「ふぅ…ようやく歩いても痛まなくなったな…」 
矢島先輩の強烈な右ハイを食らってから一週間 

2、3日は寝るときやられた場所を布団につけて寝られなかった。 
歩いていてもずきずき痛むほどひどかったが、ようやく落ちついてきた。 

もし先輩に会ったら間違いなく処刑されるだろう。 
今までの事からみて、親友の梅田先輩や、矢島先輩を狙う有原さんにあの出来事は当然伝わっているに違いない。 

少なくともその三人に出会うワケにはいかないだろう… 


…はっ! 
ひ、ヒトの気配、間違いない!誰だ!後ろにいるのは! 
…振り向く前に背中で雰囲気を感じ取ってみよう 

1 このあったかい気配、同級生っぽい 
2 この朗らかな雰囲気、一個下か? 
3 むー。敵意はなさそうだ。二個下か三個下か 
4 …殺気。まさか三人のうち誰かがもう…! 



「なにしてるゆー?アホジミー」 
俺が振り向く前に答えは出たみたいだな…とりあえず矢島先輩でなくて本当によかったわ。 

「菅谷…先輩をアホ呼ばわりすな」 
「だってアホじゃん。アタマいいの〜?」 
こ、この野郎。 
そんなふざけた質問をまっすぐな瞳でききやがって 

「少なくともお前よりはな」 
「ぷっ。何まじめにこたえてるの?くすくす」 

なまいきな奴だ… 
人をかんぺきに小馬鹿にしてやがる。 

1 口の聞き方を教えてやるか 
2 なめた口きくとあの約束を無かったことにしちゃうぞ 
3 …それよかなんでここにいる? 



「あの…それより、お前なんでここに?」 
聞いたらちょっと目の色がかわった。 
「べべ、別にいいでしょ。私がどこで何しててもさー!」 
なんだ?やけにあわててる様な。 
「とにかく!ジミーには関係ないから、じゃあねっ!」 

あ、いっちゃった。なんだあいつ…つまんねーの。 
なまいきな奴だけどもう少し話したかったな 

…ん?なんだありゃ。なんか落ちてるぞ。 

「えぇえーっ?!なんだこりゃあ?!なんでこんなものがここに!」 

なんと… 
拾ったのは、ぶ、ぶ、ブル…! 
名前が無いな。いったい誰の、いや待てよ。今、菅谷が慌てていた。 
まさか…これまさか! 

1 ニオイをかぐ 
2 まだ近くにいるはずだから届ける。 
3 せっかくだから履いてみる 



反射的にブルマをクンカクンカしていた変態な俺… 
「ん〜〜〜〜〜…ウェ、うぅおぇえぇえっ」 
むせ返る牝のニオイに溺れそうになってしまった。 
さて、こいつをどうしようか? 
まぁおそらくこれは菅谷のに違いないが…果たしてこいつを返すか、あるいはしばらく楽しむか… 

とりあえずひたすらクンカクンカしよう。 
「いちばんニオイがきついのはどこだ?ここか?それとも…」 
おかしいな、さっきはむせ返ったはずだがニオイがわからなくなったぞ。 

「あー!な、なにしてるゆーーー!」 
うげっ、菅谷!戻ってきたのか!まずいぞ、大変なところを見られた! 

1 これはハンカチよ。いやーねぇもう 
2 これお前の?だめだぜちゃんと持ってなきゃ 
3 か、簡単には返さないぞ 



「だ、だめだぜ、ちゃんと持ってなきゃ…」 
「それ私のブル…!あんたが持ってたんだ!」 
「違うよ。今、拾ったんだよ、本当に」 
「……………」 

疑う様な目で俺を見ている。拾ったのは本当なんだよぉ 
「さっきはブルマ探してたんだね」 
黙ってうなずく菅谷。 
「よかったな見つかって。はい」 
「…………」 
黙って受け取る菅谷。 

「……ありがと」 

ぷいっと顔を横にしてしまい俺の目なんか見ないけど… 
まぁ、一応礼は言ってくれたからいっか。 

…菅谷って横顔もキレイだな。 
ツンとした顔が似合う人って美人なんだよね。俺の偏見だけど 

1 あの、この後暇か? 
2 キレイだな菅谷ってさぁ 
3 やっぱピザってるなw 



「綺麗だな菅谷って」 
思っていた言葉が自然に口からこぼれた。 

「……っ…」 
「…え、あ、いやぁ、あのー!」 

おいおいっ、耳まで真っ赤にすんなよ! 
俺だって恥ずかしいんだからぁあっ! 

「わ、わ、私…そんな事いわれたの初めてだからぁあ」 
「うそだろ?」 
「ほんとぉ!わ、私、綺麗…?」 

あぁ、綺麗だよ。 
外人の血が混じってるんだろうか?日本人っぽい綺麗さじゃない。 
だから体型も外人っぽくふくよかなのか。 

俺…ひどいこといっちゃったんだな。 

1 改めて謝らなきゃ 
2 …胸も大きいな 
3 近寄って髪を撫でる 



「菅谷、あの時は本当にごめんな」 
「…いいんだゆ。もう気にしないでも」 
「……ありがとよ」 
俺のアタマを撫で撫ですんなよ。真面目に謝ってるのに 

「ジミーは悪いやつじゃないゆ。スケベだけど」 
「さぁな。悪いやつかもしれないぜ。スケベはあたりだけど」 

なんだよ菅谷… 
わ、笑った顔、びっくりするくらい可愛いじゃねーか! 
「ん〜?なんで顔が赤いのかなぁ」 
顔ちかづけるなって。余計にどきどきするだろ… 
「なーんでかな〜?」 
ぽんっ、と菅谷が俺のアタマに触った。 

「うぎゃぁあぁあ?!」 

それが運悪く古傷に直撃して…… 

「だ…だいじょぶ?!」 

1 なんとか立てる。後輩の前で情けない姿は… 
2 しばらく休む。そばで見守っててくれ 
3 肩貸してくれ…今のはきいた… 



「ご…ごめんなさぃ…」 
「気にしないで(古傷は俺のせいだし)。それより悪いが肩を…」 

菅谷につれられてなんとか保健室にたどり着けた。 
あぁ、こりゃ…アタマはさすがにまずいわな。ずっと後まで痛みが残りそうな気がするわ。 

「大丈夫?ジミー」 

菅谷はおろおろしながらベッドに寝てる俺を見ている。 

「あぁ、さっきより痛みはひいてきたよ」 

嘘。ホントは痛くて死にそうだ。だが菅谷に情けない姿はこれ以上見せられない。 
「私にできる事あるなら何でもいって」 
ん〜、なら… 

1 さっきから暗いぞ。笑ってくれ 
2 少し寝るから後で一緒に帰ろう 
3 そのまま座っててくれ(パンツ見えそうだ…) 



「ちょっと寝るから一緒に帰ろう」 
「わかった、待ってる」 

痛みがひいてきたとはいえ昨日もよく寝られなかった。 
ちょっとだけ…ちょっとだけ…… 


「はっ!」 
今何時だ?!さっきは三時すぎだった。 
五時すぎてる!二時間も寝ちゃったか! 
…菅谷は、いない。そうだよな…待ってないよな 

「…ハァ」 

ため息をついて保健室を出ると、誰かがこっちに走ってくる。 
「わっ?!ジミー起きてたゆ?」 
「…菅谷」 
思わず笑ってしまった。口いっぱいに焼き芋を頬張ってたから。 

待ってる間に腹が減って我慢してたがしきれなくなったらしい。 
「太るぞ〜お前」 
「うるさーい!せっかくジミーの分も買ったのにあげないゆ!」 
「…お前が食べなよ。俺は…」 
「?」 

一緒に帰り道を歩きながら、ぼそっと言った。 

「食べてる姿を見るのが、うれしいから…」 

口いっぱいに焼き芋頬張ったまま目を丸くして顔を赤くしてた菅谷、 

…かわいかったなぁ