… 

…… 

……… 

ん? 
寝てしまったか 
そう言えば、舞ちゃんは… 


『ぐすっ、ううぅ…。』 

ま、舞ちゃんが俺の胸で泣いてる!? 
どうしたんだ一体… 


どうやら俺が起きた事にも気付いていないようだ 



1.このまま泣き止むまで待ってる 
2.『舞ちゃん?どうしたの?』 
3.無言でぎゅっと抱きしめる 



何故泣いているかわからないまま、俺はぎゅっと舞ちゃんを抱きしめた 
屈託のない笑顔で、お兄ちゃんと親しんでくれる舞ちゃんの突然の涙を見て、俺はそうせずにはいられなかった― 


しばらくして舞ちゃんが泣き止んだ 
『お兄ちゃんごめんね、ありがとう』 

俺は抱きしめていた腕をゆるめた 

『舞ちゃん、どうしたの?』 


1.『舞の事、嫌いになったりしない?』 
2.『ううん、なんでもないよ』 



『舞の事、嫌いになったりしない?』 
『当たり前だろ』 
『本当に?』 
『俺の事信じれない?』 
『だってお兄ちゃんエッチだし』 
『いや、それはそうだけど…じゃなくて!』 
『じゃあ、これは何?』 
『うっ…!?』 


1.息子が大変な事に…一体いつの間に 
2.ま、舞ちゃん?なんで下着姿に… 
3.ちょっ、いきなり下脱がないでよ 



うっ…息子が大変な事に 
俺はこんなちっちゃな子に欲情してるのか、情けない… 

シュンとしてる俺から離れ、舞ちゃんが周りを歩きながら口を開く 
『大人の人ってどうしてそんなにエッチなの、舞わからないよ…』 
『い、いやね舞ちゃんこれは…』 

『みんなそう、舞とみんなと何処が違うのよ〜』 
俺の言い訳を聞く気配はなく、淡々と話を続ける舞ちゃん 
『舞って、そんなに子供なの?愛理や千聖と1つしか違わないんだよ』 
『………』 
『私、どうしたらいいのかわからない!みんな舞を一人にしないでよ!!』 

確かな怒りを露にした声を張り上げたと思いきや、またもや泣き出す舞ちゃん 


1.『舞ちゃん、落ち着いて!』 
2.さっきより強く抱きしめる 



これはただ事じゃない 
俺はさっきよりも強く、しかし深く優しく舞ちゃんを抱きしめた―― 



どれくらい経っただろうか 
びーびー泣きじゃくる舞ちゃんを抱きしめ、頭を撫でて『大丈夫だから・・・』と慰めていると、舞ちゃんはようやく泣き止み、口を開いた 

『今のお兄ちゃんになら、舞の悩みを打ち明けられるよ。 
お願いだから、舞の事を嫌いにならないで聞いて』 
『あぁ…何でも言ってごらん』 


1.『舞って、そんなに子供?』 
2.『お願い、栞菜を何とかして!』 



『舞って、そんなに子供?』 
『…え?』 
『答えて!』 

うっ… 
泣き止みはしたが、すごい剣幕と気迫だ 
今でこそ顔を膨らませて、目は真剣そのものであるが、おそらく精神的に不安定なのだろう 
茶を濁すような迂闊な返答は出来ないな 


1.『まだ子供だよ』 
2.『もう大人だよ』 



『まだ子供だよ』 
『やっぱり…か』 
目を細め、うなだれる舞ちゃん 

『何で子供とか大人とか、そういうのにこだわるの? 
舞ちゃんは舞ちゃんでしょ! 
子供っぽい舞ちゃんのままでいいじゃん』 
『…』 
『下手に背伸びしようとしてる舞ちゃんは、好きじゃない…』 
ハッと我に返り、口を塞ぐと今にも泣きだしそうな舞ちゃん 
どどど、どうしよう・・・ 


1.謝る 
2.話を続ける 



『俺は、今のままの舞ちゃんが好きだよ』 
『…でも、してくれないんでしょ?』 



『………へ?』 
気が付くと、さっきはビンビンだった息子がしぼんでる 
おかしいな、他の子なら間違いなくとっくにしてるだろうに・・・ 
『舞ちゃんが心配だったから、それどころじゃないよ! 
それよりも・・・ 


1.なんであんなに泣いていたの? 
2.なんでそんなに大人になりたいの? 



『それよりも・・・なんであんなに泣いていたの?』 
『…』 
『じゃあ、どうしてそんなに大人になりたがるの?』 
『…みんなが…』 
『?』 
『℃-uteのみんなが、どんどん遠くに行っちゃう・・・ 
舞だけ一人ぼっちなのは嫌だよ 
昔みたいに愛理や千聖達と仲良くいたいよぉ・・・うぅ』 
『ちょちょちょ、ちょっと待ってよ舞ちゃん・・・ 


1.あんなに仲良さそうじゃないか』 
2.誰かに虐められてるのか?』 
3.もしかして…俺のせい…?』 



もしかして…俺のせい…?』 
黙ってコクリと頷く舞ちゃん 
『ごめん…本当に、ごめん』 
俺の浅はかな行動が、こんなちっちゃな子を深く傷付けたかと思うといたたまれなくなり、ただただ謝るしか出来なかった 

『…でもね』 
深々と頭を下げる俺の顔をあげ、舞ちゃんが口を開く 
『それだけじゃないの』 
『?と言うと…?』 
『お兄ちゃんが℃-uteのみんなにエッチな事をする前から、関係が壊れ始めてたの…』 

舞ちゃんの話ではこうだ 
栞菜が入ってしばらくして、愛理が舞ちゃんより栞菜を優先する様になってしまった 
栞菜は愛理に手を出したのを皮切りに、舞美・えりかちゃん・〇〇さん…と、舞ちゃんが頼って相談出来る相手を奪われてしまった 
栞菜を制御出来てた村上と言う子もいなくなり、正義感が強かった早貴ちゃんも喰われて・・・ 
でもせめて岡井ちゃんとは仲良くいたかったし、幸いにも栞菜に手を出されていなかったから、岡井ちゃんとの絆が最後の糸だった 
しかし俺が岡井ちゃんに手を出したばかりに、舞ちゃんは孤立・・・ 

俺はどうしたらいい?どうしたら、舞ちゃんや℃-uteのみんなを救えるのだろう…? 
あれこれ悩んでいると、舞ちゃんが再び話を始めた 
『それでね、私思ったの 
「愛理さえ奪われなければ、栞菜さえいなければ、私達はいつまでも仲良くいれたのに!」って・・・ 
舞、イケない子だよね・・・ 
こんな悪い子じゃ、お兄ちゃんにも、愛理や千聖にも嫌われちゃうよ・・・』 
その小さな体を小刻みに震わせ、目からは大粒の涙が腺を切って溢れ出していた 
俺はどうする事も出来なく、ただただ舞ちゃんを抱きしめ、泣いた 



二人とも気分が落ち着いた頃、約束の指切りを交わした 
『俺が何とかするから、舞ちゃんももう泣かないで』 
『うん、わかったよ』 
コンコン 
ドアを叩く音がした 
『マネージャーさ〜ん、舞ちゃ〜ん、もうご飯の時間だよ〜』 
舞美が呼んでる 
もうそんな時間か 

『さぁ行こ、お兄ちゃん』 
俺は舞ちゃんと仲良く、兄妹のように手を繋いで部屋を後にした―――