友理奈ちゃんにイタズラしそうになったあの日からしばらくして… 俺は一人で町を歩いていた。とくに、することもなく。誰からも連絡もなく 「寂しいなぁ俺の夏休み。どーなってんだ」 誰かいないかなー?遊んでくれる人 お?なんか見覚えのある二人組を発見。なんだカップルかよ… ってちがう、あれは萩原兄妹じゃねーか。ほんとに仲いいんだなァ 「お兄ちゃん…ハァ…ハァ…私もう、我慢できないよぉ…」 「ダメだよ舞。家まで我慢するんだ」 …なんか卑猥な会話をしてるぞ。 特に舞ちゃん、顔が真っ赤だ!あんなに汗かいて息も荒いっ。 ま、ま、まさか家族の一線を越えようとしてるのか?!いけないぞ! 1 萩原っ!ダメだ、道を踏み外すな! 2 …愛に身分とか関係ないよな。俺は見守るよ 3 あれ?よーく見ると…そういう状況じゃないっぽい そんなのいけないぞ萩原!妹となんて…っ!そんなのやっちゃいけない! 「萩原ぁあぁあぁ!!」 「ジミー?!な、なんだよ、なにす…うおっ!」 俺は力のかぎり萩原を押さえ付けた。 「舞ちゃん逃げて、早くここから逃げるんだ!」 舞ちゃんは何が起きたのかわからないらしくこっちを見て立ちすくんでいる。 「バカお前っ邪魔するな!おい離せっ、この野郎!おい!」 「早く!早く逃げるんだ舞ちゃん!」 「…バカじゃないの?何か勘違いしてるでしょ」 ……へ?か、かんちがい?俺が? 「舞が具合悪いから早く帰ろうとしてるのにいきなり邪魔しやがって」 そういえば舞ちゃん声がガラガラだよ…あは、やっちゃった♪ 1 勘違いしてごめんと素直に謝る 2 疑われるのはお前が悪いぞ萩原くん 3 暇だから遊んでくんない?ダメ? 「ごめん萩原、ごめん舞ちゃんっ」 勘違いした俺が悪いんだから謝らなくちゃ。 「いいよ別に怒ってないから」 「私は怒ってるよ…うっ、また気持ち悪くなっちゃった…」 やべっ舞ちゃん本当に具合悪そうだ。早く帰してあげなきゃ! 「気を付けてな…」 「あぁ、またな」「……ばいばい」 悪い事しちゃったなぁ。舞ちゃん…大丈夫だといいんだけど。あとであやまりの電話入れとくか。 さて…このあとどうしようかな? 1 他の友達と遊ぶ 2 本屋に寄る 3 徳永見つけた。偶然だな まさかこんな所で徳永に会えるなんて。 あ、なんかすごい勢いで走ってくるぞ…! 「元気出して〜〜〜〜〜〜〜!」 「わぷっ!!」 いきなり抱きつくな!当たるんだよそのあれが…あぁっ 「弟のぶんまであんたは生きるの!頑張れ!」 何の話だ?…あぁあれか。花火の時そんな話をしたな、弟みたいに可愛がってた小型犬。 「だ、大丈夫だからさ。俺は」 「ほんとに?ダメだよ無理しちゃ。私がついてるんだからいつでも支えてあげるからね」 顔…近いんだよっ。まともに見れないじゃねーか でもこんなに心配してくれるなんてやっぱ優しいよな… 1 心配ならキスしてくれよ。慰めてくれ 2 …顔、近いよ。ちょっとはなれて 3 胸でかくなったか? 4 徳永のことあいつだと思ってだきしめてもいいかな 「近いよ顔。は、はなれて…よ」 「……ごめんっ」 かぁーっと赤くなってはなれてしまった徳永。 「ま、まぁ、あんまり落ち込んでないみたいで安心したよ私」 照れ臭さをかくすみたいに明るく振る舞う徳永。 「いや哀しいよ俺」 「そっか!じゃあそういう時は思いっきり楽しく歩こうか!」 「うわわっ、おい」 そして俺の手をにぎって勝手に歩きだしたよ。 すごい勢いだな、おい、転ぶだろ、おいっ! 「ほら早くー!はぐれない様についてこーい!」 「お前が手握ってるからはぐれるわけないだろ」 「じゃこうしたらどうかね?」 「うわー急にはなすなー!いてっ!」 ったくこいつは…いつも明るいな。うらやましいぜ 1 なんかあっちーなー。冷たいもの食おうぜ 2 映画見に行くか 3 今度はこっちが振り回し返してやるかっ 「そうだな!!もっと今を前向きに生きなきゃっ!!」 「あいたた、ちょっとぉいたいよ〜」 今度は俺から手を握って思い切り走ってやる! 「なんかムキになってないぃ?」 「別に!俺はいつも通りだよ!」 うそだ。 俺は今明らかにテンションが狂いかけている。 また徳永と会えたなんて偶然としか… いや、奇跡としか思えないしな。 っと。こんな事口に出したら徳永がおかしくなりそうだから言えないよな。 「あづい…あづいよ、ちょっといつまで走るつもりなの?」 「お前が倒れるまでさ。ははははは」 「ぜったいおかしいよ。さっきからヘンだよ〜」 ああおかしいさ、俺はヘンだよ。 立ち止まるなんてできやしな……… 「いたっ!何よ今度は急に立ち止まって」 あれは…?! いや、おかしいぞ、そんなはずない。でもなんであそこに 舞ちゃんが、たった一人でいるんだ?! 1 悪い徳永…ちょっと見てくる 2 二人でいく 3 暑さのせいでやられたか?蜃気楼だろ 「悪い、ちょっと待っててくれ」 「何?あっちょっと!」 間違いない、あそこのベンチでぐったりしてる女の子は 「舞ちゃん!!」 「……はぁ…はぁ……」 額にさわってみるとすごい熱だった。 「萩原は?お、お兄ちゃんはどこだい?」 「はぁ……はぁ…はぁ……っ」 まともにしゃべれないくらい苦しいのか。 あのバカ野郎、妹をおいてどこに行ったんだ。こんなに苦しんでるのに 早くなんとかしなきゃ舞ちゃんが大変な事になる! 1 たっ、確かこの辺り俺の家の近くだな、こうなったら! 2 病院!医者! 3 徳永、救急車呼んでくれ!早くっ! 「ジミー君!どこいくの?!ジミー君!!」 徳永の呼び止める声も俺には届かなかった 時刻は夕暮れ。 俺は舞ちゃんをおんぶして家まで走った。全力で、ただひたすら前だけ見て。 「うわぁあぁああああぁああぁああ!!」 なんで叫んでたのかもわからなかった。ただ、舞ちゃんを助けたかった。 その思いと、あの夕焼けの鮮烈なオレンジ色は今でも思い出せる。 「…はぁ…うぅ…」 水枕を作り濡れタオルとかで何度も舞ちゃんの汗をふいてあげた。 まだ苦しそうだったが少し楽になったみたいだ。 「…お…にい…ちゃん……」 こんな時でもあいつの事を… 舞ちゃん、君って子は 「どこ…?どこなのぉ、ねぇ」 泣きそうな声で手をのばす姿は見ていてつらい。 1 手をにぎりしめてあげる 2 「あいつはいないよ…」と言う 3 黙ったまま様子を見る 切なくなって思わず舞ちゃんの手を握った。 さっきまで泣きそうな顔だったのに握ったとたん笑顔に変わった …それがなぜか俺は哀しかった。 舞ちゃんは俺をあいつだと思ってるんだろう。だから… 「おにいちゃん。ずっと、こうしてて」 俺は黙って舞ちゃんの手を握っていた。それで笑顔になるなら、うれしいし。 いつまでも俺はこうしててあげたい。 その笑顔が俺にむけられたものじゃなくても…… ……さっきから俺おかしいな。なーんかガラじゃねーよな ¨ピンポーン¨ 誰だ?誰かきたのか 1 新聞?この野郎空気よめや! 2 徳永…? 3 萩原?!おまえ、何やってた! 「じ、ジミー…」 「お前……!」 妹をほったらかしにしといて、手にコンビニのふくろを持ってる萩原。 俺はあいつの顔を見たらかぁーっとアタマが熱くなった。 「お前っっ、何やってたんだ!舞ちゃんを、舞ちゃんを独りぼっちにして!」 「ちがう、ちがうんだジミー…」 「なにが違うんだよっ、大好きなんだろ舞ちゃんが!大好きなら、大事なら、目をはなすなっ!!」 俺は親友の胸ぐらをつかみ激しくどなり続けた。 「きいて、くれ。話を……」 …何かいいたい事でもあるのか? 1 話なんか聞きたくない。かえれっ! 2 なんだ…?いったいどうしたんだ 3 ……もう一人いる。徳永も? 「これ…舞が食べたいっていってたんだ」 袋の中にはバニラのアイスが。 「…お前、だからあの時いなかったのか」 「俺、パニクってたんだ。お前の言うとおり舞から離れちゃいけなかったんだよな」 なんだ、舞ちゃんの頼みで離れざるをえなかったのかよ。 「舞、あ〜ん♪」 「ん〜♪」 おーおー見せ付けてくれるじゃねーか。そのラブラブっぷり 「うまいか?」 「おいひぃよぉ〜」 舞ちゃん元気になっ…てはいないか、でも熱が下がったみたいだ。 「舞、ジミーが助けてくれたんだぞ。ちゃんとお礼を言うんだ」 「………ま、少しはたのもしいかな」 それだけ言うとぷいっと顔を向けてしまった。 へーへー、少しは認めてくれたのかい。あーそーかい、ふーーん 「ジミーお前なんかふてくされてねーか?」 「気のせいじゃねーの」 1 つまんねーなー、どっかいこーかなー 2 萩原に貸しひとつ。何かお願いしてみるか 3 …なんか忘れてる様な気がするな……大事なことを……… 「ふぁあぁ…私、ちょっと眠くなっちゃった」 舞ちゃんは寝たな。タイミングがいいね。 今からする話は舞ちゃんには聞いてほしくない 「萩原君。君は今日、俺に恩を作ったね?」 「な、なんだよ。確かにそうだが」 「…ふっふっふっ」 「そういう笑い方は、何かよくない事を考えてる時だな」 その通りだよ萩原君。せっかくのチャンスを無駄にはしない 「モノは相談なんだが……」 「お前何を企んでるんだ!おい」 1 今度俺が希望する時に舞ちゃんを貸してくれ 2 ダメな兄貴にかわって俺がお兄ちゃんになる。拒否権はないぞ 3 今から俺の言うことをきくんだ。まずケツを出せや、な? 「お前が舞の兄貴に?…それはおかしいだろ?ジミー」 「何がおかしいんだね萩原君」 「確かに俺は舞から目を離した。しかし…」 「なんだよ、しかしの次は?」 言い訳が思いつかず悔しそうにしている萩原。 …悪く思うな。どんな理由があっても、大事な人から目を離しちゃいけないぞ たとえそれがその人を想う気持ちから出た行動を起こしたとしても…… 「俺がOKしても舞がOKすると思うのかジミー」 「それはわかんないな…舞ちゃん次第だろう」 …まぁうまくはいかないだろうけど。あの舞ちゃんだし 「なんか変な話してるね。二人で」 「舞?!お前起きてたのか!」 「うるさくて寝られないんだもん…」 ま、舞ちゃん…俺、君のお兄ちゃんに… 1 萩原より俺の方がやさしいよ 2 退屈はさせないよ 3 舞ちゃんにも拒否権はないと思うよ 「舞ちゃん今日から俺が君のお兄ちゃんになる!退屈はさせないからね」 「別に私たのんでないんだけど」 つ、冷たいなぁ舞ちゃん。我ながらめちゃくちゃなのはわかってるんだけど 「私のお兄ちゃんは世界に一人だけだもんっ!ねっ♪」 「舞〜〜〜♪」 萩原のほっぺにキスしまくる舞ちゃん、俺玉砕。 まぁそうだよ、わかってたさ…ははは…はははは… 「じゃ帰るか。舞、たてる?」 「うん」 まるでお姫さまと王子さまみたいだな。お似合いだぜこの兄妹… …ん?なんだ、舞ちゃんが近づいてきた。 「残念でした。今言ったけど、私のお兄ちゃんは一人だけだもん」 そんな事わざわざいわなくても… 「でも…お兄ちゃん候補になら、考えてあげてもいいよ。ジミー君!」 俺のおでこにデコピンしてにやっと笑い、萩原のとこに走ってった 「今日はありがとな、ジミー!」 「…またね。ジミー君っ!」 な、何? 俺なんかどきどきしてない? い、いけない、気を紛らわすために何か考えなきゃ 1 今日の晩飯なんだろ 2 候補ってどういう意味だ? 3 そういや、萩原は何でさっき舞ちゃんの場所がわかったんだ? 候補、お兄ちゃん候補ね 普通に考えりゃ舞ちゃんの場合恋人(お兄ちゃん)候補って事だろうが… いや、深読みしすぎか俺?…うぅ、よくわかんなくなってきたぞ。 とにかく舞ちゃんの目にはとまったって事か。前向きに考えよう。 俺は萩原と舞ちゃんを見送ったあと、家に戻った。 「萩原の奴。舞ちゃんの事、本当に大事にしてるんだな」 …俺には そんな大事な人、いるんだろうか? 守りたい人が……… …わかんない