明日はBuono!イベントが控えているから、今夜は早めに寝ておこう 俺はベッドへ横になり眠ろうかと思っていると、突然茉麻から電話がかかってきた 何の用だ? 俺がBuono!イベントがあるのを知っているはずなんだが・・・ 「ねぇ、あなたって人は酷いのね。千奈美には思い出話までしてるくせに。 しかも、その思い出話にあたしが出てないらしいじゃない」 「そ、それは・・・まぁ仕方ないじゃないか。たまたま話したのが徳永さんとのことなだけだよ」 「あたしにもその思い出話を聞かせてほしいんだけど」 1 明日はBuono!があるからと断る 2 ちょっとの間ならつきあうよ 3 また後でといってごまかす 思い出話って一度話し始めると盛り上がってしまってなかなかやめられないんだよな ここは茉麻には悪いけど、断っておくとするか 「茉麻、ごめんな。それは今度にしよう。明日Buono!があるからさ」 「みややももはいいわね。明日一緒なんだし、いつでも聞かせてもらえて」 うわぁ〜茉麻がすげぇ嫉妬心むき出してないか 超断りづらいな、こういうこと言われると・・・ 「まぁどうせ、あたしはあなたにとってその程度ってことなんでしょうけど」 「わ、わかったよ。話すって。だから、とりあえずその話し方から何とかしてくれ。 やりづらくてかなわん」 「約束ね。で、いつ話してくれるの?」 そ、それは・・・ 1 早いほうがよさそうだし今夜時間つくるか 2 イベント終了後ならいつでも 3 するっていっとけば、何とかなるだろう 明日のイベントは大事だし、茉麻との約束はイベント後にしておこう 「明日の夜なんてどうかな。イベント後なら時間つくれるからさ」 「いいわよ、ただし約束はちゃんと守ってもらいますからね」 そして、イベント当日になり・・・ スタッフも今日のイベントを絶対に成功させようとせわしなく動いている 俺も休む間もなく動き続けている これからイベント終了後まで動き続けることを考えたら、今夜にしたのは不味かったな そんなこと考えても仕方ないし、まずは大事な我が娘たちにあっておくか 楽屋をのぞくと、桃子は作り笑顔の練習なんかしてるし、愛理ちゃんは℃−uteの イベントが前にあったせいかお疲れ気味だ 俺の大事な雅ちゃんはというと、イベントまでの間ゆっくりする予定らしいな 「お疲れ。雅ちゃんは練習とかは大丈夫?」 「あんた、誰に向かっていってるかわかってる。私はずっと前から練習してるんだから 平気に決まってるじゃない」 緊張してるのを無理に強がってるようにみえるのは気のせいかw ここは緊張をほぐしてやるのがマネージャーとしての勤めだろうな だけど、普通にいったんじゃつまらないしな 何かいい案はないかな 1 今日頑張ったらご褒美あげるよ 2 なぜかおばけの救急車で笑わせてみたくなった 3 雅、愛してるぜと唐突にいってみる マネージャーとしての俺では力にはなれないかもしれないが、恋人としてなら何とかなるかも 雅ちゃんをぐいっと抱き寄せ、俺は耳元で一言囁いた 「雅、愛してるぜ」 決まったな、これで雅ちゃんもイチコロだ って、恋人なのに今更もないが その雅ちゃんの反応はどうかな? おや、夏焼さん、顔を真っ赤にしてるってことは嬉しいってことですよねw もっといってみようっと 「雅、俺Buono!のときのお前は最高に輝いてると思ってる」 確かに最高だとは思うが、これはちょっとわざとらしいなw そんな俺のからかいに素直に反応してくれるあたり、雅ちゃんて可愛いな 「ば、ばっかじゃない!!こんなときまでふざけてんじゃないわよ」 俺を突き飛ばすと顔をみられないように 「愛理、つぐさん、いこ!!」 そう言ってイベントへと向かっていった 俺の励ましがきいたか雅ちゃんはこの日最高のパフォーマンスを披露した 愛理ちゃんも歌はよかったし、桃子のプロ根性は相変わらずだった そして、イベントは終わり、俺は3人を家に帰すと茉麻との約束場所へ向かった 1 よりによって千奈美といった木の下とは・・・ 2 茉麻の家 3 自分の家 茉麻の家を指定され、俺は緊張しながら車を一路須藤家へ走らせた ベリの娘たちの家族には挨拶程度に顔をあわせたことがあったが、プライベートであうのは初めてとなる やべっ、めちゃめちゃ緊張してきたぞ 粗相のないようにしないとな ピンポーン 「はぁ〜い」 家の中から茉麻の元気な声が響いてくる ふぅ・・・落ち着け落ち着け 玄関が開き、中から顔を出したのはエプロン姿の茉麻だった なんだ、その格好は 「おかえりなさい、あなた。今日は疲れたでしょう。 1 お食事にします? 2 お風呂にします? 3 やっぱりあたし? そうだな、今日は仕事帰りで腹ぺこだし食事にするか 「茉麻の手料理が食べてみたいな。食事にしよう」 「ふふ。奥の部屋に食事の用意ができてるわよ」 「用意がいいね」 いや、用意がよすぎるだろ・・・何か裏がありそうな気がしなくもないな 考えても仕方ないし、とりあえずあがらせてもらうとしよう 「おじゃまします」 奥の部屋へいくと何と茉麻の両親が見合いの席かのような顔で待っていた 「お久しぶりです。今日はお招きいただいてありがとうございます」 「は、はい↑君がま、茉麻たちのマネージャーさんですか」 茉麻のお父さんがきょどってるわ、言葉はつまるわでやたら緊張してるな そんなお父さんの様子をみて、茉麻とお母さんは顔をみあわせてくすくす笑ってやがる 「やぁね、お父さんたら。ただのマネージャーさんじゃないのよね、茉麻」 「もうお母さんたら。この人の前ではそんなこと言わないでよ、恥ずかしい」 ただのマネージャーですよ、お母さん ただし、極度の変態ではありますがw 娘の彼氏を前にしてるかのようなこの状況 お父さん、茉麻の思い出話して酒飲みながら泣き出すしな・・・参ったな お酌をしたりしながら茉麻の両親を交えての食事は無事に終わった 何とか・・・・ で、俺と茉麻はどうしてるかというと、今は茉麻の部屋にきているわけだが 「こうして部屋きてみると年頃の女の子なんだな、母さんも」 「まぁそりゃいつでもあの娘たちのお母さん役やってるわけじゃないもの。 普段はただの女の子していたいじゃない?」 「そっか、そうだよな」 佐紀ちゃんとは違った意味でグループのまとめとして頑張ってくれてるもんな そんな茉麻がそっと俺の肩に頭を預けてきた 「でね、あなたの学生時代の話を聞かせてほしいの。あたしの出てるところを」 話す仕草がとても女の色気を出している茉麻にみつめられ、俺は静かに思い出話を始めた 須藤さんとの出会いから話すのが妥当だな で、どんな出会いだったけか 1 須藤さんに俺が謝ることになって・・・ 2 徳永と夏焼さんを交えてだっけ 3 須藤さんと知らずに話しかけていた そう、俺は徳永にいわれるがまま須藤さんとなって二人三脚に参加したのだ その罪悪感からか本人にいつか謝らねばとは考えていた 考えているうちに時が過ぎるのは早く、本人に何も言わないまま一ヶ月近くたったある日 俺がトイレから帰ってくると腕相撲大会なんぞで盛り上がっていた 成長期に入り、成長したとはいえ俺は貧弱貧弱ぅな部類の人間だった そんな俺が顔をのぞかせると、 「お、ジミー。いいとこきたじゃん。お前、こいつと腕相撲してみろよ」 相手の顔をみると身長が高く体つきもがっしり?した女の子がいた おいおい、いくらなんでも女の子相手だと悪いだろ、これでも男だぜ 「相手が女の子じゃいくら俺でも勝っちゃうぜ。いいのかよ?」 「お前、相手が誰だか知っていってるか。なぁ。ジミー、お前が勝てたら今度おごってやるよ」 「よし、のった」 俺はのせられるがまま、女の子相手に腕相撲で一勝負することになった 「よろしく。悪いけど賭けもあるし、負けられないよ」 「いいよ、どうせあたしが勝つし」 うわぁ〜なんて態度だよ、この女 1 私の握力は53kgですよ、と脅してみる 2 俺の握力は世界一ぃぃぃぃぃ!と気合を入れてのぞむ 3 やっぱビビッてきたぞ、俺 このままなめられたままじゃいられないな、おい ようし、去勢はろうが何だろうがここはちょっといってみるか 「ほほっ、おバカさんですね。教えてあげましょう。私の握力は53kgですよ」 「そんな細腕で?だったら他の男子は100kgくらいあるんじゃないかしら」 「くぅ〜ゆ、ゆるさん、ゆるさんぞぉ〜このジミー様をここまでコケにしたおバカさんは ぜったいにゆるさんぞ。じわじわと地に手をつけてくれる」 「威勢だけはいいのね、あなたって」 俺と彼女は互いの掌をあわせ勝負開始となった 彼女の目には敗北の色はちっとも窺えない こいつ、本当に俺に勝つ気でいやがる 「レディーゴー」 で、5秒後・・・ 「いったでしょ、あなたじゃ勝てないって」 あっさりと俺は負けてしまった 内心、いたかったぞ〜いまのはいたかったぞ〜ってくらい心も手の甲も痛かった 「やっぱりちぃやみやがいったとおり、あなたって人は面白いのね。ジミーってあだ名やめたら?」 何だ、この子って徳永や雅ちゃんの知り合いなのか? クラスメイトなんだし当然か、それよりもクラスメイトの顔すら把握できていない俺が問題か 1 今更ながら君って誰?ときいてみる 2 いやいや、失礼にもほどがあるし、相手のこと知ってるふりしておこう 3 ここは徳永か雅ちゃんに聞いてみるか そういや、俺ってこの子のことを何もしらなかったな 名前さえ知らないって俺ってどんだけ失礼なんだろうか しかし、このままじゃいけないしな 失礼ながら 「あ、あのさ〜クラスメイトのこと全然知らない奴がいるのってどう思う?」 「そういうのって悲しいかな。だって、仲間のことに興味がないってことじゃない」 「・・・だよね〜ははは」 「そう、あたしも今そんな気分かな。ジミー君ってあたしのこと知らないんでしょ」 バレてるw いや〜ここは恥を忍んで 「あのぉ〜お名前は?」 「須藤茉麻です。あなたが勝手に名乗った」 「そこまでご存知で」 「ま、ちぃには事情説明してもらったし許してあげる」 「謝らなきゃならないとは思いつつ、今まで謝らなくてごめん。この借りはいつか返すんで」 「いつかと言わずに今返してもらおうかしら」 早いな、もうかよ 「で、どんな方法で返せばいいのかな?」 「簡単よ、あなた萩原君と仲良いでしょ」 まさか 1 俺に奴との仲を仲介しろってか 2 萩原に何か恨みでも? 3 兄を通じて妹と? 頬を染め、さっきの腕相撲をした相手とは別人かというほどの違いをみせてくる なんだ、この反応ときたらもう惚れてるとみたほうがいいな また被害者が1人増えるか・・・ 「もしかして萩原との仲を俺に取り持ってほしいの?」 「そんなにズバッといわなくてもいいじゃない。簡単にいってしまえばそうなんだけど」 女の子にこれ言われるの何度目だ、俺は しゃあない、諦めろともいえないし、あいつにいってみるか 「わかった。じゃあ、萩原に聞いてくるから待ってて。うまく話せるようにしておかないと いきなりデートってのはないだろうしさ」 「そうね、いきなりだと萩原君も困っちゃうだろうし。そこはお願いね」 気が重いな、どうせあいつは理由もなく振るのが目にみえてるからな 「おい、ジミー。どうしたよ、そんな浮かない顔してよ」 こいつ、自分が原因だともしらずに暢気な顔してやがって 1 須藤さんがお前と仲良くしたいんだって、と単刀直入に 2 まずは情報集めに好きなタイプなどを聞いてから 3 女の子をひたすら振り続ける理由から探ってみる ここはこの男の女の子を振り続ける理由を知っておいたほうが対策たてやすいか 「お前、この前も1人女の子ふってたよな」 「あぁ、違うクラスの子だろ。可愛いのは可愛いよな、あの子もさ」 「そんなこというならなんでお前振ったりするんだよ。あの子、お前に振られてすっかり落ち込んだって話だ」 「そう言うが、俺だって選ぶ権利はあるだろ」 「選ぶ権利があるのは確かにそうだけど、どうして告白する相手全部振るんだよ?」 「何だよ、いきなり・・・」 こいつ、振る理由を問いただそうとしたら急に慌ててやがるな どんな事情を抱えてるってんだよ 「そ、それは・・・いえねぇよ、いくらお前でも」 「ははぁ〜ん、それはちょっと怪しいな。お前、好きな子がもういるんだろ?」 「そ、そうなんだよ、すげぇ可愛くってさ。だから悪いけど、振ってるんだよ」 「ふうん、前聞いたらいないっていってたのにか。随分急にできたんだな」 「う・・・」 こいつ、今頭の回転がおいつかないくらい慌ててるな こんなに慌ててるってことはすげぇ怪しい 「お前の好きな相手って 1 うほっ、やらないか? 俺? 2 俺の知らない人か? 3 舞ちゃ〜ん そういや、こいつが俺をみるときの目ってどこか熱い視線だったようなきがする まさか!!! 俺?」 「・・・あぁ、そうなんだ。俺、実はお前のことが・・・」 「うほっ、やらないか?」 「喜んで」 うげぇ気持ちわりぃ・・・いくらこいつが美少年だろうとこの展開は遠慮願いたい 「で、冗談はいいから誰なんだよ」 「悪いがそれをいうとお前との関係が壊れそうなんだ」 「お前な、俺との付き合い考えていえよな。そんなことで俺がお前を裏切るかよ」 「・・・考えさせてくれないか。こればっかりはさ」 「だけどな、俺はある女の子に頼まれてだな・・・はっ・・・」 うかつだった、バラすつもりなかったのに 仕方ない、俺も情報を話すしお前も情報を話せってことで承諾した 「そうだったか、須藤のやつがね。でも、何でこんな変態な俺を好きになるかね」 「そりゃお前が美形だってのもあるだろう」 「だとしても、俺には大事な人がいるんだ。その人をずっと守っていきたいんだよ」 「そんなこといってもな〜つきあえるはずもないし、ましてや結婚もできないんだぞ」 「わかってる。仕方ないだろ、兄妹なんだしな」 この男、その好きな相手が舞ちゃんときたもんだ 「お前、シスコンだったとはな。ファンだっていってた子も諦められないだろうな」 「だろうね。俺も舞のことは諦めきれないし、お互い様だ」 「はぁ、この事実は伝えにくいな。相手が舞ちゃんとなると」 「悪いがそこらへんはうまく伝えてくれよ。期待してるぞ、ジミー」 「あぁ、せいぜい薄い期待にとどめておけよ。失敗したら結局自分で振るんだからな」 「おう」 「ま、俺はお前のそういう優しさには助けられてるんだぜ、ジミー。お前にだったら俺は・・・」 この後、舞ちゃんに好きな人ができ、こいつは散々苦しんだあげく男色家になった 人生って本当に何があるかわからないもんだ こうして俺は須藤さんに諦めろ、って一言を伝えにいかなくてはならなくなった さてと、どう伝えようかな 1 きっぱりと萩原が好きな人がいることを伝える 2 俺とつきあっちゃう?といってみる 3 須藤さんには伝えられないし、ここは友達の徳永と雅ちゃんに相談を 気が重いが、きっぱりと伝えて須藤さんには諦めてもらうしかないか はぁ・・・俺ってどうしてこうそんな役回りばかりまわってくるんだろう 教室で須藤さんをみつけると、俺はそっと屋上まで呼び出した 「さっそく結論を話すよ?」 「うん」 「あいつ、他に好きな子がいるってさ。その相手に振られるまでは諦められないって。 だから、須藤さんには自分のこと諦めてくれっていってたよ」 言うしかなかったし、俺はあっさりとその事実を告げた 「そっか、そんな気はしてた。だって、萩原君って女の子たちをHな目でみることって少なかったし」 ある程度は覚悟できていたか、須藤さんもあっさりと納得してくれた ただ、その表情はとても悲しそうだった 俺は今でもこの表情が忘れられない と、まぁ須藤さんとの出会いはこんな感じだったんだよ」 「切ないお話なのね。同じ須藤として幸せになってほしかったな」 「そうだね、でも現実は厳しいよな。本当に残酷だわな」 「で、その舞ちゃんが好きな相手できてお兄さんは諦めるわけでしょ。 その相手って誰なの?ねぇ、あなた」 「それはいえないな。これはまた別のお話だし。舞ちゃんには俺も・・・」 「いいなさいよぉ〜このぉ」 じゃれあってるうちに茉麻は誤魔化せたが、舞ちゃんの初恋話はすげぇ出来事だったよな そう思いつつ、俺たちの夜は更けていった