうリクエストなんてどうでもいいかw 

カチャッ 

ん?階段のほうから何か音がしたような…。 
もしかして誰かいる? 
ドアは開いてないから誰かが覗いてたか、気のせいか… 

1.ちょっとドアを見てきてみようか 
2.流石にまずいよな、隠れようか 
3.むしろ見せつけたいw続行でwww 



「ジミー…どうかした?」 
桃子先輩がすっかり潤んだ目で見上げてくる。 
桃子先輩にはさっきの音は聞こえなかったらしいな。 
とはいえ、さすがにまずいよな、どっか隠れようか。 
「桃子先輩、誰か来た。どっか隠れよう」 
「う、ウソ!?ちょっと待って、桃動けないんだけど」 
マジかよ。見ると桃子先輩はすっかり腰が抜けてしまってる。 
おまけに、出口の階段がないんじゃ、隠れる場所なんてほとんどない。 

「桃子先輩…しっかり掴まっててくださいね」 
「へっ…きゃぁ!」 
桃子先輩を抱き上げると、近くにあった給水塔の影まで走って隠れる。 
すっかり力が抜けてる桃子先輩は少し重たかったけど、何とか身を隠すことができた。 

ドアが開く音がして、続いて誰かの足音が聞こえてきた。 
やっぱ誰か見てたか…。ゆっくりとこっちに近づいてくる。 
「ジミー…どうしよう」 
桃子先輩が俺の制服の裾を掴んでくる。不安で仕方ないんだな。 
ここは俺がしっかりしないと! 

1.「大丈夫だから」とそっとキスをする 
2.「俺に任せて」と桃子を置いて打って出る 
3.「見せつけてやろうか」耳を責める 



「大丈夫だから」 
縮こまっている桃子先輩にそっとキスをする。 
不安げだった桃子先輩の表情が少しだけ和らいだ。 
大丈夫だ。桃子先輩がいてくれたら俺は相手が誰だろうと立ち向かえる。 
さぁ、誰だろうと来やがれ!人の楽しみを覗いてた出歯亀野郎なんかに負けるもんか! 
桃子先輩を隠すように立ちあがると、そのまま侵入者を待ち受けた。 

「やっぱり、ジミー君だったんだ」 

…… 

声が出なくなる、っていうのはこういうことを言うんだな、って思った。 
給水塔の角を曲がって現れたのは須藤さんだった。 
教室での視線が、何度となく殴られた頬の痛みが脳裏をよぎる。 
喉が干上がり、手足の先が痺れだした。 

「…ふーん…そういうこと、ね」 
俺の後ろにいる桃子先輩を見て、大体の事情は察したらしい。 
「…須藤さん、俺……」 
「前も言ったでしょ、私はあんたの行動を否定しないよ。 
 あんたが選んだのはそういう結論だ、ってことでしょ」 
須藤さんの口調は冷たかった。 

1.このこと…ちぃには… 
2.須藤さん、俺の話を聞いてほしい 
3.…………… 



「…須藤さん、ちょっと俺の話を聞いてほしい」 
「今さら何を聞けっていうの? 
 掃除もサボってどっか行くから探してみたらこんなところでこんなことしてるあんたに」 
「ごめん…掃除をサボったのはまずごめん、謝る」 
「で?」 
「…その…厚かましい話だけど、このこと、誰にも言わないでほしい。 
 俺だけならまだしも…桃子先輩まで、その…そういう風に見られるのは耐えられない」 
正直、つい勢いで調子に乗っちゃったのはあるけど、それでも桃子先輩やみんなと 
学校でそういうことをしてるのを囃し立てられて傷つくのはみんななんだ。 
「言えるわけないでしょ!?ちぃがどんだけ傷つくと思ってんの!?」 
…そうだよな、ちぃにとっては別れてからすぐ俺が別な女のところにいった形になるんだよな。 
「……ごめん……」 
「しっかりちぃと熊井ちゃんに結論出したと思ったらすぐこれ!? 
 ちぃと付き合ってたときにも梨沙子とか浮気してたしさ、何なわけ!?」 
「………」 
何も言えなかった。 
須藤さんはずっとずっと俺とちぃのことを案じてくれてた。 
それを裏切り続けたのは他でもない、俺自身だ。 
須藤さんの俺への評価がそういう風になっても仕方ないし、当たり前だ。 
そもそも弁解なんてできるはずがなかった。 
「心配しなくてもちぃには言わないから、じゃあね」 
須藤さんが踵を返して歩き出す。終わった、何もかも。 
もう教室にはいられないな… 

「さっきから聞いてたらさ、アンタ何様なわけ?」 
俺の後ろから桃子先輩が声を上げた。 
振り返った須藤さんが鋭い目で俺たちを射すくめる。 
ここは刺激しないほうがいいような…ホントに手が出るぞ。 

「この前も思ったんだけどさ、アンタ第三者じゃないの?何でそんなにジミーに干渉するの?」 
「私はちぃの友達だから言ってんだけど。ジミー君は私の友達随分泣かせたのよ」 
「だから?アンタ関係ないじゃん。友達の彼氏だから浮気するな?友達の元カレだから学校でエッチするな? 
 そんなのアンタが干渉することじゃない、って言ってるの!」 
「そういうことをジミー君がすると、ちぃが傷つくから言ってるんでしょうが!」 
「そういうことは当人が言うことでしょ、当人同士の問題に口出してるアンタどんだけ偉いの?」 
おいおい、俺を差し置いて口論が始まったんだけど。 
気付いたら桃子先輩、立ち上がって俺よりも前に出てるし。 
ある意味、さっき俺が喋ってたときよりも修羅場になってるんだけど。 
「ちょっと桃子先輩、落ち着いて…」 
「ジミー黙ってて。こういうのは一度ガツンと言わないと分かんないんだから」 
須藤さんもすっかりケンカ腰だし、どうしよう…。 

1.様子を見守る、もちろん手が出そうならすぐに止めに入る 
2.無理やりにでも止めよう、雲行きが怪しいぞ 
3.俺知らね、隙を見て逃げよう 



こりゃそろそろ止めないとまずいぞ。原因は俺とはいえ。 
2人の間に割って入る。 
「ちょっと2人とも待って、一旦落ち着こうよ、ね?」 
「ジミーうるさい。止めないで」 
「ジミー君のことじゃなくてこの先輩の話してるの、関係ないから入ってこないで」 
2人からダブルで邪魔者扱いされてしまった。 
「傷ついたのがその子だけだと思ってるの!?桃だってねぇ、ジミーには散々放っておかれてるんだから!」 
「浮気なのに偉そうなこと言わないでください!ジミー君他にも色んな子に手出しまくってるんだから!」 
「好きな人を自分に振り向かそうとするのの何が悪いわけ!? 
 確かにジミーは浮気者で変態だけど、ちゃんとしっかりするところはしてるし!」 
「そもそも浮気者で変態って時点でしっかりしてないじゃないですか!」 
ちょっ…勢いとはいえ2人とも俺のことボロクソ言い過ぎwww本人居るんだけどwwwww 
いや、俺だけで済むならいい、これが相手にまで及んだら… 
「さっきの梨沙子って子のことにしたって、アンタ自分のモノに手出されるのイヤなだけじゃない! 
 アンタ自分のモノを壊されるのが嫌で暴力振ってる子供じゃん!」 
「…ッ!!」 
須藤さんの顔に朱が差したと思ったら、右腕を振り上げる。ヤバッ! 
パシッ! 
「ッつ!!」 
「ちょっ、ジミー!?」 
咄嗟に桃子先輩を引っ張りよせて腕で包む、その俺に須藤さんの平手が炸裂した。 
いってぇ…やっぱ須藤さんの平手はキク… 

1.もう1回須藤さんと話を 
2.桃子先輩を後ろに下がらせる、叩かれるべきは俺! 
3.痛いな!と須藤さんを叩き返す 



「ジミー君!?何でその先輩かばうの?」 
「いって…やっぱ須藤さんの平手は効くわ…」 
ほっぺたをさすりながら、桃子先輩を改めて自分の背中にかばう。 
「須藤さん、叩くなら俺にしてよ。元はといえば、俺が全部悪いんだ。それに…」 
「それに?」 
「…俺、もう女の子が傷つくの見たくないんだ。それがどういう方法であっても。だから叩くなら俺を」 
「ジミー君…」 
「ジミー…」 
正直、さっきのもけっこう痛かったんだけど、桃子先輩が叩かれるのなんて見てられない。 
俺が叩かれて済むなら、そのほうがいい。 

「……確かにそうかもね」 
「えっ?」 
「友達や後輩が悪い男に騙されるなんて見てらんないし、お節介すぎたかもしれない。先輩の言うとおり」 
いや須藤さん、悪い男って俺ですか?っていうか騙してないし。 
「でも身近にいる人が傷つけられる、っていい気分はしないよ誰だって」 
「須藤さん…」 
「叩いてごめん、今日のは謝る。ちぃにも誰にも言わない」 
た…助かった、のか? 

1.「謝るのは俺だよ、ごめん須藤さん」 
2.「約束する、もう女の子を傷つけたりしないって」 
3.「なんか素直に謝る須藤さん、女の子っぽいね」 



「約束する。もう女の子を傷つけたりしないって」 
「絶対ね。またやったら、私がすぐに殴りに行くから」 
「分かってる。絶対もうしない」 
「そっか。ちょっとだけジミー君見直したよ。ちぃと別れてちょっとだけいい男っぽくなったね」 
「そ、そうかな?」 
「『ぽく』ねw前はそんなハッキリ言わなかったしさ。 
 あとそういうなら、その…学校で、あの、最初みたいなこと…しないほうがいいと思うんだけど…」 
「うっ…気をつけます…」 
最後はちょっぴり顔を赤くしながら言った須藤さんは階段のほうへ歩いていってしまった。 

「ジィミィィ〜♪カッコよかったよ!惚れ直しちゃうなぁ〜」 
「へへ、そうですか?」 
須藤さんが行ってしまったら、桃子先輩が俺の首にしがみついてきた。 
正直最初はどうなることかと思ったけど、何事もなく丸く収まって良かった…。 
「やばっ、もうこんな時間じゃん!バイトの時間もうすぐだし!」 
「えっ!?今日バイトの日でしたっけ?」 
「曜日変わったんだよ!ジミーがなかなか会いに来てくれない間に! 
 ジミーもおいで!さっき助けてくれたし、おでんの汁おごってあげる!」 
「ちょっwww汁ですかwwwww」 
「あったり前じゃん!具は売り物なんだもん!やばいやばい!急がなきゃ!」 
慌てて駆け出す桃子先輩について走ってるうちに漫才みたいになって笑いがこみ上げてきた。 
なんか明日からはちゃんとクラスでも普通に笑ったりできそうだ。 
桃子先輩にはホント感謝してもしきれないな。 

…あ、桃子先輩の唾液つきのハンカチ、帰ったらちょっとしゃぶってみよw