しっかしこの前の萩原は怖かったなぁ… 
会えば普通に話すけど教室でもなかなか気まずいぞ。 

で、だ。今日も一日が終わった。ちぃは用事があるとかでさっさと帰っちまったし、どーしよっかなぁ… 


1.どっかの部活の練習でも覗きに行こうかな 
2.ちょっと教室に残ってよう 
3.まっすぐ帰ろう 



どっかの部活の練習でも見に行こうかな。舞美先輩、有原さんの陸上部か、中島さんのダンス部か… 

迷った挙げ句、ダンス部に行った。 

「そこタンタンターンタンだから!しっかりキメて!」 

今日も中島さん気合い入ってるなぁ。 
部員「早貴ー疲れたー休憩入れよーよ」 
「まだ始めて30分だよ?!まだまだやるよ!」 
部員「(他の部員に向かって)みんなー!休憩だってさー!」 

うわ…あいかわらずだな… 

「しょうがないなぁ…もう」 

あーぁ。やっぱかわいそうだな。 

1.スポーツドリンクを差し入れ 
2.タオルを差し入れ 
3.静観 



購買でポ○リを買って持ってきた。 
座って真面目に予定表らしきものを確認してる中島さんの首筋に… 

「…ひゃっ!!???!!」 

大成功wwwww 

「ちょっとジミー先輩〜勘弁してくださいよぉ〜」 
「いやー普通に持ってきてもつまんないかと思ってさ。ほら、飲みなよ」 
「ありがとうございます…でも次は普通に渡してくださいよ?」 
と言うと、中島さんはプシュッと缶を開けてガーッと流し込んだ。 

「あーもう大会まで時間ないのにぃ…」 
と、中島さんは再び予定表に目を戻した。 
「確かにあのまとまり具合じゃ厳しいよなぁ…」 
「でも今からどうしたらいいんですか!?何かいい案考えてくださいよ、先輩!」 

そうだなぁ… 

1.OGの先輩を呼んでシメてもらうとかどう? 
2.学校から逸材を探すとかどう? 
3.ソロデビューも悪くないよwwwww 



「ソロデビューも悪くないよwwwww」 
「ふざけないでください!早貴は真面目に話してるんですよ!?それに一緒にやってきた仲間だし…」 

まぁ、そりゃそうだよなぁ。でも… 

「輝く中島さんを見たら、みんなきっとやる気を出すと思うんだ。だからやっぱりソロは悪くないと思う」 
「ソロ…ですか?」 

中島さんはしばらく考え込んで… 

「早貴にもできますかね…?」 
「うん、きっとできるよ!」 
根拠はないが、ひたむきに練習してた彼女を見た後だ。これ以外の反応はできなかった。 

「よーし!じゃあさっそく振り付け考えなきゃ!ジミー先輩も付き合ってくださいね!?」 

1.やだよw俺にはちぃがいるもんw 
2.んじゃ駅の近くのマックあたり行かない? 
3.そういえばうちの学年に… 



「んじゃ駅の近くのマックでも行かない?」 
「いいですねぇ!行きましょう!」 

・・・・・ 

と、いうわけで今俺はマックにいる。 
目の前にはダンス部部長中島早貴がいる。 

「…ズルズルッ(ジュースを飲み干す音)」 
「…」 
「で、どこまでできた?」 
「前奏…まで…」 
「…」 
「…」 
「…ポテト、冷めちゃったから買ってくるよ…」 
「お願いします…」 

ふぅ…やっぱ俺じゃ助けにならなかったか…どーしよ… 

1.今日のところは帰る 
2.とりあえず買ったポテトでポッキーゲーム 
3.ヤツを頼るか… 



とりあえず…買ったポテトでポッキーゲームでもしとくかwwwww 

「中島さん、ポテト買ってきたよー」 
「ありがとうございますぅ。いただきまー…」 
「はいストップ」 
俺は中島さんからポテトを取り上げた。 

「何ですか??」 
「ソロでダンスを踊る。これには何が一番必要だと思う?」 
「うーん…何ですかねぇ…」 
「必要なのは、度胸だ」我ながらうまいこと言ったぜwwwww 

「というわけで、今からこのポテトの両端を俺と中島さんでくわえて、できるだけ近くまで来てみるんだ」 
「えっ…ちょっ…恥ずかしい…」 
「そんなこともできないようじゃ他の学校に負けちゃうよ?」 
「…やだ!早貴負けたくない!」 

中島さんは負けず嫌いだから、そこを煽るといいらしいwwwww 

パクッ 
うほっ!近い!中島さんの息が… 

1.いい唇…チュウしちゃえ! 
2.いや、これは度胸試しだ… 
3.…うわっ!何でお前がここに!? 



ちょっとこの光景は理性が飛ぶ… 

「まられふかぁ?」(まだですか?) 
「もうひょいかな」(もうちょいかな) 

よし!もうだいぶ近いぞ…行くんだジ… 

・・・・・ 

「キュフフ♪驚きましたぁ?」 
「えっ…と…」 
俺がスケベ心を丸出しにしようとした瞬間、中島さんから俺に一気に近付いてきて… 
あの唇だ。きっと柔らかい、プルプルした感触があったはず… 

なのに…あまりにいきなりすぎて覚えてない。 

「えっと…も、もう遅いし、かかか、帰ろうか!?」 
何でドキドキしてるんだ、俺はっ! 
「はい、ポテトごちそうさまでしたぁキュフフ」 
中島さんはキュフフと笑うばかりだ。 

さっきから小悪魔のように笑っている中島さんは、別れ際にこう言った。 

「これからは『中島さん』じゃなくて、『早貴』って呼んでください♪」 
「いや、それはさすがに…」 
「ダメですかぁ〜…んーじゃあ『なっきぃ』で☆」 
「えー…」 
「ちょっと呼んでみてくださいよぉ」 
「えっと…な、なっきぃ?」 
「はい♪なっきぃで〜す」 
ダメだ…完全に手玉に取られている…相手は後輩なのに… 

そして本当に別れ際に、中じ…いや、なっきぃは真顔で言った。 

「先輩には徳永先輩がいるじゃない…でも、早貴負けたくない…」 




その後、必死にフリを考えて大会に間に合わせた中島さんは見事特別賞をもらった。 
賞状を手に持ってはにかむ中島さんの写真は…確かまだあったはず。 
かわいらしい封筒に入れて渡してくれたんだっけ。 

みかんのシールが貼ってあったんだっけ。