「はっ!!」 ゆ、夢か。よかった…現実ならもう終わってたぜ。 (あなたの好きにはさせないからね) あ〜〜こぇえ。夢の中にまであいつが出てきやがるとはな… せっかくの休みなのに最悪な目覚めになってしまった。 「有原…栞、菜」 その名を口にしてみて、すぐに体中に寒気がしてきた。俺は余程びびってるらしい 「シャワー浴びてから気晴らしに散歩でもいくか」 「う〜寒っ!」 もう季節は秋なんだな。Tシャツじゃ朝は肌寒いくらいだ 「ん?」 少し歩いてるうちに壁に向かってボールを蹴っている子を見つけた。 「あの子見覚えあるぞ」 1 キュートの子だよな?間違いない 2 近所にいるピンポンダッシュする悪ガキだな 3 外国の子供か。親は何人だ? ぱっと見、日本人には見えないな。外国人の男の子だろう。 しかしどこの国籍の子なんだ…?アメリカ系統やヨーロッパ系統とは明らかに違うぞ 「そこの人、僕に何か用?」 いきなり話し掛けられた事と日本語を話せた事、二つに驚いた 「聞こえてる?君だよ君。そこにいる人」 かなり流暢にしゃべるんだな〜。まだ小さいのになかなか頭がいいんだ …あれ?待てよ、この子の顔見覚えある様な 1 岡井ちゃんか!キュートの! 2 近いうちに俺のとこに親戚が遊びに来るって電話あったな 3 難民か。かわいそうに… かわいそうにな。まだ小さいのに…祖国を戦争で追われたんだろう 「ちょっ、何?なんでいきなり泣いてるの?」 「…苦労してるんだね」 「え…苦労?」 そのボロボロのサッカーボールはきっと亡くなったお爺ちゃんの形見に違いない… 「こんなの苦労じゃないよ!ガッタスのスタメンになるにはもっとガンバらなきゃ!」 …あ?ガッタス? なんだって、ガッタスってフットサルのあれか。 1 君キュートの… 2 練習相手はいないのか? 3 外人枠無いよ。まして難民枠とか(苦笑) 思い出した!ようやく思い出したぞ。この子はあの子だ間違いない 「岡井千聖ちゃんに会えるなんてびっくりしたよ」 「どうして僕の名前を?初対面でしょ」 俺は自分の事を彼女に紹介した。 「ふ〜ん…君がそのマネージャー。ウワサには聞いてたけど」 じろじろ俺を見つめる岡井ちゃん。意外に目付きは鋭いんだな 「思ってたより小さいね。顔も女の子みたいだ」 「あははよく言われる。岡井ちゃんよりは女の子っぽいかな〜?」 「……」 あら?黙った?やばっ地雷踏んだか! 1 ごめん冗談! 2 いやいや岡井ちゃんがかっこいいって意味で 3 気にしてた?チサト君。な〜んて… 「ごめん。冗だ…」 謝ろうとした時岡井ちゃんがやけに明るく言った 「やっぱ僕って男の子に見えるよね?自分じゃ気に入ってるよ」 自分のいるグループは女の子らしいのが多いから、一人だけ男の子らしいのは個性的だ。 そうやってマネージャーに言われたのがうれしいらしい 「それより早くガッタスに入りたいんだ。あそこなら僕のすべてを燃やせるはずだから」 な、なんだ、急に話が変わったぞ。それに目もきらきら光ってる 「でもね…僕シュートがダメって言われたんだ。どうしてだろう」 シュート、か。なるほど 熱い子だな。目標に向かってひたむきに頑張ってる、今時貴重な娘だ 1 練習を手伝う 2 まず体を見せてごらんと言い触る 3 僕っ子は需要が無いからじゃねーのか… 「まず体がしっかりしてなければガッタスには選ばれないよ」 「体には自信あるんだよ!」 「じゃ俺に見せてごらん。まずお腹」 明らかに怪しいのに素直に言うことに従う岡井ちゃん。 ん〜…ほう、これはなかなかの腹筋。浅黒く健康的だ… 「足もしっかりしてなきゃいけないな。確かめてあげる」 「えっ、ちょ、くすぐったいよぉ〜」 うむ。同年代の娘よりしっかりした筋肉だ。この体なら… だが何故か反応しない。俺はロリ持ちでもペド無しなのか? 「ねぇ、僕のシュート見て!」 1 いいよ、来なさい 2 適当に切り上げるか…ふぅ 3 見事な寸胴、ぺったんこ。やーめた 「いっくよ〜!」 服の上から見るかぎりじゃ胸は無いな。あと二、三年待つってとこか ¨ドォン¨ …ん?なんだ、今何か当たったか? 音のした方を見るとドラム缶が倒れボールが転がっていた。 「今見てなかったでしょ?もう一回やるから見ててよ〜」 ちょ…ちょっと待て。まさか今のは彼女の仕業か 「それっ!」 また鈍い音がした。今度はコンクリートの壁に穴が開いた… 「ん〜。やっぱダメだな。キーパーいたらもっと力出せるのに」 なんですって?!これでまだ全力じゃないのか! 「お願い。僕に力をかしてほしい」 君は俺に氏ねというのかい? でも俺こういう可愛い表情に弱いの… 1 引き受ける。 2 待って。装備してから 3 逃走 や、やってしまった。口が「いいよ。キーパーやってやる」と 「いっくよ〜!ちゃんと受けとめてね!」 ドラム缶を薙ぎ倒しコンクリを破壊したシュートがく、くるっ! 「やっ!」 うわっ!きた!早いぞ…早い、だめだ、当たったら死ぬっ 「うわああああぁあ!」 しゃがんだ俺の頭をかすめて後ろの壁をえぐった殺人シュート。 「け…煙出てないか?」 その情けない姿を見て岡井ちゃんが怒る 「ちゃんと止めてって言ったじゃん!次いくよっ」 わぁあきた!二球目…やばい、当たる…! 1 自棄だっ、受けとめてやる! 2 カレーなステップでまた避ける 3 当たって死んだふりしてやり過ごす 4 右から左へ受け流す 俺はやればできる子なんだ!やってやる! 「うぉおぉお……!」 正面からボールにぶつかり両手で受けとめた。 「うっ、くっ!」 なぁんだ、思ったより痛くないんだな。あ〜怖かった… 「すっ…ごーい!」 岡井ちゃんが今のを見て走ってきた。 「わぁっ?!」 そしていきなり俺にハグしてきたのだ!力いっぱい 「すごーい!僕のシュート受けとめた人初めて見たよ!」 おいおい。大胆な娘だな 1 胸が当たってる…うわぁあぁ 2 かっこつける 3 あれ?腕が痛いぞ…? ごめん岡井ちゃん…君を甘く見ていた事を謝るよ。 着痩せするんだね。俺の体にやわらかな膨らみが当たってるよ 「君なら僕のキーパーになれそうだ!誰も止められなかったシュートを…すごいよ!」 確かにあんなの間違いなく死亡だよな。頭に当たったら即死だろう。 「君がキーパーならもっといいシュートが打てる様になれそうだよ〜」 いいね。こういう一生懸命な目、大好きだよ。 「ねぇお願い。また時間空いたら僕と練習して!」 思わぬお願いだな 1 いいよ。君をガッタスに連れていく 2 まずは身近なお付き合いからだね 3 俺は自殺志願者じゃねーよ 思わぬところでラッキーな目に会ったな。よしっ 「練習もいいがまず身近なお付き合いだね」 「身近な?どういう事だい」 「岡井ちゃんの事をよく知りたいんだ。たとえばその…中身(服の)とか」 「中身…あぁ。僕の性格とか?う〜ん…」 ちょっと考えてるみたいだな。まだ早いかな? 「いいよ。OK」 やった!まさかこんなにあっさりいくとは 「ごめん、今日はこの後用事があるんだ」 また休みの時に電話する約束をして岡井ちゃんと別れた。 「僕、かぁ…」 新しいタイプだな。ペドは範囲外だったがなかなかいい体だ… 「私の話全然聞かないんだからチサト。近づくなって言ったのに」 「そうだね〜。って何の話?」 まだ岡井ちゃんがいると思って後ろからした声に振り向いたら 「うわぁあぁあぁああぁああぁあぁ!!!」 い、いつの間に?! 「見てたよ。全部ね」 「か…栞菜ちゃん、奇遇だね〜こんな所で。あ、今ヒマ?いっしょに…!」 急に目付きが鋭くなり俺は何もしゃべれなくなってしまう。 「これ以上何かしたら…わかるよね?」 1 承知してます 2 何が?はっきり言いなよ 3 気に入らないならどうする気なの 「気に入らないみたいだね。俺がみんなと仲良くするのが」 「当たり前でしょう」 「俺が気に入らないならどうするつもりだい?」 栞菜ちゃんが倒れたドラム缶を指差した。 「…あれは。さっき岡井ちゃんが倒した…」 そして俺を指差し、ニヤリと笑った。 「脅しじゃないわよ?あなたはもう皆とかかわっちゃったしね」 完全に敵対してしまった様だ。でも…俺は嫌だ こんな可愛い娘に嫌われるなんて嫌だ。可愛い顔が悪い顔に変わるなんて… 「次に会った時は無事じゃ済まないから」 そう言って栞菜ちゃんは去っていった。 「…でも、そんな体じゃしばらくは悪戯できないでしょうけど」 去りぎわに謎の言葉を残して… 「はぁ〜〜〜〜。なんでこうなるんだよぉ」 雅ちゃんにも嫌われたけど憎まれたわけじゃなかったのに… 「…ん…?」 自分の腕を見ると変な方向にまがっていた。 「い、医者〜〜〜〜!誰か医者を〜〜〜〜〜!」 岡井ちゃんのシュートもおそろしい。 俺はどうやらとんでもない方角に進み始めた様だ