久しぶりにアルバムを開いたせいで、妙な懐かしさを覚えて 
今日は1人でアルバムを開いてみることにした 

アルバムをめくっていくとクラブ活動や行事活動などの写真がみつかった 
どれもこれも思い出深いが、中でも俺にとっては 

1 徳永と仲良く運動会で・・・ 
2 雅ちゃんと修学旅行で・・・ 
3 ん?茉麻か、これは・・・ 



そう、俺にとっては徳永と運動会で二人三脚をしたことが印象深いんだよな 
男子と女子なのになんで俺がこいつと組まなきゃいけないんだなんて愚痴ったけな 

最初に徳永と組むと聞かされたときは衝撃だった 
当日になって徳永と組む女の子が休みときたもんだ 
そこで・・・ 

「ねぇジミー君さ、ちょっとお願いがあるんだけど」 

まだ俺が中学時代というとちょうどブルマからハーフパンツへの移行期だった 
そのせいか、中途半端にブルマの子が混ざってたりしたもんだが、徳永はその1人だった 

「お願いって?」 
「あのさ、二人三脚の相手になってくれない?」 

1 いいよ、と快諾 
2 詳しく事情を聞いてみる 
3 なってやらないこともないが、そのかわり 



詳しく事情を聞いてみるとするか 
じゃないと俺が徳永と組むのが納得できないしな 

「それはいいけど、他のクラスは女子なら女子だけだろ」 
「それがさ、私の相手の子が休みになったんだよね」 

休みだからって俺に頼むか 

「いや、男と女じゃおかしいだろ。女の子に聞いてみなよ」 
「一通りきいたんだけどね。そしたら、千奈美は足が速いから嫌だとか 
千奈美とだとスタイル悪いって思われるから嫌だとかいわれて」 

クラスでもうるさいくらいのムードメーカーがしょぼんとしている 
普段から笑顔が絶えない奴なのにな 
仕方ない、ここは 

1 担任にいって相談してみよう 
2 やっぱり他の女の子にあたってみろよ 
3 俺はいいけど・・・ 



「俺はいいけど・・・」 
「ほんとぉ〜やった〜!!」 

喜怒哀楽がすげぇ激しい奴 
俺がいいというとコロッと嬉しそうにはしゃぎまわってやがる 

「じゃあ担任に許可もらってこようぜ。いくら何でも男が参加ってのはまずいからさ」 
「え?出てくれないの・・・」 
「そうはいってないじゃん。担任にいわないとこれはルール上だな」 

「ちぃの頼みだし聞いてやってくれないかな」 

俺が渋っているとそこへ何と雅ちゃんが現れた 
いるなら最初からいってくれよ 

「出るのはいいけど、さすがに男が参加したらまずいでしょ」 
「そこは大丈夫!!ちぃとみやに任せなさい」 

どんな根拠あっていってるんだ、徳永の奴 

「お願い、あたしだとちぃの足手まといになっちゃうからさ」 

1 雅ちゃんの頼みなら 
2 いや、しかし・・・ 
3 困った女の子は助けないとな 



雅ちゃんの頼みなら仕方ない 
この前の告白の返事ももらってないことだし、印象よくしたほうがいいかな 
ちょっとあざといけど 

「わかった、協力するよ。雅ちゃんの頼みだし」 
「よかった〜やったね、ちぃ」 

顔をぱぁ〜と輝かせ、自分のことのように喜ぶ雅ちゃん 
それに引き換え、徳永はというとすげぇぶすっとした顔に変わってやがる 

「ジミー君さ〜みやの頼みなら簡単に引き受けるってひどいじゃん」 
「そんなことねぇって。お前のことを思ってだな、徳永」 
「ぶぅ〜こうなったら何が何でも出てもらうもんに〜」 

すねちゃったよ、こいつ 

「よろしくね、ジ・・・ジミー君」 

雅ちゃん、ジミー君って言ったときにかすかに照れ臭さからか言いよどんでいた気がするが・・・ 

「うん、よろしく」 
「ぶぅ〜やっぱりみやと妙にみつめあってニヤニヤしてる〜」 

で、俺たちはその後校舎裏にまできているわけだが 
競技の参加選手呼んでるアナウンスがかかってるぞ 

1 早くいこう、と2人に呼びかける 
2 わけもわからないので身構える 
3 妙にHなシチュエーションなんだけど、何何?? 



時間近づいてますけど・・・ 

「ねぇそろそろ行かないと間に合わないんじゃない?早くいこう」 

俺が心配して2人に声をかけてはみるが、2人は一向に焦る様子はない 
むしろ2人は顔をみあわせてキャッキャッ騒ぎ出している 
おい、まさか俺ははめられたのか 
Hな想像もしてみないこともないが、それはまずないな 

「もしかして俺をわざと騙したりした?」 
「ふふっ、何でしょう〜ジミー君、さっき男の子は出られないって自分でいってたよね?」 
「あ、ああ」 
「ということは?」 
「ということは?」 

何だ、この展開は・・・ 
どうやって男が出られるようにする気だよ 

「じゃ〜ん!!」 

どこから取り出したか、カツラを手にもって俺にみせつけてくる 

「ジミー君さ、体格も顔も女の子っぽいじゃん。みやがこれもってけって」 
「ご、ごめんね。これなら何とかなるかなって」 

俺と目をあわせないように俯いているが、またしても顔を真っ赤にしているみたいだ 

「ジミー君、時間がないよ!!早くこれ被って」 

1 他の手を探そうと提案 
2 時間がない、覚悟をきめるか 
3 心の準備が・・・ 



アナウンスがさっきからうちのクラスを呼んでやがる 
しまったな、時間がないとなると覚悟を決めるしかないか 

「わかった、俺が女装する。それ、貸してくれ」 
「そうこなきゃ。はぁ〜い、これでジミー君からジミーちゃんだねw」 

ジミーちゃんて・・・それ、嫌な響きだな 

「それとも地味子?地味美とか?あははは、おもしろぉ〜い」 

1人で盛り上がってやがるな、徳永のやつ 
それにひきかえ、雅ちゃんは大人しくなってるな 
とりあえず覚悟きめて被ってみたが、これにあってるのか 
ガラスに映った顔は自分でみるとちょっとキモイな・・・ 
俺が女装させられるのはこの頃から始まってたようだ 

こうして俺は担任にバレないようにクラスメイトの名を語り参加することになった 
で、須藤さんて俺話したことないけど、使ってよかったのかな・・・ 
後が怖いな 

「地味子、頑張ろうね!!」 

すっかり地味子って名前気に入ってやがるな、ずっと呼ばれそうな気がする 
スタートラインにつく前に俺たちは足首を固定することになった 
徳永の黒いけど、きれいな肌の細長い足が触れ合ってくる 
ヤバイな、走るどころじゃねぇよ 

1 緊張してうまく走れるか心配だ 
2 女の子の肌ってスベスベしてるな、と感想をもらす 
3 千奈美、いくわよ、と地味子になりきって乗り切る 



桃子先輩や舞美先輩たちと触れ合ったことはあったが、下半身ってのはあまりなかったかも 
こんなに女の子の肌って柔らかかったんだな〜 
ちょっと参加できてよかったかもって気になってきた 

「女の子の肌ってスベスベしてるっていうけど、徳永の肌はすげぇスベスベしてるなぁ」 
「え?ジミー君、何いってるのさ」 

俺はしみじみと感想をもらしていた 
俺がいった言葉に反応した徳永は驚いたせいで呼び方が戻ってしまった 
今の表情すげぇ女の子ぽかったな 

「あ、ごめん。つい」 
「ついって。これから一緒に走る人にそんなこといわないでよ。走れなくなっちゃうじゃん」 

何だ、徳永のギャップのある反応にドキッとしてなかったか、俺は 

1 じゃあやめる?とわざと意地悪してみせる 
2 からかったわけじゃない、と納得させる 
3 気にしないでと流させる 



何だろう、俺の中に眠っていた悪戯心を刺激するものは 
徳永には悪いが、ちょっと意地悪してみたくなった 
人間、たまには普段できないことができちゃったりするもんだな、こういうとき 

「走れないと参加できないよ。じゃあやめる?」 
「ば、ばかいわないでよ〜ちぃはこれが楽しみなんだから」 
「でも、走れないっていってるじゃん。どうするの?」 
「そ、そ、それは・・・」 
「走るの無理なら棄権しないとだし、早く走るか走らないかいってくれよ」 

我ながら興に乗ってくるとあくどいキャラに変わってるな 

「ん〜ジミー君の意地悪。知らないもんに〜」 

ちょっと怒らせてしまったみたいだな 
ここは機嫌直してもらわないと 

1 怒った顔も可愛いよ、とベタ褒め 
2 今度こそ地味子になって笑いをとる 
3 仕方ないと諦める 



普段は頭で練ってる言葉をいってみようものならじんましんものだ 
それを俺は言おうとしている 
ここは照れ臭いとかいってる場合じゃないな 
徳永の機嫌を直してもらわないとせっかくの女装も無駄になっちまう 

「徳永〜お前、怒った顔も可愛いよ。すげぇ可愛い」 
「え?」 
「俺、ずっとお前のこと可愛いと思ってたんだ。そんなお前に誘ってもらって嬉しかったよ」 
「・・・」 
「だから、一緒に走ろうよ」 
「うそばっかし〜絶対ちぃのことそんな風には思ってないよ。さっきもみやばっかりみてたじゃん。 
ちぃはそんな言葉には騙されません。でも、走るのはやめないよ」 
(ジミー君、ありがと) 

よかった、俺も顔から火吹きそうなくらい熱いが、これでよしだ 
競技の結果はというとアクシデントに見回れるもぶっちぎりの1位を獲得した 
ほとんど徳永の功績が大きかったりするが、これでよかっただろう 

「地味子、ありがとう。おかげで1位取っちゃった」 
「あぁよかった、徳永」 

1 一緒にこの喜びをわかちあいたい、と徳永とはしゃぐ 
2 俺の活躍をみてくれた?と雅ちゃんを探しにいく 
3 名前借りたことだし須藤さん探して謝る 



俺も参加したんだし、一緒に喜びを味わうべきだろうな 
ちょうど昼の休憩だから、徳永誘って昼食を一緒にとろうか 

「なぁ、せっかくだから一緒に昼とらないか?」 
「いいの?じゃあいいとこ知ってるからそこで食べようか」 
「わかった、そこで一緒に食べようか」 

須藤さんと雅ちゃんのことは名残惜しかったが、まぁ徳永と仲良くなるチャンスだしいいかな 

「おまたせ〜」 

両手にバスケットをさげた徳永と一緒に妙な学園の伝説のある場所まできた 
何でもこの樹の下で告白したカップルは結ばれるというものだ 
どこぞのとき○モとかの恋愛ゲームかよ、とつっこみたくなるものが存在する 
青春時代ってのはどこも大差ないんだな 

「ジミー君さ、ちぃのお弁当も食べる?」 
「いや、いいよ。俺の分はあるしさ」 
「食べようよ〜いっぱいあるんだから」 
「悪いって。徳永だって食べるからもってきたんだろうし」 
「いいから」 

1 強く勧められるし素直にもらおう 
2 徳永には悪いが俺って小食だしな 
3 ちょっと様子をみながら決める 



ここは俺の腹の具合とも相談しないとだし、様子見でいこう 

「まずは自分のお弁当食べようぜ」 
「う、うん。自分の食べたらちぃのも食べてくれる?」 
「考えておくよ、その前にお腹いっぱいになっちゃうかもしれないだろ。 
それで徳永のまでもらって残したら悪いじゃん」 
「そんなことは気にしないでいいよ。だって、ちぃはジミー君と食べられるだけで 
嬉しいもん。とにかく食べてほしいんだ」 

さっきからやたら可愛いな、こいつ 
嬉しいもんっていったときの笑顔はまぶしいな 
しかし、ここは心を鬼にして様子見に徹するんだ 

「気持ちだけでも俺は嬉しいよ。その気持ちだけでお腹いっぱいになりそう」 

さっきからよくもこうでたらめなことがいえるな、俺の口はよ 

「う〜ん、ちぃのお弁当もいつでも食べていいからね」 

こうしてようやく昼食開始となった 
そして、広げられたお弁当の中身は・・・とりあえず食べなくてセーフってとこかも 
徳永って家庭科うまくなかったって話だしな 
ま、せっかくだし徳永と楽しく話しながら食べよう 
どんな話題がいいかな 

1 雅ちゃんのことだけどさ〜 
2 徳永ってこの樹の伝説しってる? 
3 徳永といるだけで楽しいから別に会話なんて 



会話もないまま、しばらくの間俺達は食べ続けていた 
どうもこの樹の下にいるってことを意識してるせいか、妙に雰囲気が甘い 
このまんまだと徳永を好きになっちゃいそうだ 
そうだ、とりあえず樹の話でもしてみるか、丁度いいしな 

「徳永ってさ、この樹の伝説知ってるか?」 
「ん?どったの・・・やだぁ、いくらちぃでもそんくらい知ってるよ」 
「じゃあどういうのかいってみろよ」 
「ん〜とね、この樹の下で告白した2人は恋人として結ばれるって話でしょ。 
女の子なら誰だってそういうの憧れてるもんだよ」 
「ははぁ〜ん、もしかしてそれ知っててここ指定したとか?」 

またもちょっぴり意地悪してやるつもりでいってみた。すると 

「え・・・」 

突然、徳永が凍りついてしまった 

「やだなぁ〜ちぃがそこまで計算してるわけないじゃん。ここ景色いいから偶然だって」 
「そ、そうだよな〜いくらなんでもお前が俺を・・・てのは虫が良いよな」 
「そうだよそうだよ、もぉ〜ジミー君ってば。喉つまっちゃうとこだったじゃん」 
「悪い悪い、ははははははは」 
「あはははははははははは」 

今にして思えば、徳永って思いっきり俺のこと好きだったってわかるんだが、 
当時の俺は鈍かったし、自分に自信がなかったから避けてしまっていた 
惜しいことしてるんだな、つくづく 

アルバムを閉じ、仕事へ向かった俺はこの日だけは千奈美の顔をまともにはみられなかった 
だって、今みたらきっと千奈美のことすげぇ愛しちゃうだろうから