舞美先輩にこってりと精が尽きるまでスポーツセックスをした俺はこの日はぐったりしていた 
そのせいもあって、やっぱり皆の声が耳に入らない感じだ 
それでも、ちぃにはあんな気持ちさせまいとなるべく努力はしたつもりだ 
機嫌が元通りになるのはまだ先かもな、今日の様子だと 
俺はぼぉっとしながら、ぶらぶらと学校をふらついていた 
と、ここで何かにぶつかって頭から廊下に倒れてしまった 

「せ、先輩大丈夫ですか?」 

はっ、その声は・・・ 

1 きょ、巨神兵? 
2 なっきぃ 
3 愛理ちゃん 



そう、俺の前には世界を焼きつくしたといわれるあの巨大な兵器がぁぁぁ 
下から見上げてみるとかなり大きいな、やっぱり 
本人はその気がなくても威圧感があるよ、熊井ちゃんw 
熊井ちゃんはかがんで俺の前に手を差し出してくる 

「起き上がれますか?」 
「あ、うん・・・平気だよ」 
「よかった、先輩にけががなくって。そうそう、そういえば会うの久しぶりですね」 

熊井ちゃんに引っ張られるように俺は立ち上がった 
目線の位置には膨らみかけの熊井ちゃんの胸 
とってもおいしそうにみえるのだが、昨日の今日であれなので自粛 

「そうだね、久々だ。元気にしてた?」 
「はぁい!!熊井ちゃん、元気にしてましたよ」 

やっぱ身体をくねくねさせるのは喜びの表現とみえるな 
俺と話し出した途端にこの調子だ 
俺は彼女のそんな表情をみようと顔をあげ、すぐに違和感に気づいた 
あの凛々しかった眉毛が・・・細くなってるよ 

1 雅ちゃんに憧れてる? 
2 俺の海苔が・・・ 
3 返して、俺の熊井ちゃんを返して 



どうしちゃったんだよ、急にさ 
別人みたく細くてギャルっぽい眉になっちゃってるよ、熊井ちゃんが 
たとえば、なっきぃは夏休み明けに学校に行ったとき、周りの変化に戸惑ったというが熊井ちゃんはどうだろう 
熊井ちゃんこそ、本当に急じゃないか 

「どうしました?私の顔に何かついてますか?」 

ついてるんじゃないよ、逆逆〜なくなっちゃったんだよ 

「うぅぅぅ・・・返して〜俺の熊井ちゃんを返してくらはいぃ〜」 
「もぉ〜先輩泣かないで。あなたの熊井ちゃんならずっとそばにいますから。どこにもいきませんよ」 

俺の言っていることの意味が理解できなかった彼女はこんな状況じゃなきゃ相当うれしいことをいってくれた 
たぶん俺も嬉しくてたまらなかったはずだ 
でも、今は正直心の底から喜べなかったりする 
あぁ〜頑固に彼女の変化を受け入れられない俺も悪いのかな 

「うわ〜ん、熊井ちゃんがぁ〜熊井ちゃんがぁ〜」 
「どうしちゃったんですか?」 

1 どうもこうも君のせい 
2 手元のペンで落書きしてまえ 
3 俺のためにやったの?それ 



俺は熊井ちゃんの顔をのぞきこみ、背伸びして彼女の顔にそっと触れた 
突然俺が身を乗り出して、顔に触れたものだから、身体が硬直してしまった 
優しく毛があった部分に触れる 

「眉毛、整えたんだね?」 
「はい、よくぞ気づいてくれました。私、ちょっとおしゃれに気を遣うようになったんです。てへ」 
「そっか〜それって俺のためにやったの?」 
「あは、それはぁ〜秘密です」 

秘密です、そう言って人差し指をたてて内緒だと教えてきた 
でも、その反応からするとあながち外れってわけでもないのだろう 
とはいうものの、女の子っていくつになってもおしゃれにはうるさいのだし、急に色気づいたからってねぇ 

「似合ってますかぁ?周りの子は友理奈可愛いとかいってくれるんですよぉ」 

すごく嬉しそうなのが伝わってくる笑顔だ 
熊井ちゃんもほんわかしてるし、周りの子を幸せにしてくれるよな 

1 元に戻したほうが俺はいいな 
2 今の彼女だっていいに決まってる 
3 お茶を濁すってこういう時にするもんだ 



俺が今の熊井ちゃんを否定して、過去ばかりに目を向けていたら彼女は見向きもしなくなるな 
8割9割の高確率で俺のために眉毛整えたりしてくれたんだから 
人のために自分を変えていけるって簡単に口でいうほどできるものじゃない 

「似合ってるよ、とっても。可愛くなったじゃん」 
「やっぱりぃ〜先輩ならそういってくれると思ってた。よかった〜」 

似合っているとの言葉に胸をなで下ろし、ほっと一息つけたみたいだ 
それまではきっと落ち着いた気持ちでいられなかったかもな 

「先輩、最近かまってくれないから寂しかったんですよ」 
「それは悪かったよ。用もないのに下級生の教室なんていけないでしょ」 
「言い訳なんてしないでくださいよぅ。私は用がなくても会いたかったです」 

俺の腕を掴んで振り回しちょっとすね気味な熊井ちゃんは、「どっかいきません?」と促す 
ここは廊下だし、2年生が使っていることを考えれば移動するのが無難だ 
舞美先輩のこともあるから、有原さんには要注意しないと殺されかねない 

1 定番の屋上 
2 先生いませんように 保健室 
3 校舎裏の伝説の・・・ 



そうだ、あの伝説の樹の下なら誰にもみられることもあるまい 
丁度数十分前まで降っていた雨もやみ、綺麗な虹がみられるだろうからな 

「熊井ちゃん、俺とあの伝説の樹までいかないか?」 
「えぇ〜あそこですかぁ〜すっごくエンジョイできそうな場所ですねぇ。やったぁ〜」 

今度は喜びの表現として俺の腕を振り回してくる熊井ちゃん 
さらにその巨体でぴょんぴょんとその場で跳ねている 
華奢だからぴょんぴょんでいいが、須藤さんだと・・・って、ごめんな、須藤さん 
俺と熊井ちゃんは手をつなぎ、2人して顔を見合わせてにやついて歩いていた 

「ルンルンルン〜♪やっぱ、先輩といる時がさいこぉ〜にエンジョイできる時間です」 
「まだまだ最高っていうには早いんじゃないか?」 
「そんなことないですよ、だって今もうぅ〜んとエンジョイしてますから」 

軽やかに地面を蹴ってスキップする熊井ちゃんは本当に純粋無垢なイメージにぴったりだ 

「先輩、笑わないで聞いてくれますか?」 
「何を?」 
「私の夢なんですけど、虹を歩いてみたいんです。どぉですか?とっても楽しそうじゃないですか」 

1 そのでかい図体で何をいってるのかねw 
2 うっひょ〜子どもみたい 
3 熊井ちゃんなら虹も太陽も掴めるよ 



彼女が語って聞かせてくれた夢は荒唐無稽な夢物語で、決して叶うことのないファンタジーだ 
ドラえもんがここにいてくれたなら、俺は叶う道具を絶対に出してもらっていただろう 
このまま笑ってしまうなんて失礼だし、夢がなさすぎる 

「熊井ちゃんなら虹だって掴めるよ。そうすれば、いくらでも虹の上を歩けるよ」 
「こうやってですか?」 

右手をあげ、空に掲げると虹を掴もうと包み込む柔らかさで手を握った 

「そうそう、そんな感じ。ついでに太陽も掴んじゃおうか」 
「あれは無理ですよぉ〜熱くて触れないです。あちゅ〜い」 

太陽にも手を伸ばすと、熱さを確認しようと人差し指だけをもっていった 
どうやら火傷しそうなくらい熱いらしく、あちっあちっと言っては息を吹きかけ冷やしている 
熊井ちゃん曰く、太陽は無理っぽいですけど月なら大丈夫なそうな 

「最近ね、私身長のことをあんまり高いって気にしないことにしたんです。かえって羨ましいって言われるんで」 

前向きに成長したんだね、熊井ちゃん 
自分にプラスとして生かしたいこうって姿勢は大事だよ 
先輩として熊井ちゃんに何かしてあげようかな 

1 ご褒美でつられたし、今度は俺がつるか 
2 これくらいなら何もしなくてもね 
3 何故だか俺がまたご褒美ほしいくらいだ 



「ねぇ、熊井ちゃんにご褒美をあげたくなったんだけど何がいい?」 
「いきなりどうしたんですかぁ?あ、わかった〜私にエッチなことしようとしてませんか?」 
「そんなんじゃないよ。前向きに自分と向き合ってる熊井ちゃんに特別なことしてあげようと思ってさ」 
「本当ですかぁ?それじゃあちょっと考えさせてください」 

俺も突然思いつきでいったから、どんなこと言われるか冷や冷やしてたが熊井ちゃんが保留にしてくれて助かったな 
いきなりあれがいいとか言われて、あげることのできないご褒美じゃ意味がないし 
舞美先輩のときみたいな直球でも困るけどw 
唸りながら、何がいいかと思案にふける熊井ちゃんは真剣そのものだ 
下手に声かけないほうがいいかな 

「先輩、決まりましたよぉ〜」 
「決まった?」 
「はい、もうバッチリです。これでエンジョイ間違いなし」 

自信たっぷりにバッチリ宣言まで飛び出した熊井ちゃんには迷いなど見あたらない 
これは本当に自分なりのいいこと思いついてしまったんだな 
しかも、気づけば場所は伝説の樹の下だ 
告白ではあらねどもお願いごとをするならピッタリというわけだ 

「私は・・・ 

1 先輩に告白してほしい 
2 もっとかまってほしい 
3 先輩がもっと大きくなってほしい 



「私は先輩に告白してほしいんです」 

ここはちぃに告白されかけたあの場所 
何の因果か俺はここで今度は自分から告白することになってしまった 
熊井ちゃんはあのことは知らないし、何の罪もない 
どうしたものか、熊井ちゃんをあんまり誤魔化すといっても無理だしな 

「先輩、お願いします。ご褒美くれるんでしょ。だったら、先輩の正直な気持ちを聞かせて」 

胸の前で手を組んでお祈りでもするように熊井ちゃんはじっと俺の告白を待った 
俺はこの子に何ていえばいいんだ 
ちぃがいるから諦めろなんてあれだけ浮気した俺がいえる台詞じゃないしな 

1 熊井ちゃんが一番だ 
2 俺にはやっぱりちぃなんだ 
3 可愛い後輩だよ 



ここは今ある気持ちを正直に打ち明けるべきだろう 
今は誰よりも熊井ちゃんが愛しいんだ 

「熊井ちゃんが一番だよ」 
「・・・ほんとうですか?」 
「うん、熊井ちゃんが一番だよ」 
「やった〜エンジョイですぅ〜!!」 

俺の両手を握ると伝説の樹の下で円を描いて回りだした 
喜びをこういう表現できる熊井ちゃんはまだ子どもな面が多いが、そこが魅力的だ 
しかし、これを言ったからには俺はもう後戻りできないぞ 
もうちぃとは・・・ 

「ジミー先輩を千奈美からいただいちゃいました〜熊井ちゃん、やった〜」 

俺に一番といってもらえた喜びから早くも勝利者宣言が飛び出す 
みていてとても嬉しいし、もっと喜んでもらいたいけど、俺は涙が流れた 
馬鹿な男だ・・・ 

「せ、せんぱい?」 

1 目にゴミが・・・男なら涙はみせるな 
2 俺も嬉しくてさ 
3 熊井ちゃんの胸にとびつく 



男なら涙なんてみせるべきじゃないよな 
俺は涙をこらえようと晴れ渡った青空を見上げた 
それでも、重力には勝てないのだ・・・涙は俺の目から溢れだして止まらない 

「せんぱい・・・どうしちゃったんですか?ねぇ」 
「うん、なんがざ〜うれじいんだけど・・・かなじぐ・・・」 
「泣かないで、先輩。私がいるでしょ。ね、だから泣いちゃだめ」 

熊井ちゃんは俺を抱きしめ、背中を何度も何度もさすってくれた 
とうとう熊井ちゃんにまで俺はあやされる人間になってしまったか 

「落ち着くまでこうしててあげるから。そうすれば涙も止まるよ?」 
「ぐまいぢゃん・・・おで、もう・・・」 

ホント、何をしゃべってるのか何を伝えたいのかされ自分でもわからなくなってきた 
感情が爆発すると、人間自分をコントロールさえできなくなるんだな 

「今日はいたずらっ子なジミントはいないんですね」 
「うん・・・だっで・・・ジミンドもないでるんだおん」 

1 無理矢理ジミントを演じるか 
2 気分が落ち着いてきた 
3 俺もしっかり抱きしめる 



熊井ちゃんにばかり抱きしめてもらったりして、俺は情けないな 
俺からも気持ちを伝えていかないと単なる浮気相手くらいにしか思ってもらえない 
もう熊井ちゃんとつきあっていくって決めたんだ 
震える手で俺は長身で華奢なこの身体を抱きしめ返した 

「せ、先輩・・・私も嬉しいな。ハッピーな感じぃ」 
「俺にも熊井ちゃんのハッピーを分けて。俺のハッピーもあげるから」 
「うん」 

熊井ちゃん、ありがとう 

「先輩、今度こそジミントじゃなくて先輩として友理奈にキスをしてくれませんか?」 
「うん、そうする。ジミーとして」 

熊井ちゃんはまたもやかがみ、俺と目線をあわせると自然と目を瞑った 
唇がプルプルと震えていて、とても緊張しているようだ 
こういうときこそ、リードしてあげないと俺の立つ瀬がないからな 

1 ジミーらしく激しくいこう 
2 優しく愛情あるキスを 
3 熊井ちゃん、首筋好きだしそっちから 



震える熊井ちゃんを優しくしてこそ愛情を示せるってもんだ 
柔らかそうな唇に俺はそっと触れるように重ね合わせた 
いきなり舌を入れていくのも気がひけたので、少しずつ慣れていってもらうようにしよう 

「これが俺としてきちんとしたキスだよ」 
「ちゃんとキスしてくれたの初めてですよね。やっぱりジミントにしてもらうより全然いいかも」 

熊井ちゃんもとても嬉しそうに笑ってくれて安心した 

「大人のキスもしてくれませんか?」 
「大人のキスってつまりディープキスってこと?」 
「それ以外に何かありますか?先輩、エッチだし色々なキス知ってそう」 

そんなキスは俺も知らないよ、さすがに 
色々といわれるとな、期待に答えないわけにはいかないかな・・・ 

1 俺もそこまでは知らないよ 
2 AVでみたことを思い出せ 
3 経験がついてる、後は何とでもなるさ 



期待に応えるにはAVでみた知識を活かすしかない 
えぇとこの前みたのは〜巨乳ものだったっけ 
でも、あれってキスシーンって・・・よかったっけ? 

「ねぇねぇ先輩、大人のキス教えて」 
「わ、わかった。また目を瞑って」 

こうなりゃ激しさよりもテクニックで勝負だ 
鳥がえさをついばむように熊井ちゃんの唇に吸い付いた 
ちゅぽ、なんて間抜けな高音がし、熊井ちゃんの唇もぷるんとはねた 

「もぉ〜今のは何ですか?」 
「ほらほら、目を開けたらダメだって。これからだったのに」 
「はいはい、変なのだったら許しませんよ」 

次は熊井ちゃんの唇を舌で舐めてみた 
くすぐったか、口元が三日月に歪んだ 
本当ならこの後、エッチまでしたいんだけど、どうしよう 
舞美先輩としたばかりで出るかわからないしな 

1 熊井ちゃんさえ望めば 
2 さすがに今日はこれまで 
3 精力剤を購買部へ購入しに 



俺たちはキスをいやというほど、し続けた 
たぶん今までの中で長さなら1番だったろう 
キスをやめたあと、お互いの唇をみた俺と熊井ちゃんは爆笑しあっていた 
たらこが2つ顔にくっついていたようなものだからな、そりゃ面白い 

「せんぱぁ〜い、その顔面白すぎぃ。たらこがくっついてるよぉ」 
「それをいうなら熊井ちゃんだって面白いことになってるよ」 
「へへ、先輩のせいでこうなっちゃったんだし、しょうがないよね」 

照れ臭そうに笑顔をみせる熊井ちゃんに吸い寄せられ、俺は彼女を抱きしめていた 

「先輩、本当に私とつきあってくれるんだよね?」 
「うん、そう決めた。ちぃにはちゃんと俺の気持ちを伝えてくるよ。熊井ちゃん、待っててね」 
「千奈美にはちょっとは罪悪感があるんだよ。でも、好きって気持ちは本物だもん」 

伝説の樹はいたずらなやつだな 
ちぃの告白がちゃんとされていたら、こうなっていたかはわからない 
あのとき、お互いに素直になっていたら 
でも、あの時にはもう戻れないんだ 
そんな樹の噂に振り回されている俺ら学生も学生だ 
とはいえ、俺はちぃに別れを告げなくてはいけなくなった 


ちぃの顔を思い出すと胸が締め付けられ、前をみて歩けないほど涙が溢れてくる 
楽しいこともあったし、悲しいこともあった 
つきあっていくってことはそういうものなんだ、それをようやく知った 
熊井ちゃんとつきあうのはちぃと別れるということ 

「先輩、また明日ね。今度はちゃんとデートしようね」 
「うん、熊井ちゃんが行きたいところへいっぱい行こう」 
「うんうん、いっぱい行っちゃおう。いい思い出で埋め尽くそうね」 

俺は教室へ戻る途中、須藤さんとすれ違った 
泣き顔の俺を見るや否や、「何かあった?」と屋上へと連れていかれた 

「ふぅ・・・あんたの話はわかった。で、熊井ちゃんとつきあうんだね」 
「うん・・・もうそう決めたんだ」 
「ちぃ、絶対なくよ。それに今更取り消しとかいったら熊井ちゃんも泣くよ」 
「うん、二兎追うものはってやつね」 
「そう。あんたが決めたことを否定したりはしない。だけど、私の友達泣かせたことは許さないから。 
だから、あんたを一発殴るよ」 
「あぁ、殴られても文句もいえないような奴だよ」 

この日、いつまでも須藤さんの殴った左頬が痛くて痛くてたまらなかった 
ちゃんとちぃにいえるだろうか・・・俺の涙と同じように空からまた雨が降り出した