「いいか?もし舞を傷物にしてみろ、その時はお前を追い詰めてやる」 「あー、もうわかったから早くいけよ…」 「本当にやるぞ!お前を、卑猥な言葉しか言えない様に精神崩壊させてやる!!」 そんなに舞ちゃんが心配なら連れていきゃいーだろうが… ったく、萩原のシスコンぶりはホントにあきれるくらいだぜ。 俺は今わけあって舞ちゃんを半日あずかるはめになってしまった。 どうしても外せない用事があるらしく、俺に頼んできた。 「いってらっしゃーい」 舞ちゃんはあまり寂しがる素振りはなく俺にくっつき気味。 悪気はないんだろうがこれもあいつのいらだちの火に油を注いでるのかもな 「いーか!かならずだぞ!じゃいってくる!」 …さて、まず何をしよう 1 どっか遊びにいく? 2 家にお菓子あるよ 3 いきなりだが、舞、俺をお兄ちゃんと呼びなさい 「家にお菓子あるよ舞ちゃん」 「ほんと?いくいく!」 あら?なんかずいぶん素直なんだな。 「お兄ちゃんね、虫歯になるからってあまりお菓子食べさせてくれないの」 過保護だなあいつは。妹が心配なのもわかるが 「おいし〜♪」 無邪気な笑顔でお菓子を頬張る舞ちゃん。 あらあらそんなに食べかすつけて… 「ついてるよ」 「いーよ自分でとるからぁ。お兄ちゃんみたいな事しないで」 うわぁ、あいつそんな事もしてるのか。徹底したシスコンっぷりなのねェ… 「お兄ちゃんちょっとくっつきすぎなの。お風呂だって一緒に入ろうとするし…」 な、な…なんですってぇ?! すがすがしいクズなのね萩原君ったら。帰ってきたら殴っとくか。 1 もっと萩原の行動をきいてみる 2 悪口聞いてるみたいでイヤだな。なんか遊んでやるか 3 俺ならもっとのびのびさせてあげるよ 「俺が兄貴ならもっと舞ちゃんをのびのびさせてやるのになぁ」 「ほんと?じゃ〜私、ジミー君の妹になっちゃおっかな?」 「マジで?!」 舞ちゃんは急につめたい態度になった。 「こら。私のお兄ちゃんは一人だけなの。あまり調子にのると言い付けるよ」 へーへー、舞ちゃんもなかなかなブラコンぶりで。 「お兄ちゃんね…寝る時ぎゅって抱き締めてくれるんだよ」 「どうやって?」 「こうやって〜!」 自分の腕で自分をぎゅーっとしてる舞ちゃん、 あー、ほんとにうれしそうだな。大切な人に抱き締めてもらうのって。 …ちぃとの遊園地デート、思い出しちゃった。 「ねーどっか遊びにいかない?ジミー君の家何もないし飽きちゃった〜」 1 公園につれてく 2 ゲーセンなら遊べるだろ 3 コンビニ ゲーセンだな。デートしたばっかだしあまり金ないが… 「ん〜とれなーい」 舞ちゃんはUFOキャッチャー苦戦中。 「も〜〜っ、いうこときいてよぉーっ!」 こうして遠目から見てると、行動や仕草がかわいいな舞ちゃん。 萩原が守ってやりたくなる気持ちがよくわかる気がするよ。 「これはコツがあるんだよ…ほら、こうすれば」 「わぁーすごーい!」 「だろ?まぁたいしたことじゃないよ」 「そうだね。慣れればできるし」 ちょっと生意気なとこ、それがまたいいんだな。 「ねーねー次はどうしよっかぁ」 1 プリクラとるか 2 エアホッケーやる 3 パンチマシーンある。ジミー兄ちゃんの力見せてあげるか よしホッケーやるか。 「へへっ、ジミー君なんかに負けないもんね〜!」 「悪いな舞ちゃん、ちょっとハンデがありすぎだけど勝負は勝負だ」 「やったぁ!パーフェクトぉ♪」 「あ、あら…?うそ、え?」 やられたぁあ〜!この俺が小学生に… 「今日は運が悪かっただけだよ、気にしないで」 「…うるさいよ」 いってぇ…まだ手がじんじんする。舞ちゃんなんて力なんだよ 「まだまだいっぱい遊べそうだね!」 「そ…そうだね」 1 次はモグラ叩き 2 プリクラとる? 3 そろそろ帰ろう。金がつきてきた あんまり身長差がないのか、俺と舞ちゃんて… 「しゃがまなくてもとれるね♪」 キツイなぁ舞ちゃん。笑顔で言われるとかわいく思っちゃうじゃねーかよ 「……こないだの、お礼だよ」 え?わ、ちょっ! ¨カシャッ¨ 「まずいんじゃないの〜?これ兄貴が見たら怒るぜ…」 「いいの。私たちだけの秘密にするから!」 キス。ほっぺに、しかも舞ちゃんから。 …うれしいが見つからないのを祈るぞ。 「早くいこー」 「ちょっと待ってー」 ぐいぐいひっぱってくる舞ちゃん。そんなにひっぱったら…! 「きゃあぁっ」 ほらいわんこっちゃない。ころん…あ、ぱ、パンツ…! 「見た?!今見たでしょ!!」 1 見てないよ! 2 …足元には気を付けてねと優しく 3 知らない。キャラクターがプリントされてるとか、わかんないし 「わ、わかんない。電気を使う黄色いネズミとか、見てないから」 「やっぱり見たんじゃない!お兄ちゃんみたいな事しないでっ」 はぁ?!あいつ、そんなおいし…いやいや悪い事してんのかよ! まずいなぁ…まさかそんな変態だったとは。 俺だって立派な変態だがさすがに家族に迄は手を出さないぞ。たとえ一人っ子じゃなくても 「ジミー君ってやっぱり変態じゃん。私帰る〜!」 「あっ待って、一人じゃあぶない」 俺は走ろうとした舞ちゃんをひっぱった。 「きゃ…!」 ちょっと強すぎたのか俺ものけぞってしまい 「いったぁーい」 俺が転んだ上に、ま、舞ちゃんが…おおいかぶさる様な体勢で…! …あ、近くに人がたってる。…ってあれは! 1 おまわりさん!違うんですこれは! 2 母ちゃん?!うわわわわわぁあ 3 は、は、はぎ……! サイアクの状況ってこの事をいうにちがいない。 「お兄ちゃん…!」 「は、は…はぎ…はぎ……!!」 「…………」 萩原は俺たちを見下ろし呆然と立ち尽くしている。 その整った顔立ちは凍り付いて人の生気が感じられない。 「……ふふ、ふふふふ」 いきなり萩原は笑いだした。そして… 「フフフ、フフフフフフフフフ…フフフフフフフフフフフフフフフ…!!」 や…やばいぞ。目は笑ってない。ついに…キレちまったか! 「…セッ…ス…」 「お兄ちゃん…?!」 「やめろ何いってるんだ萩原」 「セッ…ス。…ックス。みーんなセ…ク…しつづけろ。激しく、もっと激しく!!」 なんとかしなきゃ、こいついかれちまった 1 やめないか!とひっぱたく 2 逃げるしかない。 3 どどどどうしたらいい?舞ちゃん、舞ちゃん助けて! 「ここにいる奴ら全員、ぺ…スとヴ……ナをこすりあわせ、とろけあうまでやり続けろ!フフフ、フフフフフフフ」 やばいぞ。こんなになった人間なんて見たことない こわいこわい、こわい。どうしたらいい?舞ちゃん俺どうしたら! 「ジミーお兄ちゃん、逃げよう!」 「え…?」 「とりあえず逃げた方がいいよ!早く!」 俺はいわれるがまま、舞ちゃんをお姫さまだっこして走りだした。 「カラダから…液と精…をだしつくすまで、野獣の様に汚らわしい声をあげつづけるんだ!!フフフ、フフフフフフ…あはははははははは」 追い掛けてくるかと思ったが萩原は叫び続けるだけで動かなかった。 夕暮れの町中を俺は舞ちゃんを抱いてがむしゃらに走ったな… あの日は本当に怖くなってしまったよ。 1 そろそろ止まる 2 まだまだ走る 3 舞ちゃんが気になるな 走り疲れてきてふと抱っこした舞ちゃんを見た。 「う…うぅ…」 「舞ちゃん?!」 泣いていた。激しく、泣きじゃくっていた。 「お兄ちゃんがおかしくなっちゃったの、私の、せい、だよね」 「……そうじゃないよ」 「ちがうよ!私が…かんちがい、させちゃったんだよぉ…っ」 俺も泣きそうになってきちまった。怖がるよりも兄貴の事を心配してる… もし俺に妹がいても、こうやって心配してくれるかな? あの後俺は舞ちゃんと萩原のところに戻った。 さっきよりは落ち着いていて事情を話したらわかってくれた。 「恥ずかしいとこ見せちまったな…」 「…いいんだよ。びっくりしたけど」 …もし俺も 大事な人に何かあったら、ああなるんだろうか? おかしくなる気持ち、今ならよくわかる気がするんだよ。 萩原と手をつないで帰る時、舞ちゃんは寂しそうに俺を見てたっけ……